闇の地下プロレス(13)

 

1号は俺の後頭部を踏み付けながら2号に

「おぅ2号、そろそろ星矢の玉を放してやれ。

 俺様がこの小僧とチョコット遊ぶからさぁ〜」とおどけた様に

2号に手を合わせて拝んだ。

2号は「ハハハ・・・。1号、俺はまだ仏さんになってないぜー。

俺も後から星矢で遊びたいから程々にしておいてくれよ〜〜」と

コイツもおどけながら、握っていた俺の玉からようやく手を放した。

マットにうつ伏せで大の字になっていた俺を1号はボーアンド・アローを仕掛けて、

客席に俺のビキニの染みを見せ付ける様に俺の体を弓なりに反らせて

「お客さんー今日はラッキーだなぁー。

 イケメン星矢の染み付きビキニがそこからでも見えるかぁー?」と

大声で会場に呼びかけた。

観客達は大喜びで「1号よくやったー。ハハハ・・・・・」と大歓声が上がった。

俺は虚ろな目で失神しそうだったが、失神しかけると1号が技に力を入れてくるので、

そう簡単には失神させてはくれない。

そんな、攻撃が大体5分ぐらい続き、俺は堪らず「1号!。ギブさせてくれー頼む。

ギブでTKOって事にしてくれぇ〜〜〜〜〜」とついに俺は情け無い懇願を1号にした。

1号は、技を解き、俺を立たせてくれた。

「ニッコ」とマスク越しの奴の目が微笑んだのを見て

俺は「やっとこの地獄から開放」されるんだと確信し、

1号と握手をしようと手を差し出した瞬間、1号の目から微笑みが消え

俺の股間に再度ナックルパンチを叩きこんできた。

「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー」と呻声を上げて

俺は股間を押さえそのまま後ろへひっくり返ってしまった。

「うぅぅぅーー1号!。俺は自分からギブアップ宣言したじゃーないかぁー。

 だからお前は技を解き、俺を立たせてくれたんだろー?。

 それなのになぜ?、なぜなんだー」と俺は涙目になりながら

マットに片膝をついて奴を見上げた。

奴は無言でマットに付けていた俺の片膝を払い

俺を仰向けの大の字状態にして、トップロープに上がると、

俺の股間めがけてダイビング・ヘッド・バットを入れた。

「うううぅぅぅぅぅぅ・・・」と唸り股間を手でカバーしたいんだけど、

奴の頭が邪魔してそれが出来ない!

奴は俺の股間に頭を着けたままの状態で大声で

「お客さーん、星矢が俺にギブ宣言したって言いやがったが、

 誰かそんな寝言聞いた奴いるかぁー?」と客席に聞いた。

客達は「そんな寝言なんか誰も聞いてないぞー。やれやれー」と1号を嗾ける声が

上がるばかりだった