ウルトラマンレオ(2)

 

 「それじゃあ、まずはエネルギーのある場所を探しますかね」

 ブニョの左右の耳の穴から、細い針金状の触覚が出現すると、

触覚はそのままニョキニョキとレオの顔面近くまで伸びていく。

 触覚の先端はレオの顔面スレスレに達すると、かすかに弱い光を放った。

「ふむ……ここは違うな……」

 ブニョは触角の位置を徐々に下げていく。

赤く点滅するレオのカラータイマーの位置までくると、触覚は先ほどよりも少しだけ強く

輝きだした。

「ここにはエネルギーがあるが、もう残りは僅かだな……」

 地球人と異星人とを識別する能力を持つ、そのブニョの触覚は、エネルギー探知機の

役割も兼ねているのだった。

 触覚の先端は、そのままゆっくりとレオの腹部の上を通過し、無防備にさらけ出された

下腹部へと到達する。

 ピコ〜ン!ピコ〜ン!ピコ〜ン!

 激しいシグナル音を放ち、今までに無い強い光を明滅させる触覚。

「うひひひぃ、やっぱりここか〜。

 覚悟しろよレオ、これからたっぷりとエネルギーを吸ってやるからなぁ。

 ひっひっひ、まずはこの部分だけ解凍するとするか。

 こんなにカチンコチンじゃあ、作業が出来ないしな」

 ブニョは触覚を回収すると、人間体と巨大円盤生命体との中間に位置する、

 ナメクジとヒキガエルを掛け合わせたような、なんとも醜悪な姿へと変身した。

「さぁ、解凍開始だ」

 ブニョは口を筒状に変化させると、そこから激しい熱風をレオの股間めがけて吹きつけた。

 熱風を受けたレオの下腹部を覆う氷と霜は、たちまち解け始め、

その部分だけ光沢のある真紅の肌があらわになる。

「むぅ?な……いったい何をするつもりだ?」

 下腹部だけを氷の呪縛から開放され、体の中で最も敏感な部分に、

今までの冷気とは全く逆の、熱さを感じ取ったレオは動揺を隠せない。

「うへへへ、こうするのよ!」

 ブニョは熱風を止めると、今度は腕程も太さがある巨大な舌を、口から吐き出した。

 ブニョの舌はまるで獲物を狙う大蛇のように、クネクネと体をくねらせながら、

正義の超人の下腹部目がけて進んでいく。

「うっ!くそぉ……!!」

 深緑色の怪しげな粘液を滴らせ、意思を持った軟体生物のように蠢きながら迫り来る

ブニョの舌に、嫌悪と恐怖を抱いたレオは、必死に体を動かそうと試みるが、

股間以外の全身を覆う氷の呪縛は頑強で、まったく身動きを取ることが出来ない。

 寒さと疲労で薄れかかった意識を、かろうじて取り戻したレオだが、

迫り来る危機に抵抗する手段を何一つ持ってはいない。

 ブニョの舌先はそのまま、ニチャリと嫌らしい音を立てて、レオの下腹部の中心、

股間の僅かな膨らみへと突き立てられる。

「うぁっ!……」

 感覚を取り戻したばかりの股間を、いきなり刺激され、思わず声を上げるレオ。

「きひひひっ、まだまだこれからだぞレオ!

 ほ〜ら、これでどうだ!」

 ブニョは自分の舌先を器用に操作し、レオの股間の膨らみを次々と刺激していく。

 ツンツンと何度も股間の膨らみを突付いた舌は、次に膨らみを中心にレロレロと

円を描くように舐め回す。

「あっ、ああぁ…くっぅぅぅ………」

 ザラザラとした舌先で、敏感な股間に巧みな刺激を受け、ウルトラ戦士の叫びは

徐々に熱い喘ぎへと変わっていく。

「くっ…や、止めろぉ…そんなことをしても無駄だ。

 俺は貴様にエネルギーを奪われたりは…しないぞっ…」

「ふははっ、無駄かどうかを決めるのは、まだ早いぞ」

 板状に広げられたブニョの舌先が、レオの股間全体を包み込むように張り付き、

今度は徐々に硬くなってきた膨らみを、揉みほぐすようにゆっくりとコネあげる。

「ぐっ!……く、あぁぁぁぁ〜……」

 必死に耐えようとするも、股間から突き上げるように全身に広がる淫波に、

激しく悶えてしまうレオ。

自分の下腹部を我が物顔で陵辱するグロテスクな舌を、跳ね除けようと全身に力を込めるが、

氷付けにされ感覚を失った手足は、小刻みにカクカクと震えるだけだ。

「さ〜て、そろそろ頃合かな?」

 ブニョは一旦舌を口の中に戻すと、レオの股間を覗き込む。

卑劣な星人の舌に蹂躙され、深緑色の粘液にベトベトに濡れたそこは、

今や完全に勃起し、竿の形がクッキリと浮き出ている。

「いひひひっ、いいねぇ。どれどれエネルギーの方は?」

 再びブニョの耳から触覚が現れ、レオの股間へと向かうと、

触覚の先端は直視できぬ程の強い光を放ち、明滅するスピードも格段に速くなっていた。

 フラッシュの様に激しい光が、薄暗い身体処理室の内部を、真昼のように照らしだす。

「むぅ、ブニョよ、これは一体どういうことだ?」

 黙って成り行きを見守っていたブラック指令であったが、

突然の事態に思わず口を出す。

「簡単なことですよ。全身に残されていたこいつのエネルギーは今、

 この部分に集中してるんです。

 へへへ、今にも噴出しそうな程にね」

「なるほど……、そこからエネルギーを吸収してしまえば、レオの命は燃え尽き、

 お前のパワーも格段に上がるというわけか」

「ええ、後は煮るなり焼くなり、ノコギリでバラバラにするなり指令のお好きなように。

 これでレオは2度と復活することは出来ませんよ」

「ならば、せっかく集めたエネルギーが分散してしまう前に、

 さっさと吸収してしまった方が良いのではないか?」

 ブラック指令は、どこまでもマイペースなブニョに、少々苛立ち始める。

「心配には及びませんよ。もうレオのエネルギーが分散されることはありません。

 ひひひっ、むしろ時間が経つほどに更に股間に集中していくでしょう。

 ほら、良く見てごらんなさい」

「………む?これはどういうことだ?」

 ブニョの言葉を受け、レオに視線を戻したブラック指令は、予想外の光景を目にし、

驚愕の声をあげる。