第2話
挑戦状を叩きつけられることにはなれている伊達直人=タイガーマスクだったが、
今回は誰にも知らせずに挑戦を受けるという前代未聞のことに戸惑いを感じつつも、
挑戦を受けない場合はちびっ子ハウスの子供達に被害がおよぶ危険性があるため
拒否することなど出来なかった。
直人:ここか・・・・
誰にも告げることなく指定された工場跡地へと人目を忍んで入っていく直人。
覆面は鞄に入れ、コートや帽子で顔を隠しコソコソと入っていく。
いつもの挑戦状によるレスリングでは正体を隠すために覆面だけは常にするものだが、
今回はタイガーマスクの正体を知っていて伊達直人宛に手紙を出しているため、
工場に入るところを誰にも見られないために覆面をしなかったのだ。
謎の声:逃げずに来たようだな・・・伊達直人・・いや、タイガーマスク!
直人:お前は誰だ!何のためにこんなことをする!
謎の声:俺はタランチュラ・・・デビルスパイダーと聞いて思い出すことはあるかな?
直人:デビルスパイダー・・・?!・・・
お前はまさか・・デビルスパイダーの
タランチュラ:あぁ、そうさ、俺はデビルスパイダーの弟さ
直人:何故、こんなことをする!
タランチュラ:俺は兄貴を尊敬し、慕っていた。
お前がタイガーマスクだなんて気取ったヒーローでいるから
兄貴はこんな騒動に巻き込まれて・・・・
直人:そんな・・言いがかりじゃないか!
タランチュラ:言いがかりでもなんでもいいさ・・・
俺はお前に復讐をする!
さぁ、タイガーマスクになるんだ!
直人:何を言っても無駄なようだな・・・・
観客も報道陣も・・・誰一人いない会場、それに復讐という目的から
タランチュラの決意が並大抵のものではないことがすぐにわかった。
タランチュラの決意の重さを確認し、直人は迷うことなく、着衣を脱ぎ捨て、
自慢のブーツ、ビキニ、下半身を守るレスリングタイツ、
そして包み隠さず披露された鍛え上げられた上半身、
そしてトレードマークの虎のマスクを被り、
気を改め、タイガーマスクとしてタランチュラに向き直った。
タイガーマスク:さぁ、始めようか!その前に約束をしろ!
私はここにきた、子供達へは手を出すな!
タランチュラ:あぁ、お前がここから逃げない限りは約束を守ろう!
そんなことを不安に感じて負けられても困るからな
タイガーマスク:よし!約束だ・・・(やはり、リングはこれか・・・)
タランチュラ:怖気づいたかっ!タイガーマスク
タイガーマスク:だ、誰がっ!
タイガーマスクの準備が整ったの合図にライトアップされたリング・・
それはデビルスパイダーの時と似た空中のリングだった。
蜘蛛の巣を彷彿とさせるそのリングは以前とは似ているものの、
今回は平面だけではなく糸の塊の様な半球状の蜘蛛の巣リングが用意されていた。
巨大な蜘蛛の巣のドームへと用意されたハシゴを使い登っていく・・・
獲物自ら敵の仕掛けた罠の中へと入っていく瞬間だった。
タランチュラ:ルールは簡単!制限時間はなし!
どちらかが気絶するか、ギブアップするまで!いいなっ?
タイガーマスク:あぁ、望むところだ!
審判もいない、観客もいない・・・二人だけのデスマッチがついに始まった。