スーパーマン編
第3話:再会
地球の平和を共に守ってきたバットマン・・・
彼の失踪はゴッサムシティに暗い影を落としていた。
ウェイン邸でアルフレッドから事件の情報をもらい、
現場へと急行したスーパーマン。
手始めに・・・
そう考えて入った事件現場である廃校で流れる敵からの放送。
その放送に従い地下室へと向かい、バットマンとロビンを人質に捕られ、
敵の指示通りに体を拘束されていく正義の超人だった。
奴隷の様に拘束されて歩いた先で彼が見たのは、
全く予想していなかった光景だった。
スーパーマン:な、なんだ・・これは・・・・・
ジョージ:何?って・・・君が探している”物”だよ
スーパーマン:・・・・彼らに一体、何をした!
ジョージ:何をって・・見たままさ・・・ふふっ
鉛入りのラップを外されたスーパーマンの目の前にいたのは
ゴッサムシティの英雄達ではなく、ジョージが言った通り、”物”だった。
バットマンと共に華麗に街を飛び回っていたロビンは、コスチュームこそ同じであるが
マネキンの様に時間を止められ飾られていた。
ジャスティスリーグで共に戦っていたバットマンは
ロビンよりも酷い状態だった。
胸元で腕をクロスした状態で石化しているのだ・・・。
スーパーマンの捜していた2人はどこにもいなかったのだ。
次の獲物の体に装着されている拘束具を外しながらジョージは淡々と話を続けた。
ジョージ:あっ、でも大丈夫・・彼ら、まだ生きているからさ
スーパーマン:・・・?!・・・生きている?
ジョージ:テレパシー・・使ってみたら?
スーパーマン:(バ、バットマン・・・ロビン・・・・本当に君達なのか?)
バットマン:(スーパーマン・・・わたし達を助けに来てくれたのか?)
ロビン:(僕のせいで・・・・僕がこいつらに捕まったせいで・・・・・)
スーパーマン:(待っていろ!今すぐに助ける!)
バットマン:(・・・・すまない・・・気をつけてくれ)
ロビン:(・・・・僕はいいからバットマンだけでも助けて、スーパーマン)
カチッ!
サァァァァァァァ・・・ガシャン!
ビィィィィィィィ
テレパシーによる会話が済んだころを見計らってジョージは
コマを次にすすめていた。
デバイスのボタンにより2つのオブジェはガラスケースに入れられたのだった。
それだけじゃなく、そのガラスケースの中には強烈なクリプトナイトが
照射され始めていた。
ライトアップされた美術品の様に飾られるゴッサムの英雄。
スーパーマン:(ちっ・・力づくでは助けられないってことか・・・・)
ジョージ:残念だったね
スーパーマン:二人を解放しろっ!
ジョージ:こっちから出す条件を飲むんなら解放するよ
スーパーマン:・・・条件?
バットマン:(ダメだ!スーパーマン)
ロビン:(耳を貸しちゃダメだ!)
ジョージ:うん、条件。
スーパーマンが僕達の実験材料として身を差し出すのなら
2人を解放するよ
スーパーマン:お前達が約束を守るわけがない・・・
そのままわたしを拘束するつもりだろう!
ジョージ:それを言うなら、僕達が条件を守ってもスーパーマンが
自分を実験材料に成り下がるなんて思えない
バットマン:(話にのってはいけない!)
スーパーマン:この条件にはわたしの命と2人の命がかかっている・・・
そう簡単にうなづけるものじゃない
ジョージ:自分こそ2人を解放したら逃げるつもりなんじゃないの?
守る自信ないんでしょ?
ロビン:(ダメだ!話を聞いちゃいけない!スーパーマン)
スーパーマン:正義のヒーローは約束を破るなんてことはない!
ジョージ:じゃあ、契約成立だね・・・これを
スーパーマン:・・?・・・なんだこれは?
ジョージ:これは洗脳装置さ
スーパーマン:洗脳装置?これが洗脳装置だとわかっていて装着するわけがない
ジョージ:この装置に誓うのさ、互いに
スーパーマン:互いに?
ジョージ:僕から先に装置を使うよ・・
そうすれば僕達が約束を破ることはない・・
装置が本物か不安なら二人に聞いてみたらいい
スーパーマン:いや、いいだろう・・・
装置が嘘なら守るべき約束も存在しないんだから大丈夫だ
スーパーマンに見えないところで邪悪な笑みを浮かべ、
洗脳装置を自らの頭にセットするジョージ。
この契約に欠陥はない!そう確信するスーパーマンはこの笑みに気が付いていなかった。
契約を成立させ、スーパーマンを拘束する器具を全て外すジョージ。
ジョージ:スーパーマンが洗脳装置を使い、実験材料になると宣言をしたらバットマンとロビンを解放する
スーパーマン:(本当に使用するとは・・・・)
ジョージ:さぁ・・・
スーパーマン:わかった・・・わたしは実験材料としてジョージに身を差し出す
ジョージ:ありがとう・・スーパーマン
ビィィィィィ・・・ビィィ・・ビッ・・・・
サァァァァァァ・・・・ガタンッ!