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ジャプン ベチャ ベチャ
ジョーカーは攻撃をかわしながら木枠の中の灰色の液溜の中に入り、
ロビンの攻撃をかわし続けた
ロビンは自分がどの場所で攻撃をしているのかなど気にもせずに攻撃を続けた
どこかに隠れて体力の回復を待てば今頃はすっかり元通りだっただろう
体はかわされ続ける攻撃を強いられ解放された時よりも弱っていた
体の火照りも戦闘中にもかかわらずに気になる程までにひくうなっていた
ズルッ バチャァァァン
ジョーカーへの攻撃があたらないことに焦りを感じ、
余計に攻撃が雑になっていたロビンの大振りなパンチが外れ体のバランスを崩し、
液溜の中に転んでしまった。
その時だった、攻撃をかわすだけだったジョーカーが転んだロビンの背後に回り
ロビンを羽交い締めにしたのだった
ロビン:し、しまった
ジョーカー:けっけっけっけっ、もうおしまい、もうおしまい、もうおしまい・・・
ロビン:?!
ロビンの両脇から手を通し羽交い締めにし、両足でロビンの脚に絡みつき
ロビンを液溜の中に沈ませたジョーカーは壊れた様に同じ言葉を繰り返した
ハーレー:あらあら、鬼ごっこはもうおしまい?
ロビン:こ、これはどういうことだ?
ジョーカー:それは俺じゃないってことだよ、ロビン
ロビン:?! どうしてお前がそこにいる?
ジョーカー:どうしてって?俺がここにいちゃいけない理由でもあるのかい?
ハーレー:ダーリン、あのお人形のことを言ってるんじゃないかしら?
ジョーカー:あぁ、そうかそうか お前を捕まえているのはロボットだよ、ロボット
ロビン:な、何?
ロビンが今まで戦っていた相手は憎きジョーカーではなく、
姿ばかり似たロボットだった
それがわかってもロビンにはすでに手遅れだった
力強く四肢の自由を奪われ、灰色の液溜の中に寝かされる状態をとるしかなかった
ジョーカー:さぁさ、お前ら、捕まえた鳥の活きが下がらないうちに仕上げに入るぞ
ロビン:?!な、何をするつもりだ!
ジョーカー:まぁ後のお楽しみだ、ひぃぃーひっひっひっ
ジョーカーの合図で手下達がロビンの沈められている木枠を
妖しげなベルトコンベアの上に載せた
ハーレー:見て、ダーリン コマドリちゃん、あそこが緊張しまくりよ!
ジョーカー:おやおや、もう効き目が出るとは、ウブだねぇ ひぃぃっひっひっ
ロビン:な、何の事だ!
ジョーカー:俺の手下が本気でお前を解放すると思ったのか?
ロビン:?!
ハーレー:あのキスにはあなたの体を緊張状態にする薬が塗られていたのよ、お馬鹿さんねぇ
ジョーカー:さぁ、スイッチを入れろ!仕上げだぁ
自分を解放してくれた手下の行動もジョーカーの作戦のうちだった、
その事実にロビンは愕然となり何も言えなかった
そのショックを受けた心境とは裏腹に股間は勃起状態を維持し乳首もたったままだった
灰色の液体に体を沈めたまま、妖しげな機械の中に飲み込まれていくロビン
シャァァァァァァ
ロビンの頭上から濃い灰色の液体がシャワーの様に降り注いだ
見る間に木枠の中の水位は増し、ロボットはすっかり液体の中に沈み、
ロビンの体も液体に浸かる部分が多くなった
しばらくして、シャワーが納まる頃にはロビンの体は羽交い締めされている部分の
肩や足首のあたりは完全に液につかり、頭や他の体の部分も液体に完全に沈む事は
なかったが、液体から完全に出る部分は何処にもなかった
そして、シャワーが止まるのを合図にしたようにベルトコンベアは再び進み始めた
ロビン:(バットマン、間に合わなかったなぁ・・・・・)
ロビンは心の中でバットマンですらも、すでに自分を助ける事が不可能なことを悟り、
自分はこの先できっと殺されてしまうと覚悟した
ベルトコンベアの進んだ先は特に前の部屋と同じ様なものだった
しかし、先ほどと違ったのは木枠が完全に部屋に入ると、前後の扉がしっかりとしまり、
密閉状態になったのだった
そして、勢いよく天井からガスが吹き出し小さな小部屋一杯にガスが満たされた
工場内の妖しげな機械の中、ガスに満たされた小部屋があった
ガスが晴れてきた頃、出口の扉が開き何かがベルトコンベアに載って出てきた
そこにあったのは、木枠の中で完全に石にされたロビンだった
木枠の中の液溜も石になり、ロビンは苦し紛れに天に助けを求める様に手をあげ固まっていた
ジョーカー:ひぃぃぃっひっひっひ、良いできばえじゃないか
ハーレー:そうねぇ、良い感じねぇ、ダーリン
工場にはジョーカーの高笑いが響き、手下に抱えられた壁掛けと化したロビンは
ジョーカーのアジトに連れ去られた