Day Control


11話


 ナックル星人の手に落ちたジャックを助けるため、単身、その身を差し出したセブン。

 そこに待っていたのはウルトラ戦士の想像を絶するものだった。

 命と命の交換などではなく、ジャックを使いセブンまでも手中に収める

卑劣なナックルの罠が張り巡らされていたのだ。

 言われるがまま、ナックルの奴隷として・モルモットとしてその身を納め

漆黒に体を染められたセブン。

 そして、ようやく再会できた弟を救うため、冷凍室に向かい自らの身を犠牲にして

弟を助けることが出来た。

 身動き1つ出来ないセブンを処刑しろと迫るナックル。

 ジャックの出した決断は・・・・・。



ジャック「わ・・わかりました・・・ナックル・・・様」

ナックル星人「・・?!・・・何と言ったのだ?」

ジャック「セブンを・・・処刑します・・・・」

ナックル星人「ほぉぉ・・・それは興味深いな・・・・」

ジャック「・・・・で、では・・・始めます」

ナックル星人「待て・・・お前はこちらに戻るのだ・・・」

ジャック「・・・?・・は、はい・・・ナックル・・様・・・」

 自らが受けた拷問よりも酷い目にセブンがあう・・・これは紛れもない事実だった。

 晒し者にされている間、この星のモルモットの服装・どんな運命を辿るのか・・・・・

それを聞いて知っていたジャックには最愛の兄をそんな目に合わせることなど出来はしなかった。

 いっそ、永久に続く苦しみならば・・・

弟の兄に向けた最後の愛情だったのだ。

 しかし、そんな真意を知ってか知らずか、処刑を中断させるナックル星人。

 ナックル星人の命令で側に戻るジャック。

 扉が閉まるや否や、部屋が熱線に満たされセブンを急速に解凍していく。

 瞬く間に体が元に戻り、加熱した床を煙を上げながら転げまわるセブン。

ジャック「ナックル様・・・もう解凍はすんでいるかと」

ナックル星人「おぉ・・・そうだったか・・・すまない」

ジャック「(セブン兄さん・・・・)」

 ジャックに言われて初めて気がついたそぶりを見せ、ボタンを押すナックル。

 ようやく部屋が正常に戻ると、床に倒れこんだまま、全身で息をするセブン。

 そのモルモットに天井から降りてきたX字の処刑台が襲い掛かる。

セブン「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・?!・・・」

ウィィィィィィィンウィィィィィィィン

ガシャン!ガシャン!ガシャン!ガシャン!

キュルルルルルルルルル・・・

 処刑台から伸びる4つの鎖は先端の枷が生き物の様にセブンに襲い掛かり、

足首と手首に喰らいついていく。

 4つの枷が獲物を捕らえた途端、その鎖は巻き上がりセブンをX字に磔にしてしまったのだ。

 モルモットに休息の間も与えず、その処刑台は天井へと消えていった。

ジャック「セブン・・・・セブンはどこに・・・」

ナックル星人「安心しろ・・処刑人はお前なのだから・・・さぁ、ついてこい」

ジャック「はい・・・・ナックル様・・・・」

 セブンを処刑するため、鎖をひかれて主のあとを追うジャック。

 階上に向かう足取りは重く、体はずっしりと沈むようだった。

 一段、一段・・・・セブンの命を縮めているようにさえ思った時間も長くは続かず、

ついに処刑場へと足を踏み入れたのだ。

ジャック「セブン・・・兄さん・・・・」

セブン「・・・?!・・・ジャック・・・・」

ナックル星人「さぁ・・・処刑の時間です・・・」

セブン「・・・・ジャック・・・・すまなかったな・・・」

ジャック「・・?!・・な、何を言うんです・・・」

セブン「わたしのことは気にしないで、光の国に向かうんだ!いいな?」

ジャック「・・・・・・・」

ナックル星人「惨めな者同士、会話が弾みますねぇ・・さぁ、これで」

ジャック「・・・こ、これは・・・」

ナックル星人「セブンの体にナックル特製のエネルギーを満たす光線銃です」

ジャック「処刑するんじゃ・・・ないんですか?」

ナックル星人「えぇ、しますよ?廃人になってもらいます」

ジャック「そ・・そんな・・・・・」

ナックル星人「狂い死というやつですねぇ・・・

         意識が崩壊したあとは有効利用してさしあげますが・・ふふふふ・・・・」

セブン「・・・ナックル・・様・・・約束は守っていただけるんでしょうか?」

ナックル星人「えぇ・・守りますとも・・・必ずね」

ジャック「約束?」

セブン「お前が気にすることではない・・・さぁ・・・やれ」

ジャック「し、しかし・・・・」

ナックル星人「おや?出来ないのですか?いいのですよ?お前は拷問地獄に、

         セブンはモルモットとして研究施設に送るだけです・・・選びなさい」

セブン「やれ!わたしがこうしている意味を考えろ!ジャック!」

ジャック「・・・・・・は、はい・・・ナックル様・・」

ナックル星人「どうするんです?答えなさい!」

ジャック「セブンを・・・・・処刑します・・・・」