555悲話(10)

 

モンド「まず、人質の健康状態と生活環境を知りたい。奴隷扱いしているのではないか」

 慎也「彼らは人質でも奴隷でもない。裁判で、有罪の確定した服役囚である。

    全員が健康で、食事も兵士と同じ物を与えている。(残飯だけど)」

モンド「防衛艦隊がそちらに向う。ショウ達を解放し、島から退去せよ」

 慎也「犯罪者の引き渡しには、応じられない。島は正当な手続きで入手した。

    退去する理由がない」

モンド「君達の攻撃で、ポートタウンでは多くの犠牲者が出た。君達こそ犯罪者集団だ」

 慎也「殴りかかろうとしている者がいるのに、殴られるまで待てと言うのか。

    防衛艦隊が撤退すれば、ポートタウンに攻撃はしない」

 

モンドが平和的解決の最後の頼みとした慎也とのTV会談は、

慎也の思惑通り、慎也に防衛体制を整える時間を与えたに過ぎなかった。

慎也は、側近の武士道仮面から『準備完了』のメモを受け取ると、

早々に会談を打ち切った。

「迎撃準備が出来た事だし、手はず通り、決戦前の壮行会を行う。

 マスコミ関係者も呼んでおけ」

慎也は手短かに指示を与えると、ショウのいる地下牢に降りていった。

 

「久しぶりだね。ショウ君。

 最近、いろいろ多忙でね。君に構ってられなくて申し訳ない。

 今日は、その埋め合わせをさせてもらうからね」

「慎也。ロビンや兄さんはどこだ。

 防衛艦隊が来るそうじゃないか。お前もオシマイだな」

「んっ?、良く知っているね。

 あぁ、ロビン君から聞いたのか。

 まぁ、いいだろう。オシマイになる前に、楽しませてもらうよ」

「もう、お前の言いなりにはならない!」

「別に強制はしないが、ロビン君の事が心配じゃないのかね?」

「ロビン・・」

 

決戦を前にした壮行会は、サンダーバードの格納庫を改造した

特設ステージで開かれた。

怪人から戦闘員まで、全員が集められる。

報道関係者も集まっていた。

最初に、慎也が壇上に進んだ。

「まず、先般のポートタウンの戦いで、バロム1・白鳥健太郎が

 名誉の戦死を遂げたのは知っての事と思う。

 敵ながら、彼が勇敢な戦士であったのは言うまでもない。

 総員、ポートタウンに注目。

 英雄に対し、敬礼!」

慎也を含めた全員が、ポートタウンに向かって敬礼する。

それが終わると、慎也は短い訓示を垂れた。

「さて、いよいよ明日から本格的な戦いが始まる。

 今さら、言う事は何もない。

 ただ、勇士諸君の健闘に期待する」

長話を嫌う慎也らしい、いたって短い訓辞だ。

 

ここからは、トカゲ怪人の司会になった。

「さぁ〜て、諸君。いよいよ明日は決戦だが、戦う前には、まず敵を知らねばならない。

 そこで、敵の知力・体力がどの程度のものか、確かめてみようと思う。

 では、我らがヒーロー・巽ナガレ君の登場だ」

トカゲ怪人の合図で、後ろ手に縛られたフリチンのナガレが

TVカメラの間を通って、ステージに連れ出される。

「おーい、短小野郎。後ろからだと、チンポが見えないぞ」

「ジャマなチン毛なんて、剃ってしまえ〜」

後列に座った戦闘員からヤジが飛ぶ。

「バカ野郎。前にいたって見えねぇよ」

前列の戦闘員がやり返して、爆笑が起きた。

「あ〜、やっぱり見えないかぁ。

 ほら、これ。これがチンポなんですよ」

トカゲ怪人はおどけて、ナガレのチンポを摘んでみせる。

「ほら、カメラさん。もっと近くに寄って。

 そうそう。どアップで撮ってよ」

トカゲ怪人に促され、TVカメラがナガレのチンポを捉える。

ナガレのチンポが、ステージの横に設置された特大スクリーンに映し出された。

笑いものにされるナガレ。

「さぁ、これで納得してもらえましたね。ナガレ君にも、チンポはあるんです。

 それでは、次なるヒーローを紹介しましょう。

 巽ショウ君でーす」

次はショウの番だ。

ショウは両手を天井から吊り下げられた状態で、上から引き下ろされてくる。

両足にも、それぞれロープが巻かれていた。

「では、最初に敵の知力を試してみましょう。

 オツムの方は大丈夫かなぁ〜」

トカゲ怪人は、ナガレの頭をポンポンと小突いて、ナガレをからかう。

「これから、ショウ君の足に巻かれたロープですが、今から機械を使って、

 左右に引っ張ります。

 放っておくと、ショウ君は股裂きになるんですが、止める方法はきわめて簡単。

 このボタンを押せばいいんです」

トカゲ怪人は、機械に付いた停止ボタンを示した。

「しかし、これだけでは面白くないですね。 

 そこで、意地悪なトカゲ怪人さんは、こんな物を用意しました」

それは、直径3cmほど、長さ10cmぐらいの、透明な円柱形の筒であった。

「この筒をボタンにかぶせます。

 って事は、ボタンを押すには、幅3cm以内で長さが10cm以上の物を

 ここに入れないといけないわけですねぇ〜。

 言っておくけど、この筒は超硬質物質でできたものを

 スーパー・ウルトラ・アロンアルファで接着しているから、

 筒を外す事は不可能だよ〜ん。

 さぁ、ナガレ君。分かるかなぁ〜。

 それじゃぁ、ゲームスタート!!」

トカゲ怪人の声で、機械のスイッチが入れられた。

ショウの足に巻かれたロープが、少しずつ引かれていく。

ナガレはまず、オーソドックスに指を筒に入れてみた。

後ろ手に縛られたままだが、指は自由に使える。

だが、指ではわずかだが届かない。

次に舌。これは筒に入らなかった。

そして顎(あご)。これは話にならない。

「もしもし、ナガレ君。君、オツムは大丈夫なの?。

 あんたの顎がいくら長いったって、そんなモン、ここに入るわけないでしょ」

トカゲ怪人にバカにされる。

その間にも、ショウの足は次第に左右に開かれていく。

「ショウ君、君ならどうする?。

 おバカなお兄さんに、教えてあげても良いよ」

「に、兄さん。筒にチンポを入れて、勃起させるんだ」

トカゲ怪人に促され、ショウが屈辱のアドバイスを送る。

もちろん、これは慎也が仕組んだ事だ。

「そっ、そんな・・。いきなり勃起させろと言われても・・」

ともかく、筒にチンポを入れるナガレ。

最初から、こうなる設定になっていたのだろう。

筒はちょうど腰の高さであった。

しかし、ナガレの短小チンポのままでは、とてもボタンには届かない。

「ど、どうしよう、ショウ」

「兄さん、マツリだ。マツリの事を思い出してくれ。

 兄さんがゴリラ怪人に捕まった時、マツリはどうなった?」

「どうなったって・・、あの時は・・、あっ!!」

そう。あの時、マツリは武士道仮面の放った反エネルギービームを浴び、

下半身丸出しの状態になったのだ。

ナガレの脳裏に、あの時の記憶がよみがえる。

「あっ、あぁぁぁぁ」

するとどうだろう。ナガレのチンポは筒の中で、急速に勃起を始めた。

TVカメラが、透明な筒の中で膨張していくナガレのチンポを

スクリーンに映し出す。

いや、妹の裸を思い出して、チンポを勃起させるナガレの姿は、

全世界に生中継されているのだ。

「ははは。君って、いったい何を考えて戦ってたの?。

 君達、『レスキュー変態555』って名前にしたら?」

会場に笑い声が響く。

いや、全世界が笑ったのかも知れない。

だが・・、何という事だろう。

ナガレがこれだけの屈辱に耐え、必死の思いで勃起させたというのに、

それでもチンポはボタンに届かないではないか。