愛しいエース  

 

1・1・1 序

第3話

 

 自らの体に絡みつき、頬を染め、楽しそうにするサトシ。

 自分や兄弟達が命をかけて守ってきた地球に、

自分を物として所有することを望む人間がいたなんて想像もしなかった。

 カラータイマーに施された装置のせいで自力での脱出は出来ず、

ウルトラサインを出すことも出来ない。

 このままサトシがこのダイヤルを回さなかったら・・・・

そんな恐怖がエースの頭をよぎった瞬間、エースの体を未経験の刺激が走り抜けた。

 興奮したサトシがエースの股間を鷲掴みにし、エースの顔を嘗め回し始めたのだ。

エース:(な、何をするんだ!サトシ・・・や、やめろ・・・・・)

 エースの声にならない声など届くはずもなく、

動かないエースに対してサトシの行為はエスカレートするばかりだった。

 自らの膨らんだ股間をエースの股間に押し付け、顔にまたがり、

先走りでエースの体を汚していった。

 しかし、突如としてサトシがエースの体から離れ部屋の片隅に行き、

手に瓶を握って戻ってきた。

エース:(な、何をするつもりだ・・・サトシ・・・や、やめろ・・・)

 サトシは鼻息を荒くしてエースの口に瓶の中身を注ぎ込んだ。

 動くことを封じられたエースの口から侵入した怪しい液体は喉を通り

戦士の体内に広く浸透し、その効果は聞くまでもなくエースの体を襲い始めた。

サトシ:即効性なんだね・・・こりゃいいや・・・・

エース:(か、体が・・・お、おかしい・・・・・ど、どうしたんだ・・・・)

 薬を口から流し込まれた後、エースが十分に状況を理解するのを待つことなく

体に異変が生じた。

 エースの股間が膨らみ、勃起した人間の様な姿に変わったのである。

 効能を予め知っていたサトシは膨らんだエースの股間に吸い付き、

股間を舐めまわし始めたのだ。

子供がアイスを食べるように・・・。

エース:(サトシ・・・や、やめろ・・・・やめるんだ・・・・・)

 サトシが真剣にエースの股間にむしゃぶりついている時だった。

 封印されているカラータイマーにも異変が生じた。

ピィィィィィィィィィィィィ・・・・・・

 一度だけ、大きな音が鳴り、赤いまま点灯しているのだ。

 こんなことはドキュメントのどこにも書いていなかった現象だった。

 それはそうなのかもしれない・・・・。

 超獣の攻撃で傷がつき、時間が経過してピンチを知らせることはあっても、

今、サトシにされているようなものは一度として経験がないのだ。

 この未知の事態にカラータイマーが危険を察知し、高らかに音をたてたのだった。

サトシ:・・・・な、なんだ・・・これ・・・・?

    死、死んでない・・・よね・・・・?


 エースのことなら何でも知っているはずの自分の知識にもない、この現象に驚き、

思わず股間にむしゃぶりつくのをやめてしまった。

 そして、エースがショック死したのでは?と怖くなり、

装置の針を1/10におそるおそる戻してみた。

サトシ:エース・・・・?

エース:サ・・・トシ・・君・・・ありが・・とう・・・・

サトシ:タイマーが変だけど・・・ど、どうしたの?

エース:こ、これは・・・・・私の体が・・・・・異常・・・事態・・・だと・・・

    告げる・・・ものだ・・・・


サトシ:そ、そうか・・・・
 
 自分が起こした行為で異常事態に陥り、その証拠であることを

エースから聞いて安心するサトシ。

そして、再び「DOLL」に針を戻すべく手を伸ばした瞬間。

エース:サ・・・トシ・君・・聞いてくれ・・・

サトシ:なんだい?

エース:き、君が・・・私を・・・好きでいて・・・くれるのは・・・わかった・・・・

サトシ:・・・・?

エース:し、しかし・・・私は・・・ヤプールを・・・・倒さねば・・・ならない・・・・

サトシ:・・・・で、でも・・・・・

エース:ヤプールを・・・倒し・・・・わ、私はここに・・・・帰ってくる・・・・

    約束だ・・・・・


サトシ:そ、そんなの・・・信じられないよ・・逃げられるじゃないか!!

エース:私は・・・逃げない・・・・・約束だ・・・信じてくれ・・・・

 エースは体に盛られた毒薬とエネルギーの制限装置のせいでままならない動きの中、

必死に訴えかけ、サトシを見つめ続けた。

 サトシは目をつむり、エースの顔を見ないようにして再び「DOLL」に針を動かした。

エース:信じて・・・る・・・トシ・君・・・・・・・

サトシ:エース・・・・・・