555悲話(5)

 

 

ショウを乗せた輸送機が、南海の小島に滑り降りた。

かつてはジム・トレーシーという富豪が所有していた島だ。

彼の所有だった頃は、国際救助隊「サンダーバード」の秘密基地だったこの島も、

今では悪の結社『ヒーローSM倶楽部』の基地になっている。

先の裁判を通して、555に対する信頼を失墜させる作戦に成功した功績によって、

慎也に与えられた基地だ。

 

戦闘員の一人が、司令官室をノックする。

この基地の戦闘員は、かつてキカイダーに倒された『ダーク破壊部隊』の生き残りだ。

バッシュを履いたコスチュームが、バッシュフェチの慎也の気にいられて

再雇用されたのだ。

「失礼します、慎也様。JTK総帥からの荷物をお届けに参りました」

戦闘員は後ろを振り返り、「入れ」と命じた。

姿を現したのは、慎也の手で裁判にかけられ、今では奴隷の身となったショウである。

何一つとして身に付ける事も許されず、生まれたままの素っ裸を曝している。

これまでに相当、痛めつけられたのだろう。

身体中に無数の鞭の跡が残っている。

チンポには、「返品」と書かれた荷札が下げられていた。

 

「ショウ君、久しぶりだね。裁判以来だから、どれぐらい経ったかな」

「一ヶ月でございます、慎也様」

ショウは伏し目がちに答えた。

「そうか。その様子ではJTK総帥のところで

 随分、苦労したようだが」

慎也は立ち上がってショウに近付くと、傷口の一つを指でなぞった。

「は、はい。何分にも、不調法ですので、よくお叱りを頂きました。

 慎也様には誠心誠意、お仕えいたしますので、何とぞ宜しくお願い申し上げます」

「ふふふ。期待しているよ。

 戦闘員。ショウ君を処置室に連れていって、奴隷になる準備をさせなさい。

 まぁ、1時間で済むだろう。

 その時間にロビンを呼んで、奴隷の心得を説明させるように」

「ギル」

戦闘員は、昔ながらの返事をすると、ショウを部屋から連れ出した。

“フン。言葉でつくろっても、目が反抗しておったわ。

 奴隷はそうでないとな。身も心も奴隷になった者など、いくら苛めても面白くない。

 さて、これからが楽しみだ”

 

ショウは慎也の部屋を出ると、『処置室』と呼ばれる部屋に連れて行かれた。

まず、全身に再生光線という光が当てられる。

すると、ショウが受けた身体の傷は、見る見るうちに回復した。

次に、後ろ手に縛られ、銭湯の湯船ぐらいの大きさの水槽に入れられる。

足下の配水管から、エメラルドブルーの水が出てきた。

“傷を癒しておいて、まずは水攻めという事か”

だが、ショウの予想は外れ、水は首のあたりで止まった。

「ふふふ。今に面白い事になるぞ」

戦闘員はそう言って笑ったが、それから何事も起きずに30分が過ぎた。

ショウは水に漬けられたままだったが、それ以上の責めはない。

やがて、水が引き始める。

水が完全になくなると、今度は戦闘員がホースで水をかけ、ブルーの水を洗い流す。

ふとショウは、ブルーの水に黒い濁りがあるのに気づいた。

「あぁっ!」

「ははは、気づいたようだな。さっきのは、スンラデアといってな。

 慎也様が開発した強力脱毛剤だ。

 お前の首から下は、今後10年は不毛地帯だ」

事実、ショウの体毛はすべて洗い流されていた。

当然、チン毛もなくなり、むき出しにされたチンポは、より大きく見える。

ショウは思わず顔を赤らめた。

と、その時、仮面をつけた一人の少年が、別の戦闘員に連れられて入ってきた。

ショウと同じ経験をしたのだろう、丸出しの下半身には一毛もない。

どこかで見覚えのある顔だ。

“ロビン・・。あのロビンなのか”

そう、ゴッサムシティでバットマンとともに戦ったロビン少年も、

今は『ヒーローSM倶楽部』の奴隷になっていたのである。

「おい、ロビン。新入りだ。よ〜く奴隷の心得をたたき込んでおけ」

戦闘員はショウを水槽から出すと、ロビンにそう言い残して出ていった。

「き、君はあの・・」

「今は、慎也様の奴隷のロビンです」

二人だけになると、ショウはロビンに話しかけたが、ロビンは指を唇にあてて、

ショウを制した。

盗聴は十分に考えられるのだ。

「まず、この首輪をして下さい。これが奴隷の証です。

 次に、このバッシュを履いて下さい」

戦闘員が履いているのと同じ、黒いバッシュだ。

「本来、奴隷である僕らに、衣類は不必要な物ですが、

 バッシュフェチであられる慎也様のお慈悲によるものです」

ショウは黙って、ロビンの話を聞いた。

「それから、この島から逃げる事など、絶対に不可能です。

 と言うのも、今、付けていただいた首輪には特殊受信機が組み込まれています。

 この島のどこかに電波発信機があって、その電波が届かないところに行くと、

 首輪が閉まり、最後には窒息してしまう羽目になるからです。

 ですから、我々は一生、この島で奴隷として、慎也様・怪人様・戦闘員様に

 お仕えしなければならないわけです」

その後もロビンの説明が続いたが、しばらくすると何人かの戦闘員が入ってきた。

「おぉっ。こいつが新入りのお漏らし・ショウか」

「なかなか可愛い顔してるじゃないか」

「ははは。チンポの周りも可愛くなってるぞ」

戦闘員は口々にショウを揶揄する。

ショウは無毛になったチンポに目をやり、ぐっと唇を噛み締めた。

「こいつ、挨拶もなしか。フフフ。罰が必要なようだな」

戦闘員はショウとロビンの腕を締め上げると、

『娯楽室』と書かれた部屋に二人を連れ込んだ。

名前は『娯楽室』でも、それは怪人や戦闘員達にとってであって、

奴隷であるショウやロビンにとっては『拷問室』である。

天井から2本の鎖が降ろされる。その先端には手枷がついていた。

生唾を飲み込むショウ。

だが、そこに繋がれたのは、ショウではなく、ロビンであった。

「な、なんでロビンを!」

「ここでは、自分の不始末は、他の者が罰を受ける事になっているんだよ」

戦闘員はそう言うと、再び鎖を引き上げる。

ロビンはつま先がようやく床に届く程度に、Y字状に吊り下げられた。

「ははは。チンポが苛めて欲しいと言って、勃起してるじゃないか」

「的を大きくして、ここを狙ってくださいって事だな」

言い終わるや、戦闘員の鞭がロビンの股間を襲った。

「ギャー」

「ははは。言い声だ。もっと泣きわめけ」

さらに鞭が振り下ろされる。

ロビンの悲鳴が、音響効果の聞いた部屋に響いた。

「や、やめろ!。罰なら俺が受ける!!」

ショウが思わず叫んだ。

だが、身体は戦闘員に押さえつけられたままだ。

「やめろだと!。まだまだ罰が足らないみたいだな」

今度は、ロビンの乳首が狙われる。

「ははは。気持ちよさそうだな、ロビン。

 正義のヒーローも、身体は正直なものだな。

 今日はこれから、誰の相手をするんだ」

「はぁ、はぁ。はい。

 今日は、トカゲ怪人様の精処理のお相手を勤めさせていただきます」

「そうか、トカゲ怪人様か。

 まぁ、せいぜい全身を舐め回してもらうんだな。

 舐めてもらいたいんだろ」

「は、はい。全身を舐め回して、苛めていただきます」

「うんうん。これからの事を最初から言ってみろ」

「はい。僕は、いえ、正義のヒーロー・ロビンは、トカゲ怪人様の精処理道具として、

 全身を舐め回され、苛め抜かれたいと思っています」

鞭で打たれながら、屈辱の言葉を口にするロビン。

だが、今のショウに、ロビンを助ける力はない。

“あぁ、俺はこんなにも無力なのか”

鞭の音が響く度、ショウの心が鞭打たれていく。

今、ロビンを助ける事ができるとすれば・・。

「せ、戦闘員様!」

「んっ?。何だ、新入り」

「戦闘員様。ぼ、僕を苛めて下さい。

 僕のチンポに鞭を下さい。

 僕の尻は童貞です。僕のバージンをトカゲ怪人様に捧げさせて下さい」

ショウの言葉が、拷問室に響いた。