壮絶の獅子ライガー(2)

 

「カーン」乾いた鐘の音が部屋に響く。

デスマッチ・・・・・「死」の試合の開始だ!

奴との身長さは約15センチ・・・で体重は目算で約20キロはありそうだ・・

速攻で奴のスタミナを奪わないと俺には不利な戦いだ。

「へぇ、化け物野郎、お前も仲間のウジャウジャ居るところへ今すぐ送ってやるぜ覚悟しな」

と俺が叫びながらリング中央まで突進し掛けた時「ふん 威勢だけのいいガキが!」とだけ

言い放つと瞬時にリングの中央まで移動した。

そして大方の予想を裏切りオーソドックな力比べから始まった。

俺は大股を開き、逆三角形の引き締まった上半身に・・・特に両腕に力を集中し

デビルスコ−ピオンの馬鹿力に耐えながらも上目遣いに奴を睨みつけながら

「化物に馬鹿力は付きモンだなデビルスコ−ピオン えー   うぐぅぅぅ・・・・・」

突然、大股全開の俺の股間に激しい激痛が走った・・・・

デビルスコ−ピオンの尻尾の部分が

俺の股間に打ちつけられている。

「うぐぅぅぅ・・・・ひ、卑怯だぞデビルスコ−ピオン。汚ねぇー真似しゃがって・・・・・」

それまで開いていた股を内股に閉じ、ガタガタと震える足でなんとか立ってはいるが、

内臓から突き上げてくる独特の痛みに耐えきれず、俺は方膝をリングについてしまった。

手で打ちつけられた股間をカバーしたいのだが、両手は相変わらず奴に掴まれているから

押さえつけることが出来ない。

そんな時、頭の上から奴の声がした「どうだ?ライガー楽に殺してやってもいいんだぞ・・・

ガハハハ・・そうだいいことを1つだけ教えておいてやる。

俺様の尻尾は俺様の意思で全方向の敵を襲うことが出来る・・

今、お前の股間を打ち据えたようになガハハハハ・・・・・

それにどんな毒薬でも打ち込めるし同時に吐き出すことも出来る

お前のようなガキに俺様を倒すことが出来るのか?。ガハハハ・・・・・」

情け無い表情でリングに方膝を付き股間から湧きあがる激痛に耐えながらも、

次の展開を考える・・・・・

が、今度は、いきなり引っ張り上げられデビルスコ−ピオンの頭上を通り越え奴の背後の

マットに叩きつけられる。

「ぐはあぁぁぁ・・」

そして今度も又引っ張り上げられ同じコースで今度は胸からマットに叩き着けられる。

「ぐうぅぅぅぅ・・・・・」

そんな狂気に満ちた攻撃が10数回目を数えた。

俺の口からは涎と泡が交互に出てあどけない顔にそれらがかかるたび観客席からは

歓声が上がる。

マットに叩きつけられた為、俺の全身は激しくピクンピクンと痙攣させる。

 

仰向けになり、マットに沈む俺に休む暇なくデビルスコ−ピオンの猛攻は続く

「どうしたー?ライガーこんなことぐらいでもうおネンネかぁ?

もっともっと俺を楽しませてくれよ ガハハハ・・・・・」と

高笑いと嘲りの言葉を俺に投げつけ容赦なくわき腹に

マシンガンキックを放ち続ける

ガッン・ガッン・ドガッ ・・・・・・・・・・・・・・・・・

奴のキックが決まるたび俺は身体をくねらせて、マットの上を転がり廻った・・・・

俺の身体からは汗が滲み出て、転げまわったマットの部分はまるでリトマス試験紙のように

俺が転げまわった部分のマットの生地の色が白から赤へと変わりリングの中央と俺が四肢を

伸ばす部分ぐらいの場所に次第にデーモン一族のシンボルマークが徐々に浮かび上がってきた。

まるで、俺のデータを正確に割り出したかのような配置に嫌忌を感じずにはいられなかったが、

俺は「ふん!何が仕掛けを施した特製リングだ!てぇめぇーらの不気味でセンスの欠片の無い

マークが浮き出てきただけじゃねぇーか」

とデビルスコ−ピオンに毒づいた。

そして、一気に攻勢に出るためにコーナーの天辺から奴に向かってドロップキック、

ミサイルキック、延髄切り、カンガルーキックを次々と決めた。

 

硬く不気味な蠍の殻に守られたデビルスコ−ピオンにも俺の速攻が効き目を現したように

リングの中央でフラフラと舞い出した。

そして、リングのロープで今まで以上に反動を付けてデビルスコ−ピオンの顔面目掛けて

顔面ウオッシュドロップキックを決めようとした・・・・

その時だった。