闇の地下プロレス(10)

 

薄れいく意識の中で俺は完全に「敗北」を意識し、

出来ることなら場外のこのマットの上でTKOされるのも良いとさえ感じ始めていた。

しかし、俺のそんな甘い夢はシャークブラザースの得意な

例の俺の股間への攻撃で打ち砕かれた。

奴等は,俺を軽々と持ち上げると場外の鉄柵めがけて俺の股間を打ち据えた。

「うあぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」と悲鳴を上げる声も

奴等の攻撃をエスカレートさせただけだ

奴等は、鉄柵に跨った俺の両足を抱えて、鉄柵に跨ったままの俺を

前に後ろにスライドさせた。

鉄柵との摩擦で薄かった俺のリングコスチュームは

もっと薄くなっていく様にさえ感じた。

そんな、股間が擦切れるような攻撃が5分ぐらい続いただろうか、

2号が鉄柵の上でぐったりしている俺を軽々とリフトアップして

リングの中に投げ入れた。

鉄柵との摩擦で薄くなったコスチュームの股間の部分を手で押さえ、

リングの中を転げまわった。

2号はそんな俺を尻目に「和男!。今度は星矢にどんなのを食らわしてやるんだ〜?。

 俺達の目をしっかりと楽しませてくれょー」とおどけた感じで和男に声を掛けた。

和男は俺に「星矢!。あんなことで失神してTKO宣言してもらえると思っていたんじゃ

 ねーだろうなぁー?。俺達のお楽しみはまだまだこんなものじゃねぇーぜー」と

言うなり俺を引き起こし、ロープへと投げ付け、ロープの反動で

戻ってきた俺の喉もとに和男の逞しい太い腕が食い込み

ラリアットで再びマットに叩きつけられた俺は

「ゴホ、ゴホ」咳き込んでいたが、奴は躊躇いも見せず、

2〜3發のフットスタンプを俺の腹筋に叩きこんでから、

ボストンクラブの態勢に入った。

俺は、自分の腰が折れるぐらいに上半身を起こし、

技から逃れ様としたが和男は絞り上げていた

片手を離すと再びその手は俺の股間へと伸びていった。