第4部
悪夢再来
第5話
最初のロボットとの格闘から全てが計算され尽くしていた今回の事件。
その事実に気が付いた今、すでに手遅れの状態に陥り、生きるも死ぬも全てが
敵の手に委ねられていた。
そして、敵のしかけた罠に嵌り、とうとう奴隷になる宣言をする羽目に・・・・。
ラリル:ルールは簡単です。
スーパーマン:ルール?
ラリル:余計なことを一言も言わず、拘束具を装着しながら奴隷にさせていただく、
と言いなさい
スーパーマン:なっ・・・
ラリル:おや?出来ないのですか?
スーパーマン:や、やる・・・やるさ・・・
ラリル:では、人質達に音声が届くようにしました・・・
スーパーマン:ゴクンっ・・・・
ラリル:人質の皆さん、我らがスーパーマンから話があるそうですよ
人質:な、何でスーパーマンがカプセルに?
人質:凄い汚れてるぞ・・・
人質:もしかして、負けたのか?
ラリル:静かにしないかっ!
人質達:・・・・・・・
カプセルの中のスーパーマンの全身を映すカメラ・・・余すところなく映し出され、
惨めな表情を浮かべるヘドロにまみれた超人。
震える手で足枷を嵌め始めるスーパーマン。
スーパーマン:わ、私は・・・今から・・・・奴隷になります・・・
人質:?!・・・な、なんて?
震えは治まらないが手を休めることは出来ず、首輪の装着に取り掛かる。
スーパーマン:ラ・・ラリル様に奴隷として飼っていただきます・・・
人質:う、嘘だろ?嘘なんだろ?
人質:言わされているに違いない!
涙こそ出ないが、悔しさからか恥ずかしさからか体全体が小刻みに震えていた。
首輪も足枷も装着された状態で最後の拘束具・・・手枷を嵌め始めた。
スーパーマン:こ、これは・・・私の本心です・・・私は奴隷・・・・
人質:・・・・・・・・・・・
プツンっ
モニターの映像が消えた・・・衝撃の映像を見て硬直した人質の姿を最後に表示して・・・。
人質(悪党):ぷはははははは・・・・ざまぁぁねぇな・・・
人質(悪党):あれが正義の超人スーパーマンとはなぁ
人質(悪党):俺らを助けたくて罠に堕ちたんだろう?
人質(悪党):傑作だよな・・・演技さえすれば邪魔者がいなくなる
人質(悪党):ラリルさんも俺達も両方が得をする
人質(悪党):あぁ・・・次のシーンまでは休憩だな・・・
スーパーマンが自分を奴隷として差し出してまで助けようとしている人質・・・
それは一般人ではなくラリルの集めた悪党だった、
それも以前にスーパーマンによって投獄された経験のある者ばかり。
条件はこうだった・・・。
こちらはスーパーマンを捕獲、監禁、破滅させる。代わりに人質として迫真の演技をして欲しい。
無事に彼を破滅させた後は今までどおりに街で好きなように暴れてよい。
この条件に食いつかない悪党はいないだろう・・・
忌々しいスーパーマンの最期の時に貢献できるのだから。