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2018
1 8

◎ 先週の5日が小寒、そして再来週の20日が大寒。まさに寒中で、寒い日が続きます。くれぐれも風邪など引かれませんようお体をご自愛下さい。

『冬越しの生き物たち』
◎ユズリハの梢付近の葉を双眼鏡で見ると、すでにぼろぼろの葉が見られました。木の実大好きのヒヨドリがエサ不足で葉を食べているものと思われます。
   
ユズリハの葉を啄むヒヨドリ
   
そろそろ樹上で木の実を啄んでいたツグミも地面に下り、落ち葉の下に隠れているミミズや昆虫などを漁るようになる時期です。
   
地面に降りたツグミ
   
 道端や空き地も冬枯れとなりました。朝など霜が降り一面白っぽく見えます。草たちも地面に張り付くようにし、寒さを堪え忍んでいるようです。
   
落ち葉の中で仲良く越冬するエサキモンキツノカメムシ(手前)と
    オオモンシロナガカメムシ(奥)

   


暮れにf市のsさん宅の庭情報「ミニベニシア版」が届きました。
 Sさんの庭も冬越しの生き物たちの冬越しの様子が見られるようです。

〈年末に届いたsさん宅の庭情報〉ー12月21日に届いたメールー
ごぶさたをしている間に今年もあと9日となりました。小さなビオトープはすっかり冬枯れです。メダカも水底でじっとしているのでしょう。動きがありません。植物の枯れた鉢を片付けようと土を空けると、今年生まれでしょうか5㎝ほどのガマガエル(ヒキガエル)が、ころんと出てきます。
冬眠の邪魔をしてしまったようです。
 12月の初めから疥癬病で毛の抜けたタヌキが2匹、寒そうにプルプルふるえながら庭に現れ日向ぼっこをします。どこからやってくるのか、なぜこんな住宅街に現れるのか?ふしぎです。(後略)
   
春先に他所で撮影されたホンドタヌキ
   


※直接本文に出ている生き物の写真ではありませんが、関連する生き物たちの写真を貼ってみました。
   
マテバシイの葉に集団で越冬するムラサキツバメ
   

寒中・・・かんちゅう。
   ①冬の寒さの厳しい時期。「寒中水泳」など。
   ②小寒の初めから大寒の終わりまでの間。
     かんのうち。「寒中見舞い」など。
     (今年は小寒1/5、大寒1/20) 広辞苑より

2018
1 17

◎ 「消防団の消防車を合わせるとかなりの数があったが、電話がパニックで通じず、火災を消すことが出来ない例が多くあった」これは、阪神淡路大震災の地震後に起こった火災の消火に当たっていた消防士から直接聞いた話です。現在の災害は情報がいかに大切かという例だと思います。今日は震災から23年、地震の教訓をしっかり確認する事が重要ですね。

 「近場の野鳥たち」
◎大寒間近のこの頃ですが、如何お過ごしですか。
 木々に残る木の実の数も残り少なくなり、鳥たちの食糧事情が一段と厳しくなる時季です。
ただ、鳥見をするには木々の葉が落ち鳥が見やすくなり良い時期といって良いでしょう。
 i市の公園や谷津田、河川で見られた野鳥の一部を挙げてみます。なお、HPには観察した際に撮影した写真を貼り付けておきますので見て下さい。
ヤマガラ・・・公園内の緑道の街路樹で見ました。
   
樹上から軽く木をたたく音が聞こえてきました。
 コゲラかなと思った時、ローテンポのズーズービーの鳴き声、シジュウカラ科のヤマガラでした。胸から腹にかけて赤茶の美しい小鳥です。(U公園)

ホオジロ・・・谷津田の中心を流れる川辺のアシ原でチッチッチという小さな声が聞こえていました。
   
 枯れアシの茂る中を数羽の小鳥が細かに動いているのが見えました。しばらく見ているとアシ原から斜面林に移動する個体があり、運良く撮影することが出来ました。
 なお、ホオジロは千葉県の県の鳥“県鳥(けんちょう)”です。(U谷津)

カワラヒワ・・・谷津田上空を小群で飛ぶ小鳥が見られました。
   
 ムクドリかスズメかと思い、飛ぶ方向を見極めていると運良く近くの電線に止まりました。双眼鏡で覗くと独特なクチバシ、V字の尾羽が見えました。谷津田のみならず人家周辺でも普通に見られるアトリ科のカワラヒワです。
 撮影した個体は光線の具合で明るい黄色が目立つのですが、実際には暗緑色の強い色の鳥です。(U谷津)


シメ・・・スズメより大きくずんぐりとした灰褐色の鳥です。
   
 舌を打つような ”ツェッ”という声が特徴。文鳥のような大きく太いクチバシが特徴の冬鳥です。今年は例年より少ない感じがします。(U公園)

ユリカモメ・・・谷津田を流れるU川が合流するS川まで足を伸ばして見
ました。
 ここは餌付けのコブハクチョウが集まることで知られている所です。川土手の上から見ると川の水面にハトより一回りぐらい大きな白い鳥が沢山浮かんでいました。
   
 冬鳥として日本にやってくるカモメ科のユリカモメでした。
在原業平の「伊勢物語」に詠まれた隅田川の都鳥は本種です。(S川)


冬鳥・・・秋に北方から渡ってきて越冬し、春に再び去って夏に北方で営巣繁殖する渡り鳥。(広辞苑)


2018
1 22

◎ 久しぶりに雪が降っています。4年ぶりの大雪になるという予報も出ていて交通の混乱が心配です。

 『冬の自然も』
◎先日、散策会を行いました。駅近くの調整池周りの緑道を巡り、野鳥や越冬中の虫たち、木々にまだ残っている木の実などを観察しながら散策しました。午後は、県立北総花の丘公園の温室内の植物の見学や植物に関するミニ講演を実施しました。天候にも恵まれ、冬の気温としては比較的温かく散策日和でした。今回観察した動植物の内、印象に残った幾つかを挙げてみます。
 なお、このコースは次回の散策会(2/20)でも少しコースが変わりますが回ります。関心のある方ご参加下さい。
ホシハジロ・・・200羽以上見られ、今冬調整池に飛来しているカモの中で一番数が多いカモでした。
   
 例年本調整池では、ほんの数羽しか確認されずこれほどの数は初めてです。赤い目玉と赤褐色の頭、灰色の背中のツートンカラーが特徴の綺麗なカモです。

オシドリ・・参加者の一番人気は本種でした。
   
 池の南側にある草はら広場に立ち、樹木の枝が張り出している水際を双眼鏡で見るとオレンジ色の羽根(銀杏羽根)がちらちらと見えました。その後幸運にも水際から数十羽飛び立ち小さく旋回してから池中央に着水しました。銀杏羽根が目立つオスがほとんどでしたが中に数羽のメスもいました。
メスは全体に地味ですが、目の後ろの白い線が目立つ可愛い姿です。

ノスリ・・・池で2羽のノスリ(タカの仲間)が見られました。
   
 一羽は斜面林に止まっていて、もう一羽は上空を旋回していました。羽根の下面に黒い斑紋(ノスリ斑)が目立ちました。


クズの葉痕(ようこん)・・・葉痕とは、葉が枯れ落ちたあとに枝に残る痕です。しばしば葉痕が人や動物の顔に見えることから関心を持つ人も多いようです。
   
 調整池脇のフェンスに絡むクズの茎に葉痕がありました。お猿の顔そっくりでした。

コナラのどんぐりの芽生え・・・調整池の斜面林内には、シラカシ・コナラ・クヌギ・スダジイなどのドングリが沢山落ちていました。
 ドングリの中にはすでに芽を出しているのもありました。コナラのドングリの芽生えがあちこちに見られました。
   
 ドングリの実の中身はほとんどが双葉になる部分で赤く綺麗です。

クヌギカメムシの解説・・・クヌギカメムシは、コナラやクヌギの幹に卵を産みます。卵塊は冬を越し2月の中旬頃から4月初めの間に幼虫が孵化します。そして春になり若葉が出始めると幼虫は上へ上へと木を上り新芽の柔らかい葉などの汁を吸って大きくなります。
 散策会では卵を見ていただいた後、スタッフが写真を使ってクヌギカメムシの解説をしました。
   

※散策会の折の記録写真から貼り付けさせて頂きました。

ホシハジロ・・・カモ科全長48センチ。雄は頭部が赤褐色で胸と上下の尾が黒い。本州以南に冬鳥として多数渡来する。
 湖沼や池にすむ。潜水し水草や貝類、昆虫などをとる。

2018
1 28

◎ 「朝日さす軒の垂氷(たるひ)は解けながら・・・」源氏物語「末摘花」の一節です。垂氷とは、つららのことで氷柱と書きます。
 昔は冬にはどこにでも普通に見られたものでしたが、最近では珍しくなりました。東京では48年ぶりの最低気温と言われた翌日、自宅マンション通路(6階)の目隠し部分でつららを見つけました。青空と隣接の団地マンションとの対比が面白かったので撮ってみました。
   

『寒いため近場でバードウオッチング!』
◎この数日とても寒いので遠くに行くのは諦めて、家の近くで野鳥観察をしています。
・公園に植えられている椿やサザンカの花にやって来ていたのは、メジロとヒヨドリです。キリキリキリキリとしきりに鳴きめまぐるしく動いているのはメジロ、名の由来にある目の周りの白いアイリングがとても可愛い小鳥です。
   
 メジロよりずっと大きく太く長いクチバシを持っているのはヒヨドリ、このクチバシは蜜を吸うだけでなく花びらも散らしてしまい、園芸家に嫌われてしまう鳥です。
   


 大食漢のヒヨドリは木の実が無くなってしまうこれから、畑の野菜やユズリハなどの葉を食べ、春まで食いつなぐようです。
 中学校のフェンス際にある木に沢山のヒヨドリが止まっていたので近づいてみると、それはエンジュの木で、まだ沢山付いている実を食べていました。

・公園内の落葉樹の林からコッコッコッコッの打音が聞こえてきました。国内で見られるキツツキの内最小の種コゲラでした。
 コナラやニワウルシの幹を垂直に上って行きました。
しきりに幹をつつき、木の皮や内部に隠れている虫を探しているようでした。しばらく見ているとカメラを向ける私の方に顔を向けてくれました。その瞬間の写真です。
   

・コゲラを見ている時、樹林のあちこちで何羽ものシジュウカラが飛び回っていました。
   
 また木の根元の枯れ葉だまりにはシロハラがエサ探しをしていました。
 今の時期は木の葉が落ちているので小鳥が大変見やすいですよ。風邪など引かないように沢山着こんで近くの公園や緑地に出かけませんか。

◆「メジロの来る山」・・・メジロを読み込んだ歌があるそうですが、皆さんは聞いたことがありますか。
 題名は、「めじろが来る山」で作詞:後藤一夫 作曲:平岡照章です。
 一番の歌詞は、"光る霜だよ 茶の花に 目白がくる山 お茶の山 だれかおとりをなかしてる  チッチキ 寒そに なかしてる” 二番、三番は略。
おとり・・・メジロ捕りの囮(おとり)のことです。
 もっとも、現在はメジロを捕ることは法律で禁止されています。


2018
2 4

◎ 2月4日は立春。
 立春とは、冬と春が分かれる節分の翌日で寒さがあけて春に入る日だそうです。
 ただ、まだ寒さは続きそうです。お体ご自愛ください。

『又また、雪。今は野鳥にとって餌の少ない厳しい時期だ!』
◎先週に続いてまた雪が降りました。
 皆さん転んで滑って怪我などしませんでしたか。
幸いにも今回は前より積雪量も少なく道路上の雪は残らなく、雪かきもさほど必要でなかったようです。
   


 この時期野鳥たちにとっては一番厳しい時期にあたります。
それは寒さではなく、餌不足の時期なのです。
 秋に沢山実っていた木の実もほぼ食べ尽くし、虫たちが姿を消しているこの時期、鳥たちにとっては餌探しがもっとも厳しい時なのです。身近に見られる鳥について観察してみましょう。

ツグミ・・・渡り鳥のツグミは柿の実などの木の実が大好きなのですが、実が無くなった今は地面に降りて落ち葉をかき分け、越冬中の虫やミミズなどを探し回っています。
   
 がさがさという葉をかき分ける音も聞こえてきます。確かに落ち葉をそうっと手でかき分けてみたら、ワラジムシ、小さなクモ、ショウジョウバエ、小さなハエがいました。

ムクドリ・・・留鳥のムクドリもツグミと同じく地上に下り、草地や枯れ葉の辺りで餌探しをしています。
   

   


シジュウカラ・・・留鳥のシジュウカラは、今の時期草の実でも虫でも必死で何でも食べます。
   
 先日枝先でしきりに何かを突いているのを見つけて写真を撮りました。PCで画像を大きくして見るとカマキリの卵らしきものを突いていました。虫のほとんどいない冬場は虫の卵は貴重な栄養源なのでしょう。この他、ジョロウグモの卵のうなどもこの時期のご馳走となるのです。

ヒヨドリ・・・団地内のユズリハの梢の葉はぼろぼろです。ヒヨドリの仕業です。
   

   
 畑のブロッコリーも花壇の葉ボタンの葉も同じく食べられぼろぼろになっています。これから4月くらいまで餌探しは大変だと思います。
 そういえば近くの公園で沢山実っていたクロガネモチの実も今は皆無となっています。

ハクセキレイ・・・駅前の通りを歩いているとハクセキレイが何かを突いていました。近づいても全く逃げずに突いています。どうも柔らかそうな煎餅かクッキーのかけらのようでした。誰かが落としたのかあげたのか分かりませんが鳥にとっては大ご馳走のようでした。しばらく見ていましたが逃げずに少しずつ食べていました。
   

 今頃から数ヶ月間は、野鳥にとって一年中で餌探しがもっとも厳しい時だそうです。よって人の設置する餌台に鳥がやってくるのもこの時期です。

餌台・・・昆虫食の小鳥も餌不足する秋から冬には、植物質を食べます。
 この季節に餌台あるいは決まった庭石の上などに、定期的に餌を用意し栄養補給をすることは野鳥を守ることにもなります。
 なお、春から夏は虫が多い時期ですので、人が餌を置くのは控えた方がいいでしょう。
参考 日本野鳥の会発行:野鳥観察ハンディ図鑑「新・山野の鳥」

2018
2 12

◎ 立春を過ぎ、寒さも少し和らいできたように感じる今日この頃ですが皆様いかがお過ごしですか。今冬は例年以上にインフルエンザの猛威が報じられています。お体を十分ご自愛下さい。

 『古代の印旛沼周辺に分布圏を持つ神社』
◎先日i市岩戸地区にある印旛歴史民俗資料館を訪ねてきました。館では印旛沼周辺に集中して分布している"鳥見神社・宗像神社・麻賀多神社"についての企画展「古代の印旛沼周辺」を行っており、学芸員の解説を聞きながら見学してきました。
        
展示案内ポスター
      
        
展示室で資料の解説
   
 これらの神社の分布圏とそれに重なるように分布する古墳と古代豪族との関係が面白かったです。

・企画展の内容(i市HP「企画展のお知らせ」から転記)
・・・「宗像神社の総本社、宗像大社が『宗像・沖の島と関連遺産群』として2017年7月、世界遺産に登録されました。それを受けて、印旛沼周辺にある『宗像神社』『鳥見神社』『麻賀多神社』にも注目が集まっています。印旛沼周辺に宗像神社13社、鳥見神社18社、麻賀多神社18社が分布しています。宗像神社は、基本的に印旛沼の北岸にあり、社殿を水域に向けており、鳥見神社は印旛沼の西岸または利根川の南岸にあり、社殿は水域に背を向けているといわれています。これらの神社について、パネル等で紹介するとともに、氏族との関係についても考えてみます。」

(注1)・・・墨書土器とは、土師器(はじき)や須恵器(すえき)の裏底や側面に墨で文字や模様などを書いたもの。
※HPには見学時のスナップ写真を添付します。
◆印旛沼周辺に見られる
 鳥見神社と、宗像神社と、麻賀多神社
①鳥見神社(18社)
 小林、大森、平岡、和泉、小倉、中根、浦部、萩原(旧印旛村)、萩原(旧本埜村)、長門屋、笠神、名内、富塚、神々廻、平塚、  金山、泉、布瀬
②宗像神社(13社)
 平賀、山田、吉高、瀬戸、鎌苅、師戸、岩戸、吉田、船尾、戸神、清戸、大廻、造谷
③麻賀多神社(18社)
 台方、船形、中台、鏑木、大蛇、大佐倉、飯田、岩名、飯野、大篠塚、太田、城、高崎、江原新田、酒々井、下台、新橋、中沢


・企画展会場に墨書土器(注1)が置かれていました。
N学芸員によるとi市角田台遺跡から出土したもので、土器の側面に「匝瑳郡物部黒万呂方代・・・」の文字が書かれているとのことでした。
       
 「物部」の文字の書かれた土器
      
 確かにうっすらと文字が見えました。

 墨書にある"物部(もののべ)”は、6世紀後半の蘇我氏との争いで中央政権から消えてしまった物部氏を指すとのこと。
    
墨書土器の解読文字
   (Web 図版出展 千葉県教育振興財団報告書よりコピー)

     

 また鳥見神社の祭神は物部氏の祖神といわれ、本土器は下総の地での物部氏の存在を確証する大変貴重なものだそうです。その物部氏がこの地区で治水や船運などを担う宗像族を呼び寄せ古代都市を造っていたという説も成り立つとのこと。
 これらの神社が集中する印旛沼周辺地区はロマンがいっぱいの場所だと思いました。

 見学終了後、資料館の近くにある岩戸宗像神社を訪ねました。
     
終了後、訪れた岩戸の宗像神社
   
広々とした境内の中央奥の社殿には真新しい太いしめ縄と青竹が飾ってありました。今も地域で大切にされている神社なのだと思いました。

2018
2 24

◎ 将棋の藤井聡太六段が朝日杯優勝のインタビューで「望外の結果で嬉しい」と語ったと新聞に出ていました。
 ”望外”とは望んでいた以上に結構なことだそうです。将棋の内容もそうだそうですが、話すことも中学生とは思えない様相ですね。これからの成長頼もしい限りです。なお、23日に王座戦二次予選で6段昇段後の初星を飾りました。

『調整池周りを散策して』
◎先日駅近くの調整池を一周する散策会を行いました。ずっと予報は雪という悪天候予想でしたが当日は青空で風も無く散策日和となりました。人数も一般参加者とスタッフ合わせて34人という手頃な人数でゆっくりとしたペースで自然を見つけながら歩きました。途中見つけた自然について幾つか挙げてみたいと思います。

カワウの巣 池の西側に設置されている野鳥観察デッキから対岸の樹木を見ると枝が真っ白でした。クリスマスの飾りの木に見える樹木は実はカワウの糞が散布されたものなのです。水中に潜水して魚を獲るカワウは大量の水分も餌と一緒に取ってしまい水分の多い糞を霧状に噴射するそうで幹や枝を真っ白にしてしまうのです。真っ白な樹木を双眼鏡で見るとあちこちに巣が見えました。巣の上には体は大人並みに育ったカワウのヒナが見られました。
   
        <撮影者:Mさん>

オオバンの泳ぎ 橋から水面を覗くと黒い体の水鳥が首を前後に振りながら泳いでいました。クチバシの上から頭部にかけて白っぽい斑紋が目立ちました。時折潜水する本種はクイナ科のオオバンでした。オオバンは我孫子市の"市の鳥”にも指定されています。
   


啓蟄・・・冬ごもりの虫が這い出る意。
 二十四節気の一つ。
 太陽の黄経が345度の時で2月の節。
 太陽暦の3月6日頃にあたる。(広辞苑より)


 ※写真は、この散策時のスナップ写真です。


コブシの蕾 「北国の春」の歌に出てくるコブシは早春に花をつけます。緑道に植栽されていたコブシの蕾を見ていたら一輪ですが蕾がほころんでいました。きっと今日の陽ざしを春に感じてほころんだのかもしれません。あと十日ちょっとで啓蟄となります。そろそろ花も虫も春の準備が始まっているのですね。
   

マンサクの花 花の名前のいわれははっきりしていないといわれていますが、早春に「まず咲く」からマンサクになったという説もあります。
 緑道の脇にあるマンサクはすでに満開でした。
   
 下から見上げると青空に黄色みの強い糸のような形の花びらが輝いていてとても綺麗でした。

カマキリの卵 サツキやユキヤナギの細枝にいくつものカマキリの卵が付いていました。形が異なる卵があり、形からオオカマキリとハラビロカマキリの卵と分かりました。
   
 実はこの卵もそうですが、虫の卵は冬の間の野鳥たちの貴重な餌なのです。ただ、鳥たちは卵を突くのですがすべての卵を食べてしまう訳ではありません。よって残った卵から十分なカマキリの赤ちゃんが生まれるので絶滅はしないようです。

テントウムシ 散策時は陽ざしが暖かかったようでブロック積みの天然石の上を黒地に赤い丸を二つつけたテトウムシが歩いていました。陽ざしのお陰で体温が上がり動けたのでしょう。可愛い姿をしばらく見せてくれました。
   

2018
3 6

◎ 3月6日は24節気の“啓蟄”です。啓蟄とは、寒い冬をじっと耐えていた虫たちが、春の暖かさに動き出す頃を指します。

『啓蟄の頃の虫たち、鳥たち、そして野の花』
◎暖かな陽ざしに春を感じる日、近くの公園や谷津田を訪れてみました。
 調整池のカモたちはほとんど姿を消し、日だまりには早春の野の花やテントウムシなどが見られました。まさに啓蟄ですね。
散策して出会った生き物や野草たちを取り上げてみます。

キタテハ・・・家内のやっている菜園でプラスチックの箱に腰掛けていた時、一頭の蝶が近くをよぎって飛んでいきました。色はくすんだみかん色で黒っぽい斑点がありました。しばらくたつと又近くにやって来ました。そして割り竹の先に止まりました。
キタテハでした。本種は越冬蝶で春の暖かさに目を覚ましたのでしょう。
   

コオニタビラコ・・・春の七草の一つのホトケノザは、普通に見られるホトケノザではなく、コオニタビラコを指すのです。
 本種は最近とみに少なくなり、なかなか見ることはできませんが、先日出かけた谷津田の田んぼで久々に見られました。
   

アカガエルの卵塊・・・アカガエルの産卵は早いです。まだこの時期他の種類のカエルたちは冬眠中ですが、本種は2月後半から今頃に産卵します。
 どうも産卵後また冬眠してしまうようです。この時期は田んぼには水がなく産卵場所が限られているため数を減らし、千葉県ではレッドデータブックAランクとなっています。特に今年は本種の卵塊が少ないと聞いていますが、心配ですね。
   


オオイヌノフグリ・・・本種は谷津田の野の花の中で一番に咲き出します。今は田の畦に一面に咲き出しています。花は小さな青色で清楚な感じがします。
   

ヒヨドリ・・・家内からヒヨドリがシラカシの樹液を吸っていたと聞きました。写真を見ると確かに小さな樹洞に首を突っ込み樹液を吸っているようでした。
餌の少ない今の時期ヒヨドリは何でも食べるんですね。
   

   

チューリップ・・・野草ではありませんが、会の仲間からもらったチューリップの球根を家内が菜園の一部に植えたようで、その球根からまだ小さいですが元気に葉が出てきました。もらった球根には、花色がマジックで書いてありました。赤、黄、紫、白の4色だったと思います。
 花は4月初めでしょうか。とても楽しみです。
   

ニホンアカガエル・・・アカガエル科に属する日本産アカガエル属の代表的なカエル。本州,四国,九州などに分布する。体長は雄4~5cm,雌5~7cm。平地の草むらや林にすみ,ほとんど陸で生活している。(ブリタニカ国際大百科事典より)


2018
3 11

◎ 先日、卵焼きを作ろうと卵を割ったらなんと黄身が二つ入っていました。なんか儲かった気がして使うのがもったいなかったです。
   

『指定文化財が指定解除になってしまった』
◎3月11日で震災から7年が過ぎ、福島の現状についてTVや新聞などで報道していましたが、今更ながら故郷を失うということの大き
さを感じています。特に原発事故に関する復興は先が見えず厳しいようです。福島の某地方の映像には民家は勿論お寺や神社までも荒廃してしまっている様子が映っていました。建物と一緒に文化伝統も荒廃してしまうのでしょう。残念至極です。

私の居住するi市の里山にも古い神社やお寺が沢山ありますし、古い道の道端や分かれ道には沢山の石造物が立てられています。i市は昔から人が集まって暮らしていた所で、それに伴って文化伝統も多く残っているようです。特に獅子舞や神楽などの無形民俗文化財には素晴らしいものがあります。特に獅子舞は市内の4か所で現在でも毎年公開されており、誰でも自由に見学することが出来ます。ただ、どこも後継者探しが大変だと聞いています。実は後継者不足で市西部で昔から行われていた念仏踊り(県指定)が残念ながら文化財指定解除になってしまいました。
 踊り手不足で一度休止し、再度復活した踊りでしたが結局は続かなかったということでした。
 震災・原発事故による文化財の荒廃は大変なことですが、それ以外の地区でも伝承していくことの厳しさを感じる次第です。
 念仏踊り指定解除の詳細は下記の通りです。

           記
 武西の六座念仏の称念仏踊り」指定解除について
千葉県指定無形民俗文化財 「武西の六座念仏の称念仏踊り」 が平成30年3月6日付、千葉県教育委員会告示をもちまして指定解除となりました。詳しくは千葉県ホームページ(千葉県報)をご覧ください。


 なお、i市教育委員会生涯学習課、市内各図書館では「武西の六座念仏の称念仏踊り」を含めた全7種類の無形民俗文化財の映像記録DVDの貸し出しを行っておりますので、ぜひご覧ください。(i市ホームページ掲載文より)


※HPには一度休止した後2007.2.15に復活公開された踊りの写真を貼ります。
武西の六座念仏の称念仏踊り・・・「南無阿弥陀仏」を唱えながら鉦と締太鼓の調子に合わせて踊る農村行事。
   
    2007年2月15日称念仏踊り(武西)
六座とは、1/16鉦おこし念仏、2/15天道念仏、3月と9月彼岸念仏、6月虫送り念仏、8/13~16棚念仏、9月荒除け念仏、12/16鉦臥念仏、2月~12月の1日月次念仏であるともいわれている。
昭和50年12月8日に国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択され、記録された。


   
    2006年9月23日和泉獅子舞(岩崎氏撮影)

   
    
八幡神社の獅子舞


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