第2話
 

 自分に指揮権が回ってこないことに苛立ち、チャンスを今か今かと待っていたムゴイ・・・。

そんな彼に、待ち望んだチャンスが到来した!

無敵かと思われたデビルマンを倒す方法を思いついたのだ!

そのことに喜び、こらえきれずに自室に響く笑い声を発しながら人間界に出陣するムゴイ。

 そんなことになっていようとは知りもしないデビルマン=不動明はいつもの様に最愛の人間・牧村ミキと共に学校から家へと帰る途中であった・・・

いつものように。

不動明:なぁ、ミキ・・・機嫌なおしてくれよぉぉ

ミキ:いやよ、明君、暴力ばっかりなんですもの

不動明:ミキには暴力ふるってないだろう?なぁ?

ミキ:私は暴力が嫌いなんです!もう暴力振るわないって誓える?

不動明:ち、誓うよぉ・・・なぁ?いいだろう?

ミキ:まぁぁ・・・調子いいんだから・・・・もう・・・・

 そんないつものたわいないやりとりをする二人に怪しい影が近づいていく。

全身を黒いマントで覆いつくし、表情どころか顔すらも見ることが出来ない細身の男が二人に近づいてきた。


謎の男:やぁ・・・君が不動明君かい?

不動明:ん?なんだ?確かに俺が不動明だが?

謎の男:おや?噂では勇猛果敢な少年と聞いたが、こんな女の子の尻にしかれて・・・

     噂は嘘のようだな・・・

不動明:な、なんだとっ!言わせておけば・・・

ミキ:明君!ダメよ・・・・約束したでしょ?

不動明:・・・くっ・・・わかったよ・・・わかった・・・

ミキ:あなた、ちょっと失礼よ・・・・行きましょう!明君

謎の男:・・・これは失礼・・・・・ほんのお詫びの印です・・・

不動明:・・・・?!・・・な、何するんでぇ・・・・

 突如として明とミキに絡んできた黒尽くめの男は立ち去ろうとする明にすれ違いざまに置き土産を残していった。

彼の股間目掛けて予備動作のない膝蹴りをかまし、そのまま歩き去ってしまったのだ。


 いくらデビルマンとはいえ、金的をするという前兆が全くなかったために、急所が無防備なまま強烈な一撃をくらい、

脱力し地面に膝をついてしまった。

両手を無意識にダメージの残る股間を覆い隠すように回していた。

不動明:・・・くっそぉぉ・・・

ミキ:だ、大丈夫?明君・・・・

不動明:あ、あぁ・・・・

ミキ:でも、明君、約束を守ってくれて嬉しかったわ・・

不動明:ミキとの約束だもんな・・・破れねぇよ・・・

 下腹部に残る痛みに膝をつく明を起こし肩をかして帰路に着くミキ。

そんな二人を物影から見ている視線があった・・・・。

ムゴイ:・・・せいぜい楽しく過ごすがよいわ・・・・残りの時間をな・・・・