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ウルトラキラーは素早く立ち上がると、最後の力を込め、目にも止まらぬ速さで

ジャンプし、ウルトラマンの背中に回り込んだ。

(俺には、もう力が残っていない。早くウルトラマンを仕留めなければ。)

後ろに回り込むと、ウルトラキラーは自らの股間をウルトラマンの臀部に押し当てた。

ウルトラキラーは、左手でウルトラマンの左腕をからめ捕る。

(早く仕留めなければ。)

自らの臀部にかかる刺激に驚くウルトラマン。

『うっ。これは。何をするつもりだ。』

闘いの成り行きに混乱するウルトラマン。

さらに、その隙に乗じてウルトラキラーは右手を前に回し込み、ウルトラブレスレット

に手をかけた。

ウルトラキラーの右の手のひらから赤く半透明なテープがブレスレットに転写される。

金色のブレスレットが、赤く半透明なテープで、ウルトラマンの腕に固定される。

(やったぞ。)

即座にウルトラキラーがテレパシーでブレスレットに命じる。

(パワーを逆流させよ。)

ウルトラキラーの命に従い、暴走するウルトラブレスレット。

『うっ。これは!。あっ。力が突然、抜けていく。』

突然の異変を感じるウルトラマン。

そして、自らの腕のブレスレットを確認し、その暴走を認識する。

逆流を食い止めようと必死にテレパシーを送るウルトラマン。

ウルトラマンとウルトラキラーの視線が、ウルトラマンの肩越しで交差する。

ウルトラキラーが、ウルトラマンに微笑みかける。

「無駄だ。お前のブレスレットは私のコントロール下にある。君のテレパシーは、

私の赤のシールドの阻まれ届きはしない。無駄だよ。ウルトラマン!」

『くっ。俺の力がブレスレットに吸収されていく。。。。あぁ。。。』

無駄なパワーを使い、ブレスレットのパワーを全て使い果たし、自身のパワーも

45%までに減っていたパワーが、急速にブレスレットに吸引される。

ブレスレットはウルトラマンから40%ものパワーを奪い、ウルトラマン自身には

もはや、わずか5%のパワーしか残されていなかった。

そのパワーの大半を失い、ウルトラキラーから身を振りほどこうと抵抗していた動きが

ぴたっと止まる。

ウルトラマンの銀の両腕が、だらりと垂れる。

ゆっくりと、うす暗く赤く点滅し始めるウルトラマンの胸のカラータイマー。

そして、とうとう、ぐったりとその身をウルトラマンキラーに預けるウルトラマン。



背中からウルトラマンに回したキラーの右手が、ウルトラマンの左手のブレスレット

に重なる。

「カチッ。」

ウルトラキラーの赤い右手が、ウルトラマンの左手からウルトラブレスレットを

取り外す。

そして、自身の左首にウルトラブレスレットを装着させた。

『おのれ。おれのブレスレットがっ。くっ。』

ブレスレットを奪われたウルトラマンの左手首が力なくだらりと垂れ下がる。



ウルトラキラーの左手で、赤く金色に燦然と輝くウルトラブレスレット。

ウルトラキラーには、ウルトラマンのパワーみなぎり、肩から背に受けた傷を急速に

癒していく。

「すごいの一言に尽きる。これが、ウルトラパワーかっ!」