愛しいエース  

 

1・1・1 序

第2話

 

謎の声:・・・ース・・・・エース・・・起きてよ!

エース:・・・・ん?・・・・こ、ここは・・・・?!・・・・

    そ、そうだ・・・・?!・・・・


 歪んだ空間に吸い込まれ、意識がなくなったエース。

拘束されたウルトラ戦士が目を覚ましたのは、

さきほどヤプールに見せられていたあの地球人の部屋だった。

 自分の名前を必死に呼び、起こしてくれていたようだった。

 ヤプールに敗れたのは夢ではないらしく、十字架の拘束はいまだ健在で、

拘束具がアンチスペシウム鋼であるために力は制限され、

大きさも地球人サイズになっているようだった。

バリアで負傷したところも回復などするわけもなく傷がそのまま残っていた。

エース:こ、ここは・・・・?

謎の青年:ここは僕の家さ

エース:き、君は?

謎の青年:僕?僕はサトシっていうんだ。

エース:サ、サトシ君・・・いきなりでびっくりだろうけど

サトシ:ヤプールに負けてここに転送されたんだろう?

エース:・・・・?!・・・・ど、どうして・・・それを・・・

サトシ:ヤプールがそう教えてくれたよ、君をここに出現させる前にね

エース:じゃあ、話は早い!僕を解放

サトシ:しないよ!

エース:・・・サトシ君?

サトシ:するわけないじゃない・・・

    ずっと欲しかったエースがここにいるんだよ?


エース:ずっと・・・欲しかった?

サトシ:あぁ・・・君のことをドキュメントで知ってから、

    どうしても君が欲しくなったんだ・・・・


エース:どういう・・・・!?・・・・な、何を・・・・・・・す・る・・・・

 混乱するエースのカラータイマーに何かカバーの様なものを無言で被せるサトシ。

 その怪しいカバーをつけられた途端、

エースは体からエネルギーが抜け出るような感触に襲われた。

 取り付けられたカバーは、カラータイマーと同質と思われるクリスタルに黒い金属の

縁取りがされ、その周囲にはタイマーの目盛りのようなものが刻んであった。

 そして、針の指し示す目盛りは1/10。

エース:・・こ、これは・・・・一体・・・・

サトシ:ヤプールがね、色々とくれたんだ・・・君につける装置とか薬とか・・・・

エース:・・・・や、やめるんだ・・・・・サトシ・・君・・・・・

サトシ:僕がどういう人間か・・・黙って見ているといい・・・・

エース:サ・・・ト・・・・・く・・ん・・・・・・・・・・・・
 
 サトシはエースに冷たく言い放つとカラータイマーの目盛りを「DEATH」の手前の

「DOLL」のところまで動かした。

 言葉の通り、自分では一切何も出来ない、かろうじて生きている・・・

いや、生かされている状態にされてしまったエース。

 サトシの名前を呼びかけて無言になり、瞳の輝きが失われたまま、動くことをやめた。

サトシ:僕はね、エース・・・君のことが好きなんだ・・・・・

 サトシはそう頬を赤く染めながら呟き、

磔になっているエースの体に覆いかぶさるように重なり合った。

 十字架に拘束されている腕を丁寧に撫でながら、首筋に舌を這わせるサトシ。

その表情は恍惚なものとなり、体中を熱くしてエースに絡みついた。

エース:(こ、これは・・・本当に地球人の望むことなのか・・・・・・

     こんなことって・・・・・・)