闇の地下プロレス(6)
1号は、足を縮め俺の股間の揺れを晒すことしか念頭になかったから、
技の掛かりが緩くなった事に気づいてなかった。
俺はこの技から抜け出し、がら空きになってる1号の股間の玉の部分に
俺の右足の踵部分を打ちこんだ。
(2号の奴は金的カップをはめてたから、金蹴りしても無駄だったが、
こいつは奴よりモッコリしてないからこの踏み付けは効いてるはずだ)と思ったが、
1号の奴は何のリアクションもせず
「聖矢よ、猿真似ばかりするんじゃね-ぞ このヤロー」と俺に罵声を浴びせ、
ローキックを俺の膝の裏に決められ俺は再びマットに大の字になると
奴は素早く俺の足元に駆け寄り、
「星矢ー。金蹴りはなぁー。こうやって金的カップを付けて無い奴のキンタマに
決めるんだー」と怒鳴りながら俺に言うと、素早く俺の両足をこじ開け今度は俺の玉に
ストンピングを2発放ちやがった。
俺は「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」と叫び
股間を両手で押さえリングを転がりながら奴との距離を取った所で,
下半身を「プルプル」と振るわせながら、内股になって立ち上げリ奴に向かって、
苦しい呼吸の下で「チクショーーお前まで・・・・金的・・カップを・・付けやがってー」
と睨み付けながら、奴に吐き出す様に言った。
「当然だ」と奴は俺を馬鹿にして笑い飛ばした。
そのやり取りを見ていた和男が俺に「星矢、俺と代わろう、俺はもう大丈夫だ。
さー、早く・・」と言って、トップロープから上半身をリングの方へ乗り出し、
大股を開いて俺とのタッチを待った。
俺も(有難う和男!これで股間の急所攻め地獄から開放される)と思い、
思いっきり手を伸ばし和男と手が触れるようジリジリと
和男の待つ自分のコーナーへと這いよった。
が、この時、俺の目には大股を開き俺のタッチを受けようと構えている和男の背後から
襲いかかろうとする2号の姿が飛びこんできた。
俺は咄嗟に「和男!。危ない!。お前の後ろに2号がー」と叫んだが時すでに遅く、
右手にメリケンサックを握り締めた2号のその手が、
大股を開いてタッチを待ち構えていた和男の股間に下から突き上げる様に打ち込まれた。
和男の顔色は青白く替わり「ぐうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・・」と叫びながら
後頭部から場外のマットの上に倒れ落ち、口からは白い泡を噴出し、
全身をピクン・ピクンと痙攣させた。
2号は「いい所で邪魔ばかりしやがって、このヤロー」と言いながら
和男のわき腹にトー・キックを2発、3発と打ちこんだが、
和男は全身を痙攣させるだけで起き上がらない・・・・・。
俺は「和男ー、和男ー」と奴の名前を連呼しつづけた・・・・・・・・・・。