愛しいエース  

 

2・1・2 情

第5話

 

エース:・・・サ・トシ・・・お、お願いがあるんだ・・・・

サトシ:な、何?ど、どこか痛いの?

エース:そ、その・・・わ、私を・・・こ、興奮させて・・くれ・・・・ないか?

サトシ:・・・?!・・・エネルギーが切れそうなんだね?

エース:あ、あぁ・・・そ、そうなんだ・・・

 サトシは涙を拭い、動けないエースのもとに歩み寄り静かに股間をなで上げた。

 その行為に体を敏感に反応させ快楽のエネルギーを体に溜め込み始めるエース。

それとは対照的に罪悪感がたまっていくサトシ。

 股間でたまった快楽エネルギーは貞操帯からエネルギー制御装置に送られ、

負のエネルギーに変換された後、動けない体の隅々にまで送られるのだった。

 サトシのおかげでエネルギーを体に溜め込むことが出来たが、

体には着実に負のエネルギーが蓄積し、正義のヒーローを蝕んでいった。

エース:あ、ありがとう・・・サトシ

サトシ:お礼を言われることはしてないよ・・・

     それよりも・・どうしよう・・・エース・・・


エース:そうだなぁ・・・・もう私はこの状態から逃れる術はないと思うんだ・・・

サトシ:そ、そんなこと言わないでよ・・・諦めないで


エース:しかし・・・わ、私は・・サトシさえよければ、

     このままサトシの側にいたいと思っているんだが・・・

サトシ:・・・?!・・・・な、何を・・・言っているの?

エース:いや、違うな・・・サトシが嫌じゃなければ・・・私を・・・

     私の面倒を見てくれないか・・・・

サトシ:・・・・・・そんな・・・・・・・・・

エース:こんな私は嫌いかい?サトシ

サトシ:そうじゃない・・・そうじゃないけど・・・・・・簡単に諦めるなんて・・・

エース:・・・・・・・・

 二人の間に沈黙が流れた・・・しかし、その沈黙をも無視し、

エースには頭上から忌まわしい粘液が降り注いでいた。

 今や逃げられないのはエースだけではなかったのだ・・・

ヤプールがサトシに憑依した時の置き土産として、

サトシの部屋も異空間に閉じ込められ、サトシも逃げることが出来ないのだ。

 そんな時、事態は急展開することになる・・・・・・

バリッ・・バリバリ・・・・・ガシャン・・・・・

エース:・・・?!・・・・

サトシ:・・・?!・・・・

 二人の目の前に空間に開いた穴が出現したのだ。

 ヤプールの超獣が現れるときの様に空間が砕け散り、穴が開いた・・・・。

しかし、その空間のつながる先は異次元ではなく地球だった・・・。

エース:ち、地球・・・・?!・・・・サトシ、行くんだ!

サトシ:・・・・?!・・・

エース:逃げるにはこのチャンスを逃す手はない・・・早く!

サトシ:い、嫌だ!・・エースを置いて行くなんて・・

エース:わがままを言わないでくれ・・・

     私はついていけない・・・

     でも、君を逃がすこともできないんだ・・

サトシ:で、でも・・・・

エース:そ、それに・・君が外に出て、私の兄弟達に伝えてくれれば・・・

     私も助かるかもしれない!

サトシ:・・・・?!・・・・

エース:は、早く・・・行くんだ!

サトシ:・・・・・・

ビィィィィ・・・ズドン・・・・

 エースを見捨てることが出来ずに逃げ出せないサトシを逃がすため、

残された光のエネルギーを搾り出し、サトシの足元にタイマーショットを放った。

 わざと外されたタイマーショットでサトシは飛びのいてしまい、歪みに入り込んでしまった。

サトシ:エース・・・エース・・・・・

エース:サトシ・・・・無事で帰ってくれ・・・・

フゥゥゥゥゥゥゥ・・・・

 1人では何一つ出来ない状態のエースを残し、サトシは空間の歪みを通って

地球へと戻っていった・・・・。