愛しいエース  

 

2・2・1 欲

第1話

 約束を果たし戻ってきたエース。

 サトシの気持ちに応えたい!

そう考えて自らエネルギー制御装置を身につけ、十字架に磔になったエース。

 そのエースの気持ちを聞き、タイマーの制御装置「seal」を発動して

エースを一時的に封印したサトシ。

 しばらく十字架の前で座り込み、考え込んだサトシだったが・・・ついに立ち上がり、

エースの持ってきたヤプールの開発道具をあさり始めたのだった。

 サトシの準備は整った。

 エースの運命も尽きたようだ・・・・。
 
エース:・・・・・ん?・・・サ・・トシ?・・・・

サトシ:おはよう・・・エース。

エース:そ、そのスーツはなんだい?

サトシ:これ?ヤプールの道具みたいなんだ・・・

     思ったものに変身できるんだって

エース:・・・あ、ありがとう、下ろしてくれて

サトシ:じゃあ僕のお願い聞いてくれる?

エース:・・?!・・・あ、あぁいいとも

サトシ:僕、これから超獣に変身するから僕と戦ってよ

エース:・・・?!・・・・サトシと・・・戦う?

サトシ:大丈夫、この部屋はヤプールのバリヤで守られてるから壊れないよ

エース:だ、だが・・・君が怪我をしたら・・・・

サトシ:もしも僕が負けて怪我をしても君が治してくれるんだろう?

エース:あ、あぁ・・・・しかし、気がひけるな・・・・

サトシ:大丈夫・・・やろうよ・・ねっ?

 サトシの装着したスーツは虹色に輝きサトシを包み込んでいった。

 その眩い光が弾けるとそこにはエースと同じく人間サイズのベロクロンがいた。



ベロクロン(サトシ):さぁ・・始めよう!油断すると死んじゃうよ?

エース:(やるしかないのか・・・)わ、わかった・・・・

 中身がサトシとわかっているだけになかなか本気になれないエース。

 そんなエースとは裏腹にやる気満々のサトシ。

体にみなぎる闘志の差は歴然だった。

ビィィィィィ・・・グルルルルルル

エース:・・・?!・・・し、しまった・・・

ベロクロン(サトシ):あぁぁぁあっ・・知らないよ?

エース:ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・

 ベロクロンとなったサトシの掲げた両手から放たれた光の輪はエースの頑丈な体を

両腕ごと肘の部分で縛り上げた。

 強力に、徐々に絞まる光の輪はエースに苦しみを、サトシに喜びを与えていった。

 そして、動きのとれないエースにサトシは両腕から破壊光線をカラータイマーに浴びせ続けた。

ベロクロン(サトシ):どうしたの?エース、本当に死んじゃうよ?いいの?

エース:ぐっ・・くそっ・・・ここまでとは・・・・

     た、確かに・・このままでは・・・・


 喜ぶサトシは再び体を変化させサボテンダーへと変身した。



 ベロクロンではなくなったもののエースを縛り上げる光の輪は途切れずに

締め上げることを止めなかった。

シュルシュルシュル・・・グイッ・・

エース:ぐっ・・・げほっ・・・・ぁはぁはぁ・・・

サボテンダー(サトシ):どう?エース、苦しい?

エース:・・んぐっ・・・

 サボテンダーの舌に首を締め上げられ、光の輪に胴体を締め上げられ呼吸など

出来るわけもなかった。

 笑うサトシの質問に何一つ答えられないエース。

 しかし、サトシの猛攻はここで終わりではなかったのだ。

ヒュン・・・カチッ・・・

バチチチチチチチチチ・・・

エース:ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・

サボテンダー&ホタルンガ(サトシ):部分変身も出来るみたい、凄いね、このスーツ

エース:(た、確かに・・・このままでは確実に殺される・・・・

     し、しかし・・・抜け出せない・・・)・・・・・・

     がはっ・・・・・・


サボテンダー(サトシ):これ・・これがやりたかったんだ・・・!!!!

エース:(こ、この姿は・・・・)