読了:2005.11.XX
レビュー:2005.11.15

チョコレートゲーム / 岡嶋二人 (講談社文庫)    

「最近省吾の様子がおかしいの」
息子の省吾は最近学校へ行ったり行かなかったりということが増え、体中に痣を作っているようだった。
不審に思った近内は省吾の学校へ行き、息子の級友らから耳慣れない言葉を聞きつける。
―チョコレートゲーム。
省吾が帰らなかった夜に殺された省吾の同級生。
数人の親が話し合いをするために学校に集まったその夜、省吾の姿を見かけたという証言の後に教室で見つかった遺体。
そして・・・。
子供たちの間で流行っている「チョコレートゲーム」の正体とは、そして省吾の身に何が起こっていたのか・・・。

ううーん・・・。
おもしろくなくはなかったです。
何かねえ・・・納得の行かない終わり方って言うか・・・や、別に筋は通ってるんですけど。
後味が悪い!!
「じゃあ何の為に××は死んだんだよ!!!」ってわたしなら叫んじゃいそうな・・・なんつーか・・・そう、悔しいのかな。
悔しいです。


読了:2005.11.XX
レビュー:2005.11.15

どんなに上手に隠れても / 岡嶋二人 (講談社文庫)    

「結城ちひろが誘拐される」
警察に電話が入ったのは、まだ事件が起こる前・・・。
そして、新人アイドル歌手結城ちひろが誘拐された。それも、音楽番組のリハーサルを終え、マネージャーが離れたほんのわずかな時間に、テレビ局内から姿を消したのだ。
結城ちひろを新商品のイメージモデルに起用しようとしていたゼネラル・フィルムは、誘拐犯が要求した身代金を肩代わりし、この誘拐事件を自社の壮大なプロモーションにしようと画策する。
一方、ちひろの身を案じるマネージャーが身代金の運び屋として指名され・・・。
前代未聞の身代金受け渡しのトリックとは、そして犯人とその思惑とは・・・?

・・・なーんて、期待したほどのわくわくする展開はあんましなかったよーな・・・(笑
誘拐事件と同時進行で、ゼネラル・フィルムとかプロダクションとか、マスコミとか、何かそっちの方のバタバタした事態をクローズアップしてるせいか、焦点がぼやけて感じられるのかなあ・・・。
メインは誘拐事件って感じじゃないつーか。
トリックなんかはね、わかってみれば、「ああなんだ」って感はありますが、わたしにはちょっとわかんなかったです。
推理苦手だし^^;
犯人は・・・ん〜・・・。
まあ、それなりに面白いので、読んでみて下さい。

読了:2005.10.16
レビュー:2005.10.17

クラインの壺 / 岡嶋二人 (講談社文庫)    

ゲーム雑誌にゲームブックのシナリオを投稿した上杉。惜しくも賞は逃したものの、別件で目に留まり、ゲームのシナリオとして採用されることになった。
そのゲームを制作しているというイプシロン・プロジェクト。
ヴァーチャル・リアリティ・システム「クライン2」を利用して制作された上杉のゲーム「ブレイン・シンドローム」は、まさに自分がそのゲームの中に入り込んでゲームを進めていくのだ。「クライン2」は、あまりにも素晴らしい出来だった。
そう・・・ゲームと現実の区別がつかないほどに・・・。
試作段階のゲームにテストとして挑戦することになった上杉と、モニターとして選ばれた梨紗。
2人はあまりによく出来たゲームの世界にハマりこんでいく。・・・5日目までは・・・。

うんとですねー。人によっては終わり方が嫌かもなー。
ちょっと「クリムゾンの迷宮」とか「クリス・クロス」に似てるかなあ。
より似てるのは「クリス・クロス」。や、大好きなんだけどね。
「んでどっちやねん!?」って思う人は思うのかもしれない。わたしは結構好きですけども。
この、現実とゲームがごちゃまぜになってくの、好きですねー。頭こんがらがりますねー。ややこしいですねー。
どこまでが現実でどこからが「クライン2」なのか・・・?
ヒントはあります。ちゃんと読んでれば気がつくはずです。面白いです。





読了:2005.10.3
レビュー:2005.10.10

99%の誘拐 / 岡嶋二人 (講談社文庫)  第10回吉川英治文学新人賞受賞作品 2005年このミステリが凄い第1位  

末期癌で死床にあるある男性が息子へ向けて綴った手記。
それは数年前に起こった誘拐事件に関しての詳細だった。
当時、大企業への吸収合併の危機に立たされていた生駒にとって誘拐犯人によって要求された5千万円は、会社を再起させる為の、命運をかけた金だったのだ。
息子の命には代えられず、支払った5千万円で息子は無事に戻ったが、それにより会社の再起は不可能となり大手企業に吸収された。
あれから19年。
当時5歳だった息子・・・慎吾は24歳になった。
その頃、生駒が息子の命の為に支払った5千万円分の金塊が瀬戸内の海で男の死体と共に発見。
これは一体何を意味しているのか?犯人はなぜ金塊を無事手に入れたと見せかけ、19年も海の底に沈んでいたのか?
あの誘拐事件をトレースした誘拐事件が再び起こる・・・。
奇想天外な誘拐方法とは?そして19年前の誘拐の真実、現在の誘拐の真実とは・・・。

面白かったです。
こんなこと実際出来るんなら「すげー」って感じですね(笑
出来ないってことで書いたようですが。しかしこれ、2005年の「このミステリが凄い」で第1位ですけど、1989年ですからね、実際書かれてるの。
スピード感やスリルがあるわけじゃないけど、それでも引き込まれます。
思わず犯人を応援してしまうあたり・・・いかんなあ。
犯人の頭の良さに感心しますよ。天才的なコンピュータ知識、演技の才能や台本、筋書きを丸覚えする記憶力がなけりゃ、この犯罪は不可能だ・・・。あと展開を読む能力とかね。
オススメです。