第5部
黒く終わる刻
第9話
相反する狩人と獲物の想像を絶するイベントが終了し、部屋には静けさが戻っていた。
そこに残っていたのは、100%の収穫を得られたわけではないが、おおよそ予想通りにことが
運び満面の笑みを湛える狩人と言葉のままに根こそぎ持ちうるものを剥ぎ取られていく獲物・・・
そして、共犯者との契約であるデータディスクだけだった。
ラリル:どうだね?気分は・・・
スーパーマン:・・・・?!・・・わ、私は・・・一体・・・・・
ラリル:正義の超人様、ご気分はいかがかな?
スーパーマン:正義の・・・超人???(誰のことだ?)・・・・
き、気分は申し分ない・・・・です、ラリル・・・・様・・・・
ラリル:そうか、そうか・・・(洗脳は成功しているようだな・・・)では、移動するぞ・・・
スーパーマン:は、はい・・・・
洗脳装置を降りるの待っていたかのように、体に装着されたフェイスハガー達は
一斉に起動し始め、再び快楽の底へとスーパーマンを引きずり込んだ。椅子を降りたまま、
フラつく体で思わず転びそうになるも体勢を立て直しラリルに付き従う。
意識から無理やり奴隷にされたことは綺麗さっぱり消え失せている彼は
気が付かなかっただろうが、首輪につながる鎖が今回は装着されていないのだ。
もちろんラリルが装着し忘れたわけはなかった・・・・
もう、必要がなかったからだった・・・・。
スーパーマン:ま、待って・・・はぁ・・・ふぅぅ・・・・ください・・・・
ラリル:なんだ?どうしたのだ?
スーパーマン:ま、まだ・・・枷が・・・・・
ラリル:・・・?!・・・・あぁ、鎖のことか・・・・ようし、つけてやろう・・・・
スーパーマン:あ、ありがとう・・・ご、ございます・・・
自分の洗脳が完璧なまでに施されているとは言え、椅子に座る前ではあり得なかった
発言に少々驚くラリル。
そして、自分を拘束することを懇願し、お礼まで言ってしまうこの異常事態に
何の違和感も持たないスーパーマン。
椅子に座るために外されていた両足、両手の動きを制限するための鎖は簡単に装着され、
従順な奴隷に成り下がった今のスーパーマンには必要のないものではあるが、
しっかりと動きを奪い、歩くのさえも困難な状態へとおとしめてしまった。
ラリル:よしっ、褒美だ・・・・
スーパーマン:・・・・?!・・・・あ、ありが・・・はぁはぁ・・・とう・・・・
ご・・います・・・・はぁ・・・・
鎖を元に戻し、姿勢を正すと、そのままフェイスハガーの支配する股間を握り締め
刺激を与えるラリル。
ただでさえ、常時与えられる刺激に我慢するのが精一杯なところに強烈な刺激が加わり、
喘ぎながらも主人にお礼を言う哀れな犬。
ひたすらに廊下を歩き、どれだけ移動をしただろう?頭に占める人質への思い、
仲間に対する信頼と助けを求める念はどんどん歩数に反比例して減少していくようだった。
それもこれも体を快楽が徐々に支配しつつある証拠だった。
記憶も知識も、そして意識さえも掌握された今のスーパーマンにはそれを防ぐ手立ては
微塵もなかった。
ラリル:さぁ、ついたぞ・・・・
スーパーマン:こ、ここは・・・・一体・・・?
新しく植えつけられた記憶には光の届かない暗闇、不衛生な湿度の高い深いな地下しか
覚えがないスーパーマンにとっては、目の前に広がるごく一般的な部屋は見覚えどころか、
始めてみる綺麗な部屋にとまどいさえ覚えるほどだった。
キョロキョロと辺りを見回し、汚物にまみれた自分が脚を踏み入れてもいい場所なのか、
それが気になり足元を見続ける、そんな奴隷の顎を掴み、自分の顔の方に
視線を向けさせるとラリルは優しく言い放った・・・。
ラリル:ここは私のプライベートルームだ・・・私の可愛い奴隷君
スーパーマン:ラ、ラリル・・・様の・・・部屋・・・・
ラリル:さぁ、入りなさい・・・
スーパーマン:わ、わかりました・・・・
主人の命令とはいえ、あまりに場違いな場所への入室に挙動不審になるスーパーマン。
ラリル:そこに座りなさい・・・さぁ
スーパーマン:は、はい・・・・す、座りました
ラリル:質問があります・・・お前はバットマンと相棒のロビン、グリーンランタン、
フラッシュ、アクアマンを知っていますか?
スーパーマン:し、知っています。ジャ、ジャスティスリーグの・・・仲間・・・です。
ラリル:彼らの弱点を教えなさい
スーパーマン:じゃ、弱点ですか?・・・そ、それは出来ません・・・・
ラリル:どうしてです?あなたの主人は私ですよ?
スーパーマン:・・・こ、これだけは・・・・ラリル・・・様にも言えま・・・せん
ラリル:そうですか・・・では、あなたが必死に守ろうとしていたものを壊すしかありませんねぇ
スーパーマン:ひ、必死に守ろうと・・・していた・・・もの?