捕 食 

 

第2話

 

ドランゴはウルトラマンの両肩を押さえ、光の戦士の薄い右胸をついた。

「・・デュア・・・・ッッ!?」

痛みで意識を取り戻すアルス。

ブシュっと胸を噛み千切るドランゴ。

「ディ!・・・アアアアアアアアア!!!!」

ドランゴはアルスの上半身を少しずつついばんで行く。

ダダ星人が言っていたとおりアルスを捕食しているのだ。

アルスは泣き叫ぶより他はなかった。

「ダ!!デュアッッ!!!!!!!

 ヘッヘェッヘアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

それをみていたセツナは思わず顔を背ける。

「どうしたの?セツナさん。変身して助けてあげないの・・・?」

言いながら手の中で変身アイテムを弄ぶバーム星人に、セツナは唇をかみ締めた。

「くっ・・オレは・・・ああ、もういい・・・アルス・・立て・・・逃げろ!!」

「フフフ・・それは無理ね・・・ドランゴの飛行速度はウルトラマンの2.5倍・・・ 逃げてもすぐに捕まっちゃうわ。それにドランゴは狙っ

獲物は絶対に逃がさない・・・

 特に・・・強力なエネルギーを持ったウルトラマンは彼の大好物なのよ!

 キャハハハハ!」

「う・・ううあ・・狂ってる・・・」

アルスの全身は真っ赤な血で覆われ、もはや銀色と青色のボディーではなくなっていた。

ドランゴは貫かれたウルトラマン・アルスの腹から内臓を抉りだしている。

「ヘアアアアアアアア!!!!アッ・・アアッ・・ッ・・・・・・!!!!」

その時だった。

急にアルスの体がビクンと跳ねたかと思うと、その股間に異変か生じる。

「なっ・・・」

その異様な光景にセツナは思わず言葉を失う。

「ヘ、ヘアァァ・・・」

光の国のエリート少年戦士の下腹部に現れたのは、

もはや使われなくなって久しいはずの器官・・・

男の象徴ともいうべき一物であった。

「おやおや、正義のヒーローともあろう者が・・・

 くっくっ・・・なさけないねぇ・・・」

聞こえた声にはっとそちらを振り向くと、ダダ星人は巨大な口の端をニヤリと釣り上げた。

「おやおや、知らなかったのかい?

 ドランゴの嘴にはねぇ、催淫作用があるんだよ。

 つまりあの淫乱戦士ちゃんは食べられながら感じちゃってるってわけさ!

 アハハハハハ!」

「そ・・・んな・・・」

あまりの出来事に絶句するセツナを尻目に、

すでに廃墟と化した町の中ではヒーローへの処刑がおこなわれつつあった。

「あれあれ、いけない子ねぇ・・・

 どうしたのかしら?

 大事なところが大変なことになってるわよ、ウルトラマン・アルス」

生まれながらの戦士といえど、アルスはまだ少年。

生きながらにして肉をついばまれる恐怖と痛みのあまり、

彼は遂に失禁してしまったのだ。

それを視界の隅に捕らえたドランゴが次の獲物と定めたのは、

ヒーローの下腹部で隆々とそびえ立つ肉のかたまりであった。

しかし、ドランゴが獲物を啄ばむべく状態をそらした瞬間、

アルスの両腕が信じられないスピードで動いた!

胸の前でクロスした両の腕の中心から莫大なエネルギーを伴った光の渦が放たれる!

 

「ドランゴ!!」

 

ダダ星人の警告も虚しく、放たれた光の渦は、

今まさにウルトラマンの雄芯を啄ばもうとしていた怪鳥の口の中に炸裂した!

 

「やった!」

 

一瞬、まばゆい閃光で全ての視界がシャットアウトされる。

しかし・・・しだいに晴れていく視界の中でセツナの見たものは・・・

「そんな・・・エネルギーを・・・たべて・・・」

迫り来る光の奔流をものともせずに吸い込む怪鳥の姿だった。

「フェ・・・ア・・・アア」

最後の隠し玉までも破られたアルスのカラータイマーが点滅を始める。

それでも彼は懸命に力をふり絞り、怪鳥に拳で応戦しようとした。

強烈なパンチが怪鳥を襲う!

しかし、ドランゴはそれを避けなかった。

彼にとって自分の腹の下で抵抗する光の巨人はすでに敵では無く、エサであった。

ドランゴの嘴が開き、そこからストローのようなものがスルスルと降りてくる。

それを見たダダ星人が面白そうに咽を鳴らす。

「ほぉ・・・ドランゴはどうやら咽が渇いたようだねぇ」

「なに・・・っ!まさか!」

その言葉の意味するところを悟り、セツナは顔面蒼白になる。

「ダァ!ダァ!・・・デュア!ア・・・ンッッ!!!」

鼻にかかった様な甘い声が一瞬漏れると、怪鳥に拳を叩きつけていたアルスの体が弓なりに震え、その動きが一瞬止まる。

ドランゴが左右にゆれるアルスのイチモツを片手でがっしりと掴み、固定したのだ。

止めさせるべく、アルスが上半身を起こすと、

ドランゴはもう片方の手の跳ねの部分でサッと亀頭の先端部分を掃いた。

すると、アルスの上半身が弓なりに跳ね、巨体は再び地に沈む。

これまでの戦闘で放置されていたため、アルスは知るよしも無かったが、

繰り返し受けた嘴の催淫効果により、

彼の雄芯は今や通常の1000倍の性感帯と化していたのだ。

「ほらほら!どうしたウルトラマン!

 早くしないとオマエの恥ずかしいお汁を鳥に飲まれちゃうよ!

 それとも飲んで欲しいのかい!

 えぇ!?この、淫乱戦士!」

ダダ星人の嘲笑に悪寒を感じたのか、必死に身をよじるアルスであったが、

ドランゴはそんなヒーローを弄ぶかのように更に数回アルスの雄芯を掃き、

あるいは突っついてエサの反応を楽しむと、いよいよその先端に狙いを定めた。

「くっ・・・」

直後に起こることを予想し、セツナはかおを背けた。

 

「デュ!・・・・・・んアアアアアアアアア!」

 

廃墟と化した街の中に、正義の戦士の絶叫が響き渡る・・・