スーパーマン編
第4話:果たされた約束
失踪したバットマンとロビンを探し、事件現場に訪れたスーパーマン。
敵の案内に従い、鉛でコーティングされた地下室へと誘われ、
言われるままに体を拘束されてしまった。
囚人の様に引かれ、連れて行かれた先には探していた2人ではなく、
2人の成れの果ての姿が2つ飾られていたのだった。
その衝撃の光景に怒るスーパーマンに対して悪魔の様な冷静さを見せるジョージは
交換条件を持ちかける。
交換条件を飲み、自分の身を犠牲に2人を救出することが出来た・・・
はずだった・・・・・。
スーパーマン:・・・・?・・・早く、彼らを元に戻すんだ!
ジョージ:何のために?
スーパーマン:・・・?!・・・約束だったじゃないか!
ジョージ:ガラスケースから”解放”しただろう?
スーパーマン:・・・!!・・・騙したのか!
ジョージ:失礼なことを言うな!実験材料のくせに!
スーパーマン:・・・?!・・・(なんだ、一瞬、体に走った電撃のようなものは・・・・)
ジョージ:わたしは約束を守ったんだ、次は君の番だ
スーパーマン:君が約束を守らないのならば、わたしも守る義務はない
騙されたことに気がついたスーパーマンは怒りに震えながら
目の前に無造作に直立させられている2つのオブジェを奪い返そうと
歩み寄りかけた瞬間!
ジョージ:ほら!時間だ、モルモット・・・こっちにこい!
スーパーマン:・・・?!・・・(か、体が・・・動かない・・・・)
ジョージの命令に意思とは関係なく体が反応してしまい悪魔の後をついて
別な部屋へと移動していくスーパーマン・・・・
助けるべき2人を残して・・・・。
ジョージに身を差し出してしまったスーパーマンには最早選択出来る行動は少なかった。
ジョージ:まずは、これをつけろ
スーパーマン:洗脳装置を・・・何故?
ジョージ:モルモットは知る必要はないんだ・・・命令に従え!
スーパーマン:・・?!・・・(体が勝手に動いていく・・・ま、まずいぞ・・・)
ジョージ:許可のない行動は許さない、いいな、モルモット・・・・
スーパーマン:・・・?!・・・(ま、まさか・・・力が封じられた!!)
ジョージ:よし、これで安心してデータが取れる・・・
あの2人と同じで君もおめでたい超人だよ
スーパーマン:卑怯だぞ!
ジョージ:あいにく僕は君達みたいに過程は気にしない主義でね・・・
大事なのは結果!君
が僕の所有物になったっていう結果が大事だね、僕には
スーパーマン:・・・くっ・・・
ジョージ:君がどれだけ正義に沿った行動をしても、
最終的に敵の手中に堕ちたら意味はないよね
スーパーマン:・・・・・(くそっ・・・超能力も力も本当に使えない・・・・・)
悔しさに震えるスーパーマンなど気にもとめず、近くの机から小瓶を持ってくるジョージ。
小瓶を頬につけられて初めてその怪しげな瓶に気がつくほどスーパーマンは動揺していた。
ジョージ:それを飲むんだ、スーパーマン
スーパーマン:・・・んぐっ・・・・げほっ・・・げほげほ・・・こ、これは・・・
ジョージ:それは僕が開発した細菌だよ
スーパーマン:細菌?!
ジョージ:不思議だと思わないかい?
化石になったバットマンと生きたまま剥製にされたロビンが
どうしてまだ生きているのか・・・
スーパーマン:・・・・・・・・
ジョージ:その細菌が体内で宿主を生かす活動をするんだ・・・
君もこれからはどんな環境でも生きていけるよ・・・
ふははははは・・・
スーパーマン:・・・・・(わたしも・・・あの2人みたいに・・・・・・)
超能力も使えない・・・戦うことも抗うことも出来ない・・・
絶望的な状況に追い詰められたスーパーマン。
さらにコレクションされた2人と同じ様に体を改造され、
自分の暗い未来を嫌でも想像させられ呆然とする哀れなモルモット。
そんなモルモットに追い討ちをかけるように悪魔は冷たく次の命令を出した。
ジョージ:着替えの時間だ、スーパーマン
スーパーマン:き、着替え?
ジョージ:君のコスチュームもコレクションすることになっているんだ。
実験でボロボロになってしまうのは困るからね
スーパーマン:・・・・・・・・・(やはり、抗えないのか・・・・くそっ・・・一体、どうしたら・・・・)
ジョージ:素直で助かるよ・・ははははははっ・・・・
言われるままに着替えを始めるスーパーマン。
ブーツを脱ぎ、ビキニを下ろし、マントを外し・・
そして、ついにあの青いスーツを脱いでしまった・・。
それはまるで正義のヒーローからモルモットへと堕ちたことを
体現しているようにさえ思えた。
コスチューム一式を悪魔に捧げ、代わりに渡された青いだけのスーツを着るのだった。
胸にはSの字もなく、風になびく赤いマントもない・・・。
鍛えられた肉体を強調するという点では同じであるが、
ただ青いだけのピッタリとしたスーツのみのスーパーマンは
惨めな雰囲気が漂っていた。
屈辱にまみれ、ようやく着替え終えたスーパーマンの目の前には自分が
直前まで来ていたコスチュームを着ているマネキンが立っていた。