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2020
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◎ 「印西谷津田だより ― 新年のご挨拶 -」
新年あけましておめでとうございます。昨年は印西ウエットランドガイド
の活動を大幅に縮小しました。、スタッフの皆さんとお会いし、自然の様子を観察したり語り合ったりする機会が少なくなったのはとても残念に思っています。
 本年も体調をみながら無理せずやれる範囲で実施して行こうかと思っています。皆様方のアイディアや協力をもとに細く長く続けていきたいと考えていますのでどうぞよろしくお願いいたします。。
 皆様方のご健康と益々のご活躍を祈念して新年のご挨拶とさせていただきます。
    2020年1月1日 印西ウエットランドガイド代表 阿部 純


≪ベランダから見た富士山≫ 自宅のベランダから富士山が見えます。山の手前にスカイツリーが建っていて串刺しこんにゃくにも見えますがこれもまた一興です。年末に撮影した「朝の富士山」と「夕日と富士山」の写真を添付します。
   
   

1羽で年越しのオオハクチョウ≫ 戸神川防災調整池の白鳥は大晦日の昼も相変わらず一羽でした。
 大橋の北側で首を水面に突っ込み、マコモを食べていました。その後、2度ほど池の上空を飛び回りましたが、いつもの橋の下辺りに着水しのんびり過ごしていました。やはり1羽で寂しく年越しのようです。仲間がやってくることを願っています。
   


カラスウリの実≫谷津の川の脇を歩いていると幾つものオレンジ色の実が蔓にぶら下がっているのが見えました。近くに寄ってみるとカラスウリの実でした。全部で20個位ありました。最近は以前ほど見なくなった野草です。鳥があまり食べないようで遅くまで残っているのを見ることがあります。もっとも、他のものが無くなるころには食べられるみたいです。
   

カラスガイ≫谷津田の真ん中を流れるU川は釣り人の中で“タナゴのメッカ”と言われている場所らしいです。そういえば他県ナンバーの車がよく止まっていることがあります。カラスガイはタナゴが産卵するために欠かせない貝です。淡水性の大形の貝です。どうも釣り人が放すと聞いたことがあります。先日川の上流に半分欠けた貝柄が落ちていました。大きさは欠けた部分を除いても10センチ以上はありました。カラスガイ又はその仲間かと思います。
   

古道具屋≫「維新の舊習一洗(きょうしゅういっせん)に際して、思ひ設けぬ繁昌をした商人中、道具屋も亦その一つである。所謂武家の商法そのまゝに少し器物に鑑賞眼のある者は道具屋になり、その店頭には書畫骨董、武具の類から日用の雜品まで玉石混淆(ぎょくせきこんこう)打ち竝べ、その中に座して古道具屋は賣り手買い手を物色してゐた。(幕末維新風俗写真史より原文掲載)」
   

2020
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◎ 恒例になっているカモ個体数調査を千葉ニュータウン中央駅付近の2ヶ所の調整池で行いました。種類を識別しながら個体数を数え記録していく地味な作業です。途中小雨が降ってきましたが何とか終了できほっとしました。終了後、カモは勿論、野鳥全般の種類も個体数も激減しているのではという話がスタッフから出ていました。
 皆さんの近くのフィールドでは如何ですか。
   

『近くのフィールドを歩いて自然を探す』
 穏やかな天気のお正月が終わり、世間はまた忙しい毎日に戻っていますが、身近な散策コースの緑道はのんびりした雰囲気のままです。道端には霜がほとんど無く、公園の池の薄氷は張ってもじきに溶けて水面ではカモ達がのんびり休んでいます。散策中に見られた自然のいくつかを挙げてみます。
≪少し強めのチッ、チッの鳥の鳴き声≫この声の主は緑道を歩くと必ずと言ってよいほど見られるアオジです。ここのアオジは人懐こくカメラを向けてもあまり逃げません。緑灰色の頭部と黄緑色のきれいな胸が特徴のホオジロ科の鳥です。アオジは本州中部の山地や高原で繁殖し冬に低地にやってきます。市街地や民家の庭などにもやって来ます。きっと皆さんの近くのちょっとした緑のある場所でも見られると思います。添付の写真はスタッフSさんの撮影。
   

≪タチツボスミレの花≫カモ調査の途中でスミレの花を見つけました。春によく見られるスミレ科のタチツボスミレです。まだ他の野草がロゼッタ状態で春を待っている時期に花をつけた姿に春を先取りする生命力を感じました。本種の本来の花期は4~5月だそうです。
   

≪家内の菜園に新しい仲間≫ジョウビタキの雌の縄張りとなっている家内の菜園に新たな仲間がやってきています。それは、アトリ科の野鳥ベニマシコの番(つがい)です。マシコとはサルの古い呼び方で漢字で「猿子」と書きます。
 羽や顔が猿のように赤いことから名がついたそうです。特に雄は胸から腹にかけて紅色が強くとても美しいです。雌は淡黄褐色です。
 菜園でこの鳥を探す楽しみが増えました。
   

≪調整池に立ち寄ったコブハクチョウ≫Hさんから「U公園の池にコブハクチョウが来ています」と連絡があり確認に行きました。コガモやホシハジロ、マガモの群れと一緒にとても大きな2羽のコブハクチョウが水面に浮かんでいました。翌日には見えなかったので手賀沼水系の川で数を増やしたコブハクチョウが立ち寄ったものと思われます。なお、コブハクチョウはヨーロッパに生息する大形の白鳥で、日本ではかごぬけ(人為的に放された個体や飼育所から逃げ出した個体)個体が野生化しています。手賀沼水系の川の個体は地域の人により餌付けされている半野性の状態ですので、野鳥としては扱いません。
   


≪エントランスにフユシャク≫冬に見られる蛾、フユシャクの1種がマンションのエレベーターホールの壁に止まっていました。晩秋から真冬にかけて見られるシャクガ科のナミスジフユナミシャク(雄)でした。 なお、この雌成虫は翅が退化して短く飛ぶことができません。
   

≪ウマノスズクサの種≫谷津田だより94ページ10月20日に載っているウマノスズクサの実が熟し種が出来ました。枯れた茎からハサミで切り離して採っておくことにしました。
   

≪マルガモ?≫カモ調査を行っている時、スタッフのMさんがちょっと変わったカモを見つけました。大きさはカルガモぐらい、嘴や尾羽はマガモ似、顔や頭の模様、過眼線はカルガモ似でした。
 おそらくマガモとカルガモの交雑個体と思われます。通称“マルガモ(マガモ+カルガモ)”と言われているようです。写真はMさん。
   

≪調整池に現れたタヌキ≫カモ調査の始まる前、U調整池の水際に現れたタヌキ2頭の写真をスタッフのiさんが撮影しました。水を飲みに来たのでしょうか。この辺りは以前からタヌキやハクビシンが目撃されている場所です。タヌキは雑食性で何でも食べるようです。どんぐりも大好きなようで池まわりにはどんぐりの木が沢山あるので餌場にしているのでしょうか。写真はiさん。
   

≪モズのはやにえ≫モズのはやにえを見たことはありますか。野鳥のモズは餌として捕ったトカゲやバッタなどを木の枝や鉄条網の棘に刺して貯蓄する行動が知られています。
 その獲物は“はやにえ”と言われています。最近はほとんど見かけなくなり気になっていたのですが、久しぶりにT川の縁の木の枝に刺さっているのを見つけました。はやにえが少ないのはモズの個体数が少ないのと餌となる昆虫や小動物が減っているということかもしれません。
   

カモ個体数調査…本調査は日本野鳥の会千葉県の調査研究会の調査を兼ねて行っています。調査研究会では、千葉県内の152地点(2019年度)でカモの生息数をカウントしています。
 昨年度152地点のカウント結果はカモ類28種、97199羽が記録されています。今年はどうでしょう。

戸神川防災調整池の白鳥情報…1羽で年越しをしたオオハクチョウは、相変わらず単身生活をしています。食事は大橋の北側の池でマコモをしきりに食べています。休む時は橋の下や橋近くの島のようになった所です。運が良ければ橋南側の水面を泳いだり池の上を飛んだりしている所が見られるかもしれません。来月初旬くらいまではここで見られると思います。

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◎ 「大造じいさんとガン」の作者椋鳩十(むくはとじゅう)は、子どものための動物をテーマにした数多くの作品を書いています。その椋鳩十作の「マヤの一生」を読んだ方は多いのではありませんか。
 食糧難の戦時中、犬を飼っていることが贅沢で非国民だという理由で犬の撲殺命令が出て愛犬のマヤを泣く泣く提出した少年の物語です。
 小学校で担任をしていた時、給食時に子ども達に数ページずつ読み聞かせをしていたことを思い出しました。本箱の隅にあった絵本を取り出し懐かしく読み返しました。なお、物語のマヤは熊野犬だそうです。
   

今見られる野鳥たち
 天候が不安定な日が続きます。天気予報を見ながら野鳥探しに出かけています。今回はいつもの菜園とi市の自然観察園の2ヶ所で見た鳥たちを取り上げてみました。きっと皆さんのお住まいの地区でも何種類かの野鳥が見られると思います。外出した際にちょっと気をつけて見て下さい。

ベニマシコ雄≫アトリ科全長15センチ。漢字は“紅猿子”と書く。前回送付の谷津田だより(95ページ1/14版)に雌は掲載。冬の探鳥での人気の一種で雄は胸から腹にかけて紅色、翼の2本の白帯と長くて白い尾羽が特徴です。数週間前から菜園に雄雌一緒にやって来てセイタカアワダチソウの種などを啄んでいる姿が見られます。
   

ヒヨドリ≫ヒヨドリ科全長27.5センチ。“鵯”。菜園の端に取り付けた餌台のバードケーキはいつもきれいになくなります。きっとヒヨドリが食べているのだと思います。菜園の脇の桜やグミの木に止まってピーヨピーヨと騒がしく鳴いていました。“早く帰って!バードケーキが食べたい”と鳴いているのかもしれません。
   

キジバト≫ハト科全長33センチ。“雉鳩”。自然観察路のあちこちから水が湧いていてきれいな流れが見られます。木道下の澄んだ水溜まりにキジバトが2羽見られました。しきりに水中に首を突っ込み何かを嘴でつまんで食べていました。首の側面にあるうろこ状の青い斑紋が美しい。
   

アオジ≫ホオジロ科全長16センチ。“青鵐”。観察路の入り口近くの池でカワセミを見ている時、水際にアオジの姿を見つけました。2羽で餌でも見つけているのでしょうか。同じ場所にしばらく留まっていました。胸の黄緑が水辺に映えてとても綺麗でした。
   


ルリビタキ≫ヒタキ科全長14センチ。“瑠璃鶲”。パラパラと小雨が降り出したので帰ろうと思っていた時、湿地の低木の辺りに小さな小鳥がやってきました。お目当てのルリビタキでした。
 成鳥雄は濃い瑠璃色で大変美しいのですが、出会ったのは白のアイリングのあるくるっとした目が可愛らしく尾羽が瑠璃色の個体でした。若い雄或いは雌かもしれません。
   

アオサギ≫サギ科全長93センチ。“青鷺”。奥の池にかかる橋の手摺りの上に堂々とした姿で止まっていました。羽繕いの後、水面をじっと見つめていました。小魚の姿を探していたのかもしれません。存在感のある鳥です。
      

ヤマガラ≫シジュウカラ科全長14センチ。“山雀”。背と腹が茶褐色、頭部が黒の色彩が特徴的な鳥です。他のカラ類と見間違うことのない小鳥です。樹上で木の実などを啄む姿を見ることが多く、水辺で見られたことに新鮮な感じがしました。この寒い日に、水浴びをバチャバチャやっていました。
   

ダイサギ≫サギ科全長90センチ。“大鷺”。羽が真っ白で大きい体、長い首、黒い足のサギ。
 夏は嘴の色は黒、冬になると黄色に変わります。谷津の真ん中にいくつもある小さな池をゆっくりと渡り歩きながら獲物を探していました。ただ、餌をヒットできるのは何回かに1回であまり効率は良く無いようでした。
   

アカガエルの卵塊≫鳥ではありませんが、アカガエル科のニホンアカガエルの卵塊が見られたので取り上げてみます。日本の固有種である本種は、繁殖時期が早く1~3月に行われます。産卵が終わるとまた森に戻って5月頃まで春眠をするそうです。今年の産卵は中でも早いのではと思います。一つの卵塊の卵数は500~3000個。なお、寒い時期に短期間で繁殖を行うのは、天敵の少なさなど、彼らの生存になんらかの有利な点があるからといわれています。(千葉県レッドデータブック最重要保護生物指定種)
   

熊野犬…熊野犬は、日本犬のひとつで熊野の狩人が狩に使った中型の犬である。耳が立ち、尾は巻き上がるか上方を向く。日本犬とは日本土着の犬の品種をいう。特に秋田犬・紀州犬・柴犬・甲斐犬などが知られている。 (広辞苑参照)

戸神川防災調節池白鳥情報…オオハクチョウ1羽が変わらず越冬中です。

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◎ 2月9日は針供養の日です。
 1年間世話になった道具を片付け、供養する風習の一つで江戸時代から広がったという風習です。 豆腐やコンニャクに縫い針を刺し川に流したり、神社に納めるのです。この日は妖怪・厄神が家を訪れる日とされ、この日一日は身を慎み針に触れないようにしているということです。 今流に考えると、ものを大切にする心と休養日の意味があるのでしょうか。

『身近な自然を探す』
◎連日春のような暖かな日が続いていたのですが、この所本来の冬の寒さが戻ってきています。お出かけの際には十分寒さ対策をして風邪など引かぬように気をつけて下さい。
 近隣の公園や緑道で見られた自然の様子をお届けします。

ヒヨドリ≫ヒヨドリ科全長28センチ 留鳥。
 ほぼ全ての野鳥達にとって最大の食糧難の時期が1,2,3月頃だそうです。 今は木の実もほとんど無くなり、昆虫を初め小動物もごくわずかしか見られません。
 鳥達にとって本当に厳しい時期なのです。ヒヨドリも同じで四六時中餌探しに夢中です。 木に残る僅かな木の実や椿や山茶花の蜜、果てはユズリハの葉や葉牡丹などの葉、畑のブロッコリーや白菜もむしって食べています。
   

ハジロカイツブリ≫カイツブリ科全長30センチ 冬鳥。越冬のため全国に渡来し、海岸や河口、入り江、河川などにすみ、数十羽の群れになることもあります。活発に潜水し魚などを捕えて食べ、カイツブリよりも大きく首が長いです。目は赤く体の上面が黒褐色、下面は白色でよく似たミミカイツブリとは顔の黒白の境界で見分けられます。観察地のT調整池への飛来は大変珍しい種です。
   

紅梅・白梅≫バラ科の落葉小高木 ウメ。
 散歩道のあちこちで梅の花がほころび始めました。中にはすでに満開の木もありました。早春、甘い香りを放ちながら冬枯れの枝に小さな花を咲かせるウメの木は、通りかかる人の心を和ませるのは勿論、小鳥達にとっても大好物の花なのです。早速メジロが蜜を求めてやってきていました。
   

   

ツグミ≫ツグミ科全長24センチ 冬鳥。地上を仔馬のように跳ね歩く姿から“跳馬”“鳥馬”(どちらも「ちょうま」)と呼ばれるツグミは、霞網全盛時代には焼き鳥用に沢山捕獲されていた可哀そうな鳥でした。木の実や土中のミミズなどを好んで食べ「ケケッ」と大きな声で鳴きながら飛ぶ姿がよく見られます。4月いっぱい位まで見られると思います。
   


アカハラ≫ツグミ科全長24センチ 漂鳥。アカハラは、胸から腹にかけ橙色が特徴です。地上で落ち葉をガサガサとかき分け、昆虫の幼虫やミミズなどを採食するので、地面でその姿をよく見かけます。ただ、今冬は見かけることが個体数が大変少ないように感じます。珍鳥の一つになってしまったのでしょうか?
   

カワセミ≫カワセミ科全長17センチ 留鳥。散歩で立ち寄るT公園の池にカワセミがいるというのは知っていましたがなかなか会うことができませんでした。先日池の縁を歩いていると運よく池の淵にある石の上に止まっている個体を見つけました。カメラを向けると次の石や水面に張り出している木の枝に移動していましたが、それでもしばらくじっとしており写真を撮ることができました。途中2度ほど水中めがけてダイビングしていました。しかし、残念ながら狩は失敗だったようでした。
   

≪冬眠中のトカゲ≫トカゲ科 本州~九州の平地~山地に生息。家内の菜園で畝を耕している時、地表面から20センチ位の土中から現れたのがヒガシニホントカゲ(小さく尾が青いのでまだ幼体)でした。体温が上がってない為動かなかったそうです。すぐにそっと土中に戻してあげました。冬眠中ごめんね。
   

蝶と蜻蛉(とんぼ){臨画}≫自然観察の話題ではありませんが、手元にあった明治期の小学校図画教科書の話です。教科書のページをめくっていたら“蝶と蜻蛉”の絵がありました。当時は臨画といってお手本を見ながらそっくりに描くことが中心だったのです。(文部省高等小学校「毛筆畫手本」より)
   



戸神川防災調節池白鳥情報…オオハクチョウが相変わらず1羽で越冬中です。 そろそろ北帰行に向けて動きが出て来るかもしれません。調整池のすぐそばにお住いのUさんの写真を添付します。
   

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◎『友との別れ』
 8年間共に印西ウエットランドガイドの活動をしてきた仲間をまた一人失ってしまいました。
 先日、1年前に体調を崩し会を離れたEさんの訃報の連絡が入りました。Eさんは自然から歴史まで造詣が広く又、人一倍探求心が強く会の活動に無くてはならない方でした。本当に惜しい方を無くしました。先日、Eさんが厳しい状況の中、限られた期間で作り上げた冊子「鎌ケ谷散歩ー自然と歴史を訪ねて-」 が弟さんから送られてきました。
 素晴らしい出来栄えでEさんの思いがつまった冊子でした。
皆さんにも何かの機会に見ていただきたく思います。Eさんのご冥福をお祈り申し上げます。合掌

※添付写真
富士山≫…私の部屋から日暮時の富士山を撮影しました。そういえばEさんも富士山が大好きでした。
   

送って頂いた遺作の冊子
 発行日2019年12月10日 A4版 84ページ
     


在りし日のEさんの姿≫…里山散策会の記録写真の中に、在りし日のEさんの写真がありましたので添付しておきます。
 2015年11月6日 鎌ケ谷野馬土手・囃子水コースより
     


戸神川防災調節池白鳥情報…調節池脇のマンションにお住いのUさんから2月17日以来オオハクチョウの姿が見えないと連絡がありました。
 もしかしたら移動したのかもしれません。また、変化がありましたら連絡します。
≪白鳥の居なくなった調節池≫…カモも少なくなり目立つのはアカミミガメとカワウ、サギ達でした。
   

2020
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◎ 2月23日は「富士山の日」でした。指定理由は、ふ(2)じ(2)さん(3)の語呂合わせのようです。先日出掛けてきたi市の小林地区にある浅間山公園の山頂部にある浅間(せんげん)神社は霊峰“富士”を祀る富士山信仰の神社です。ここに登れば富士山に登ったのと同じ御利益があるそうです。山頂部に仙元(浅間と同じか)大菩薩の石碑があり、碑には富士の図柄が刻まれていました。写真を添付しますので見て下さい。
     

『谷津田で見つけた自然』
◎谷津田を歩いてきました。冬枯れの谷津田には春の芽吹きがあちこちに見られました。水田脇のあぜ道にはオオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、ミチタネツケバナなどが花を沢山つけていました。
 その花の蜜を求めてセイヨウミツバチやアブたちがやってきていました。また、斜面林や川土手の樹々たちも新芽を膨らませ始めていました。そういえば、後1週間ほどで虫たちが活動を始めるという“啓蟄”になります。今年は暖冬のため桜の開花も早いと言われています。
 谷津を歩いて見られた自然(県立公園内の自然も幾つか含む)を取り上げてみました。
ノスリ≫トビの鳴き声は「ピーヒョロロ」と聞こえますが、最近U谷津で何度か「ピーエ」というトビの鳴き声の前半分のような声を聞きました。全長54センチ、トビよりも小さく体は褐色の猛禽ノスリの声でした。
 ノスリは低空飛行をし、その姿がまるで野を擦っているように見えることから、「ノスリ(野擦り)」の名がついたと言われています。
   

カワラヒワ≫100羽位の群れの小鳥が谷津をまたぐ電線に止まっていました。キリリとかポリポリのような声が聞こえていました。全長14.5センチのほぼスズメと同サイズのカワラヒワでした。ポリポリやキリリは地鳴きで、さえずりは「ジュイーン」と聞こえます。今季は暖かいせいか時々早くもさえずりの「ジュイーン」が聞こえていました。
   

ニホンイタチ≫IWGスタッフのHさんからイタチの写真が送られてきました。
 U谷津を流れる川辺で魚を捕獲している姿を撮影したといいます。水辺を好むイタチは用心深くなかなか姿を見せないので、撮影できたのはとても運がよかったと思います。体毛は赤褐色から暗褐色まであり、単独で主として夜に行動するそうです。大きさは雄29~37センチ、雌20~26センチと性別により随分違うそうです。添付写真の雌雄は不明です。
   
   


カワセミ≫カワセミの写真もHさんから送って頂きました。
 同じくU谷津を流れる川辺で撮影したものだそうです。鳥の宝石と言われるカワセミは金属光沢のある緑色の翼とコバルトブルーの背、橙色の胸、そして黒く長く鋭い嘴を持つ独特の姿が特徴の鳥です。全長17センチ。光線もよく比較的近距離で撮影した画像は、宝石と言われる特徴をよく捉えていると思います。特に大きく黒い目が野生で生き抜く強さを物語っているように感じました。
   

オガタマノキ≫県立公園内に植えられているモクレン科のオガタマノキに花が沢山ついていました。
 花は黄白色で芳香があります。神社に多く植えられている本種は神前に供える木で、漢字では“招霊の木”と書きます。
 関東地方から沖縄の山地に自生する常緑高木で、一円玉の表側のデザインにもなっています。
     

ニホンアカガエル≫まだ他のカエル達が冬眠している真冬の1月頃から早春の3月頃までに産卵するのが、アカガエル科のニホンアカガエルです。産卵は水田のように浅くて流れのない水場に行います。 先日T谷津と県立公園内の池で卵塊探しをしましたが、全体的に今季は卵塊数が少ないようでした。また、暖かくなるのが早いせいか既にオタマジャクシになっているものが多く見られました。そろそろ、ヒキガエルなど他のカエル達の産卵も始まることでしょう。
本種は千葉県レッドデータブック最重要保護生物指定です。
   



戸神川防災調節池白鳥情報…前回のたよりに載せましたが、1羽で越冬していたオオハクチョウは、その後も姿を消したっきり帰ってきていません。
 よって「北帰行」とします。
 北帰行 2020年2月17日(オオハクチョウ1羽 成鳥)

2020
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◎ i市にある結縁寺の里山を歩いてきました。寺の山門前では早くもモンシロチョウの姿が見られました。その他にも色々な虫たちがいました。
 そういえば今日3月5日は暦によると“啓蟄(けいちつ)”で、虫たちが動き出す時季です。世の中はコロナウイルスで活気がありませんが、虫たちは元気そうです。

『戸神防災調節池の白鳥の記録』
◎i市の住宅地の中にある戸神川防災調節池にやってくるオオハクチョウについてまとめた文を池脇のマンションにお住いのUさんから送って頂きました。
 初めてやってきた年から今季まで15年間ずっと見守ってきたUさんの記録は白鳥に対する愛情があふれていて、白鳥の姿が目に浮かびます。
下記に送付していただいた文を載せますので読んで下さい。
 また、添付の写真もUさんから送って頂いたものです。

                記
『オオハクチョウの飛来と北帰行』 
 私の家は14階にありベランダからはすぐ下におおきな調整池が見渡せます。まわりにビルやマンションも立ち並んでいるところに白鳥が飛来してくるのです。
 ここに白鳥が初めて来たのは15年前で、ちょうど私どもも15年前、池を見渡せるこの場所に引っ越して来ました。
 そしてまもなくベランダに立ったところ、下の池にひときわ大きい白い鳥が泳いでいるのを見つけたのでした。
 「えっ?まさかこんなところに白鳥?!」とびっくりしたのですが、地域の新聞で“たった1羽戸神の調整池にオオハクチョウ飛来”という内容の記事を何気なく読んでいたことを思い出しました。
 その記事はこの白鳥のことだったのだとわかりました。
 それから記事を書いたAさん主催の環境ボランティア団体“ウエットランドガイド”に入り野鳥、植物、昆虫など自然観察について色々教えていただきすっかり里山散策にハマってしまいました。
 この会で出会った人たちのおかげでこの地で暮らす楽しさを知り本当に感謝しています。

 オオハクチョウが初めて来た15年前は1羽でしたが段々数が増え最大で19羽飛来した年もありました。
 ところが今年2020年はたった1羽だけになってしまいました。
この池には人が侵入することができないので人工的な餌やりをせずに池に自生する水草のマコモを餌にしています。
 餌やりをしなくても飛来する越冬地として貴重な場所なのですが、そのマコモが何年間も限度を超え食べつくされ(或いは池の水位の上昇により)、生育状態が悪くなったことが白鳥が飛来が少なくなった原因かとも思われます。
 ゆったりと過ごす環境は良かったけれど自力で餌をとって過ごすには10羽以上は無理だったのかもしれません。

 同じ印西市には白鳥の郷という1000羽ぐらい飛来するところがあってここはとても有名ですが当然餌やりは行っています。
 1000羽も集まるので壮観で見応えがありますが私の個人的な気持ちは田んぼにひしめき合う白鳥より、広い池の真ん中を優雅に泳ぐ姿を見ることが出来る私の住んでいる場所にあるこの池のほうが断然いいと思ってしまいました。

 家族で縦列して広い池を悠々と泳ぐ姿、時々上空を飛翔する姿はいつ見ても優雅で飽きることがありません。
 それがこの数年は飛来数が減ってしまい、今年はもう来ないだろうと諦めていましたが1羽だけ来てくれました。
 諦めていたので1羽でも嬉しかったです。

 1羽の白鳥の動向を見守り続けました。そしてとうとう2月17日北帰行のため去っていきました。
 北帰行についてはどこの白鳥もほぼ同じ日程で一度中継地に集合してシベリアへ旅立つのです。色んな所に散らばっていてもたとえ1羽でいても北帰行の日がわかるのが不思議です。

 いつも白鳥が居なくなった池は一段と寂しく心に穴が空いた気持ちになり、直後はいわゆる“ハクチョウロス状態”になります。
 今年の秋にはマコモが復活して又家族を連れてこの池に来てくれるように祈りました。


 お気に入りの白鳥写真 
 1…戸神川調節池全景
   

 2…成鳥2羽
   

 3…逆立ちして餌のマコモを採餌する姿
   

 4…池の上空を飛翔する姿   

 5…2から3家族の白鳥たち


 6…そろそろ北帰行の訓練か?
   

 7…勢揃いした白鳥たち(成鳥6羽、幼鳥2羽)   
        ≪文・写真共にi市在住のUさん≫

◆オオハクチョウ…カモ科の水鳥。大型で全長約1.4メートル。体は純白で、脚と嘴は黒い。ユーラシア北部に広く分布し、日本には冬鳥として渡来する。(広辞苑より)

2020
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◎ 世界保健機関(WHO)が、ついに新型コロナウイルス感染によるパンデミックを宣言しました。千葉県内の感染者も市川市や松戸市などで増え続けています。一刻も早い収束を願うばかりです。

『春を迎えた里山の自然』
◎例年より桜前線が早いという予想が出ていたと思ったら、3月14日に東京で桜の開会宣言が出ました。昨年より7日早い開花で観測史上最も早いそうです。近所の公園の河津桜は満開を過ぎ、オオシマザクラはほぼ満開となっています。そろそろソメイヨシノの出番ですね。暖かくなり近くの里山を歩くと春の花や生き物たちの様子が沢山見られました。その内の幾つかについて挙げてみます。
≪野草が織りなす‟ジャワ更紗”≫「土手のすかんぽジャワ更紗」とは、童謡の歌詞の一文です。まさに更紗織のごとく色々な野草が織りなす土手は、魅力たっぷりのキャンバスそのものです。ざっと見た所、十種類以上ありそうでした。ホトケノザ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、キュウリグサ、ミチタネツケバナ、スイバ、オランダミミナグサ、カラスノエンドウ、スギナ、タンポポ、ハコベ、ヨモギ、ノボロギクなど。
   

≪桜の蜜を吸いにやって来る鳥たち≫蜜吸い鳥の名のあるヒヨドリとメジロは、サザンカやツバキの花の蜜を好み器用に蜜を吸っている姿を見かけることがあります。その鳥たちが今盛んに吸蜜しているのが桜です。初めは河津桜、そして最近は寒緋桜にやってきています。
 体の大きなヒヨドリが小さな体のメジロを蹴散らしながら吸蜜していることが多いのですが、最近は両方の桜が満開になりゆとりができたのか追い払うことも少なくなり共存して吸蜜している姿が見られます。やはり鳥の世界も平和であって欲しいですね。
   
   

コガタルリハムシの闘い≫虫たちの世界にもそろそろ春が来たのか、コガタルリハムシの雄たちが食草のギシギシの葉の上で雌をめぐる争いをしていました。小さな世界でも子孫を残す闘いには厳しいものがあるのですね。添付写真の腹の膨らんでいる個体が雌で上に乗っている2個体は雄です。雌が産んだ卵から生まれた幼虫はギシギシの葉を食べて大きくなり、6月頃土中にもぐり蛹になります。そして来年の3月頃地上に出てきます。
   


アズマヒキガエルの卵発見≫筑波山麓の「蝦蟇(がま)の油」は昔から有名な薬で、ヒキガエルの耳腺から出る毒液から作られたものだそうです。
 また、蛙合戦の言葉にもなっている繁殖期に雄たちが雌を奪い合う激しい戦いをするのはこの種です。卵塊の形状はひも状で長さはとても長く、時には20メートルにもなることもあるといいます。
   

≪動き始めた越冬蝶ルリタテハ≫成虫で越冬するチョウはキタテハやウラギンシジミなど何種かいますが、タテハチョウ科のルリタテハも越冬蝶です。
 斜面林前の明るい道に静かにとまって暖かい陽射しを浴びていました。
翅も傷んでなくとても綺麗でした。これから結婚相手を探し子孫を残す活動にいそしむのです。
   

タチヤナギの花≫いつも歩く谷津のまん中を流れる川土手に黄色の穂がとても綺麗な柳の木が見られました。
 日当たりのよい川岸や水辺に生える落葉低木のヤナギ科のタチヤナギです。現在見られる黄花は雄花で雌花の穂は緑色でほっそりしているそうです。雌雄異株。なお、柳は根を広くしっかりと張るので土手の強度を高めるために川土手等に植えられたといわれています。
   





◆ソメイヨシノ(染井吉野)…サクラの一種。各地で最も普通に栽植。花は葉の出ぬ先に開き、つぼみは初め淡紅色で次第に白色に変わる。
 成長は早いが寿命は短い。エドヒガンとオオシマザクラの雑種とされ、東京染井の植木屋から売り出されたという。(広辞苑より)


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