不等価交換

第3話 (1−2日目)

 敵地へと招待されたsuperman。

 用意された数々の装着物、ルール・・・そして、未だ謎のメニュー。

 果たしてsupermanは人質を救うことは出来るのか?!


フィード:先輩!

クラーク:・・?!・・フィ、フィードか・・・どうした?

フィード:どうしたんですか?そんなに驚いて?

クラーク:い、いや、何でもないぞ。

フィード:僕はお宿がこっちじゃないのでご挨拶だけ。お疲れ様でした。

クラーク:そ、そうなのか・・・気をつけて帰れよ。

フィード:はい、いい記事が書けそうなので明日も頑張ります!


 元気一杯に帰っていくフィードとは違い、1歩1歩が重いクラーク。

 指定された部屋に入るとそこは窓が1つもない四方が真っ赤な壁の部屋だった。

 空調もなく風呂もない・・・これでは監禁部屋ではないかと口走りそうになるほどだった。

 部屋に入ると自動で鍵がかかり内側からは開けられないようになっていた。


superman:こ、これをつけるのか・・・・・くそっ・・・・・・


 マケットに最後に渡されたもの・・・・それはボールギャグだったのだ。

 誰も見ていないのはわかっていても屈辱が手を止めさせる。

 しかし、ルールを破れば人質が・・・。意を決してその異物を口に装着する。


シュゥゥゥゥゥゥ!


superman:んがっ・・・んっ・・・・・


 口にボールをいれ、ベルトで拘束するとボールが広がり口が半開きになってしまう。

 supermanと言えども生理現象を操作することは出来ず、絶えず涎があふれ出し

自慢のコスチュームのSの字を汚していくのだった。

 さらに、空調のない監禁空間は空気が淀み汗もとめどなく噴出すためスーツは瞬く間に濃い青へと変色してしまった。

 部屋にはベッドは用意されておらず、1脚の椅子のみが鎮座していた。

 マケットの指示通りに腰をかけるsuperman。


カシャン!カシャン!


superman:んんっ!


 手足を拘束され椅子から動くことが出来なくなってしまったのだ。

 閉じることが出来なくなった口から流れ出る涎が自慢のSのマークを汚していくも、

どうすることも出来ずに夜明けを待つことしかできなかった。

 自らの体液でコスチュームを汚し、それを見ていることしかできないのだ・・・・。

 じわり・・じわり・・・と胸元に広がる不快感、そしてその広がりを感じつつ

夜明けを待つことしか出来ないのだった。


superman:んっ・・・んぐっ・・・・はぁはぁ・・・・・


 ようやく夜が開け、椅子からも解放され姿勢を自由に変えることが出来た。

 手足の自由が戻ってきて初めて口を閉じることができた。

 コスチュームの上からワイシャツとスラックスをルール通りに重ね着して

鍵の開いた監禁部屋から出て行くのだった。
  
 朝だというのにワイシャツはコスチュームから染み出した汗で濡れ

夕立に降られたあとのようだった。
 

フィード:先輩、おはようございます!・・・ん?あれ?

クラーク:お、おはよう・・・どうした?

フィード:先輩、なんだかびしょ濡れですね、どうしたんですか?

クラーク:き、気のせいじゃないか?私は先を急ぐ、じゃあな

フィード:は、はい・・・


 マケットに用意された仕事部屋は予想通り窓と空調のない真っ白な監禁部屋だった。

 汗をかきながらパソコンに向かいデイリープラネットから持ってきた仕事を懸命にこなすも、

体の不快感とフィードの朝の言葉で集中できないまま商談の時間を迎えた。

 時間が経てば経つほど体は汗ばみ、湿り気が違和感を生み出し集中力がそがれていく・・・。

 マケットの狙いは?ここからの脱出方法は?・・・問題は山積みだが、

一向に答えは見つからずにいるのだった。