Day Control


5話


 地球を守るためナックル星人の円盤軍に果敢に立ち向かったウルトラマンジャック。

 一度敗戦している彼は地球を去ったあとも鍛錬を怠らずに強くなった。

 しかし、彼らはそんなジャックをはるかに凌駕する策士であったのだ。

 ブラックキングの群れに成す術なく倒され、屈辱の逆さ磔にされてしまったのだ。 

そして、ナックル星人の作戦通り、セブンはジャックではなく地球を助けるために

その場を離れ、ジャックは母星に運ばれ拷問を受けることとなったのだった。

 ジャック「・・・んっ・・くはぁぁっ・・はぁ・・はぁ・・・・」

 そんなジャックの呼吸を阻害された喘ぎ声で1日は始まった。

 ナックル星人の拷問は完全にスケジュール組みされたもので

1日に行うことが決まっているのだ。

 しかし、それこそがナックルの真の狙いだった。

 睡眠までもが管理されているジャックは1つの誤解をしていたのだ。

 白いガスが満たされ意識を暗闇に沈められてから拷問で起こされるまでの時間が

一定であると思い込んでいたのだ。

 それは仕方のないことだった。

部屋の明かりが地球の日の明かりの様に巧妙にコントロールされていたのだから、

睡眠時間が削られていることなど気付けるはずもなかった。

 拷問で体も心もすり減らされ、知らないうちに体力そのもののが奪われていく。

ナックル星人「計画通りだ・・・・いいぞ・・・・ふふふふ・・・・」

 一睡もさせずにジャックをすり減らすことなど雑作もないことだった。

 しかし、それをしないのには理由があったのだ。

 責め続けるだけではジャックの中に反抗心が芽生えてしまう。

 そうならないためにはどうするのか?

 それは簡単なことだった。

 反抗する気力も体力も奪ってから行動を起こせばいいのだ。

 そうナックルは考えたのだ。

 そのための小細工には余念がなかった。

 部屋の明かりだけではなく、ジャックの体にも細工を施していた。

 体に纏わりつく粘液を意識がない間に強制的に乾かし、上塗りすることで重層していったのだ。

 乾燥することでジャックの体に付着する液体は糸をひき、経時的な変化を演出した。

拷問部隊「ずいぶんと素敵な姿になったじゃないか?」

 ジャックの胸板に指を乗せ、糸をひかせながら指を離していく。

ジャック「・・?!・・・そ、そんな・・・んっ・・・はぁ・・・くそぉ・・・・」

 光の国のウルトラ警備隊・ウルトラ兄弟である自分の体から怪しい粘液が異臭を放ち糸をひく。

 そして、その光景を喘ぎながら見る事しかできないことに悔しさを覚えた。

  そんなやりとりが数日続き、睡眠時間はジャックが思うよりもはるかに

短くなっていたある日のことだった。

 瞳は暗く沈黙し、タイマーは赤く光ったまま・・・そんなジャックを衝撃が襲った!

ウィィィィィィン・・・カシャン!キュィィィィィィィィン

 ジャックに装着されている装置が一斉に動き始めたのだ。

 そればかりか、タイマーからエネルギーを奪う装置やヘッドギアまでもが稼動し、

装着してうなりを上げ始めたのだ。

ジャック「・・?!・・・んっ・・な、なにっ・・を・・・」

拷問部隊「ここでの生活も慣れたでしょう?次のステップに移ったんですよ」

ジャック「ど、どういう・・・・?!・・・・

      ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」

拷問部隊「まだ、そんな声をあげる体力がありましたか・・

      さすが、正義のヒーローですね・・ふふふふふ・・・


 今までは順番どおりに行われた拷問が一斉に開始されたのだ。

 ヘッドギアからは「孤独」を植えつける映像と音声が強制的に流し込まれ

タイマーからは光エネルギーを吸引で搾取されていく

ブレスレットを封じる枷からは体をどんどん淫乱化していくエネルギーが

ものすごい量で注ぎ込まれ 拷問部隊の手で体には絶えず毒粘液が塗り込められ

拘束された椅子は毒粘液を温め不快指数を増加させジャックを襲い、

気化したガスは呼吸さえも苦しめた 

そして、これらの拷問で蓄えられた性エネルギーもまた吸引搾取で奪い取られていくのである。

 この状況は想像を絶するものだった。

 体に邪悪なエネルギーが無理やり注がれ、毒を盛られ、興奮が体を満たしていく。

 そして、その体から貴重な光エネルギーと意図せず溜められた性エネルギーを強引に

奪い取られていく。

 最後には体に興奮と毒だけが残り、再びエネルギーが注がれていくのを

絶えず行われるのである。 

 言い方を変えるとこの行為はジャックの体から大事なエネルギーをこし取り、

ジャックの体には異物が蓄積していくようなものである。

(ジャック1匹で地球が守れるならいいじゃないか)

(あいつを奴隷に出して守れるものがあるなら喜んで奴隷にするさ)

(ヒッポリトの時もそのままにしてやろうかと思ったくらいだ)

 次々に脳に送られる絶望の言葉。

 ジャック(こ、このままでは体が壊れてしまう・・・・兄さん・・・助けて・・・・)

拷問部隊「今日からお前は日の出ている間は常にこの状態だ!わかったな!」

ジャック「んああああぁぁぁぁぁぁっ・・ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ・・・・」

拷問部隊「その声が絶望に染まったら次の段階に移してやるよ・・・ふははははは・・・」

 強制的に視野に入る映像は日を追うごとに酷くなっていく。

 メフィラスに、ガッツに、ヒッポリトに、ヤプールに、テンペラーに・・

奴隷として売り払われるジャック。

 それも、ウルトラマンやセブン、エースや父に枷を嵌められ、

首輪につながる鎖を引かれて売られていくのだった。

ジャック「んああああぁぁぁっ・・ち、ちが・・・ぐわぁぁぁぁあああああっ・・・

      やめ・・んあぁぁぁぁぁっ・・・」


拷問部隊「これから毎日・・毎日・・・お前がお前でなくなるまで続くんだ・・・

      嬉しいだろう?」

ジャック「んくあぁぁぁっ・・・ひ、ひと・・・りじゃ・・んんっ・・・ない・・・・」

拷問部隊「いいや・・お前はたった独りだよ・・・ジャック・・・・」

 部屋を出て行く拷問部隊。

 その日、ジャックの閉じ込められた部屋からは絶えることのない叫び声が聞こえていたという・・・・・。


ナックル星人「あの計画はどうなっている?」

偵察部隊「はい、計画通り、例の場所に向かっております」

ナックル星人「そのまま進めるんだ、ぬかるなよ」

偵察部隊「はっ、おまかせください!」


 ナックルの次なる企みが動き出した最中、ジャックの部屋にも変化があった。

 調整された「昼間」が終わり部屋の明かりが暗くなってくると部屋には白いガスが充満し始めてきた。

 ジャックに一斉に襲い掛かっていた装置も動きを止め部屋には静寂が訪れた。

 しかし、いつもとは違い、ヘッドギアやタイマーへの装置が外れないのだ。

ジャック「い・・し・・・きが・・・・・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 脱出のチャンスをさぐる暇も、強がることさえも出来ずに再び意識は闇に沈んでいた。 その寝息は安堵の呼吸ではなく、艶かしく喘ぐ吐息だった。