愛しいエース  

 

1・1・1 序

第7話

 

エース:こ、ここは・・・ん?お、お風呂?

サトシ:目が醒めた?

エース:これは一体・・・・?

サトシ:だって、凍りついた体で「ただいま」って言った途端に倒れるんだもの・・・・

     エネルギーもギリギリでさぁ


エース:サトシが介抱してくれたのか?

サトシ:・・・う、うん・・・・・

エース:あ、ありがとう・・・・

サトシ:もうちょっとゆっくり温まりなよ、タイマーもまだ赤いしさ

エース:あぁ・・・甘えるとするよ・・・・ありがとう、サトシ
 
 サトシのおかげで二度も命を救われた・・・

それを実感し、心が温かくなっていた。

 そして、サトシがエースを解放した時の様にエースも頬を叩き、意を決して行動に出た。

エース:サトシ・・・お願いがあるんだ・・・

サトシ:な、何・・・?

エース:私は一度、この装置を外そうと思う・・・・手伝って欲しいんだ・・

サトシ:そ、それって・・・やっぱり・・・・・

エース:約束を守った私を信じて欲しい・・・お願いだ・・・

サトシ:・・・・・わ、わかった・・・何をすればいいの?

エース:私がエネルギーを君に渡すから、その光の塊を持ったら「DEATH」に針を動かして欲しい

サトシ:・・・・?!・・・・な、何を言ってるの?

エース:いや、ここからが重要なんだ!

     すぐさま装置を外し、預けていた光を私の胸に戻して欲しいんだ

サトシ:・・・・き、危険だよ・・・・・

エース:これはとても重要な意味があるんだ!お願いだ、君を信頼してる!

サトシ:・・・・わ、わかった・・・・・

 しぶしぶ了承すると床に横たわるエースの傍らに座った。

 エースはサトシに合図を送ると両手にエネルギーを集め始めた。

 カラータイマーは点滅し、今にも消えそうな勢いである。

瞳も点滅し、危険を知らせている。

そんな中、エースはサトシに微笑みかけ、エネルギーを渡し、脱力してしまった。

 サトシは言われた通りに針を「DEATH」にずらし、エースの息の根を止めた。

 針が動くとエースを苦しめながらタイマーから残りの光が放出され、

エースの瞳もタイマーも沈黙してしまった。

 そして、エースが言った通り、装置は音をたててタイマーから離れ、

サトシでも簡単に外せる状態になっていた。
 
サトシ:待ってて、エース!すぐに生き返らせてあげるよ!
 
 サトシは仮死状態のエースに声援を送り、エネルギーをタイマーのある胸に下ろしていった。

 タイマーにエネルギーが吸いこまれ、赤い点滅をした後、青く復活を遂げた。

それにあわせて瞳にも力強い光が灯り、エースは完全な復活を遂げた。

サトシ:エ、エース・・・・よ、よかった・・・・

エース:あ、ありがとう・・・・・君のおかげで装置は外れた

サトシ:・・・・・・・・・・・・

 エースが光の国に戻ることを予期し、黙り込むサトシ。