不等価交換

第10話 (5日目)

 フィードの取材をキャンセルすること、事故現場のニュースを再びもみ消すことを条件に1晩限り、

マケットの奴隷になったsuperman。

 糸ひくコスチュームのまま亀甲縛りにされ、手足の自由は奪われ地面を這い付き従う。

 ヘッドギアを嵌められて拷問を受け続け、精神も肉体もボロボロだった。

 興奮が落ち着くことがないため、バイブの振動でさえも先走りが止まらなくなってしまった。


マケット:さて、もうすぐ夜が明ける。君は私に何をして欲しいかね?

superman:はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・ひ、人質を・・・解放・・して・・・?!

       ・・・んんっ・・・んぁぁぁぁぁっ・・・・っ・・・っ・・・・

マケット:それは商談だけが手段だと言っているだろう?

     君は何をして欲しいのだね?

superman:はぁ・はぁ・はぁ・はぁ・・・・い、今すぐ、これを止めて・欲しい・・?!・・

       んんっ・・んぁぁっ・・っ・・っ・・・

マケット:君はこれを気に入っているんだろう?

superman:・・いいえ・・?!・・んんっ・・・・・っ・・・は、はい・・・

マケット:じゃあ、止めてではないだろう?

     もっとしてくださいだろう?

superman:はっ・はっ・はっ・はっ・・・

       も、もっと・・・し、してください・・・

マケット:では、夜明けまでの時間、存分に楽しみたまえよ

superman:んんっ・・・っ・・あっ・・・んんっ・・・・・・


 マケットのデバイス操作で電撃と微弱電流が止まらなくなってしまったのだ。

 横にはカウントダウンのタイマーもセットされており、減っていく数字とは反比例して

supermanの脳内は快楽への欲求で満たされていく。

ピピィィィピピィィィ


マケット:ご苦労様、superman。

superman:・・・っ・・・っ・・・・


 拷問がようやく終りヒーローの枷が次々に外れていく。

 装置が床に収納されたことで支えを失い床に倒れるも、

マケットに支えられ膝枕の状態になってしまった。

 自らの先走りで出来た水溜りに体を横たえ、頭だけを敵の膝に預ける形になったヒーロー。

 亀甲縛りで全身を糸ひく粘液まみれになったヒーローを愛おしそうに撫でるマケット。

 そして、supermanの首に赤い宝石の散りばめられた首輪を装着する。

 装着されると微細な針が宝石に見せた赤い薬剤を血管に流し込み始める。


マケット:これは昨夜のお礼だ。そして、もう1つお礼がある。

superman:・・・お、お礼・・・・・?

マケット:残りの人質は150人・・つまり、新しい項目を達成したところで全員解放だ。

superman:・・き、今日でお、終りなの・・・か・・・・

マケット:今日が最後の商談だ。


 よろよろと起き上がるsupermanに絡みついた亀甲縛りのロープを解きながら

マケットは優しく微笑む。

superman:(やっと解放される・・・あとはこいつを捕まえて終りだ・・・)

マケット:では、また商談の時間に・・・・

superman:あ、あぁ・・・・・


 部屋への直通エレベーターに乗り、酷使した体を引きずりながら最後のアジトへ出勤する。

 体はぼろぼろ、心も屈辱にまみれたはずなのに「今日で終り」という一言が

あったために疲れなどないかのような錯覚をしてしまっていた。

 そんなはずもなく、作動しているバイブのほかに椅子に座る衝撃だけでも勃起が維持され

ビキニに立派なテントを建てているためかスラックスの上からでも興奮しているのが見て取れた。

 待ち焦がれた商談の時間、定期的にビクつく体で社長室に現れ、気分も晴れやかに

マケットの前で粘つくコスチュームを披露し商談に望んだ。

 
マケット:まずはドリンクだ・・・

superman:わかっている・・・っ・・・・ぷはっ・・・・・

マケット:すごい飲みっぷりだなぁ・・・

     ところで、先ほどから先走りが流れっぱなしだが、君、大丈夫かね?

superman:・・?!・・・そ、そんなばかな・・・・

マケット:気がつかなかったのかい?

superman:・・・くっ・・・・・つ、次にいこう

マケット:カプセルに入ってくれ・・・もちろん、裸でね

superman:わかった・・・


 コスチュームを脱ぎながら自らの股間を見るとマケットに言われた通り、先走りが流れ出していた。

 コスチュームをマケットに手渡すとカプセルに入り、真空パックされていく。

 すでに慣れたものだった。

プシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・ゴロン


マケット:このまま、君を自宅に持ち帰れろうかと思ったが・・

superman:(な、何っ?!)

マケット:それじゃあ、あまりにも可愛そうだから、ちゃんと商談してあげるよ、superman

superman:(・・よ、よかった・・・)


 何度も経験した「真空パック」・・・敵に無防備に体を預けることに

警戒心を抱かなくなっていた事実に寒気がした。

 しかし、そんな恥辱も今日でおしまい・・・この油断がsupermanの思考を鈍らせる。

 床に転がる人形と化したsupermanの顔をしつこく撫で回し、さりげなく股間を触り、楽しむマケット。

ウィィィィィィィン・・・チン!


マケット:コスチュームのデコレーションも終わったようだからパックも終りにしようか

superman:・・・はぁ・はぁ・はぁ・・・・こ、これで新しい項目に・・・

マケット:あぁ、次がラスト・・・最後の商談だ

superman:つ、次は・・

マケット:コロシアムで私の刺客と戦い、勝つことだ

superman:・・・・?・・・・

マケット:気をつけてくれたまえよ、1VS1の勝負だが、負けると大変なことになるから

superman:大変な・・こと?

マケット:まぁ、勝てばいいだけのことだ・・・さぁ、行こうか


 意味深な発言をしながら移動するマケットの後を昨日よりもさらに糸を引くスーツを着用し追いかける。

 今のsupermanの体は衰弱しきっているため、この粘着力でも十分な体の拘束になっていた。

 1歩1歩が重く動きが緩慢だった。


 エレベーターで降りた先は古代のコロシアムを連想させるものだった。

 降り立った場所の反対側にカプセルが1つあり中に誰かいるようだった。


マケット:あのカプセルの中にいるのが君の対戦相手だ。そして


ウィィィィィィィィィン

マケット:これをつけて戦ってもらうよ?

superman:こ、これは・・・

マケット:君は超人なんだからハンデというやつさ

superman:し、しかし・・・

マケット:それに殺し合いをするわけじゃない、カプセルに相手を入れたら勝ちだ?

     安全だろう?

superman:わ、わかった・・・・


 最初からルールに逆らうことなどできないのはわかっていた。

 言われるままに装備品を装着した。

 枷と枷の間が鎖でつながれ自由の制限される手枷と足枷を装着する。

ロックされると両の手のひらが液体金属で包み込まれ球体に変化し封印されてしまったのだ。


superman:(くそっ・・・加速でもできない今の状態では勝つのは難しいな・・・・)


 マケットが観客席に引き上げると対戦相手のカプセルが開いた。

 そこに居たのは見覚えのある灰色のタイツ、黒いブーツにグローブ。

しかし、顔を黒のラバーマスクで覆われているため、誰なのかはわからなかった。

 だが、確実にこの対戦相手を知っている・・・それだけは確かな感覚だった。