Day Control


8話


 ジャック救出を試みるも処刑される寸前まで追い詰められたセブンとウルトラマン。

 さらに、2人を助けに来たゾフィー以下3戦士もピンチをようやく脱し、光の国へと戻っていた。

 その時の会話、映像を使いジャックをさらなる地獄へと陥れているとも知らずに・・・・。

 ナックルの罠で光の国から捨てられたと信じ始めるジャック。

 その心は一気に暗闇に閉ざされ、瞳は暗く沈黙し、タイマーは紫色に光っていた。 

ナックルが仕掛けた拷問に抗っていた希望がなくなり、

全てを染められてしまったのである。

ナックル星人「本星の最高機関があなたに最期の拷問を施せと言ってきました」

ジャック「最期の・・・・拷問?」

ナックル星人「あなたの睡眠時間を奪い、殺さずに未来永劫拷問し続けよと命令が降りました」

ジャック「・・・?!・・・そ、そんな・・・・」

ナックル星人「ただし・・・それを回避する手段もありますよ」

ジャック「回避・・・それは一体?」

ナックル星人「それは簡単ですよ・・わたしたちの奴隷になることです」

ジャック「・・・・?!・・・」


ナックル星人「それが嫌なら死ぬことなく、助けの来ないあなたは苦しみ続けるだけですよ」

ジャック「だ、だが・・・」

ナックル星人「判断がつかないのなら考えさせてあげましょう」

ジャック「・・・・?!・・ぐわぁぁぁぁぁぁぁ」

ナックル星人「まる3日、苦しみ抜きなさい。その後で答えを聞きます」

ジャック「んなぁぁああああああああああっ・・くっ・・・・ぐわあぁぁぁぁぁぁぁ」

 普段の拷問に加え、胸板と両手足の拘束具からも電撃が流れる状態でジャックの地獄が始まった。

 今までは月日ばかりを流すために部屋の時間をコントロールしたが、

今度は1日が長いものだと信じ込ませるために部屋の明かりを調節し、

永久に続くかと思われるほどに長い3日間を設定した。

 今の状態のジャックには例え3日であったとしても

永久に続く時間に感じていたかもしれないが・・・。

 あまりに粘液が重層されすぎて、この頃になるとジャックは繭玉の中に

座っているようにさえ見えるほどだった。

 それから時間が流れ、約束の日が来た・・・。

ナックル星人「どうです?決心はつきましたか?」

ジャック「・・・はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・・」

ナックル星人「答えないのならもう二度とあなたに会うことはなくなりますが?」

ジャック「・・?!・・ま、待ってくれ!」

ナックル星人「待って・・・くれ?」

ジャック「・・?!・・待って・・ください・・・・」

ナックル星人「いいでしょう・・なんです?」

ジャック「わ、わたしを・・・あなたのど・・・ど・・奴隷に・・・してください・・・」

ナックル星人「忠誠を誓いますか?何でも言うことを聞けますね?」

ジャック「は・・・はい・・・・」

ナックル星人「ちゃんと言いなさい!ここで誓えないのならあなたなどいりません」

ジャック「わ、わかりました。わ、わたしは・・・あなたに忠誠を誓います。

      どんな命令にも従います」

ナックル星人「よくできました。しかし、次からはナックル様と呼びなさい、いいですね?」

ジャック「・・・はい、ナックル様」


カチャ・・・カチャ・・・ウィィィィィィィィン

 ジャックの敗北宣言を待っていたかのように外れていく拘束器具。

 ヘッドギアが外れ、現れた顔には絶望が満ち溢れていた。

 椅子に縛り付けられていた両手足が解放され、首も自由になった・・

しかし、逃げることも戦うこともしない・・・

そこにいるのは最早、戦士ではなかった。

ナックル星人「いつまで、そこにふんぞり返っているつもりですか?」

ジャック「す、すいません・・・でした・・」

 ナックルに言われ、動きの鈍い体で必死に椅子から降り、ナックルの側に向かう。 

久しぶりに直立した体は重力に従い粘液がドロリと流れ落ち、

汚さを倍増しているようにも見えた。

ナックル星人「まだ、わからないようですねぇ・・あなたは奴隷なんですよ?

        常に私の側では両膝をつきなさい!」

ジャック「・・?!・・・は、はい・・・申し訳・・・ありません」

ナックル星人「そうだ・・ジャック・・・もうお前には必要のないそのブレスレットを外しなさい」

ジャック「ブレスレットを・・ですか?・・・・?!・・は、はい、すぐに・・・」

ナックル星人「よしよし・・わかってきたじゃないですか・・・」

 ジャックが手渡すそのブレスレットは粘液にまみれ、あの黄金の輝きはどこにもなかった。

 拷問部隊がブレスレットを回収すると分析するために専門の部署へと

引き渡されていくのだった。

 代わりに拷問部隊が持ってきたのは漆黒の枷4つと首輪だった。

ナックル星人「さぁ、このナックルブレスレットとアンクレット、それに首輪を自分でつけなさい」

ジャック「この枷を・・・ですか?」

ナックル星人「えぇ、この枷は光の国の戦士のために開発されたもの。絶対に外すことは出来ません」

ジャック「外すことが・・・できない・・・」

ナックル星人「従えないのですか?拷問地獄がいいのならすぐにでも元に戻してさしあげますよ」

ジャック「い、いえ・・・つけます・・・・」

 「二度と外せない」その言葉に自分がナックルに何を言ったのかを改めて痛感するジャック。

 そして、もう取り返しのつかないところに自分がいることも悟ったのだった。

カシャン・・・カシャン

 震える手で両足にそれぞれ足枷を装着する。

 締めるとすぐに繋ぎ目が消失してしまった。

カシャン・・・・・・・・カシャン

 両足の運命を見た後で手枷も嵌めていく。

 もちろん、手枷もまたしっかりと手首を包み込み解除不能となった。

ガシャン

 そして、最後に首輪を嵌め、ナックルの方を向く。

ナックル星人「いい姿です!その拘束具はこう使うことが出来るんですよ!」

ジャック「・・・?!・・・あっ・・・んぐっ・・がはっ・・・い、息が・・・・」

ナックル星人「逆らったらこうなります・・・わかりましたね?」

ジャック「わ、わかり・・げほっげほ・・・ました・・・?!・・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・・」

 ナックルの操作1つで両足と両手の枷がそれぞれ鎖でつながり動きを封じてしまった。

 それに加えて首輪が締まり始め呼吸を阻害する。

 ジャックは正真正銘、ナックルの物になってしまった瞬間だった。

 カチッ

 おもむろにジャックの胸に近づいたナックルの手で何かがタイマーに装着された。

ジャック「・・?!・・こ、これは・・・」

ナックル星人「それはカラータイマーの封印をしたんですよ。もう必要ありませんからね」

ジャック「・・・封印・・・・」


ナックル星人「安心しなさい・・・

        その代わりにこの星の空気を快楽のエネルギーに換えるよう細工しました」

ジャック「・・?!・・・」


ナックル星人「あなたは生きているだけでずっと興奮し続ける奴隷になれたのです」

ジャック「そ・・・そんな・・・・」

ナックル星人「さぁ、最期の装着物です・・それを穿きなさい・・・」

ジャック「こ、これは・・・・」

ナックル星人「あなたがずっと拷問中に穿いていたエネルギーを奪い取るビキニです」

ジャック「そ、そんな・・・拷問はしないんじゃ・・」

ナックル星人「何を勘違いしているんです?さっきまでは拷問を受けていた戦士。

         今はただの奴隷です。あなたの命は私のきまぐれで消える運命なんですよ」

ジャック「だました・・・のか・・・・・・」

ナックル星人「口がすぎますね・・・(パチン)」

ジャック「・・?!・・あっ・あがっ・・・・すい・・・んぐっ・・・ません・・・でした・・・・」

ナックル星人「次はただじゃおきませんよ、わかりましたね」

ジャック「ぜぇ・・ぜぇ・・・は、はい・・・」

 拘束が解かれた手で首をおさえ、咳き込むジャック。

 そして、用意された液体金属のビキニを装着し、股間を誇張する。

 装着されるや否や、フィットしていき隙間をなくす。

 抗う術もなく、心も折られた戦士を眺め笑みが隠し切れないナックル。

 その目はすでに獲物を見る目でさえなくなっていた。

ナック星人「さぁ、お前にはまだもらうものがある・・・差し出してもらおうじゃないか」

ジャック「はぁ・・はぁ・・・い、一体・・何を・・・・」

(パチン!)

 ナックル星人の合図と共に背後にある十字架からトラクタービームが伸び

ジャックを引き寄せ始める。

 両足は容易く束ねられ、両腕はそれぞれ伸ばされた状態になり一切の抵抗を認めなかった。

ジャック「・・んぐっ!・・・な、何を・・はぁはぁ・・・・」

ナックル星人「お前の知識・・光の国についてのもの・ウルトラ兄弟のものをいただくのさ」

ジャック「なっ?!・・・そ、それだけは・・・」

ナックル星人「奴隷風情が何を言う!それに、お前を捨てた兄弟はお前の情報をこちらに手渡したが?」

ジャック「そ、そんな・・・・」

ナックル星人「それに、お前はもう手遅れなのさ・・・

        奴隷になろうと拷問を受けていようと拒否権はない!」

ジャック「・・・・・・・・」

 ジャックの頭を手でトントンと叩き、ヘッドセットを嵌める。

 目まで覆うその器具はジャックの情報を知っていたと言うだけあってジャストサイズだった。

 しかし、それは光の国からもらった情報などではなく、

ナックルが集めたジャックの戦闘データから割り出したものだったのだ。

 必死に意識を集中しスキャニングを免れようとするが、

そんな抵抗などナックルには通用するわけがなかった。

 あっさりと脳内に侵入を許し、光の国の機密情報や兄弟のデータ、

今まで戦ってきた敵の情報なども全てがコピーされてしまったのだ。

 そればかりか、この装置はジャックの記憶の中で一番の恐怖にナックル星人との

戦闘・拷問を植え付け逆らうことが出来ないようにと念を押すところまで計算のうちだったのだ。

 脳内を探索され、かき回されている間、意識を失っているジャックの口は開き、

涎がだらしなく体を流れていった。

ナックル星人「なるほど・・・これはいいものをもらった・・・

         褒美を与えなくてはな・・・くくくく・・・」


 ヘッドセットを外し、気を失っているジャックの粘液まみれの顔を愛撫するナックル星人。

 人形の様に動かないジャックが身を縛られる十字架が動き出しX字になったかと思うと

その場で反転し、悪夢の再現とばかりにジャックを逆さ磔にしてみせた。