(8d)
地球から発信されたSOSのウルトラサイン。それを見て駆けつけたウルトラ兄弟だったが、
過去の悪夢を再び地球で繰り広げ、何も抵抗することも出来ずに全員捕まってしまった。
そして、ブロンズでコーティングされるのではなく、モルモットと呼び蔑まれ、
アジトへと連行されてしまった。
そんな奴隷にも似た扱いを受けている兄弟達の中の一人、四男ウルトラマンジャックは
実験材料としてではなく、アジトの外でヒッポリト星人と戦うことになったが・・・・
ヒッポリト星人:よく似合いますね、くくくく・・・・・
ジャック:な、なんのつもりだ・・・・
首輪を外そうと首輪を掴み、後ずさりするジャック。
しかし、首輪が外れることはなく、力をこめても外れない、その事実から焦りを隠せなかった。
ヒッポリト星人:今からならブロンズで包んであげますよ?
どうします?
ジャック:何を・・・・・・ちっくしょぉぉぉ・・・・・
首輪を外すのを諦め、再びヒッポリト星人に走りより、大きく跳躍し自慢の飛び蹴りを放った。
頑丈そうな腹部ではなく、どの生き物でも弱点に成りうる頭を狙い放った攻撃、
これは効くはずだ・・・・そう思った・・・・そうであって欲しかった。
ヒッポリト星人:中身詰まっていますか?
キックが軽いんですが・・・・・?
ジャック:なっ・・・・!!
ヒッポリト星人:・・・・プレゼントが欲しいあまりの攻撃ですか?
ふふふふふ・・・・・
攻撃をまたしても軽くあしらわれ、なすすべがなかった。
不適な笑みを浮かべるヒッポリト星人は空中で動きを止めるジャックに向けて手をかざした。
ジャック:な、なんだこれは・・・・・
ヒッポリト星人:よくお似合いですよ、ふふふふ
手をかざされた部分から黒く蠢く液体状のものが飛び出しジャックを襲った。
カラータイマーに飛び掛り、ジャックの体を包みこみ始めた。
まるで、その液体が意思を持っているかのように抵抗する暇を与えずに体を広がっていった。
黒く蠢く液体は体の表面を、雪崩が山を包み込む様に、滑る様に包み込んでいった。
ジャック:あっ・・お、おわぁ・・・・んんっ!んぐっ!
ヒッポリト星人:いいですねぇ、その声・・・・負け犬らしさが出ていますよ
ジャックが地面に足を降ろす前に体全体が黒い液体に包まれてしまった。
カラータイマーに初めて付着した時の勢いはなく、体全体を包んだ頃には全く動きを止めていた。
逆に、黒い液体に包まれたジャックは身動きひとつ取れずに、
ヒッポリト星人の前で苦しみの声をあげるしかなかった。
ブロンズに包まれなかった代わりに怪しげな液体に動きを封じられ、
反撃はおろか抜け出すことさえも出来なかった。
このまま一生動きを封じるのかと思われた液体は徐々に動きを取り戻し始めた。
ジャック:・・はぁ・・・・はぁ・・・・・く・・・そっ・・・・・
ヒッポリト星人:そのまま死ねるとでも思いましたか?
残念でしたねぇ
黒い液体は情けをかけた様にジャックの体を少しだけ開放した。
顔、両手だけが呪縛から開放された。
呼吸は出来るが、指以外は動かない、この状況下では全く動けないのと同じだった。
体を相変わらず包んでいる黒い液体は、体のラインをくっきりと残し、
ギリシャ彫刻にされた様だった。
ヒッポリト星人:フィットしているでしょう?
これは私達の星で開発された奴隷用のボディスーツですよ
ジャック:・・奴隷用?!
ヒッポリト星人:オブジェもいや、モルモットもいや・・・・
残すは奴隷しかないでしょう?
ジャック:くっ・・・・開放しろっ!
ヒッポリト星人:開放?奴隷のあなたに選択権はないですよ・・・
あなたの星とは違うんです、ここは・・・・
くくくく・・・・・