緊縛(7)

 

スーパーマンは両手を後ろ手に縛られ、両足を縛られて、

体を反らせるような姿勢で膝を着き、宿敵の前に跪いていた。

白いロープは、体躯の前面、胸、腹部、股間で輪を作るように結ばれ、

その輪は体の前後を縛るロープに通され、六角形を形成してきつく肉体を締め付け、

隆々と盛り上がった全身の筋肉に食い込み、スーパーマンを緊縛していた。

 

鋼鉄の男は、鏡に映った自らの屈辱的な姿によって羞恥心が高まる一方で、

性的な興奮すらも昴まっていた。

鼓動が早まると同時に股間にも血液が集中していく。

(バカな・・ なぜ、こんな姿で・・感じてしまうんだ・・・)

「こんなロープで縛っても無駄だ。私のスーパーパワーで破ってやる!」

屈辱感と興奮を必死で振り払い、

自由を取り戻そうと体を動かしながら全身の筋肉を隆起させるスーパーマン。

全身に力を込め、筋肉に集中することでエネルギーを滾らせる。

 

筋繊維の一本一本が目に見えるぐらいにまで、

青いコスチュームの下で筋肉が限界まで隆起していく。

「くっ う、あぁあ!!」

ヒーローの口からは気合いを込める吐息が漏れ、肉体は震えながら膨張していく。

だが、もがけばもがくほど一層ロープがきつく締まり、

盛り上がった筋肉に食い込み、ヒーローの肉体をますます締め付けていくだけで、

ロープが切れる気配は一向になかった。

(こっ こんなはずは・・・)

スーパーマンは、スーパーパワーが再び身体に漲るのを感じながらも、

ロープを破ることが出来ないことに脅威を感じていた。

焦燥と屈辱がヒーローの精神を弄び、食い込みながら締め上げるロープからは、

苦痛と痺れが伝わってくる。

そして、その感覚の中には、苦しみと痛み以外にある種の違和感が混ざっているた。

 

全身を緊縛された正義のヒーローが逞しい肉体を捩り、悶えながら奮闘する様を、

レックス達三人が面白そうに見つめている。

 

(くそっ こんなロープを、なぜ破ることが出来ないんだ・・・)

いつものスーパーマンであれば、鋼鉄製の鎖すら簡単に千切ることが出来るはずだった。

努力も空しく脱力し、ガックリと頭を垂れたスーパーマンは、

見つめる先の白いロープに驚くべき事実を発見した。

回復したスーパーパワーでロープを凝視すると、

拡大された繊維の中に小さく光る赤い鉱石が見えた。

ロープを首に掛けられたときから微かに感じていた違和感が、

今、確実なものとなった。

「こ・・これは・・ レッドクリプトナイト・・・」

逆らおうという意識すらままならないスーパーマンが何とか口を開く。

ヒーローの理性を弄ぶかのようにレックスが答えた。

「やっと気づいたか。

 その通りだ。このロープにはレッドクリプトナイトが編み込んである」

 

焦燥感に襲われたスーパーマンの表情が一転した。

(しまった・・・ は、早くこれを解かなければ・・)

逞しい肉体をくねらせながら鋼鉄のような筋肉を震わせ、隆起させても、

切れるどころか、ロープはますます締め付けを強めながら一層筋肉に食い込んでいく。

ずっと感じていた異常な感覚ははっきりとした形を取り始め、

緊縛されロープが食い込む痛みが、

苦痛を通り越して快感へと確実に変化していくのを感じ始めた。

 

「今更足掻いても無駄だよ、スーパーマン。

 レッドクリプトナイトの影響で、

 もうお前は、スーパーパワーをコントロール出来なくなっている。

 それどころか、お前の感覚の全ては性欲へと向けられているのだ」

レックスの言うとおりだった。

赤いクリプトナイトは、

スーパーマンの肉体にとって致命的な緑のクリプトナイトとは違い、

精神活動や神経系に影響を及ぼす効果を持ってる。

レックスは、鋼鉄の男をレッドクリプトナイトで縛り上げ、

性感帯を刺激することによって、

縛られる屈辱と苦痛を、快感として感じる様にし向けているのだった。

全身の筋肉が隆々と形成する肉体を余すことなくきつく縛るロープは、

ヒーローが身をくねらせる度に全身を締め付け、最大の弱点である肉棒をも責めていた。

赤い鉱石に接している時間が長ければ長い程、

その影響でスーパーマンの精神と感覚は蝕まれていくのだった。

 

(このままでは・・ 私は・・・)

ロープを破ろうと懸命に体を捩るスーパーマンだったが、

全身を縛り上げるロープが隆起した肉体に食い込み、擦り、

今や快楽の痺れが全身を覆い尽くしていた。

股間のロープは、勃起した肉棒を根本で締め付け、

一段と過酷な快楽の根源となっていた。

再び完全勃起した肉棒は、先程の責めによる射精直前の大きさを取り戻し、

瞬く間にスーパーマンの弱点の全てを晒し、昇り詰めていた。

 

鏡には、縛られた逞しい肉体がロープに縛られ、

きつく結ばれたロープが食い込む姿が映っていた。

レックスは、逞しい肉体がきつく縛り上げられ勃起した姿を、

鏡に映してスーパーマンに見せつけることによって、

鋼鉄の男の自尊心を抉り、屈辱感を強調し、苦痛に塗れさせているのだ。

 

「くっそぉ・・・」

スーパーマンは意識を集中し、両方の眼にパワーを集中し始めた。

眼から発するヒートビジョンならロープを焼き切ることができる。

だが、光線をイメージしながら眼に力を込めるものの、

ヒートビジョンが実体化する前に、快感によって集中力が削がれ、

光線が発射されることはなかった。

(ダメだ・・ 集中できない・・・)

全身を縛り上げられ、

苦痛と快感に肉体を緊縛されたスーパーマンは

スーパーパワーを使いこなすことが出来なかった。

 

「こ、こんな事をして・・どうするつもりだ?」

「お前が堕落した姿を見たいのだ。

 敵にイカされ、縛られながら快感に悶えるスーパーマンをね」

レックスの言葉にあわせるように、ナイジェルが肉棒を縛るロープを引っ張り、

さらなる刺激がスーパーマンの股間を締め上げる。

「な・・ あっ あぁ・・・」

急所を責められ、思わず呻くスーパーマン。

 

「もっと感じさせてあげるわ」

ナイジェルが嘲笑いながら、スーパーマンの背中側へと回り、

しゃがみ込んで後ろ側から片手をヒーローの胸へ、

もう一方の手を股間へと伸ばした。

大きく隆起した大胸筋に食い込むロープに挟まれた固く付き出した乳首を弄び、

赤い股間で勃起した肉棒を揉みながら扱き始めた。

濡れたコスチュームの上に浮き出たカリの括れを弄くる指が、

露わになった鋼鉄の男の弱点を突き、

肉棒は刺激に合わせて蠢きながら固さと大きさを増していく。

 

「ぅ、あ・ぁぁ・・」

痛みと快感に逞しい肉体で悶えながら、たまらず喘ぎ声を漏らすスーパーマン。

相当の大きさに達した肉棒は、勃起すればする程、

唯でさえきつく締め上げるロープに圧迫され、

編み込まれたレッドクリプトナイトの影響を強く受け、

締め付けられる苦痛すら快感へと変換されていった。

 

ナイジェルは、股間から大胸筋へと、腹直筋を通って手を這わせると、

もう一方の乳首も弄くり始めた。

スーパーマンは縛り上げられ、抵抗できないまま性感帯を責められ、

強烈な快感が電流のように全身を駆け巡った。

屈辱的な状況におかれてもなお欲情していく。

恥辱と快感がレッドクリプトナイトによって鋼鉄の男の精神を浸食していた。

(わ、私は・・ どうなってしまうんだ・・・)

はぁはぁと荒い息をしながら、必死で快感への誘惑と戦うスーパーマン。

肉棒への直接的な責めは途絶えたが、第二の弱点とも言える乳首を責められ、

緩やかに快感が高まると同時に、股間の勃起もさらにその大きさを増していく。

 

スーパーマンが苦痛と快感に喘ぎながら見つめる正面の鏡の中には、

縛られたまま、逞しい肉体に食い込むロープの隙間に付き出した乳首を弄ばれ、

最大の弱点である股間の勃起をヒクつかせる淫靡な己の姿があった。

そこにあるのは、ほんの数時間前までの強く美しく

汚れを知らぬ正義の味方の姿ではなく、

縛り上げられ、両方の乳首を弄ばれながら濡れた股間の勃起を更に大きくしていく

惨めなヒーローの姿だった。