闇の地下プロレス(7)

 

俺を助けようとした和男の惨状を目の当りにした俺は一瞬にして理性がぶっ飛び、

1号のマスクを掴むと、狂ったように奴にヘッドバットを何発も何発も繰り返し

奴は狼狽しマットに尻餅を着いた。

俺は奴の体をコーナーに押し付け、俺はトップロープを掴むと右足で奴の顔面に

「顔面ウォシュ」を繰り返し「よくも今まで、今まで好き勝手なこと言いやがって、

 俺の大事な急所をいたぶってくれたなぁー!。

 オマケに和男にまであんな惨い真似しやがってー」と言って

今度は奴をマットから立たせると、奴にヘッドロックを掛け、対角の叩きつけてやった。

頭を両手で押さえ、マットを逃げ回る奴の後頭部に延髄斬りをかましてやった。

奴は仰向きに倒れもがいている。

俺は、リング下の和男の様子をチラリと見たら、和男はようやく意識を取り戻した様で、

リング下へ潜っていった。

(和男、大丈夫か?。 そうだ!。いいぞ和男リング下には何時も凶器に使う竹刀や木刀が

 隠してある。それで早くこいつ等を滅多打ちにしてこんな試合速くケリを着けようぜ)

と思って和男のそんな行動を見守った。

そして、マットに仰向けに倒れている1号の上に跨ると奴に対して

「試合早々、いろいろ食らわしてくれたよなぁ〜。下の玉は金的カップに邪魔されたが、

 お前の顔にある玉なら俺にも攻撃ができるんだぜぇ〜」と言った後、

俺は右手の指をVの字にして今まさに奴に対して目潰しをしょうとした瞬間

「星矢、待たせたなぁ〜〜〜」と言う和男の声がした。

その時、1号に跨って大股を開いていた俺の太股の間から俺の玉を掴むように

逞しい腕が伸びてきた。

「イッ,痛ッテェ-、は、離せー」と叫んだが、そのままバックドロップを決められ俺は

頭からマットにノメリ込んだ。

「ぐはぁぁぁぁぁぁーーー」

だが俺の玉を掴んだその手は離れることなく、俺のを握ったり、摩ったり胡桃の様に手の

中で摩りグリグリと擦り合わせて揉み出した。

「だっ。誰だーてっ。手を離せーー変体野郎」と罵声を浴びせて下から奴の顔を覗いて

俺は愕然とした。

「かっ、和男ー?。どっ、どうして?俺にこんな仕打ちを?ーー」と苦しい息の使いで

奴を見上げた。