Day Control


2話


 月面での戦いに破れ、ナックル星人の手で磔にあったウルトラマンジャック。

 駆けつけたセブンだったが、一足遅く、弟を救い出すことが出来なかった。

 卑劣なナックル星人の策略により、セブンは弟を見捨て、

不本意ながらも先に地球へと向かうことになった。

 邪魔をする者がいない宇宙を獲物をぶら下げた船団が帰還した・・・・。

ナックル星人「こいつに例のもの施せ・・・ありとあらゆる情報を引き出すのだ」

ナックル拷問部隊「はっ!かしこまりました」

ナックル星人「私は別室で映像を見せてもらうとするよ」

ナックル拷問部隊「では、ご命令どおりに・・・」


 船団を率いていたナックル星人から磔台の拘束を外された獲物を受け取り

処刑室へと運んでいく拷問部隊。

 ジャックの収容されたその部屋は拷問部屋というよりは実験室に近かった。

 部屋の真ん中にある拷問椅子にジャックを座らせ、肘置きに両手を置くとセンサーが

獲物を捉え手首から先をアンチスペシウム鋼で包み込み椅子の一部と化してしまったのだ。

 さらに両足もセンサーに気付かれると足首から先を黒く光る鋼で包み込んでしまったのだ。

 力なく垂れる頭を持ち上げ、背中を背もたれに押し付けると首輪が出現した。

 首に怪しく光るその鋼は獲物を背もたれに縛り付ける。

カチカチカチカチ!パチン!

 デバイスを操作すると部屋が明るい光に満たされ地球の昼間の様になっていった。 

さらに、天井からカラータイマーに向けて紫色の光線が照射され、

数秒の間にジャックの体力が回復していった。

ジャック「・・・こ、ここは・・・・」

ナックル拷問部隊「ようこそ、ここはあなたの処刑室ですよ」

ジャック「処刑・・室・・・」

ナックル拷問部隊「そう・・・セブンに見捨てられた惨めなあなたの死に場所です」

ジャック「・・?!・・ち、違う!セブンは必ず来る!」

ナックル拷問部隊「では、それまで、あなたが耐えられるか試してみましょう」

ジャック「の、望むところだ!」

 邪悪な笑みを浮かべジャックの前に立つ拷問部隊。

 その手にはジャックを苦しめるためのデバイスが握られていた。

ナックル拷問部隊「では、まず・・・」

ジャック「・・?!・・な、なんだ・・・これは!」

ナックル拷問部隊「あなたはここで戦士として最低で最も屈辱的に処刑されるのです。

           そのための最初のステップ」

ジャック「ど、どういうことだ!」

ナックル拷問部隊「あなたから光の国の戦士の遺伝子を奪い取ります・・

           それも根こそぎね」

ジャック「・・?!・・・」

 デバイス操作の直後、椅子から滲み出してきた銀色の液体金属がジャックの股間部を

覆いつくし、ビキニの様になり隙間なく密着してしまったのだ。

 「光の国の遺伝子」・・・

そのビキニはジャックの放つ性エネルギーを奪うためのものであることがわかったものの、

今のジャックにはどうすることも出来なかった。

 徐々に椅子が倒れ、体が水平に保たれていく。

 肘と膝にもアンチスペシウム鋼の拘束具が装着され、寝台にくくりつけられた形に

なってしまった。

 椅子と一体化してる四肢はそのままに椅子が生き物の様に伸縮しスムーズに動いていた。

 されるがままの状態にもどかしさを感じるジャックにナックル拷問部隊の手が伸びた・・・。

ベチョ!ヌラァァァァァァ・・・ネトッ・・・ドロォォォォォォ・・・

ジャック「なっ・・・やめろ!」

ナックル拷問部隊「よく聞いてくださいね・・・

         あなたはこれから1日1回、この粘液を体に塗りつけられることになります」

ジャック「何のために・・こ、こんな・・ことを・・・」

ナックル拷問部隊「おや?効果の説明は必要なさそうですね・・・

           安心してください・・1日に1回・・・

           2回以上はありませんから・・・」

ジャック「くっ・・・くそっ・・・・」

 わざとじらすようにゆっくりと粘液まみれの手をジャックの体に這わせる処刑人。 

触れた部分がテカテカと光り、光沢を帯びていく。

 両手で別々の場所を撫で回しジャックの体が粘液に包まれるのは時間の問題だった。

 粘液が塗られ始めてから数秒で効果が現れ、それまでは静かだった腰元が

ビクン!ビクン!と動き出したのだ。

ナックル拷問部隊「おや?光の国の戦士ともあろうお方が敵の基地内部で

           興奮なさっているんですか?」


ジャック「そ、そんなわけ・・・くっ・・くはぁぁっ・・・あるわけないだろうっ!」

ナックル拷問部隊「そうですか・・・ふふふ・・・・さぁ、仕上げです・・」

ジャック「・・?!・・・ぷはっ・・・くっ・・・んんっ・・・」

 効果が出ていることを知りつつもあえて知らないふりをしながら、

ジャックの顔にも粘液を塗りこめ「この日」の作業は終了したのだった。

 体をゆっくりと舐めるように降りていく粘液・・・

椅子と体の隙間にも入り込み一体化させられた手足の先以外は文字通り、

粘液まみれになってしまったのだ。

 体を生き物の様に這う粘液に嫌悪感に満たされるジャックに追い討ちをかける拷問椅子。

 生暖かくなり体に与える不快感を増加させてしまった。

 怪獣の火炎にも耐えうるジャックがこの程度の熱でやられることなどありえない・・・

それはジャックだけではなくナックル星人もわかっていることだった。

 この椅子の加熱はそれが目的ではなかったのだ・・・。

 粘液の感触を増し、臭いを一気に部屋に充満させることが真の目的だった。


ジャック「(き、気持ち悪い・・・くそっ・・・)」

ナックル星人「そんなに気持ちがいいかね?くくく・・・」

 ガスマスクを装着し気化した粘液を吸い込まないようにする拷問部隊。

 もちろん、ジャックには防ぐ手立てはなく、生暖かい椅子と気色悪い粘液のせいで

呼吸は荒くなり時間が経つほどに体内へと謎のガスを吸い込んでいく。

 股間がうずき床を転げまわりたい衝動にかられるが、

しっかりと椅子にくくられているために体中を駆け巡るむずがゆさを解消することが出来なかった。

 体中の血液、エネルギーが下腹部へと集まっていくような感覚に

恥ずかしさ・屈辱感を味わいながら脂汗を流し身悶える。

 ナックル星人の言う「1日の始まり」は負のループに嵌める作業のようだった。