愛しいエース  

 

1・1・1 序

第6話

 

エース:か、勝った・・・のか・・・・・

 ピコン・・・・・・・ピコン・・・・・・ピコン・・・ピコン・・ピコン・・

エース:ま、まずい・・・エネルギーがもう・・・・

 自分の手では針を動かせないことを知っていたエースはサトシのもとへと戻る道を探し、

「エース」の名が刻まれている十字架の辺りを探った。

 そこには他の兄弟に装着するためのものなのか、あの装置がいくつもあり、

十字架の側に全て並べられていた。

エース:こ、これは回収した方がいい・・・・な・・・・・

 ヤプールの開発した装置を全て回収し、「エース」の名の十字架に歩み寄りボタンを探した。

エース:牽引・・・電撃・・・冷凍・・・転送・・・!あ、あった・・・・

 ピコン・ピコン・ピコン・ピコン・・・・

 残されたエネルギーは残りわずか、そして吹雪にさらされ、

ほとんど感覚がなくなっていくエース。
 
エース:サ・・・サトシ・・・・い、今・・・戻る・・・・

 震える指で転送のボタンを押し、十字架ごと地面に吸い込まれていくエース。


 突如として空間が歪み、サトシの前に十字架と傷だらけで凍りついたエースが現れた・・・・。

 抱えていた十字架は壁にたてかけ、震えながらサトシに歩み寄るエース。

 ピコン・ピコン・・・ピコン・・・・・・・ピコン・・・・・・・・・・・

エース:た、ただい・・ま・・・・サトシ・・・・・

サトシ:お、おかえり・・・・死、死なないで!エース・・・・?!・・・・

エース:約束は・・・ま、守った・・・・・

サトシ:エース?・・・・エース!!!

 咄嗟にダイヤルを「FULL」に戻すがダメージが大きすぎたらしく、

そのまま意識がなくなり、その場に倒れてしまった。

 回収してきた装置を全て床に撒き散らして・・・・。