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2018
6 24

◎ 久しぶりに映画を見てきました。タイトルは「モリのいる場所」で、自宅の庭の探索が日課の洋画家・熊谷守一の日常を描いた作品です。
   
 主演は守一=山崎努、奥さんの秀子=樹木希林でした。日々、地に寝転び動植物の形態や生態に関心を持って過ごす。例えば庭の切り株の上を歩くアリを何時間もじっと観察し「アリは歩く時左の二番目の脚から動かすんだ」と言っていた。まさに恐ろしいほどの観察眼です。
 現在、住まいの跡地には守一の次女を館長とする豊島区立熊谷守一美術館が建っているそうです。ただ、残念ながら守一が過ごした庭は残っていないとのことです。

『小川で生きもの観察』
◎先日i市のs子育て支援お散歩会を行いました。2歳前後の子どもとお母さん(お父さん)14組の参加でした。玄関前で持参したクスノキの紅葉した木の葉を一人一人プレゼントしたりイトトンボを見たりしてから出発しました。
 水田の中央を流れる川に掛る橋まで野の花やチョウ、ツバメの姿などを見ながら歩きました。
   
 橋の両サイドには、お散歩会が始まる前にスタッフが捕獲した生きものを準備してあります。
 カエルやメダカ、ヤゴ、それにドジョウやザリガニなどの姿に子供たちはびっくりしていました。
   
   

 草の葉をちぎってバットの水に浮かべるとザリガニやドジョウが隠れるのを面白がったり、ザリガニを道に置いてみると逃げるので興味を示す子がいました。


 スタッフの声かけで皆それぞれ関心を持って充実した時間が持てたようでした。その後、森の入り口まで行き、戻ってくる途中で生きものを子どもと一緒にリリースし終了しました。
 ・川とその近くで見つけた主な生きものについて書いてみました。
(参考文献 広辞苑、ヤマケイポケットガイド「水辺の昆虫」)

   

   

   

メダカ…メダカ科の硬骨魚。全長約3センチメートルで日本の淡水魚中最小。アジアに広く分布し、池や溝などにすむ。最近は生息地が減少し千葉県でも希少種に指定されている。

ドジョウ…ドジョウ科の硬骨魚。全長約15センチメートル。体は細く円柱状。口は下面にあって、まわりに5対の口ひげがある。淡水の泥の中にすみ、夜出てエサを探す。腸でも呼吸できる。

ヤゴ…トンボ類の幼虫の総称。水田・池・沼などにすみ、小動物を捕食する。今回見られた種は不明です。

ニホンアマガエル…アマガエル科の一種。四肢の各指端に吸盤をもち樹上に登る。体は緑色または灰色、鼻から目・耳にかけてと体側とに黒色斑紋がある。周囲の状態により体色が変化する。

アメリカザリガニ…アメリカザリガニ科のエビ。体色は赤褐色で殻は堅い。川・池・湖などに生息。田の畦などに穴を掘り、水田の害となることがある。1930年にアメリカから移入され、本州・四国・九州の全域に広がった。

シマアメンボ…アメンボ科のずんぐりした体形のアメンボ。生息地は山間部の小さな流れや低い台地のわき水。水面が波立つような流水にくらすことのできる唯一のアメンボ。

タニシ…タニシ科の淡水産巻貝。貝殻は卵円錐形で暗褐色、殻口は広く角質の蓋がある。卵胎生で6~7月頃子貝を産む。水田・池沼に産し、食用。

テントウムシ…テントウムシ科の甲虫の総称。半球形、小形で赤や黒の斑点がある。アブラムシ・カイガラムシなどを捕食するものが多いが、植物の葉を食うものもある。
体調約7ミリメートル。今回見られたのは、ナナホシテントウでした。

熊谷守一…(1880~1977)洋画家。岐阜県生まれ。東京美術学校卒。フォーヴィスムを経て、簡潔な形態と色彩による画風を示す。作「蝋燭」「陽の死んだ日」など。

2018
7 7

◎ 7月7日は小暑で、二十四節気の第11番目です。”梅雨明けが近づき暑さが本格的になる頃"と広辞苑に出ていますが、今年は梅雨は明け、すでに暑さも本格的になっています。

『身近な自然探し』
◎最近陽ざしが弱まる夕方に散歩をすることが私の日課になっています。
 先日公園の緑道を歩いていた時、樹の上の方から「カナカナカナ…」の声がしました。ヒグラシ(セミ)の鳴き声です。この夏初めてヒグラシの声を聞きました。(7/5初鳴き確認)みなさんのお住まいの所は如何でしょうか。夕方の涼しい風にヒグラシの声はとてもマッチしている感じがしました。

最近の身近な自然について幾つか挙げてみます。
ヤマモモの実・・・ヤマモモ科の常緑高木。
   
 公園緑道に何本も植えられていて、雌木には直径1~2センチの球形の果実が鈴なりに付いていました。実は赤く熟し、地面いっぱいに落ちていました。それを歩行者が避けて通っています。甘酸っぱく生食のほかジャムや果実酒に利用できるそうですのでもったいない限りです。

・ワルナスビの花・・・ナス科北アメリカ原産の多年草。
   
 漢字では悪茄子と書く。悪の字がつくのは、繁殖力が強く、茎や葉に棘が多く畑の害草として嫌われることから。悪の名はあるが、直径2センチほどの白色の花はとても美しいと思いました。


ヒグラシ・・・セミの一種。体は栗褐色で緑色及び黒色の斑紋が多い。夏から秋にかけ、夜明けや日暮れに高く美しい声で「かなかな」と鳴く。季語は秋。(広辞苑より)


・ヒメスズメバチ・・・スズメバチ科のハチ。名に姫の名がつくがオオスズメバチに次いで大きいそうです(24~37㎜)。
   
 アシナガバチ類の巣を専門に襲うそうですが、性質はおとなしいと図鑑に出ていました。

・アメリカノウゼンカズラ・・・ノウゼンカズラ科の中国原産の落葉つる性木本。
   
 散歩の途中の公園の半ドーム型フェンスに垂れ下がるように咲いていました。直径6~7センチの橙黄色の花は南国の情熱的な雰囲気を醸し出していました。

・アオダイショウの幼蛇・・・先日習志野市にある谷津干潟自然観察センターを訪れた際に、センターの正門の門柱の隙間にヘビの姿を見つけました。何人かで覗き込んだので隙間の中に潜り込んでしまいましたが、それでも体の一部が見えました。模様からしてアオダイショウ幼蛇だと思います。
   

2018
7 10

◎ 西日本を中心とする大雨の被害が増え続けています。新聞報道では現時点で死者126人、行方不明79人と出ていました。この数字がさらに大きくなっていく可能性が大です。亡くなられた方のご冥福と行方の分からない方々の一刻も早い救出を祈念しております。

『身近な自然探し』
◎今回は生きものの写真の中から両生類1種と爬虫類2種について取り上げました。ちょっと怖いと思う方、とても小さくおとなしいものばかりですのでどうかお読み下さい。
・まず1種目は、いつものf市にお住まいのsさんのお庭情報にあったヒバカリ(ヘビ)の話題です。
 下記がsさんからの情報メールです。
「今朝、ヒバカリを見つけました。足元にニョロり。ウナギ?ドジョウ?頭が5-6ミリ、体調が20㎝位で黒色。小さなヘビの姿。幼陀って、こんな黒いの?小さなかわいいヘビを私は初めてみました。図鑑でナミヘビ科、ヒバカリ属と知りました。ミミズを1匹ご馳走して、写真を撮らせてもらいました。ほほの白い班が写らなかったのが残念です。」
   

・次も同じくヒバカリです。こちらは先日ホタルを観察に出かけた際に田んぼに続く細道にちょろちょろと出てきたものです。大きさは30センチくらいあったと思いますが、体はとても細く鉛筆くらいだったと思います。この個体は首の斑紋がはっきり見えました。
   


・もう1種は、ニホントカゲの幼体です。
 会のスタッフHさんが近くの公園緑道で撮影し、写真を送って下さいました。
尻尾の色がコバルトブルーに輝いてとても美しい個体でした。
   

・最後はニホンアマガエルです。
 今草地や藪に沢山見られる緑色のツヤツヤのカエルがニホンアマガエルです。
 体は小さいですがガーガーガーと大きな声で鳴くカエルです。
この種は吸盤を持っているので木の葉やガラス窓でも自由によじ登ることができます。まるで忍者のようですね。
目の横に太い黒線が通っているのが特徴で、大きな声を出す共鳴袋を持っています。
   

ヒバカリ・・・ヘビの一種。全長50センチ。
 背面は暗褐色、腹面は白色で側方に黒点がある。
有毒とされ、名も”咬まれればその日ばかりで死ぬ”意というが、実際は無毒。本州以南に分布。広辞苑より
2018
7 16

◎ "豪雨”の次は”猛暑”、そして今日は"酷暑”の文字、新聞の一面の大見出しです。まさに異常気象そのものです。

 暑いので外出は極力控えるようにしていますが、室内で熱中症のニュースも多いですね。お互いに気をつけましょう。

『身近な自然を見つけよう』
◎昼間の一番暑い時間を避けて近くの公園と谷津に出かけてきました。
 公園の緑道を歩くとジージー(ニーニー)と頭上から虫の声が降るように聞こえてきました。夏一番に鳴き出すセミ、ニイニイゼミです。
 公園を出て谷津に降りると谷津田が広がり、稲が風になびいてとてもいい雰囲気でした。
 遠くの樹上からホオジロの美しい声が聞こえ、青空高くねぐらに戻る途中の白鷺の姿も見えました。
 散策途中で見られた生きものや野草の一部を次に挙げてみます。

《野草》
ノジトラノオ(或いはオカトラノオ)・・・U谷津の斜面林脇を歩いていると、放棄されている田んぼの縁に白い集合花を付けた野草を見つけました。茎は直立し小さな白花を密につけ、花穂は中間で傾いていました。
   
 サクラソウ科のノジトラノオと思われますが、似ているオカトラノオかもしれません。

ヤマユリ・・・同じ谷津の斜面林に数株咲いていました。
   
大形の白花に黄色いすじと赤い斑点が入り、芳香を放っていました。ユリ科のヤマユリです。

《生きもの》
・キタテハ・・・同じ谷津の斜面林のニガイチゴの葉にタテハチョウ科のキタテハが止まっていました。
   
 大きさは2.5~3センチぐらいで翅の淵には大きなギザギザがあり黄色に黒い紋が目立つ蝶です。


ハラビロカマキリ・・・公園に植栽されている低木(ツツジ)の間に一人生えしたエノキの葉の上になにやら動くものがいました。近づいて見てみると2センチもない小さなカマキリでした。しきりにこちらに向けてカマとお尻をを振り上げていました。 でも小さい体で精一杯威嚇している姿がほほえましかったです。カマキリ科ハラビロカマキリの幼体でした。
   
   「写真の個体は本文とは別個体で、葉はナンバンカラムシ。」

アカボシゴマダラ・・・公園緑道を歩いているとアゲハチョウの仲間の何種類かに出会いました。今日はチョウが多いなと思いつつ、いつも観察する樹液の出ているコナラの木に行ってみると、そこにはタテハチョウ科のアカボシゴマダラが1頭来ていました。
      
※ アカボシゴマダラとシロテンハナムグリの仲間
   
 本種は後翅に赤の斑紋が目立つとても美しい蝶です。ただ、近年中国から持ち込まれた種で広域に広まりつつある種です。

ニイニイゼミの復活・・・2008年以降、東京都心部でこのセミの生息数が再び増加に転じているという傾向が見られる。また全国的にも、市街地において復活傾向にあり、大阪市の中心部でも2011年は様々な地点で鳴き声が聞かれた。
 ニイニイゼミは乾燥した環境に弱いセミとされてきたが、近年の増加傾向を見る限り、乾燥への耐性を徐々に身につけつつある可能性が高い。かつて、このセミは東京ではアブラゼミと並ぶ最普通種であったが、一時は極端に数を減らしていた。ちなみに、田園地帯では昔も今もごく普通のセミである。(ネットのウィキペディアに出ていた情報)
   
    
※ 写真は、ニイニイゼミの抜け殻
2018
7 25

◎ 今週もまだ猛暑が続いていますが、今度は週末に台風が近づいてきそうです。連続する自然の驚異に心配がますます増えます。

『市民の知らない歴史的史跡』
◎ 駅近くに先土器時代の遺跡があります。
 i市内には、この遺跡と同じような先土器時代の遺跡が幾つかありますがどれも解説板すらなく、一般の住居や大型の建築物が建っていたりして近隣の住民も知らないことが多いようです。
 先土器時代のものではありませんが、私の居住地から歩いて行けるところに遺跡(史跡)が幾つかあります。
今回はその中の幾つかについて取り上げてみます。

大塚前遺跡・・・今から1300年前に建てられたと考えられる寺院跡が発見され、屋根に葺いた瓦の文様が下総国分寺の瓦と同じ文様であり、当時の仏教思想がこの地にも影響を与えていたと考えられています。
   
    
大塚遺跡の寺院跡から出土した瓦  Webの資料を撮影

   
  
 大塚前遺跡の解説看板


大塚塚群・・・上記の場所のすぐ近くから、土を盛り上げた塚が連なっている場所が出土しています。大きな塚が5基並んでいる場所は、大塚塚群と呼ばれ、小さな塚が15基連続している場所は並塚塚群と呼ばれています。どちらも古代の神事の場所でしょうか。
   
   
大塚塚群の写真  講演会資料をコピー

仲山城・・・i市には23程度の中世の城址があると考えられています。しかし、小さな砦的なものも加えるとそれ以上であったかもしれません。ただ、きちんと史跡として残されているのは師戸城址だけです。その他は僅かな堀や土塁が見られ、全体像はよく分からないものばかりです。
   
   
 仲山城址(土塁)
 この仲山城も木が鬱そうとし、土塁の一部がやっと推測できる程度です。仲山城は千葉一族の原氏の傘下の砦と思われているそうです。
※今回は、適当な写真がなく、仲山城の土塁(と思われる?)、大塚前遺跡の瓦と大塚塚群の写真(以前聞いた講演会の資料から)を貼っています。
雑感・・・i市のニュータウン地区には沢山の遺跡が見つかっているが、それは宅地造成のために掘り起こし見つかった遺跡で、どれも発掘調査した後、埋め戻して住宅を建設、現在は発掘場所も全く特定できないものばかりです。きっと遺跡の上で暮らす人々は遺跡について何も知らない人ばかりかもしれません。何か残念な気持ちで一杯です。

2018
8 10

◎ 8月7日は立秋でした。この所、酷暑と台風が交互にやってくる感じで体がついていきません。私もこの2週間夏風邪が治らず家でごろごろしていました。皆さんもお体をご自愛下さい。

『アキ(秋)の付く名前』
◎ ~“夕焼小焼の赤とんぼ 負われて見たのはいつの日か”~は、三木露風作詞・山田耕筰作曲の童謡です。
 里山で普通に見られる赤トンボは数種ありますが、アキアカネも普通に見られる種です。ただ、暑い今の時期は標高の高い所に移動して、再度里山に戻ってくるのは秋風が吹く気温が下がる頃となります。アキアカネの名の由来は、秋になる頃茜色に体を染めることからといいます。
   

“秋”の字の付く野草で里山で見られるものをいくつか紹介します。
アキノノゲシ(秋の野罌栗)・・・キク科の1~2年草で日当たりの良い空き地や道端に普通に見られる。夏から秋にかけて茎の上部に淡いクリーム色の頭花が円錐状に多数つく。
     


アキノタムラソウ(秋の田村草)・・・シソ科の多年草で山野の道端や林の淵に普通に見られる。7~11月、青紫色の唇形花が長さ10~20センチのまばらな穂を作って咲く。
     

アキノエノコログサ(秋の狗尾草)・・・エノコログサはイネ科の一年草で、道端や草むらにブラシのような花穂をつけてよく目立つ。
 エノコロの名は“狗(え)の子”で長い毛の生えた犬の尾状の花穂に由来する。 アキノエノコログサは、花穂が少し長めでやや太く先が垂れること、小穂がエノコログサほど混み合わないことが特徴。
   
    ※野草の解説は山と渓谷社ポケット図鑑「秋の花」参考

◆『赤とんぼ』の歌詞・・・
夕焼小焼の赤とんぼ 負われて見たのはいつの日か、
  山の畑の桑の実を 小籠(こかご)に摘んだはまぼろしか、
  十五で姐や(ねえや)は嫁にゆき お里の便りも絶えはてた、
  夕焼小焼の赤とんぼ とまっているよ竿の先

2018
8 10

◎ 今週の木曜日、8月23日は二十四節気の一つ。“処暑”です。暑さが止み、新涼が間近い日といいます。そういえばこの数日、朝夕だいぶ過ごしやすくなりました。ただ、連なってやって来る台風が心配です。

『オオミズアオの羽化』
◎1WG(印西ウエットランドガイド)のスタッフのHさんから7月27日、"イモムシを見つけ、家に持ち帰りましたら繭を作り出しました”というメールを頂きました。メールには撮影したイモムシの写真も添えてありました。その後も羽化までに何度かメールを頂きました。下記にコピーしますのでお読み下さい。※多少編集させていただきました。

 〈オオミズアオの羽化のメールの交信記録〉
 ※ () メールを送って頂いたHさん。
   () 私、及び家内。
・7/27
 今朝中学校のグランド下の道にイモムシが歩いていました。 いちじくの葉に乗せて持ち帰ったら繭を作りはじめました。種類が解りません。
     

 「オオミズアオ」という大型のヤママユガ科の蛹化寸前の状態のイモムシ君です。
 緑色のイモムシが蛹になる寸前にはこのように赤っぽくなります。たぶん、繭になる場所を探して歩いていたのでしょう。
 いもむしは、いちじくの葉を完全に巻き付けて姿が見えなくなりました。
     

8/ 5
 経過観察の変化状況をメールさせていただきます。
 今の状況は即席で作った網戸の張替えネットのテトラパックの中に入れてあります。
 その後、蛹になっていると聞きました。寄生バチにやられている可能性があるそうですね。
 蛹は2~3週間ほどで羽化すると思います。
  蛹になったのが7/27とすると今週末から来週中位が羽化です。羽化に備えておくことが必要ですのでネットを外して、飼育ケースに入れて下さい。
 飼育ケースは羽化後、翅を広げることができるくらいの大きさがあるといいでしょう。うまく羽化ができるといいですね。
 繭は手持ちのケースに移しました。深さは14cm、大きさはどうでしょうか?
 羽化の兆しが見えたら、ダンボール箱に移そうかと思っています。寄生バチがゾロゾロ出て来ませんように・・・。
   

・8/ 6
 繭を作り始めたそうですね。無事羽化するといいですね。
・8/17
 1時間前に羽化していました。今朝全く変化なかったのですが、先程覗いたら既に成体になっていました。
小さな1cmの穴から幅11cmほどの翅を広げています。
   



     

     
 腹部がふくらんでいて、動くと茶色の液をだします。
 寄生バチの杞憂は無かったようです。
 今、台所の網戸に止まっています。
 この後、見つけた場所に放そうと思います。
   

・8/18
 オオミズアオの羽化おめでとうございます!
 羽化まで寄生バチのことやら数々のご心配があったと思います。でもヨカッタヨカッタ!
 羽化までの日数ですが、私の計算だとHさんが蛹化直前を見つけたのが7/27、その日を蛹1日目と数えると、今日8/17で22日で羽化したことになりますね。長いと言えば長い見守り日数でしたね。
 蛾のことはよく分かりませんが、カイコなどは羽化するとあれよあれよという間に交尾します。
 また、ウスタビガ(同じヤママユガ科)は雄が繭の所?で雌が羽化してくるのを待ち構えていて交尾し、繭に産卵する… と何かで読んだことがあります(うろ覚えなので間違っているかも?)。
 観察後に幼虫と出会った所に放されるそうですが、それがいいと思います。
 昨晩から、じっとして動きません。網を外した時、細かく翅を振るわしていました。またお腹はとても大きく妊娠しているのかと思ってしまいます。口が退化して成虫は何も食べないそうでエネルギーが必要なのですかね。
 見つけて以来、あの場所で同じ様な繭がどこかに無いか探しているのですが見つけられません。放した後、相手に出逢えるかどうかが気になります。
 よろしければ、放す前に観ていただけますか?
 了解しました。
・8/19
 名前もしらない大きな薄赤のイモムシが、綺麗な成虫になって飛び立ってくれて良かったです。
 繭の中がどうなっているのか、明日開いてみます。
 なにかあったらまたご連絡します。今度は卵から育ててみたいものです。  以上



◆参考に (オオミズアオの記憶 S・A)
 それは私が小学3,4年生の頃のできごとです。
祖母が亡くなって数日後だったと思うのですが、釜屋の奥の方にあった味噌部屋の土間に、はっとするほど美しい水色の大きな蛾がいました。
しゃがんでその蛾を見ていたら、傍にいた母がうれしそうに言いました。

「あら・・・こりゃあ本家のおばあちゃんの生まれかわりだよ。おばあちゃんが会いに来てくれたんだね。良く来てくれたねえ・・・。」と。

 今となっては、あの蛾は裏庭の栗の木で幼虫が育って羽化して舞い込んできたのだと思います。
 しかし、母から教えてもらったこの一言が(輪廻転生?)、現在、私が虫に興味をもつようになったことに関係しているのかなあと考えるこの頃です。


2018
8 28

◎ 「戦後何年!という言い方がずっーと続いて欲しい!」東京大空襲の3日後に生まれたという女優吉永小百合さんの言葉です。今年で戦後は73年。戦争の体験者も随分減り戦争の悲惨さなどが風化してきている感じがします。吉永小百合さんの言葉のように、平和の大切さを改めて心に刻みたいと思います。

『戦争の記憶として・・・父の手帳より』
◎"統制取り締まりで物資が不足していた戦争末期から終戦時に、どさくさに紛れて、いろんなところからいろんな物資が俄に出てきた。それを闇値で街頭で点々と売る人が出てきた・・・(略)山下公園の闇市に出て権利金を5円だか支払って二回か三回フィルムや時計商をやった・・・(略)アメリカアーミーがわあわあ寄せ返している中、どんなフィルムでも直ぐに売れてしまう。時計等は初めは直ぐ売れたがだんだん売れなくなった。不良の連中に二三回おどかされ嫌になった。”この文章は私の父(故人)の手帳に書いてあった日記の一部です。終戦直後の混乱期、父も現金を手に入れるため苦労していた一場面だと思います。

・私の小学校時代、東京から焼け出されて町が提供した建物に住んでいた同級生が多くいました。その彼らの生活の厳しさを覚えています。バラック同様の兵舎に住む彼らは、弁当は持ってこない、図画用の画用紙も絵の具もない、中には裸足で通っている子もいました。今ではその兵舎のあったところは市営住宅になっていると聞いています。時代は変わりましたが、厳しい少年期を過ごした彼らは戦争についてどのように考えているのだろうと思うことがあります。

・戦争遺品とまではいわなくても手持ちの物で何か無いか探してみました。幾つか見つけましたので挙げてみます。
その1 父(故人)が被っていた鉄兜・・・父は出征していませんので軍人用のものではなく一般人用か徴用工用と思われます。約900グラム
   
その2 陸軍の水筒・・・これは私の叔父が出征し使用した本物です。私は子ども時代に実際にこの水筒を使用した事があります。
その3 小銃の演習弾・・・子ども時代、何度か友達と”鉛(なまり)拾い”に行きました。”鉛”とは旧陸軍の射撃演習の際の弾丸(鉛製、直径1センチ位の球形)です。
 これが当時畑の土の中に大量にあったのです。農家の人に見つからないように朝一番に畑に入って拾い、帰り道買い取ってくれる商売の人に持ち込み小遣いにしたものです。写真の鉛は、当時拾ったものの一つです。


   

その4
 50銭札 引き出しに入っていました。昭和18年発行です。
第2次大戦の意識が薄れてきている昨今ですが、私はこれらの品を見ることで、平和の大切さを意図的に意識するようにしています。
   

◆闇市【やみいち】・・・第2次世界大戦敗戦直後,極度の物資不足に陥った際,経済統制を無視して食糧品や生活用品の取引,飲食の提供などを公然と行っていた露店群。
   
            ※ 写真上は、Web よりコピーしたものです

 主要都市に出現したが,非合法でありながら警察組織も黙認することが多く,商店の復活がようやく始まり民衆の生活が安定してくる1949年頃までは少しずつ性格や実態を変えつつも存続していた。
  Web大辞林より


2018
9 4

◎ 最近、毎週のように台風がやって来るし、暑い日と涼しい日が入れ替わりに来て体がついて行けません。今週末はもう“白露”です。白露とは二十四節気の一つで秋分前の15日、この頃から秋気がようやく加わる時期といいます。秋の涼風が待たれます。

『冊子「生きもの調査リスト」を作成しました』
◎野鳥を観察している人、植物を観察している人、そして昆虫など小さな生き物を観察している人など、どの人からもよく聞かれる一言があります。それは、「最近見られる数が減った」「今まで見られなかった外来の種が増えた」です。私がずっと見てきている里山にも、まさにこの共通の見方が当てはまります。そのような状況の中でも、i市のH公園生態園及びその周辺にはまだ豊富な動植物が見られます。その生態園を中心に昨年度5ヶ月間、月1回のペースで昆虫を中心に調査をし、この度冊子にまとめ発行しました。冊子の内容は下記です。
             記
「北総花の丘公園生態園及び周辺の生きもの調査リスト」
の紹介
 (「歩いて調べたいんざい里山マップ」南西版補完資料) 
・調査期間 2017年7月~11月
・作成 印西ウエットランドガイド(IWG 
・発行 2018年7月 A4縦版18ページ
・目次 1.はじめに
     2.生態園及び周辺マップ
     3.写真資料
     4.生きもの調査リスト
     5.考察とまとめ・参考図書、資料
     6.あとがき
 『・・・私達の身近にあって、いつでも気軽に行ける場所・・・北総花の丘公園の自然生態園およびその外周部エリアにおいて「虫を中心にして生きものの調査をやってみようか!」という話がまとまりました。・・・その年の夏から初冬にかけて調査を行いました。その成果は私達が当初に予想した虫の種類や数をはるかに凌ぐ貴重なものでした。』 (冊子のあとがきより)

・実際に調査を行い自分たちでまとめてみることにより、自然の大切さ及び変化などが実感としてつかめたことは、大きな成果です。
尚、生きもの調査で撮影した写真のCDも作りました。
   
   生きもの調査の写真をまとめたCD

冊子、CDともまだ残部がありますので関心のある方にお分け致します。希望される方は連絡を下さい。尚、非売品ですのでお代は要りませんが、郵送希望の場合は切手を送って下さい。一冊送付の場合切手代140円、CD込みだと205円です。お申し込みはHPの問い合わせ先でお願いします。

※冊子の主なページの写真を貼ります。
   
    表紙(表/裏)



   

   はじめに・生態園マップ

   
   写真資料(一部)

   
   生きもの調査リスト(一部)

   
   考察・まとめ

   
   今後の課題とまとめ

二十四節気・・・太陽年を太陽の黄経に従って24等分して、季節を示すのに用いる語。
 中国伝来の語で、その当分点を立春・雨水などと名付ける。
(広辞苑より


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