-ページ〔97〕- 谷津田だよりのトップに戻る
2020
5 21

◎ 作家太宰治が世に出た出世作「晩年」が出版されたのは、船橋在住の時でした。居宅は船橋市宮本町でしたが、海辺に建つ旅館「玉川旅館」の「桔梗の間」で執筆していたことが知られています。
 100年の歴史を持つ太宰ゆかりの宿「玉川旅館」が閉館しました。国の有形文化財にも指定されている建物が取り壊しになり今年中に更地になってしまうということです。とても残念なことです。

『路傍に立つ青面金剛像』
◎家内の菜園からおよそ500メートルの位置に鳥見神社があります。樹々に囲まれた社の道路沿いに十数基の石造物が立っています。その中に一基青面金剛像が彫られている石造物があります。
 金剛像の持ち物や周りに彫られているものに焦点を当ててじっくり観てみました。はっきりわからない点もありますのでご存知の方教えて下さい。
     
 青面金剛刻像塔(庚申塔)とは
道の辻や寺社の入り口などに設置されている顔の色が青い金剛童子。大威力があって病魔・病鬼を払い除くので設置されたそうです。

 ・・塔の各部の名称など・・
 【添付の青面金剛像塔の写真と照らし合わせてお読みください。】
 塔の最上部中央…青面金剛の種子(しゅじ)ウン。
   ※種子とは、密教で仏・菩薩を表示する梵字。
    ウン=青面金剛
 本尊…青面金剛 しょうめん(せいめん)こんごう。
    帝釈天の使者の金剛童子。
    身体は青色で、六臂(ろっぴ)肘が6本のこと。
    目は赤くて三眼で、怒りの形相をとる。
    病魔を退散させる威力がある。
 金剛の頭部…蛇がとぐろを巻いている。
 六臂(ろっぴ)の持ち物。
  右上段 三叉戟(さんさげき)。三又になった矛
       のような法具。
  右中段 矢
  右下段 宝剣
  左上段 宝輪(輪宝)
  左中段 弓
  左下段 ショケラ。上半身裸の女人像の頭髪を
      つかんでぶら下げている。
      ショケラの謂れは幾つかあるが不明の
      部分が多いといわれている。
 足元…邪鬼を踏みつけている。
     邪鬼とは邪悪な鬼や祟りをする悪神。
 土台…三猿あり。見ざる、聞かざる、言わざるの
     三様な姿勢をしている。
 上辺の左右…日、月。庚申講が夜を徹して行われた
     関係で、日や月への信仰が含まれている。
 足元の左右…鶏。暁を告げ、時刻を知らせる鶏が
    刻まれている。夜を徹して行われること。
    又は、「申」の翌日は「酉」からともいわれて
    いる。

 塔の右端には「享保九年庚亥十一月吉日」と彫られていました。「庚亥」は曖昧です…。
また、左端には小倉村 同行廿二人と彫られていました。
以上、分かる範囲で書いてみましたが確実かどうか心配な部分もあります。
 皆さんの近くでも石造物があれば是非じっくりみてはいかがでしょう。

◎社の前の道端にちょっと珍しい植物がありましたので書いておきます。
エンレイソウ(延齢草):山地のやや湿った所に生える多年草。既に花は散った後で葉っぱだけでした。
   

◆割烹旅館玉川…1921(大正10)年に創業。‟玉川”の名は創業者の父の素人相撲の四股名からとったといいます。
 楼閣風の木造建築で、昭和の風情が色濃い外観が特徴でした。
   




館内に太宰が20日間ほど滞在し、小説を執筆した部屋「桔梗の間」が残っていました。
 実は私はこの割烹旅館の女将に頼んで桔梗の間に入ったことがあります。その際に撮影した部屋の写真を添付します。
※HP谷津田だより49ページ2010.7.4を参照下さい。

   
   

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
≪青面金剛像について≫ ー2020年5月22日ー
 何時もありがとうございます。延齢草は、初めて見た気がします。
 「玉川旅館」取り壊しは残念ですね。旅館の経営としては、昨今の状況から止むを得ないでしょうが、建物は有形文化財だけに、移設とかして保存できないのでしょうかね。
 青面金剛については、良く見えませんが、梵字が「ウン」と読めるのでしたら「ウーン」と読むのではないでしょうか。
 又、三叉戟も三叉鉾で良いと思います。
上辺右の享保九年でしたら、甲辰ですから誤ったのですかね。
 写真からは庚亥と読めるようですが、庚亥は享保年間には有りませんから、よく分かりません。中途半端で申し訳ありません。 (k より)


□(^.^) いつも便りの感想ありがとうございす。
 旅館の保存、特に「桔梗の間」の保存できるとよいね。この玉川旅館の脇に以前建っていた三田浜楽園には、川端康成が定宿として泊まっていた部屋がありましたが、現在市内の公民館内に移築保存されています。
 5月21日、市長は、「桔梗の間」を川端康成の定宿同様に移築保存する旨を表明したそうです。
 “申辰”ですか?文字がはっきり見えなかったので私の見間違いかとも思われます。今度また確かめに行って来たいと思います。 (Jより)

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
・ ≪庚申塔の文字について≫ ー2020年5月22日ー
 コロナ危機騒ぎの中、「オンライン自然観察」「おしゃべり広場」を楽しく、また感心して拝見しています。
 庚申塔の件ですが未だ見ていませんし、私の浅学な知識で知ったかぶりはいけませんが、それを承知でお読みください。

 庚亥とは? ご承知のように干支は、十干十二支で年月日を決めていますが、この時代年は江戸時代にはないと思います。
 庚を含む干支は次の庚午、庚辰、庚寅、庚子、庚戌、庚申の六つしかありません。
 庚戌(かのえいぬ)と辛亥(かのとのい)の二つ戌と亥を「いぬ」「い」と語音似ているので間違って彫ったのではないでしょうか?
 逆に庚が間違ってるかもしれません。
 石に彫ったものでは物では墓石や名号塔などにも、よく間違いや疑問が呈されています。
 手賀沼の白樺文学館の前の志賀直哉公園の「哉」の字も誤って「ノ」が抜けたままです。
 あくまでも間違いもよく有ることで・・・という程度で読み流してお笑いください。
 これから梅雨、猛暑とコロナに対応しながらお身体ご自愛ください。 (Mより)

□(^.^) お便りありがとうございました。
 ‟庚亥”については、前述のKさんからもご指摘をいただきましたので私の読み間違いのような気がします。
 今までは1基の石造物をじっくり見たことはあまり無かったので今回勉強になりました。

 ご指摘とても参考になりました。
なお、塔の建立日の部分をトリミングした写真を添付します。(Jより)              
 
2020
5 29

◎ IWG(印西ウエットランドガイド)の会の創立時からずっと一緒に活動してきたSさんが先日お亡くなりになりました。活動の中ではいつも野鳥担当で望遠鏡を担いで参加者の野鳥観察をサポートしました。
 また、三番瀬干潟の生き物観察では顕微鏡担当としてプランクトンや微小生物の観察などを主にやって頂きました。その他子供対象のイベント(紙芝居やお散歩会)では、ハーモニカ演奏を担当し子ども達の歌声をリードしました。
 会の中で私達の心の大黒柱(御大)としてずっと一緒だったSさんがいなくなったことは本当に悲しいことです。Sさんのご冥福をお祈りいたします。合掌!

『近隣散策で見られた自然』
◎運動のために時々家内のやっている菜園に手伝いに行っています。今回はその菜園と近場の公園で見られた自然をいくつかお伝えします。
≪菜園の名前の看板取り付け≫家内の菜園名の看板を作り取り付けました。看板名は「地球子屋(てらこや)ファーム」です。地球をラテン語でテラというそうです。板の端材に彫刻刀で文字を掘り、ペンキを塗って作ったものです。
   

スズメのヒナ≫ハタオリドリ科全長14.5センチの留鳥、漢字は雀。隣の畑にスズメが4、5羽でやってきました。ほどなくして飛び立ったかと思ったら1羽だけキヌサヤの横木に残りました。腹をべたっとして座り、時折鳴いたり目をつむったりしていました。具合でも悪いのかなと思っていたら、親がやって来て何かの餌をあげたと思ったらパッと飛び立ちました。子スズメだったのですね。
 子は体の色も頬の黒い斑紋も薄く嘴が黄色っぽいです。警戒心がなく自分の世界に入っているみたいで幼さが丸見えという感じでした。とても可愛らしかったです。
   
   ↓スズメの親子↓
   

カワラヒワ≫アトリ科全長14.5センチの留鳥。漢字は河原鶸。菜園で作業をしていると近くの駐車場の方から「ビーン、ビーン」と繰り返し鳴いている鳥の声が聞こえてきました。探してみると電線に止まりしきりに囀っているカワラヒワでした。
 オリーブ褐色の体、黒色で基部の黄色い風切り羽の小鳥で市街地の公園や街路樹でも普通に繁殖します。
   

カラスビシャク≫サトイモ科の多年草。漢字は“烏柄杓”と書く。「へそくり」の語源になった雑草だといわれているそうです。
 カラスビシャクの芋は栗に似ているが、茎がとれた窪みがへそのように見えるので「へそ栗」の別名もあり、漢方の「半夏(はんげ)」の吐き気止めの薬です。農家の主婦がこの「へそ栗」を売って小銭を稼いだのが語源だそうです。公園の緑道脇で見つけた時、花茎が葉より高く3、40センチにも伸び、小さな蛇が鎌首を持ち上げているような感じでちょっと不気味に見えました。(参考文献 草思社 「身近な雑草のゆかいな生き方」)
   

ドクダミ≫ドクダミ科の多年草。漢字は蕺草。緑道の両脇に一斉に白花が開きとても綺麗でした。
 このドクダミは強烈な匂い(どくだみ臭)から嫌われがちな野草ですが、利尿、排膿(はいのう)、解毒の薬効があり、昔から民間薬として
重要なもので十薬と呼ばれ重宝されたといいます。花は中心の黄色い棒状の所で、近づいてよく見ると花弁のない小さな花が密生しているのが分かります。白い花びらに見える部分は総苞です。(参考文献 八坂書房 「植物の歳時記」)
   

アカスジキンカメムシ≫キンカメムシ科体長16~20ミリ。金緑色と赤橙色の帯状の模様で美しく彩られているカメムシです。林縁の樹上にいることが多く、ミズキなどの実で幼虫が育つといいます。
 谷津の中央を流れる川の土手のクマノミズキの葉に止まっていたのを撮影しました。終齢幼虫で越冬するそうです。
   


スイカズラ≫スイカズラ科の山野で普通に見られる蔓性の低木です。漢字は‟吸葛”。
 民家の生垣や里山の斜面林脇の小道、そして団地の駐車場のフェンスなど、どこでも見られる植物です。今花が満開でとても綺麗です。花をよく見ると白と薄黄色のものがありました。花は咲き初めは白いが、やがて黄色に変わる性質があるのです。この様から金銀花との呼び名もあります。なお、本種はアメリカでは鑑賞植物として日本から輸入されたものが散逸し、大繁殖して侵略植物の汚名を着せられているそうです。(参考文献 日本実業出版社 「植物の雑学辞典」)
   

≪アカツメクサの花に止まっていた≫ツトガ科「ヒメトガリノメイガ」開張22ミリ。アカツメクサの薄い赤紫色に黄色の蛾のコントラストがとても綺麗でついカメラのシャッターを押しました。
 本種は日中に活動し、花で吸蜜するということです。なお、幼虫の食草はキク科の植物だそうです。
   

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
◆◆谷津田だより投稿コーナー◆◆
  (感染リスク削減の工夫の中で)
◎ 手洗いや消毒、人との距離等感染を防ぐ工夫を色々とされていると思います。そのような中で気軽に情報を交換できる場となれば幸いです。
 たよりの感想や自然情報は勿論ですが、運動や料理、家事や趣味、PC等々ジャンルは問いませんので気軽に投稿ください。あれば写真(1~2枚以内で)も送ってください。

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
≪便りの感想≫
 谷津田だよりは、今回も盛りだくさんで楽しませてもらいました。
「地球小屋ファーム」の看板は素晴らしいです!色も畑にとてもマッチしています。このファームが、たくさんの人、いろんな生き物の拠り所であり続けますように。
 スズメのヒナ、とってもかわいいですね。私の家から見える鉄塔のてっぺんに巣を作っているカラスのヒナは、ずいぶん大きくなり真っ赤な口の中を見せています。
 巣作りの始めは、強風、雨、寒さを心配していましたが、今は暑さと日差しを心配しています。
 畑では、くれぐれも熱中症にお気を付けください。 (Tより)

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
≪教えてぇ~ ≫
 毎朝の散歩はやっと夏服(それでもまだ長袖2枚、レギンスと長パンの恰好)の装いで歩けるようになりました。まだまだ散歩ジョギングの人は少なくゆっくりと歩けます。
 県立H公園も車の駐車場が5月28日より開放されましたので、これからは来園者が多くなるでしょう。園内はきれいに整理され花も多く、今はバラが大変綺麗で最高に美しい時です。

 先日H公園で蝶(サトキマダラヒカゲ)を見つけ、前のめりになり撮影していたらすぐ隣に虫がいました。羽のある虫なので撮りましたが、名前がわかるはずもないのですが、意外ときれいなので顔をそらさなくて済みました。
 野草ならば図鑑を見れば少しは分かるのですが虫だけはちんぷんかんぷんです。虫マニアの方教えてください。(Sより)
   サトキマダラヒカゲ
   
 不明昆虫です
   

◇(^.^) 投稿ありがとうございます。
 写真の不明昆虫ですがヨコヅナサシガメの成虫です。
幼虫で集団越冬していた個体が成虫になって個々に活動を始めたのですね。 (jより)

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
≪散歩の折に見たお花≫
  ウエットランドのS様の、ご冥福をお祈りします。
 いつも、自然の写真を見させていただいて有難うございます。たよりに「スイカズラ」の写真が載ってましたが、先日、散歩の折によそ様の庭に赤色のスイカズラ似の花が咲いていました。豪華で綺麗な「スイカズラ」でしょうか? それとも、園芸種の「ツキヌキニンドウ」でしょうか?クリーム色の淡い色合いの変化がとてもいいですね。(Nより)
   

◇(^.^) お便りありがとうございます。
 添付の写真を見る限りでは、推定の通りスイカズラ科ツキヌキニンドウ(近似種の通称ロニセラ)でよろしいと思います。(Jより)

2020
6 3

 ≪気になる新聞記事を送ります≫



 記事は、手賀沼周辺でコブハクチョウの稲の食害が拡大しているというものです。
 皆さんもご存知と思いますがi市には、冬になると白鳥がたくさん飛来する場所があり、そこは人気のスポットにもなっています。
 ただ、冬に飛来する白鳥はシベリアから渡って来る渡り鳥のコハクチョウやオオハクチョウのことで、今回の記事に載っている白鳥とは別物です。
 記事に出ている白鳥は外来種のコブハクチョウで、元来はヨーロッパや中央アジアに分布している大形の種類の白鳥です。それが人の手により日本の各地に棲みついてしまったのです。

 私が手賀沼で水面を滑空するコブハクチョウを見たのは確か25、6年位前でした。その頃はまだ生息数は10羽以内だったと思います。それが今では150~200羽にも増えてしまい記事にあるように農業被害にまでつながってしまったのです。白鳥たちが爆発的に増えたのは、15年前位からのようです。i市や近隣のk市ではヒナ減少の取り組みもしているようですが、毎日のように大量の餌を与えている愛鳥家のグループもあり数の増加が止まっていません。
 コブハクチョウは、生態系被害防止外来種リストに指定されてます。このまま放置しておくと色々な生態系に悪影響を与えかねないのです。渡りをしない為、一年中見られ、時には営巣場面も見られ観光に一役買っているのも確かです。しかし、人が勝手に連れて来て勝手に捨てて、増えすぎたからと鳥のせいにするのは根本的に違うのではないでしょうか。 (jより)

◇(^.^) 皆さんはこの問題をどう思いますか。記事を見てのご意見、ご感想をお待ちしております。 (jより)


 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛

≪便りの感想≫ (6/5)
 コブハクチョウの名前は聞いていましたが、渡りをしないとか、この地域に増えていて食害を与えているという話は初めてでした。
 言われるように鳥の所為では無いでしょうが農家の方たちの事を思うと複雑な感じです。(Kより)

◇ (^.^)お便りありがとうございます。
 多くの方達の白鳥に対する対応は、白で美しい姿の為、他の鳥たちと異なっている気がします。農業被害も大変とは思いますが、それ以前に生態系の中でどの生き物も皆対等であることが大原則だと思うのですが・・・。 (Jより)

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛

≪便りの感想≫ (6/6)
  こんにちは!いつも楽しく読ませて頂いてます。
コブハクチヨウの問題。難しいですね〜優雅な姿故に人間の勝手で連れてこられて増え過ぎると厄介者扱いされて、、悲しい鳥達です。
 野生動物と人間との距離を私達も考えなくてはならないと思いますが、それぞれの立場や考え方の違いで何が正しくて何が悪なのか? わかりません。

 以前、i市の白鳥の郷へ行ったことがあります。休耕中の田んぼに何百羽もの白鳥(ほとんどはコハクチョウ、それと少数のオオハクチョウ。どちらも渡りの白鳥)がいる様は目を奪われて感動?しました。
 しかし、その後は何か違和感を感じで、二度と見に行くことはなかったです。 ひしめきあって餌をついばむ白鳥達は、もはや野鳥の姿ではないように感じたからです。寂寥感と私達人間の傲慢を感じました。彼らはシベリアへ帰るからいいです。お腹一杯食べて太りすぎて長距離の飛行に耐えられるのか?心配ですね〜 (Sより)

◇ (^.^)お便りありがとうございます。
 コブハクチョウの問題もそうですが、渡りの白鳥への過剰な餌付けも問題です。
 それは鳥インフルエンザのウイルス拡散につながること、個体数の増えすぎが繁殖地でのガンなどへ影響すること、それから白鳥自身の子育てへの悪影響など色々な問題につながってしまいます。(jより)

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
2020
6 10

◎ 北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父、横田滋さんが6月5日にお亡くなりになりました。ずっと娘さんが戻って来るのを待ち続けた滋さんの無念さを思うと胸が苦しくなります。

『とっても残念だが思い出深い一枚の写真』
◎(添付の)写真を見て下さい。きっと「何これ―!」とか「小鳥のお尻しか写っていないよー!」など、感想は色々だと思います。
   
 これは、十数年前に訪れた小笠原諸島の母島で撮影した一枚の写真です。小鳥を撮影できたのですが,お尻しか写っていません。

 これは、添付の新聞記事(6/4)に載っている環境省レッドリスト絶滅危惧1A類指定、小笠原諸島の母島と南硫黄島だけに生息している“オガサワラカワラヒワ”の写真なのです。
   

 オガサワラカワラヒワは、小笠原諸島を訪れた際に撮影したかった野鳥の一つでした。母島を散策していた時に一度だけ出会ったのですが、何とシャッターが下りません。二度三度やってもシャッターが下りずあたふたしている内に飛び立つそぶりを見せました。
 何度か目にやっとシャッターが下り、撮影できたのが鳥のお尻の写真でした。しかし、私にとってはこの写真は、残念な気持ちがありましたが大切で思い出深いものになりました。
 新聞記事にも出ていますが、このオガサワラカワラヒワは、従来カワラヒワの亜種と考えられていたのですが、この度、独立種である貴重な種であることが分かったそうです。
 現在は前述のように母島と南硫黄島に400羽以下しかいないということで、令和時代最初に絶滅する恐れがある鳥だそうです。
 貴重な野鳥だったのですね。それにしてもお尻だけとは残念だったなあ!

カワラヒワ…スズメ目アトリ科の留鳥(漂鳥)。
 日本国内で見られるカワラヒワは、関東地方では春から秋に見られる種と冬鳥として渡って来る亜種オオカワラヒワ、それから小笠原諸島・硫黄列島だけに生息する亜種オガサワラカワラヒワの3種がいます。

 ※以上は「山と渓谷社出版の“日本の野鳥”」に出ている解説ですが、今回の調査によりオガサワラカワラヒワは、亜種が消え独立種となります。尚、亜種とは生物分類上の一階級で種の下位におかれています。


 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
  ◆◆谷津田だより情報コーナー◆◆
 【便りの感想、自然情報及び生活の中で気の付いた点、感染症対策の工夫や困りごとなど なんでもお寄せください。】
 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛

≪便りの感想≫
 谷津田だより、ありがとうございました。
 オガサワラカワラヒワとは貴重な写真を見せていただきました。お尻だけでも貴重さは変わりません。残念な思いをされたので、余計に記憶に残っているのかもしれませんね。私もよくあることです。
 亜種から種となり、絶滅の恐れがあるということですが、400羽以下になると、どうにもならないものなのでしょうか。

 家から見える鉄塔のカラスのヒナは、梅雨入り前に巣立ってほしいと思っていましたが、まだ巣立ちません。いよいよ今日旅立ちかなと、暖かく見守っていますが・・・。2羽のヒナは、1週間以上前から、身を乗り出して羽をぱたぱたさせて、景色を眺めています。巣立ちまでは時間がかかるものなのですね。
 昨日、千葉市の公園でニイニイゼミの声を聞きました。例年より、2週間ほど早いと思います。アカネ類も羽化し始めました。鳥たちヒナのいいご馳走になることでしょう。 ( Tより)

◇ (^.^)お便りありがとうございます。
 早くもニイニイゼミですか。どうも今夏は暑さが厳しそうですね。コロナウイルスに熱中症、困ったものです。( jより)

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛

≪感想≫
 貴重な資料を、ありがとうございました。
オガサワラカワラヒワの件は、早く手を打たないと、いけませんね。
 オガサワラカワラヒワの写真は、お尻だけとは思えませんでしたよ。何か顔のようにも思えました。 ( Kより)

◇ (^.^)お便りありがとうございます。
 同じ日に小笠原諸島母島に生息している固有種のメグロ(国特別天然記念物指定)を撮影していましたので参考に写真を添付します。( Jより)
   

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
2020
6 24

◎ 「モッタイナイ・グランマ」と題したアニメが、ユーチューブから無料公開中と某新聞記事に載っていました。
 モッタイナイ・グランマとは、“もったいないばあさん”のことで、世界に‟もったいないの心”を広めたケニアの環境活動家マータイさんの考えの元になった真珠まりこさんの絵本「もったいないばあさん」の英語版です。記事には、‟コロナ禍で見えたのは人と物を遠くから大量に運んで成り立つ社会のもろさではないか。地に足のついた生活を取り戻す時、「もったいない」はかけがえのない指針になるだろう”と締めくくっていました。

『身近な自然を探して』
◎学校も段階的な登校を経て徐々に始まっています。すぐ近くにある図書館もオープンしたようですがまだ利用者は少ないみたいです。
 自粛が始まってから随分経った気がしますが、まだまだ油断はできません。感染対策を十二分に行ってそろりそろりと動き始めるのがいいのかなと思っています。皆さんはどのようにお過ごしですか?
身近な場所で見られた自然を幾つか取り上げてみましたので見て下さい。

ジャガイモの実?≫ 家内の菜園から帰る途中、隣の畑に黄緑色でミニトマトのような実をつけた作物があることに気づきました。自転車を止めてよく見ると同じような実をつけた株が他にも目につきました。葉も茎も茂り方からしてジャガイモに違いありません。ご存知のようにジャガイモは地下にできるイモ(塊茎)を食用にしますが、花の咲いた後に実が出来ることがあるそうです。しかし、通常はイモから子孫を増やすため花が咲いても受粉せず実をつけることがほとんど無くなったということです。ただ、種類によっては実がつきやすい品種もあるということです。
実のできやすい品種は「キタアカリ」や「ほっかいこがね」等です。
   

カワウの羽ばたき練習それとも遊び?≫ ウ科全長82センチ。漢字は川鵜。全国に留鳥として分布。駅近くのT調整池の斜面林はいつの間にかカワウ主体のコロニ―(集団繁殖地)からサギ中心のコロニ―に変わっていました。
 上空にはヒナのために餌を持ち帰ってきたサギ、或いは餌取りに出かけるサギの姿がひっきりなしに見られました。数はサギの方が圧倒的に多いのですが、それでもカワウの姿も見られました。暫く観察していると水面をバシャバシャと翅を打ち付けるようにして羽ばたいているカワウの姿が見られました。何度も何度も同じ行動をとっていました。
 飛び上がるでもなく水中に潜るでもなく水面で羽ばたいていました。羽の感じから成鳥ではなく若鳥のようでしたので飛び立ちの練習か何かかもしれません。随分長い間やっていました。
   

トノサマバッタ≫バッタ科。全国に分布する大形のバッタ。体長35~65ミリ。漢字は殿様蝗虫。菜園で見られる大型のバッタで大名バッタとも呼ばれる種類です。緑色や褐色などがいますが、今回見られたのは黄緑が強くとても綺麗な個体でした。
 交尾をしている個体で下になっている大きいのがメス、上でメスにしがみついてる小さいのがオスです。この種はとにかくよく飛びます。図鑑によると50メートルは楽に飛ぶと出ていました。びっくり!
   

ゴイサギの幼鳥≫サギ科全長57.5センチ。漢字は五位鷺。本州から九州に留鳥として分布。水面ぎりぎりの枝にじっと動かずに止まっていた褐色の個体は、羽に黄白色の斑点が目立つ‟ホシゴイ(星ゴイ)”とも呼ばれるゴイサギの幼鳥です。ゴイサギは昼間は休み、夜間になると採餌のため飛び立ち、主に魚やカエルなどを捕えるのです。
 その為昼間はあまり動かず、他の種類のサギ達が塒(ねぐら)に戻ってきた頃に出かけていくようです。なお、ゴイサギの名は醍醐天皇が神泉苑の御宴の折、五位の位を与えた故事による名といいます。
   


モグラorネズミ穴≫家内の菜園は毎回耕すということはしていません。種を蒔いたり苗を植えたりする所の土をほぐすぐらいなので、あちこちにモグラトンネルが張り巡らされているようです。
 このトンネルを利用しネズミ(ハタネズミ)が悪戯をし、イモなどに食害を起こすのです。トンネルを見つけると上から壊して塞ぐなどしていますがなかなか追いついていません。尚、しょっちゅう耕すと土中の生物・微生物の層が壊れてしまうとのことで兼ね合いが難しいです。
   

コアシナガバチと巣≫5月末頃に、菜園の端の支柱に小さなハチの巣があって1匹のハチ(女王蜂)が乗っていました。このハチはコアシナガバチと言って、毎年菜園のキヌサヤなどの混みいった茎の下の方に巣を作るお馴染みさんです。あまり攻撃的な種ではないのですが、これから働きバチが生まれて巣も大きくなるので野原に支柱ごと移しました。最近になって、キャベツの葉上で青虫をに肉団子にしているこの種の働きバチを見ました。「おやおやこれはありがたい。」と家内が話していました。巣を見に行ってみたら、案の定働きバチが巣の表面に6匹見えました。黄色い鼻面は愛嬌がありますが、一斉にこちらをじっと見ていたのでハチだけに少し怖かったです。
   

タイサンボクの花≫モクレン科の常緑高木。漢字は泰山木。北アメリカ原産。梅雨空の中、真っ白で上向きに咲く大輪の花が見事でした。図鑑に“遊園地の遊具コーヒーカップ”のようだとありましたが花びらに小人さんを何人か乗せるととてもお洒落な感じで素敵だと思いました。花から「マグノリア」という香水が作られるそうです。
   

もったいないばあさん公式ウエブサイト…真珠まりこさんは、サイトの中で「‟もったいない”という日本語は、物の価値を生かし切ることなく簡単に捨ててしまったり、無駄遣いする時に使われていますが、言葉の中には、自然の恵みや、物を作ってくれた人達への感謝と思いやりの気持ちが込められています。」と書いています。
ウエブサイトのアドレス
(モッタイナイ・グランマのアニメも見られます)
 https://www.youtube.com/watch?v=p1MYVlIgYnU&feature=emb_rel_end

    ◆谷津田だより情報コーナー ◆
 【たより】の感想や、自然情報及び生活の中で気の付いた点など‥何んでもお寄せください。 もしあれば写真も送ってください。

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
≪便りの感想≫ ~6/26~
 何時も、珍しい写真を、ありがとうございます。今回は、ジャガイモの実、ゴイサギの幼鳥、タイサンボクの花、トノサマバッタの番(つがい)が面白かったです。
 ジャガイモの実は初めて見ました。ゴイサギの幼鳥は少し怖い感じですね。タイサンボクの花は、以前の里山歩きでも教えていただきましたが、蕊(しべ)をこんなにはっきり大きく見たのは初めての気がします。
 トノサマバッタは、微笑ましいのですが(前にも書いたかもしれませんが)アフリカや中東で猛威を振るっている飛びバッタのことを思うとちょっと複雑ですね。
 普段の生活では、3か月ぶりに東京へ行って来ました。久しぶりの遠出だったので帰ってから足の筋肉が少し痛みます。まだまだ油断はできませんね。お互いコロナに気を付けましょう。 ( Kより)

◇ (^.^)お便りありがとうございます。
 菜園の上空では、ツバメが旋回している姿をよく見ます。近くの民家に巣がありますのでヒナのために虫を捕っているのですね。また、遠くからホトトギスの鳴き声とサシバの鳴き声が聞こえていました。
 いよいよ真夏に突入ですかね。 (Jより)

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
2020
6 25

◎ 昨日(6/24)配信の谷津田だよりの記事「モグラorネズミ穴」住人(?)ハタネズミが、昨日の午後顔を出した所を撮影しましたので送ります。
 結構かわいい顔をしていますよ。なお、本種は東京や神奈川県、京都府や福岡県などではレッドデータブックに載っている希少種のようです。
   



◆因みにウエブページでハタネズミについて下記のような内容を見つけましたのでコピーしておきました。

       記
≪ウエブより
 (信州安曇野でエコ菜園【自然農法】
 をしているご夫妻のブログ)≫

 「ハタネズミは日本固有の在来種のネズミで、イネ科やキク科の草食動物で、もちろん畑の根菜類、大根・人参など大好きで、農業では害獣です。 上野動物園でも飼育されているらしく、ネズミの餌や、草やニンジン、サツマイモをあげて育てているそうです。
 うちの畑は、ほとんどの場所が、耕さない畑です。 畑が宅地にされ、減少しているハタネズミにとっては、最高の場所です。 畑が、豊かになっていく上で、 害獣であるモグラや、ハタネズミは生態系が多様性を増してきた証拠です。だけど、すべてのハタネズミの繁殖を許すと、 残念ながら、人間が食べる野菜がほとんど壊滅状態です。そこで、仕方ないことですが、殺さず森に逃がしました。これから、モグラやハタネズミとの共存が課題です。」

 ★ 上記のブログアドレス
https://blog.goo.ne.jp/taotao39/e/a52dba4906733c0ef65e21570eea06d3


    ◆谷津田だより情報コーナー ◆
      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
≪コアジサシ、他≫ ~6月28日~
 こんにちは。知り合いが検見川浜でコアジサシの子育ての写真を撮ってきたと見せてくれました。ずっと前、三番瀬で群れで飛んでいるのを見たのはアジサシだったでしょうか。
 白子海岸の観察会に行ったときは海岸が荒れていてコアジサシの子育てが見られませんでした。今回の子育ての写真は卵を抱いていたり、餌を与えていたり見た事のない映像でびっくりしました。
 ペンギンみたいな感じでなんと可愛いことか。
 ネットを開くとそのような映像がいっぱい出てきました。急にコアジサシのファンになりました。検見川浜って犬が散歩したり猫がいたりあんな場所で良く子育てするものだと驚いてます。

 6月22日のラジオ深夜便「鳥の雑学ノート」はサンコウチョウの話でした。総数は少ないけれど、割と身近にいるのですね。私は市原クオードの森で声だけ聞きました。冬、東南アジアへ渡る時は長い尾羽は抜けて短い尾になるそうです。
 それから、モグラを見ましたよ。6月21日。県民の森サザンカの家の近く、道路を渡っていました。車に乗っていたのですが、目が悪いのでノロノロ歩いていました。「ひかれちゃうよ」と心配になりました。 ( iより)

◇ (^.^)お便りありがとうございます。
 そういえば、三番瀬干潟観察会に訪れた子供たちの頭上を数百の海鳥が舞っていましたね。確かコアジサシの群れでした。ただ、その中にアジサシの群れも一部混じっていたように覚えています。
その時の子ども達の歓声をしっかり覚えています。 ( Jより)

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
≪谷津田だよりの感想文≫ ~2020年6月28日~
 暑くなってきましたが、お元気でお過ごしでしょうか。
谷津田だより、ありがとうございました。
 今回も興味深いものばかりです。ジャガイモの実とは珍しいです。実がつきやすい品種があるのですね。今年のジャガイモの出来はいかがでしたか。
 カワウの羽ばたきは迫力があります。飛び立つ練習なのか、なかなか飛び立てないのか・・・? ヒナたちはたくましく育ってほしいものです。
 家から見える鉄塔のカラスは、また繁殖を始めたかもしれません。賑やかによく鳴いています。
 カラスはとても頭のいい身近な鳥ですが、身近な鳥ほどあまり観察しないので、よくわかっていないかもしれません。オスとメスもよくわからず、メスはリボンをつけるか、ちょっと羽が白ければなあ、なんて思います。
 モグラとハタネズミがいるなんて、スバラシイ!地上の生態系はなんとなく実感できますが、地下の世界は見えないので、よくわかりませんが、土中の生き物の複雑なつながりが、豊かな土、おいしい野菜を育てているのですね。
ハタネズミの写真凄いですね。畑に通うことで、こんな一瞬が撮れるのですね。
 トノサマバッタ、交尾ですか。恐らく2回繁殖するのでしょう。近くにトノサマバッタが沢山いるところがあるので、見に行ってみます。
 コアシナガバチの写真は感動です。女王バチはよくここまで巣を大きくして子供を育てたものです。働きバチが「キッ」とこちらを見て、警戒しているように見えます。一番上の子は、触覚や目の色が違いますね。働きバチは、本能とはいえ、すぐに巣を守り、姉妹たちを育てるとはすごいことです。「ありがたいハチたち」どのくらい巣が大きくなるのかまた写真をお送りいただけると嬉しいです。
 もったいないばあさんのアニメ、楽しく見させてもらいました。
 熱中症にはくれぐれもお気を付けください。 ( Tより)

2020
7 _6

◎ 都内や県内での新型コロナウイルス感染者数が増加し、心配が増しています。また、熊本県南部を襲った集中豪雨は瞬く間に九州全域に拡大しており、甚大な被害が起きています。知り合いが人吉市近くに住んでいるので何度もメールで連絡を取り合ったりしています。
 亡くなられた方や行方不明の方々も多く胸が痛みます。

『梅雨の晴れ間の散歩道で見られた自然』
◎連日の雨模様で外に出るのが億劫になりがちですが、それでも降りっぱなしの雨ではないので、やんでいる時に近くの公園やいつもの菜園辺りを散歩しています。
 見つかった(普通に見られる種ですが)自然について幾つか報告させていただきます。

― 身近な自然を探して ―
柿の実≫カキノキ科、東アジアを中心に広く栽培されている落葉高木。日本人には馴染みの深い果樹の一つです。民家の庭の垣根から道路側に枝が伸び、黄緑色でまだ直径3センチほどの可愛らしい実がついていました。
   

ヤブカンゾウの花≫山菜としても知られているユリ科の多年草。漢字では藪萱草と書く。菜園の一郭にあるヤブカンゾウの蕾が数日前から膨らんでいたのですが、梅雨の晴れ間に一斉に開花しました。花の直径は10センチ以上あり、八重咲で橙赤色の花は存在感があり、菜園が賑やかになった感じです。花は朝開き夕方には萎んでしまう一日花です。
   

ヒメアカタテハ≫タテハチョウ科のチョウ。体長29~32ミリ。明るい場所を好み、飛ぶのは速い。アカツメクサの花にやって来ていた個体を撮影しました。
 成虫越冬。幼虫食草はハハコグサ、ヨモギ、ゴボウ(キク科)やカラムシ(イラクサ科)などです。
   

クチナシの花≫アカネ科常緑低木で漢字では梔子と書く。渡哲也のヒット曲のタイトルでもお馴染みのクチナシに真っ白な花が沢山ついていました。
 八重咲で純白の花が梅雨空を忘れさせるように芳香を漂わせていました。なお、クチナシの果実は染料にしたり、きんとんなどの食品の着色料に使われたりするそうです。
   

アメリカオニアザミ≫キク科ヨーロッパ原産。本種は世界の温帯に広く帰化している草本です。最近空き地や道端で普通に目につく外来種です。写真を見ても分かると思いますが鋭い棘が全体に生えていて近づくのが怖いくらいに思えます。(環境省の生態系被害防止外来種リスト指定種)
     


ラミーカミキリ≫カミキリムシ科体長6~17ミリ。平地から低山地の林の縁で見られます。
 成虫はイラクサ科のカラムシ、ヤブマオ、アオイ科のムクゲなどの葉や茎を食べます。撮影は散歩道の交差点脇の民家のムクゲ゙(アオイ科)の葉に止まっていた個体です。背中側から見るとジャイアントパンダに見えることで人気のある昆虫です。
   

黄色いきのこ≫アカクラゲ科ツノマタタケ、漢字では角又茸と書く。キクラゲの仲間で枯幹上に生じる黄色味の強い小さなキノコです。散歩道の脇にある松の枯れた切り株に生えているのを見つけました。小さいがゼラチン質で艶のある橙黄色の美しいキノコでした。
   

ヤブキリ≫キリギリス科の大型昆虫。体長♂45~52ミリ、♀47~58ミリ。写真は♂。
 体色が緑色のものが多いが褐色のものもいるそうです。4月頃小さな幼虫がタンポポの花上で花粉を食べていたのをよく見かけましたが、体つきががっちりしていかにも肉食昆虫という風貌に成長した成虫に出会いうれしくなりました。シキシキシキと数秒間連続して鳴くことが多いが、鳴き声の変異が極めて大きく、チキ・チキ・チキ…と間延びしたり、シリリ・シリリ…と区切って鳴いたりと多くの型が知られているといいます。成虫は10月まで見られます。
   


◆たなばた(七夕・棚機)…五節句の一つ。天の川の両岸にある牽牛星と織女星とが年に一度会う7月7日の夜に星を祭る年中行事をいう。
 中国伝来の乞巧奠(きこうでん)の風習と日本の神を待つ「たなばたつめ」の信仰とが習合したものといわれている。
※乞巧奠とは、女子が巧みになることを祈る祭事。たなばたつめとは、はたを織る女、織女星をいう。また棚機姫とも。(広辞苑より)

      ◆谷津田だより情報コーナー◆
~ 便りの感想や自然情報及び生活の中で気の付いた点
 など、何でもお寄せ下さい。もしあれば写真も送って下さい~

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
 ≪便りの感想≫
 何時も、素敵で可愛らしい写真をありがとうございます。
ラミーカミキリと黄色いキノコは初めて見ました。
 ラミーカミキリは本当にパンダに似て微笑ましいですね。ヤブキリは昔子供の頃、チキチキバッタと呼んでいたものでしょうか。もう少し細長かったような気がしますが。
 コロナも大変ですが、今回の九州の稀にみる大雨による被害には、仰るように心が痛みますね。治山治水は国策の第一番と思いますが、其れをおろそかにしていたのではないでしょうか。 ( Kより)

◇ (^.^)いつもお便りありがとうございます。
 散歩時に道ばたの藪の中から虫の声が聞こえるようになりました。これからは、たよりに載せてあるヤブキリを初め色々なキリギリスの仲間やバッタの仲間が見られてくると思います。 kさんから頂いた感想に出ている“チキチキバッタ”はショウリョウバッタだと思います。この種は今の時期まだ幼虫期ですので数年前に撮影した成虫の写真を添付させていただきます。参考に見て下さい。 ( Jより)

   
 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛

2020
7 13

◎ お天気がはっきりしない日が続くこの頃ですが、如何お過ごしですか。私は雨の上がっている時間を見つけて家内の菜園に出かけるようにしています。
 先日も菜園で軽作業を始めようとしていた時、お手伝いに見えていたHさんが、「ジャコウですよ」と声を掛けてくれました。
 大きく育ったウマノスズクサ(ジャコウアゲハの食草 )に一頭のジャコウアゲハ(メス)が止まっていたのでした。詳細は本文に書きます。

『ジャコウアゲハ、二年ぶりに飛来』
◎私がジャコウアゲハに関心を持ったのは、以前 木下河岸の看板付近及び下総松崎駅前の田んぼの畦付近でひらひらとゆっくり飛ぶ黒いアゲハチョウに会ったことでした。
 ほかのアゲハ類はスピード感を持った飛び方なのですが、本種はゆっくり舞うような飛び方でした。そんな飛び方では鳥に捕食されてしまうのではないか?そんな疑問から色々調べていく中で興味が増したのでした。

 調べてみると本種は毒蝶でゆっくり飛んでもあまり鳥に捕食されないこと、毒物質は、食草のウマノスズクサから取り入れること、黒地に橙色は自分には毒があることを強調する警戒色であること、他の黒い蝶は毒蝶の本種に似せて鳥から身を守っていることなどが分かりました。

 また、本種の蛹の形が木に吊り下げられた女性の姿に見えることから“お菊虫”と呼ばれ、昔は赤や黄色に着色され、夜店で売られていたということも面白いと思いました。(小説『暗夜行路』の文中にお菊虫の話が出ています)

 7,8年前に食草のウマノスズクサを菜園の隅に移植しました。そうするとジャコウアゲハが3年目にどこからか訪れ産卵し、その後数年間毎年やって来ていました。しかし、昨年からばったりと見られなくなり、今年もまたダメかと諦めていた矢先でした。
 たった一頭の個体ですがしっかりと産卵してありましたので、暫くたてば羽化した個体が菜園をひらひらと舞う姿が見られると思います。
 本種は、雑草のウマノスズクサに産卵し、幼虫はその葉を食べて成長しますので、ウマノスズクサがないと生きていけないのです。
 皆さんの近くにもしかしたら本種が見られるかもしれません。もし、見つけたら連絡を下さい。

     ジャコウアゲハ
   
       ジャコウアゲハ~産卵~
   
       ジャコウアゲハ~卵~
   

ジャコウアゲハ…アゲハチョウ科のチョウ。
 漢字は麝香揚羽。雌雄で色彩が異なる。雄は体から香気を発し、翅は黒色、後翅裏面に紅色紋を持ち、腹の側面は黄灰色。、翅脈と翅の縁は濃い。雌は表翅が黄灰色~暗灰色。幼虫はウマノスズクサを食草とする。八千代市では市の蝶として指定。


    (ウマノスズクサ)
   

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
    ◆谷津田だより情報コーナー◆
 【便りの感想や自然情報及び生活の中で気の付いた点など
 なんでもお寄せください。
  もしあれば写真も送ってください】

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
≪便りの感想≫  2020年7月15日
 何時も、珍しい写真をありがとうございます。ウマノスズクサの花は初めて見たと思います。
 コロナと雨で憂鬱な日が続きますが、何とか元気に過ごしています。
 ( Kより)

≪ウマノスズクサの思い出≫
 40年ほど前に東中山に住んでいました。アパートは法華経寺と東中山駅の間ぐらいの所にありました。近くには台地の畑とガマが生えていてザリガニ取りの子どもが出入りしているような小さな沼がありました。
 沼の最終点の所に個人所有のゴルフ練習場があったのです。道路脇の高いところにフェンスがあり、ゴルフ場には階段で下りていくような感じでした。
 そのフェンスにウマノスズクサがびっしり絡みついていたのです。私はてっきり”ヤマノイモ”だと思っていたのに、ある日、見た事もない墨壺のようなへんな花がついていたのです。本当にびっくりしました。
 図鑑で調べるとウマノスズクサという植物だと分かりました。
 残念な事にそれがジャコウアゲハの食草だと知ったのは随分後になったので、蝶にも卵にも気がつきませんでした。
 あれ以来その場所には行っていませんが、40年も前なのでフェンスもゴルフ練習場もないと思います。 ( iより)

◇ (^.^)メールありがとうございました。
 ウマノスズクサは漢字では‟馬の鈴草”と書きます。果実(実)が馬の首に掛ける鈴の形に似ているからだそうです。(花の形が似ているという説もあり)
 葉の付け根に長さ3~4センチのラッパ状の形の花をつけるつる性の多年草です。分布は本州(関東地方以西)~沖縄まで普通に見られる植物ですが、近年は道端や空き地の整備や宅地開発により滅多に見られなくなってしまいました。
 特に最近、道端や道路の緑地帯を舐めるように刈り取ってしまう整備の為か、随分と減少しているようです。当然、本種が減少すると食草として利用しているジャコウアゲハも少なくなってしまいます。 
 なお、馬の鈴は昔馬の首に取り付けシャンシャンと音を鳴らし馬が通ることを知らせたものだそうです。写真はwebからコピーさせていただきました。 ( Jより)
   

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛
2020
7 25

◎ 過日7月22日は二十四節気の内の‟大暑”でした。最近は畑やたまの買い物以外にはほとんど外出しないせいか、日にちが経つのがとても早い感じがします。

『身近な自然の報告』
◎コロナ禍と梅雨のダブルパンチで、つい家にこもりがちになってしまうので、出来るだけ散歩に出るように心がけています。今回もいつもの散歩道で見られたミニ自然について幾つか取り上げてみました。

アオスジアゲハ≫アゲハチョウ科 ヤブガラシの花でチョウがしきりに吸蜜していました。アゲハやキアゲハなどのアゲハ類が5,6頭見られた中に、真っ黒な翅に青いブーメラン形の模様が目立つアオスジアゲハが1頭いました。翅の青い模様に太陽光線がいっぱいに当たりとても美しかったです。本種はヤブガラシの他にトベラやネギ、ミカンの花等を好むといいます。なお、幼虫食草はクスノキ科の樹木なので街路樹のクスノキにもやって来ます。
   

シロソウメンタケ≫シロソウメンタケ科 緑道から立木が並ぶ薄暗いエリアに足を踏み入れた所にそっと生えていました。見た目にはモヤシが地面に生えている感じでした。でも近寄ってよく見るときのこ(茸)でした。全体に真っ白で高さは4~5センチ位、細くて屈曲しはなはだもろい感じでした。
図鑑によると広く世界中に分布し、広葉樹林に発生し、食用になると出ていました。(参考 山渓カラー名鑑「日本のきのこ」)
   

ヤマユリ≫ユリ科 花期6月から8月。公園の緑道脇に何本か花をつけていました。細い支柱を立ててあるものが多かったので地域の人が管理しているものと思われます。周りの草をきれいに刈り、本種だけが立っていたので何か裸の王様の様な感じがしました。大輪で綺麗でしたが、やはりヤマユリ(山百合)の名のように色々な野草と共存して咲いている姿が良いなあと思いました。
     

◆きのこ(茸)…「木の子」の意。子嚢菌の一部、及び担子菌類の子実体の俗称。山野の樹影・朽木などに生じる。松茸・椎茸・初茸のように食用になるもの、テングタケ・ワライタケなど有毒のものもある。(広辞苑より)


 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛

 ◆◆谷津田だより情報コーナー【2020年7月22日】◆◆

≪この虫なあに?≫
  (nさんとのメールのやりとり…多少編集してあります)
●一昨日から、団地の周りの柵にこの芋虫?が葉っぱを食べていたんですが、今日見たらもう食べる葉っぱが無いんです。その植物は宵待ち草(オオマツヨイグサ)でした。近くにはツツジしか無く心配なのですが、この芋虫は蝶になるんですか?スマホのコンテンツでは「セスジスズメ」と出ました。宵待ち草以外を食べられればいいですけど、移してやった方がいいのでしょうか?でも気持ち悪くて無理かな~。 ( nより)
     

◇(^.^)イモムシの情報ありがとうございました。
 もう食べる葉っぱがないのはハラハラしますね。仰る通りセスジスズメの幼虫で、大きなガになります。スズメガ科のグループの1種で、イモムシが大きくてびっくりしますが刺したりしないし毒もありません。
 スズメガ科の幼虫のお尻の上側には1本の角みたいなもの(尾角)があります。怖そうに見えますが尾角も安全です。幼虫の食べ物ですが、宵待ち草を食べていたなんて珍しいかもしれません。図鑑に載っている食草は、ヤブガラシ、ノブドウ、ホウセンカ、サトイモ、カラスビシャクなどです。体がめいっぱい大きくなった幼虫は地面に潜り、土の中で蛹になりやがて羽化します。幼虫を移動させる場合ですが、上記の食草があり土がある所ならよいと思います。移動する時にイモムシを直接触らないでもイモムシが付いている植物の茎ごとハサミで切れば簡単かもしれません。 ( sより)

●蛾になるんですね。明日にでも移動させてやります。ヤブガラシやノブドウは、いっぱいありますから移動させておきます。 ( nより)

◇(^.^)最近このグループの種数が減っており個人的には心配しているところです。セスジスズメは歩く時にお尻の上の尾角を振るので先端の白い部分が揺れるんですよ。放す前に観察してみて下さい。  ( sより)

●今朝、鋏と袋を持って行ってきたんですが、もう地面に潜ったのか鳥に食べられたのか、見つかりませんでした。ただ、葉先の方に食べ残しが3枚ほど残っていましたから、もう潜る時期だったのかなとも思いました。それならいいですけどね、、、。 ( nより)

◇(^.^)幼虫はきっと土中に潜ったのでしょう。(願望)
セスジスズメの尾角フリフリの動作はかわいいですが、これぐらいの大きいイモムシや毛むくじゃらの虫には流石にちょっとびっくりしますよ。見掛けはどんなでも小さくても命なので無事育ってほしいなあと常々思っています。 ( sより)

2020
7 26

 ◆◆谷津田だより情報コーナー【2020年7月22日】◆◆

≪便りの感想(1)≫
 何時も、珍しい写真ありがとうございます。
今回はシロソウメンタケとセスジスズメの幼虫の写真が楽しかったです。なお、幼虫が見えなくなったとのお便りでしたが、無事に地中に潜ったことを祈るばかりですね。   ( Kより)

◇ (^.^)メールありがとうございました。
 kさんの近くのエリアにもきっと何か見られると思います。また、情報を送ってください。 ( jより)

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛

≪便りの感想(2)≫
 谷津田だより、ありがとうございました。ご無沙汰しておりますが、お元気でお過ごしでしょうか。
 コロナの感染者数が増えてきており、心配な日々ですが、おっしゃる通り、日にちが経つのがとても早く感じます。お日様が顔を見せませんが、畑の野菜はいかがですか。

●アオスジアゲハ
 ヤブガラシの花によくやってきてますね。昨日、近所の公園のタブノキで卵を見つけました。小さな真珠のようでした。昨日は雨にあってしまい、雨具を持ってなかったので、木の下で雨宿りをしてました。
 木の幹には小さな蛾がたくさんいたり、キセルガイがぞろぞろ這っていたり、幹に流れる雨は均等でないことがわかったり・・・、楽しい発見がありました。
   

●ヤマユリ
 7/13、松虫姫公園に連れて行ったもらったのですが、ヤマユリが沢山咲いており綺麗でした。
 ボランティアの方が作業をされており、大切に保護しているようです。ヤマユリにダイミョウセセリがピタッととまってました。
   


●シロソウメンタケ 
 地面からニョキニョキと沢山生えてますね。そうめんと一緒に食べてみたいような? 雨が多いので、キノコが豊作ですね。

●セスジスズメ幼虫
 芋虫毛虫は大好きですが、大きなこの幼虫を見ると、ギョッとしてしまいます。
 お尻フリフリじゃなかった、尾角フリフリ、見てみたいなあ。 ( Tより)

◇ (^.^)メールありがとうございました。
 アオスジアゲハの写真は、まさに美しい真珠そのものに見えますね。これからも情報送ってください。
 ありがとうございました。


 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛

 ◆◆谷津田だより情報コーナー【2020年8月6日】◆◆

≪終戦直後、マツタケが採れたという話≫
 いつもお便り楽しみにしています。
 昔の情報です。松茸も絶滅危惧種に登録されたとか。現在の印西総合病院裏にお住いの農家の年配の方のお話です。
 終戦直後、草深(そうふけ)飛行場の近場の赤松林で‟松茸”が採れたそうです。3~4年間の楽しみだったらしいですが。
 私も秋に浦幡公園を散歩する時、もしかしたらと思いつつ赤松の根本に注目していました。まんざら可能性は0(ゼロ)ではないようです。 ( Mより)

◇ (^.^)メールありがとうございました。
 私は四街道(現四街道市)生まれで、旧陸軍連隊の敷地に生える小松原でキノコを採った思い出があります。キノコは残念ながらマツタケではありませんでしたが、とても美味しいハツタケでした。ただ、今は開発で小松原自体が消えてしまっていますし、たとえ残っていても下刈りや落ち葉掻きがされていないと生えなくなってしまいます。
また、情報を送って下さい。 ( jより)

 💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛💛

前に戻る     次に進む