第4部
悪夢再来
第6話
敵の策略に嵌められ、そこにはいない偽者の人質の命のために奴隷になる宣言をし、
自ら体を拘束する枷を嵌めていく哀れな超人。
用意周到な計画をする敵がこのままで終わるはずもなかった・・・・
ラリル:よく出来ましたね、奴隷君
スーパーマン:くっ・・・・
ラリル:こっちに来なさい
カプセルが床に収納され、ようやく開放された・・・四肢の不自由の代わりに。
言われるがままにラリルの側に行く超人。
スーパーマン:ぐぅあっ
乱暴に首を引き寄せ綱を首輪に繋げられてしまった。
ラリル:きちんとルールを守れたあなたに最後の拘束具を渡します
スーパーマン:まだあるのか?
ラリル:見覚えあるでしょう?
スーパーマン:そ、それは・・・?!・・ま、まさか!
ラリルの手の上には先日街で暴れたフェイスハガーと同じものが1匹乗っていた。
しかし、少し形も色も異なるものだった。色は白く、体は不定形に近いものだった。
キシャァァァァァァ
兄弟達の仇と言わんばかりに哀れな奴隷に成り下がったスーパーマンの顔目掛けて
フェイスハガーが襲い掛かった。
スーパーマン:んぐっ・・・んがぁぁぁぁ・・・・
勢いよく顔に貼りつくフェイスハガー。
左右に3本ずつある足のうち前足を耳の上から、真ん中の足を耳の下から回し
触れ合ったところで融合させた。
耳に輪状のフックがかかったのと同じ状態だった。
顔への貼りつきが完了するとすかさず尾を首に回し、突き刺した。
量は少ないが血液を吸い上げているのが感覚でわかった。
このフェイスハガーの拘束はこれで終わりではなかった。
残った後ろ足をうなじに回しこみ足同士を融合させてしっかりと頭に拘束したのだ。
二重三重に自分の体を獲物の顔に貼りつけた。
うなじ周辺で足を融合させると薄い膜の様に足を広げ始めた。
まるで鼻からした、顎を包み込むマスクの様にさえ見える形態へと体を変化させたのだ。
どれだけ超人が口を動かそうにも口周辺にも密着した悪魔の体はずれることもなく
隙間は一切出来なかった。
顔への密着を終えると口と思われる部分にある2本の管をスーパーマンの鼻に差し込んだ。
かなり深く管を差し込むと管が膨張を始め、鼻と管との隙間をなくし密着させてしまった。
一連の拘束活動により息をするにはフェイスハガーの体内を通過した空気しか
吸うことが出来なくなってしまった。
伸縮自在なので会話は出来るが口での呼吸は出来ない状態へと落しこめられてしまった。
拘束作業が完了すると体を可能な限り縮め、獲物の顔を締め付けた。
以前にギロチン台で被せられたマスクと同じ、いや、それ以上の締め付けに
圧迫感さえも感じるほどだった。
ラリル:どうだね?気に入ったかい?
スーパーマン:おぇ・・・ぐっ・・・
ラリル:嬉しいかい?大丈夫、時間はたっぷりあるんだから・・たっぷりね・
スーパーマン:う、うぇ・・・(まずい、チャンスが・・・・)
ラリル:ほら、行くぞ、奴隷・・・・
スーパーマン:げぇ・・・
顔に装着された拘束具から与えられる不快感に吐き気を催すも外すことも出来ず、
立ち止まりたいがその自由さえなく、ラリルに引かれるままにさらなる地獄へと連行された。
スーパーマン:(ロイス・・・ジミー・・・・)
名残惜しそうな瞳で階段を見つめ、重く冷たい扉の奥へと消えていくスーパーマン・・・・。
今にして思えば、これが正義のヒーローとしてのスーパーマンの最期だったのかもしれない・・・。