緊縛(8)

 

苦痛と快感に喘ぐスーパーマンの視線の先には、巨大な鏡が置かれ、

そこには惨めに汚れたヒーローの姿が映っていた。

鋼鉄の男が縛り上げられ、逞しい肉体には白いロープが食い込み、

ロープの隙間に付き出した乳首を弄ばれ、

最大の弱点である股間の勃起をヒクつかせていた。

 

鏡の脇では、見つめるレックスの隣でグレッチェンが繰り返しシャッターを切り、

黒い衣装の女に犯されるヒーローの哀れな姿を撮り続けていた。

ポラロイドカメラから吐き出された写真が何十枚も床に散らばっている。

スーパーマンは、筋肉が隆起する完璧な肉体を無抵抗のままロープできつく縛られ、

勃起させられて弱点を晒し、さらに乳首を責められた挙げ句、

その堕ちた姿を写真に撮られているのだった。

だが、そうした苦痛と屈辱すら、レッドクリプトナイトの精神変容作用によって、

快楽と感じ、欲情してしまうのだった。

 

興奮が股間を突き抜け、肉棒は固く膨張し、

真っ赤なコスチュームのブリーフを突き上げ、鋼鉄の男の全てを晒していた。

両側から竿と陰嚢を挟むロープが勃起に密着して更なる快感を煽っている。

ナイジェルは、再び左手でぎゅっとスーパーマンの股間を掴んだ。

精液の染みの付いた赤いブリーフが歪みながら膨らみを強調する。

「ぅ・ぁ・・ぁ・・」

勃起を責められ、喘いでしまうスーパーマン。

スーパーパワーの集中する股間には、痛みという感覚は全くなかったが、

全身のエネルギーが集中して再び過敏になっているのだ。

鋼鉄の男の肉棒はレッドクリプトナイトの影響で一段と感度を増し、

更に大きなウィークポイントとなっていた。

 

ナイジェルは右手でスーパーマンの隆起する胸に浮かぶ乳首を弄びながら、

左手で陰嚢を揉み竿をなぞった。

刺激に反応した勃起はみるみる膨張し、

今にもコスチュームを破りそうな勢いで継続して赤い股間を突き上げた。

 

立ち上がったナイジェルは、跪くスーパーマンの髪の毛を掴んで正面へと移動した。

「どう? 縛られて気持ちいいでしょ?」

「くっ・・・」

変調をきたした肉体は縛られる快楽に包まれていたが、

ヒーローの理性はそれを否定しようと必死だった。

 

レッドクリプトナイトのロープが縛り上げる逞しい鋼鉄の肉体は、

全身の筋肉の塊一つ一つがクッキリと姿を現し、

普段とは異なった状態にあることを示していた。

「ふふふふ」

含み笑いをしながら、ナイジェルはスーパーマンの身体を揉みながら撫でていた。

黒いドレスの女の白く細い指が、

大きく張り出した大胸筋や6個に割れて隆起する腹直筋を、

正義のヒーローの欲情した肉体を這い回った。

(あぁ・・ く・ぁ・・・)

触れられた微かな刺激が、僅かな歓びとなって鋼鉄の男を悶えさせた。

白い指の下では、超人の肉体がビクビクと痙攣したかの様に反応している。

 

「こんなのはどうかしら?」

そう言いながら、黒い革製の鞭を取り出した。

女が手にする鞭は、互い違いに編まれた握り部分から、

革で被覆されたグラスファイバー製の身の部分がしなやかに伸びている。

ナイジェルは、肘をくの字に優雅に曲げて鞭を振り上げると、

数発、「S」字の胸に向けて打ちつけた。

黒い鞭がしなりながら、筋肉の盛り上がるヒーローの胸に衝撃を伝える。

パシッ バシッ ピシンッ

部屋中に鞭打たれる音が響いた。

鋼鉄の男の逞しい大胸筋が鞭打たれる度に、隆起した筋肉がブルッと震え、

胸の頂点で付き出す乳首が固く勃起していく。

青いコスチュームに包まれた分厚い胸に浮ぶ乳首の突起が、

次第に形を露わになる。

「くぅっ うぁぁ・・」

鞭を打たれるのに合わせて、はち切れんばかりに隆起した肉体をくねらせる

スーパーマンの口からは呻き声が漏れた。

 

ヒーローの逞しい筋肉が、縛り上げられたロープの下で震えながら刺激を貪っていた。

端正な顔を歪ませて快楽に喘ぐスーパーマンを見てニヤッと笑うナイジェル。

痛みすら官能的な刺激として感じる肉体に変貌を遂げたスーパーマンを見下ろす

黒いドレスの女は、快感に身をくねらせる鋼鉄の男に、更に数発、鞭を打ちつけた。

 

ビシィッ バシッ ピシッ ビシィッ

「うぁ・・ ぁ・・ あ、ぁはっ ぅあぁ・・・」  

(ぅぅ・・・ き、気持ち・いい・・)

鞭の音と、欲望に塗みれた喘ぎ声が部屋に響いた。

緊縛された挙げ句、敵の女に鞭を打たれるという屈辱的な状況も、

今のスーパーマンにとっては性器を愛撫されるのとなんら変わりがなかった。

 

鏡の脇に立つレックスは、

スーパーマンが突然の強烈な快感に戸惑いながら悶える姿を嘲笑している。

鞭打たれた刺激は、身悶えするような快楽の感覚となってスーパーマンを襲ったのだ。

 

普段のスーパーマンであれば、革製の鞭で打たれても何も感じることはない。

だが今は、全身を緊縛するロープに編み込まれたレッドクリプトナイトの影響下にあり、

僅かな刺激までも敏感に感じ取り、しかもその刺激を異常なほど感じてしまうのだった。

鞭で打たれる度に、鋼鉄の男と言われたヒーローの逞しい肉体に、

官能的な刺激が波紋のように広がっていく。

緊縛する白いロープの下では、

大きく隆起した大胸筋、6個に均等に割れた腹直筋や三角筋が

以前と変わらずクッキリと盛り上がっていたが、

今ではレッドクリプトナイトの影響と、肉棒と乳首につづけられた責めによって、

全身が性感帯と言える程に鋭敏になっていた。

 

鋼鉄の男は、レッドクリプトナイトの放射線に晒され、

スーパーパワーを保ったまま肉体的、精神的に変容しつつあった。

敵にイカされてしまったという事実、縛られて手も足も出ないと言う状況、

最大の弱点である勃起した肉棒を晒しているという現実、

そういった全てが耐えられない屈辱となって正義のヒーローを苦しめると共に、

赤いクリプトナイトの持つ精神への影響によって

堪えきれない快感へと変貌を遂げていた。

肉体的には微細な刺激すら快感へと変わって全身を包み、

股間では、あらゆる感覚が集中し、

緩やかなさざ波のような淫靡な波紋となって陰嚢と肉棒の両方を包んでいるのだった。

欲情した鋼の肉体は、更なる苦痛を求め始めていた。

 

ピシッ パシッ バシイッ ビシッ

鞭が、スーパーマンの引き締まった腹を往復した。

打ちつけられる度に、肉体は歓喜に震え、

赤いブリーフが押し留める股間の膨らみがブルブルと震えながら、

また一段と大きく膨らんでいく。

「はあ・・ はぁっ はぁっ」

鞭打たれる快感に戸惑う鋼鉄の男を、官能的な刺激が包み込む。

 

バシュッ パシッ

「おあ・・・ あ・はぁぁ・・・」

(あ・あぁ・・・ いっ いい・・・)

ナイジェルは、ヒーローの勃起した股間を打ちつけた。

過敏になっている弱点を鞭打たれ、堪えられない刺激が肉棒を勢いづけるのだった。

痺れる様な快感に思わず喘いでしまう。

そして、刺激に応えるかの様に赤いブリーフには再び先走りが滲んでいた。

更なる責めをねだる肉体からの欲望に、スーパーマンは追い詰められていた。

(はぁっ はあ・・・ こ、このままでは・・)

 

緊縛された正義のヒーローが鞭打たれる快感に溺れる姿を見ながら、

ナイジェルは冷たく光を反射するナイフを取り出した。