闇の地下プロレス(8)
俺の上に跨り、罵声を浴びせる和男を下から見る俺の目は少し涙目になっていた。
それは、決して股間の激痛から来るものではなく、今まで親友と信じていた和男の
俺に対する嫉妬と裏切り行為に対する俺の感情がもたらしたものだった。
それを見た和男はすかさず「何だ星矢!。股間を潰されない為の命乞いか?。ハハハ・・・」
それを聞いた瞬間俺は和男に対する親しみは全て消し飛び、
替わりに和男に対する憎しみのみがふつふつと涌き出し、俺は和男の股間へストレートの
ナックルパンチを叩きこんだ。
ガッーン
「うわあぁぁぁぁぁぁ・・・・」
しかし、悲鳴を上げたのは俺の方だった。・・・・・・
和男は奴のリングコスチュームの下にしっかりと「金的カップ」を着いていたのだ。
俺は、和男の股間へ叩きこんだ方の拳を覆う様にマットに四つん這いになっていた。
すると俺の背後から和男の冷笑交じりの声で
「聖矢ー、まだ気がつかねーか。ホントにトロイ奴だぜ!。
このリング上で男の大事な急所に金的カップを着けてないのは
テェメぇー一人なんだよー。
まぁー、控え室でお前が金的カップを着けようとした時に止めたのはこの俺だし、
第一、金的カップを着けられないようなコスチュームをお前に渡したのもこの俺だぜ。
その時に少しは怪しいと気づけよな、バーカ。ハハハ・・・」と
言い終わらないうちに和男は俺の股間にトーキックをぶち込んできた。
俺は室内に響き渡るような大きな呻声を上げ、拳を覆っていた手で股間を襲えて
顔面をマットに着けて、荒い息をして全身を『プルプル』と震わしてマットに蹲った。