愛しいエース  

 

2・1・1 愛

第3話

 

 自分を助けてくれたサトシに恩返しを!そう考えたエースだったが、

思ったことを実行できないでいるサトシ。

 その優しさに応えるために今自分が思いつくことを実行し始めるエース・・・。

 体を妖しく汚す液体を被り、首輪を見て興奮したと聞けば

手足に拘束具をつけて見せた。

エース:ま、まだだ・・・はぁはぁ・・・・

サトシ:エ、エース・・・・も、もうやめようよ・・・

エース:だ、ダメだ・・・わ、私は君に何もしていない・・・

サトシ:・・・・・・・・・・・

 あまりの異常行動に慌てるサトシをよそに、時間が経つごとに息遣いを荒くしながら

エースの恩返しは続いていった。

 エースの恩返しはすでにお礼ではなく使命として

エースの中に存在していたのかもしれない・・・。

パカッ・・・ゴクゴク・・ゴクゴク・・ゴクゴク・・・・

サトシ:エース・・・そ、それは・・・・

エース:はぁはぁ・・・んんっ・・・んぅ・・・・

     そ、そうだ・・・・あ、あの・・ふぅぅ・・・・薬・・・だ・・・・

サトシ:だ、ダメじゃないか・・・・体が・・・おかしくなっちゃう・・・・

エース:つ、次で・・・最後だ・・・・

 最初にエースがサトシの部屋に転送された時、サトシがエースに服用させた毒薬を

自ら大量に体内に取り込んだのだ。

 その効果は二人とも承知済みで、サトシが持った量よりも遥かに多くの毒薬を飲んだため、

エースは呼吸するだけでも興奮が抑えられない体になりつつあった。

 そんなエースがサトシに告げた「次で最後」が今行われようとしていた。

 エースは震える手で自分の胸に付くエネルギー制御装置のダイヤルを回し始めた・・・「bondage」。

シュルシュルシュル・・・スルスルスルスル・・・ギチッ・・・・

スゥゥゥゥゥゥゥ・・・カシャン・・・シュルシュルシュル・・・ギチッ・・・・

 サトシもエースも想像しない展開が目の前で起きていた。

 タイマーの淵から2本の漆黒のロープが伸びたかと思うと、

意思があるように首輪にたどり着き、融合した。

 首輪からさらにエースのタイマーの脇を通り貞操帯に降り立った2本のロープは

そこでも股間を封印する拘束具と融合しエースの体を縦に縛り上げた。
 
 この黒い宇宙ロープはまだ動くことを止めなかった。

 貞操帯の尻の部分から背中を通り、背後から首輪に到達、再度融合を果たした。
 
 エースの体は直立することを強いられ、まるで攻撃を受けているのかと

錯覚するほどにギチギチと拘束された。

 そこからは首輪から再び顔を見せた意思あるロープは編み物でもするかのように前に、

後ろに、クロスした部分を融合させながら、六角形の輪をエースの体に刻んでいった。

 そう・・・エースが自ら選んでしまったモード「bondage」は装着された体を

亀甲縛りにして拘束するものであった。

 それも、切断が不可能とされる宇宙ロープが結び目ではなく融合しながら形成される亀甲縛りは

最早エースにもサトシにも解除不可能であった・・・・。

 十分な六角形を作り終えたのか、ロープは貞操帯の背面に戻り融合・・・

首輪、貞操帯、エネルギー制御装置がこれで一体となったのである。

 そこからのロープの動きは単純なものであった・・・

エースの体をギチギチと縛り上げ、苦しめるのみだったのだ・・・。

 これで終わったと思われた「bondage」モードだったが、まだ、最後の仕上げが残されていたのだ・・・。
 
 リストバンドの様に装着されていた手枷が強力に引き合い、エースの腕を背中で引き合わせ、

枷同士が密着、融合し1本に束ねられてしまったのだ。

 手枷が一つになった途端、あの黒い魔のロープが手枷から伸び、両足の枷に融合した。

 もちろん、繋ぎとめるだけではなく強力に引き合い始めた。

 しかし、亀甲縛りにより体を曲げることは出来ず、

エースは膝を曲げざるを得ない状態を強いられた。