不等価交換

第8話 (3→4日目)

 あれからどのくらいの時間が経過しただろう・・・・。

 体をパックする液体もすでに半透明などですらなく、色の濃さが議論できるまでに濃縮されていた。

 当初は聞こえていたsupermanの悲鳴も聞こえなくなり静かな部屋に足音が響いた。


マケット:superman、生きているかい?

superman:(あ、頭が・・わ、割れそうだ・・・・)

マケット:今日の新しい項目を伝えに来たよ

superman:(こ、この状態を・・・早く解除・・してくれ・・・)

マケット:ドリンク、パック・・・次はデコレーションだ

superman:(・・・?・・・)


ポチッ・・・・ウィィィィィィィン・・・プシュゥゥゥゥゥゥ


superman:くはっ・・はぁ・・・はぁ・・・・

マケット:本来の商談では君を綺麗に着飾るところなのだが

superman:(ゴクリ)

マケット:今回は・・・・ん?・・・

      おや、また事故が起きたようだ、行けるかね?superman

superman:あ、あぁ・・ただ、私のスーツが見当たらないのだが・・・

マケット:それなら、私が手入れをしておいた、ほら、そこに

superman:・・・・?!・・・こ、これは・・・・


 マケットの指す先にある容器からスーツを引き上げると布同士が触れただけで糸をひき、

見るも無残な正義のシンボルが現れた。

 コスチュームには粘液が塗りこまれており、不快感が増しているのは明白だった。

 手入れとは名ばかりでシミはそのまま残されており、不快感だけが増している・・・

誇るべきコスチュームまでもがsupermanを苦しめる道具に成り下がってしまったのだ。。

 しかし、事故現場の人を思い大切なスーツへの仕打ちに震えるほど怒りがこみ上げたのだが、

ここまで我慢したマケットの機嫌を損ねるのは得策ではないと考え、袖を通していく。

 元々密着性の高かったスーツではあるが、今は張り付くという表現が正しい着心地だった。

 ビキニがスーツと擦れる度に糸が生じ惨めさが桁違いである。

 マントもぴったりと背中に張り付き、装着する意味さえないほどだった。

 ブーツはさらに酷いものだった。

中にこの粘着液が溜まっており、脚を入れるとあふれ出してブーツ表面を汚していく。

 歩く度に不快な音を立て、足裏は地面に名残惜しそうに糸を伸ばす。


ブチュッ・・・ブチュッ・・・・

ヌラァァァァ・・・ヌラァァァァ・・・・


マケット:よく似合うよ、superman

superman:・・・っ・・・・・人助けに・・・行ってくる


 歩くたびに不快な音をたて、糸を引いていく。

 用意された出口から糸を引きながら飛び立ち事故現場へと急行する。

 飛行中もマントは一切背中から離れることはなく、時折、粘液が飛び散り糸をひくくらいだった。


superman:現場は・・・・あそこか・・・・・

リポーター:今日もこの事故現場にsupermanが来てくれました!

市民:やった、あの人もこれで助かる!

市民:ありがとう、superman!


 今にも焼け落ちそうな燃えた家に取り残された男性。

 消防隊でもどうしようもなく困っていたところに間に合ったsuperman。

 炎の中に飛び込みスーパーブレスで炎を吹き飛ばして男性を抱え救助した。


男性:あり・・がとう・・・・superman

superman:・・・・・・すまない・・・・


 男性を皆の待つ広場に下ろすとそのまま一直線にマケットの元へと帰っていた。

 救助された男性の体にはsupermanが触れたために残った粘液が糸を引いていた・・・。


市民:おい・・・やっぱり何か変だぞ、superman

市民:あぁ・・・なんであんなにスーツが・・・・


 救助されたことへの歓喜の喜びはなく、複雑な表情でsupermanの去った空を見つめていた。





マケット:おかえり、早かったじゃないか

superman:・・・・・

マケット:さぁ、今日の新しい項目に移ろう

superman:・・・あぁ・・・・・

マケット:マントを外して、ここに跪くんだ


 失意のままに言われた通りに動くヒーロー。

 その首に紐を通しいくつかの輪を編んだかと思えば2本の紐を股間に通し

勃起した竿を縛り上げると背中に回り、首にかけた輪に紐を通して一気に引っ張りあげた。
 

superman:・・・んぐっ・・・

マケット:綺麗にしてあげるから心配しないでいいよ、superman


 そこから胸元に作った複数の輪にサイドから紐を通しては背中に戻り、

また輪に通すことを繰り返す。

 大切なお人形を着飾るように、マケットは大切に大切にその作業を進めていく。

 ヒーローがショックから立ち直れないでいる間に

屈辱的なデコレーション・・・亀甲縛りが完成してしまっていた。

 仕上げとばかりに両足首を頑丈な足枷でぴったりロックし、

両手首もまた背面に回され同じように頑丈な手枷でくくってしまったのだ。

その足枷と手枷がワイヤーで結ばれ、supermanは瞬く間に姿勢を制御されてしまっていた。


superman:・・・こ、これは・・・・

マケット:どうだい?かっこいいだろう?

superman:こ、これで100人・・・

マケット:あぁ、解放したとも

superman:よかった・・・

マケット:マントを戻して・・これで完璧だ。

      これで誰が見てもsuperman本人が卑猥なことをしているように見えるね

superman:・・・?!・・・・

マケット:僕はこの後、ここでフィード君から取材を受けるんだよ。

superman:・・・そ、そんな・・・早く外してください

マケット:何を言っているんだい?2倍のコースがそんなに楽なわけないだろう?

      明日の朝までそのままだ

superman:(くそっ・・・解けない・・・・)

マケット:もうそろそろ到着する頃かな

superman:頼む・・頼むから・・・・もうこれ以上、恥を・・・晒したくない・・・・

マケット:君はもっと賢いと思ったのだが・・・

      僕がどうして君の指図を受けないといけないのかね?

superman:・・・?!・・・・お、お願いします・・・マケット様・・・・

マケット:そんな言葉だけじゃなぁ・・・・

superman:な、何でも・・・します・・・

       だ、だから、フィードと今日の事故現場のニュースを・・・

マケット:君は頭も下げられないの・・・かね?

superman:・・・あぐっ・・・・・お、お願い・・・します・・・


 跪くヒーローの顔を平手で打ち倒し、その横顔をぐりぐりと踏んでみせる。

 必死に懇願するsupermanを悪魔の笑みで見つめ、脚をどける。


マケット:いいだろう・・・・明日の朝までお前は私の奴隷だ!いいな

superman:・・・・はい・・・マケット様・・・・

マケット:よし、ではまずはこれをつけて私についてこい


 うなだれるsupermanの首に分厚い鋼鉄の首枷を装着し鎖をひいてエレベーターへ向かう。

 手足が自由にならないため、芋虫のように地面を這うしかないのだが、

その度に卑猥な音がなり地面に糸を張ってしまうのだった。

 さらに、床に股間がぶつかる度に先走りを吐き出し糸と共に床を汚していくのだった。


マケット:フィードの取材はキャンセルした。

      ニュースの件は今夜のお前の態度次第だ。

superman:わかりました・・・マケット様。


 supermanの長く辛い夜が始まった・・・。