不等価交換

第13話 (6日目)

 ついに人質を全て解放した・・・残るはマケットのみ!

 そう希望を抱いたのは一瞬だった。

 死刑囚として捕まっていたバットマンを助けるため、

再びマケットの手中に自ら納まるsuperman。

 まともに戦える状態ではないものの、親友のためにコロシアムへと進んでいった。

superman:・・・こ・・・これは・・・・

マケット:これはもう商談ではない。

      君がバットマンを救う瞬間を見てもらおうと思って私が呼んだのだよ

superman:・・・そ、そんな・・・・

マケット:何か不都合でもあるのかね?もしや、負けるかもしれないと?

superman:・・・・・い、いや・・・何でも・・・ない・・・・

マケット:では、中に入りたまえ・・・・


 昨日までは誰もいなかったコロシアムのスタンドに人が大勢座っていた。

 テレビカメラも用意されスポーツ中継のような勢いなのである。

 マケットの呼びかけで集まった悪人や工場で稼動していたアンドロイドだとは

思いも寄らないsupermanにとっては歩く振動だけで先走りが漏れる自らの痴態を

見られるショックが大きかった。


superman:・・・くそっ・・・・早く、終わらせなければ・・・・

マケット:お集まりの皆さん、お待たせしました。

      待ちに待ったショーの始まりです!

      バットマンの命を救えるのか!

      supermanの3本勝負が今、始まります!

superman:3本勝負なのか・・・

マケット:ルールはいたって簡単、3本の戦闘で勝ち越すことが出来れば

     バットマンを助けることが出来ます。

     しかし、勝ち越すことができない場合は・・・

     「・・・き、救出に失敗した場合は・・・し、生涯、マケット様の・・・ど、奴隷になります・・・・」

superman:こ、これはさっきの・・・?!・・・

スタンド:(ざわざわざわざわ)

マケット:バットマン、それにsupermanの運命やいかに!

     では、まず、勇気ある我らがヒーローsupermanの登場です!


 マケットの合図でステージが迫り上がり漆黒のスーツを身にまとったsupermanが観衆の前に現れた。

 その観客席にいた多くの人の目がシミの出来た股間に釘付けになっており、

その視線にsupermanは今にも逃げ出したい気持ちでいっぱいになっていた。


マケット:続いて1回戦の対戦相手は・・・こちら!

superman:あ、あれは?!


 反対側のゲートから現れたのはsupermanの2倍はありそうなエイリアンだった。

 全身に粘液をまとい俊敏な動きを見せる・・・・

過去にsupermanも戦ったことのある相手だった。


superman:(今の私では・・・勝てないかもしれない・・・・)

マケット:両者、準備はよいかな?・・・では、はじめっ!


 バイブの影響でまともに動くことが出来ないsupermanとは対照的に、

目にも留まらぬ速さで距離を詰めるエイリアン。

 
クワッ・・

ぺっ・・・・ぺっ・・・・・


 走りながら口に溜めた粘液を吐き出し攻撃をしかけてきた。

 丸い液体は目にも留まらぬ速さでsupermanに襲い掛かり的確に両足に命中してしまった。


superman:し、しまった・・あ、足が・・動かない・・・・

エイリアン:シャァァァァァッ・・・・


 両足首にクリーンヒットした粘液は強力に両足を地面に粘着し

獲物の逃走手段をなくしてしまったのだ。

 エイリアンにとってこれはすでに狩りであり戦闘ではなかった。

 必死に両足を動かそうとしている間にすでに射程圏内に入り次の行動の準備を始めていた。
 

ボコボコボコボコボコ・・・ポロン、ポロン・・・ポロン


superman:あ、あれは・・?!・・・


 尻尾の中を通り3つの卵が転がり出てきた。

 獲物に寄生するフェイスハガーが現れ、その危険が今、迫っていることを現していた。

 生き物とは思えない速度で卵から孵化し一斉にsupermanに襲い掛かってきた。


superman:焼き払ってやる!

       ・・・?!・・

       しまった、封印されて・・・・くそっ・・・離れろ!くそっ・・・・


 1匹、また1匹と獲物に群がり、傷1つ負うことなく3匹ともがsupermanに飛びつくことができた。

 1匹は後頭部に、残る2匹は両の肘に移動し、しっかりと巻きついてスタンバイを終えたようだった。


superman:くそっ・・・離れろっ・・・はな・・・?!・・・う、腕が・・・腕が勝手に・・・


 フェイスハガーが巻きついた両腕がまるで操り人形のように意図しない動きを始めてしまった。

 それぞれの尻尾から伸びる毒針が神経に作用し、

マザーの思うがままに動くようになってしまったようだった。

 操られた両腕は竿と腎部に伸び、誰の目も気にしない!と言わんばかりにまさぐり始めた。


superman:や、やめ・・んんっ・・・っ・・・やめ・・・ろっ・・・

マケット:おぉ〜っと、superman、どうしたことだ!敵を前に卑猥な行動をとり始めた!

superman:こ、これは私の・・んぁっ・・・意思・・じゃ・・・ない・・・


 ドプドプと先走りを吐き出し精を濃縮させていく獲物にエイリアンは驚くべき行動をとった。

 
superman:お、おいっ・・・っ・・やめ・・・ろ・・冗談・・・だろ?・・・・


 顔を近づけ、口を開き、管のような物をsupermanの口に迷わず伸ばしてきたのだ。

 口内への侵入を狙っている!これは誰の目にも明らかだった。

 そして、エイリアンもまた、誰の目にも明らかなことを理解していた。


superman:そうは・・・させるか・・・・?!・・・

       口が・・閉じられ・・・な・・・んぐっ!んんっ・・・・


 後頭部に絡みついたフェイスハガーにより口を閉じることが出来なくなっていたのだ。

 獲物の口に近づくと管の先が開き、supermanの口を覆うようにして接着し、

隙間を粘液で塞いでしまったのだ。


マケット:卑猥な行動の次はキス!キスを始めたぁぁぁぁぁ!

superman:(た、卵を産み付けられてしまう・・・?!・・・)


 卵を産み付けられることを危惧したsupermanの口内には

卵でもなければ溶解液でもない、ドロドロとした液体が流れ込んできた。

 その液体は一般人にはただの汚い粘液に思えたが、supermanには違う感想を持たせていた。


superman:(こ、これは・・・まさか・・・)

マケット:(そうだよ、superman。君が慣れ親しんだドリンクの正体さ。ちょっと今日のは濃いかもしれないがね)

superman:んんんんんっ!んんっ!

マケット:皆さん、見てください!キスをされ喜びに雄たけびをあげて、

      自ら卑猥な行動をとっております!

      supermanはどうしちゃったんでしょうね。ふはははははは

superman:(くそっ・・・くそっ・・・・)


 マケットの言葉に恥辱され焦っている間にも体内に粘液を注がれ、

自慰をさせられ足元は先走りで水溜りが出来るほどだった。

 満足に粘液を注ぎ終わったマザーは獲物の口を粘液で粘着し封じると管を抜き去り、

フェイスハガー達を撤退させた。


superman:んんっ・・・んっ・・(くそ、口の粘膜がとれなければ釈明も出来ないではないか!)


 両手で口の粘膜をはがすのに必死になっていると

マザーの尻尾がゆらりと頭上高くで揺れていた。

 獲物にその影を落とすことで故意に存在を知らせると、

尻尾の先が割れ粘液を垂らしながらsupermanに迫りだした。