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2017
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◎ 二十四節気の小寒を過ぎ、ますます寒くなる時期に入りました。風邪やインフルエンザなどに気を付けてお過ごし下さい。

『谷中七福神めぐり』
◎成田山や明治神宮などの初詣は相変わらず、多くの人でにぎわっているようです。ただ、近年は各地区にある地元の神社での初詣客が増えていると聞いています。わざわざ時間をかけて有名な神社やお寺に行かなくても地元で手軽に済ます人が増えているのでしょう。
 私は1月5日に七福神めぐりに出かけて来ました。
今回は東京で1番古いと言われている「谷中七福神」でした。
総勢14人でまわりましたが、3が日が過ぎた平日だったのでさほど混雑はしていませんでした。 まわった順番に挙げてみます。
≪谷中七福神≫
1.東覚寺の福禄寿(人望を集め、出世を招く神)
   
2.青雲寺の恵比寿(商売がうまくいく神)
   
3.修性院の布袋尊(幸せ・笑顔・子供を招く神)
   


戸神調整池白鳥情報
 この正月も1日に1羽が数時間飛来しただけでした。
どうも餌(マコモ)の状態が良くないように見えます。
これが定着しない原因でしょうか?


4.天王寺の毘沙門天(勝負運・願いが叶う神)
   
5.長安寺の寿老人(長生きの神)
   
6.護国院の大黒天(お金が貯まる神) 
   
7.寛永寺の弁財天(唯一女性の神 芸術・恋愛の神)
   

・七福神巡りの途中、谷中の「夕焼けだんだん」や谷中銀座によって買い物をしたり一休みをしたりしました。とても落ち着く良いところでした。

七福神…七柱の福徳の神。大黒天・蛭子・毘沙門天・弁財天・福禄寿・寿老人・布袋をいう。七福神詣でとは新年に七福神を巡拝して福徳を祈ること。
 谷中七福神めぐりの期間…1月1日~10日 9時~17時

2017
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◎ 家の玄関から通路に出ると隣家の窓下のエアコン室外機の排水パイプから厚い氷がコンクリート床に広がっていました。
 このところ厳しい寒さが続きます。皆さまお体をご自愛ください。

『カモの調査実施』
◎恒例になっているカモ調査(種類を確認し個体数をカウントする)を行いました。場所は例年行っているU公園調整池とT駅南のT調整池、そして今回から実施するi駅近くのB公園調整池の3ヶ所です。どこも市街地の調整池であり、市民が冬の時期にカモなどの冬鳥がやって来ることを楽しみにしている場所です。U公園調整池とT調整池は比較的近場にあるので徒歩で移動、B公園調整池には市のふれあいバスで移動して行いました。
 下記に調査の結果と気の付いた点を書いてみます。

調査1 U公園調整池
 9:30に調整池のデッキに集合し、調査の趣旨や方法を簡単に説明して開始しました。最初の観察ポイントから水面を見渡すとカモは1羽も見えません。ふだんならカモが群れている場所です。それもそのはず、この朝は今冬一番の冷え込み、池の水面に薄氷が広がっていたのでした。そこで、池を時計回りに移動してカモを探すことにしました。すると、池の奥まった辺りにカモが群れていました。そこは朝日がよく当たるので水面が凍っていなかったのです。でも、種類も数もいつもより少ないようでした。
その後、対岸まで回り込んで死角になっている場所も見ながら調査1を終わりました。
【調査1 種類4種合計138羽(コガモ110、カルガモ25、オシドリ2、ホシハジロ1)】
   

調査2 T調整池
 U公園から徒歩で移動し、調整池にかかる大橋から水面を観察しました。ここもいつもと比べカモの姿が少ないようでした。双眼鏡と望遠鏡で丁寧に観察していくと、枯れた葦原や岸辺に覆いかぶさった木の枝の影などにカモの姿が見られました。池中央には赤茶色と白色のツートンカラーが目立つホシハジロの群れが休んでいました。橋からの観察後、右岸にある野鳥観察デッキと対岸の広場からも観察しました。対岸では本日の調査の目玉ともいえるオシドリの姿が多数見られました。この場所ではカイツブリやオオバンなども確認できましたが、カモではないので調査の対象外としています。
【調査2 種類5種合計269羽(コガモ159、オシドリ50、カルガモ36、マガモ15、ホシハジロ9)】



   

調査3 B公園調整池
 この池は昨年にオープンした公園にあります。ここは長らく立ち入り禁止場所でしたが、数年前からの宅地造成に伴い都市公園としてオープンした場所です。池は上流部の上池とそれに続く下池の2つがあります。上池ではマガモやオシドリなど数種のカモが相当数確認できましたが、下池にはほとんどいませんでした。下池の左右の両岸は鬱蒼とした森が広がっており自然豊かな環境なのですが、この日は下池前の道路上で大形のクレーン車を使用した工事が行われていたので、そのことが影響していたのかもしれません。
【調査3 種類4種合計106羽(マカ゛モ69、オシドリ18、ホシハジロ15、カルガモ4)】
   

調査は、上記の1日で観察した種と数を記録したものですので、他の日や他の時間帯では異なることもあると思います。なお、関連した情報やご意見などございましたらお寄せ下さい。

カモ科…カモ目カモ科に属する鳥。普通に見られる種はカルガモやマガモ、コガモ。オシドリやパンダ鴨と言われるミコアイサなど美しい羽をもつ種もある。ハクチョウやガンなど大型の鳥もカモ科に含まれる。湖沼や川などの水辺で見られる淡水ガモの他に海にいるスズガモのような海ガモもいる。

戸神川防災調整池白鳥情報…残念ながらこの数週間は1羽も飛来していません。水位が高いように見えるので餌のマコモが食べにくいのでしょうか。




 
2017
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◎ ヒヨドリの〝葉食”について本HPで以前取り上げたことがあります。(HP谷津田だよりP62 2013.1.14参照)

 今日家庭菜園に行った際、近くの農家のブロッコリー畑に鳥が群れていました。ヒヨドリでした。およそ100~150羽位はいました。
 近くに寄ると飛び立ってしまいましたが、まだ数羽が残っていました。数枚撮影し、映像を拡大してみると明らかにブロッコリーの葉を食べていました。
 木の実が食べつくされたこの時期から春まで、野鳥にとって餌の少ない厳しい時期なのです。大食漢のヒヨドリですからなおさらです。餌の少ない厳しい時期をいかに過ごすかから生まれた暮らし方が〝葉食”なのです。
 見ていると葉だけを食べていましたので農家の人にとって害は無いようです。 特に好きなのが、ブロッコリー、ユズリハ、葉ボタンの葉のようです。きっと灰汁が少なく栄養価が高いのかもしれません。その他に菜の花やキャベツも食べると聞いています。
   

『冬のバードウオッチングに参加』
◎毎月数度は散策会や観察会に出かけますが、ほぼ全て主催者の立場なので気遣いをしながらの参加です。しかし、先日はK市主催のイベントで案内役の団体から誘いがあったので参加してきました。
 いつもと違って気が楽でのんびりと参加できました。
 市街地のマンションや戸建て住宅に囲まれたH湿地の崖上に建つ小さなお堂の境内に集合し、当日のコースや見所を主催者とガイドの方から聞いて観察を開始しました。
   
 今回は野鳥観察に加えて湿地から流れるN川に沿って移動しますので自然環境にも目を向けての観察会でした。
 H湿地の地下水位の変化や湧水の話、N川でのCODパックテストなど色々とありました。
   


 どれも現地で実際に採取や検査しての話であり、具体的で分かりやすかったです。
 人数は一般参加者約15人とガイドの団体のスタッフ、そして市の職員で総勢25人程度でした。
 お昼までの約2時間強、青空で比較的暖かな中、のんびりとした時間を過ごすことが出来ました。

 観察会で見た野鳥などは、下記の通りです。
観察種
・野鳥 キジバト、アオサギ、ダイサギ、コゲラ、モズ、オナガ、 ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、アトリ、カワラヒワ、シメ、アオジ(22種類)
 ※鳴き声が聞こえただけの鳥も含む
・植物 ジュズダマ、ホトケノザ、シラカシ、アカガシ、スダジイ
・虫やその他生きもの コカマキリの卵のう、ヤモリの卵の殻、ミノムシ、ヨコバイの仲間

   
      冬鳥のアトリの群れ
   
      野鳥観察
   
     ヤモリの卵の殻

パックテスト…簡単な水質分析器具。型により残留塩素や化学的酸素消費量(COD)、アンモニウム、硝酸などを調べることができます。

戸神川防災調整池白鳥情報…相変わらず一羽も姿を見せません。今期の飛来記録に次の情報を追加します。
 2016.12.10 8羽飛来
  着水はせず移動してしまう。情報提供T氏


2017
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◎ 先日、スタッフのAさんから「公園の池にバイクが放り込まれていて油も流れ出ています」と連絡がありました。管轄のi市に連絡済みとのことでしたが、念のため当地の警察にも連絡をしてもらう旨をお願いしました。翌日、Aさんが池に行ってみるとバイクは引き上げられていたそうで良かったです。
   
 この公園は市と市民団体が環境に配慮した公園として保全や管理に努力している場所です。誰かは不明ですが、バイクの投げ込みという心無い行為に憤りを感じた出来事でした。

 『湧水の地を訪ねて』
◎i市の里山には湧水が見られる場所が結構あります。今回、湧水のある場所を訪ねてみました。
① 市の南東部の水田地帯を歩く
 ・市街地から10分ほど南に歩くと農村地区に出ました。畑や林を左右に見ながら集落の道を進むと緩やかな下り坂にさしかかりました。途中、農作業をしている女性に会い、少し話をしました。大きな屋敷に続く畑で農作業していた女性は「大きな家はいろんな意味で大変。市街地の戸建て住宅が羨ましい」と何度も話していました。確かに掃除や戸締りなどの管理はどれをとっても大変だなあと思いました。
 この農家からしばらく進むと道路脇の林の中に小さな池がありました。
   
 池の中央に弁天様の社があります。これはおそらく湧水をためた池で、以前は水田のため池として利用していたのだと思いました。 この後、坂を下り切ると開けた水田地帯となっていました。広い水田に農道があり、そこを進むと、対岸の斜面林の傍に樹木で囲まれた池がありました。
   
 広さは半反ほどで中央に島があり、そこにも弁天様が祀られていました。この池は管理がよくされていて心がほっとする感じの場所でした。ここもため池だったと思われます。上記の2か所の池のそばにはどちらも防火用水の水槽が設置されていました。現在は防火の水源になっているのですね。


②市の北西部の水田地帯を歩く
 水田地帯を見下ろす小山の上に位置するA神社は、鬱蒼とした寺社林に囲まれた落ち着いた所です。神社の階段が始まる場所の3メートルほど右下に井戸と池が見えました。
   
 ここは、年間を通して湧水が枯れない場所ですがたまっている水は少なかったです。井戸の中は覗かなかったので水位は分かりませんでした。
 この後、斜面林脇の農道に沿って歩き、仁王像で知られるK寺に到着しました。この境内にある弁天池は、豊富な水のある湧水池です。
   

 また、この寺から集落の中の道を歩くと、道路脇に直径1メートルぐらいの円形の池がありました。池の奥には小さな石の祠があり、手前にはしめ縄が張られていました。
   
 おそらくこれも湧水かと思います。誰かに聞いてみようと思ったのですが、近くに誰もいなかったので確認はできませんでした。

・ポンプで川や池から水を汲み上げることの出来なかった時代は、田の水の確保はため池が中心だったと思われます。おそらくいくつものため池を農家が共同で管理し使用していたのでしょう。今はそういうことをを知る人はほとんどいなくなってしまったのでしょうか。


湧水(ゆうすい)…地下水が地表に自然に出てきたもののことである。湧き水(わきみず)や泉(いずみ)、湧泉(ゆうせん)ともいう。大規模な湧水はそのまま川の源流となることもある。
(Web wikipediaより)


戸神川防災調整池白鳥情報…相変わらず白鳥の姿は見られません。代わりというわけではありませんが沢山のオシドリが群れています。


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◎ i市の市制20周年記念のイベントの一つとしてNHKのど自慢が行われ、先日ライブで放映されました。会場は文化ホールではなく市立総合公園の体育館でした。 地元で、しかもライブとなるとTVを身近に感じるものですね。なお、イベントの一つのスマイルマラソン(ハーフマラソン)は、2月12日に北総線の横を通る国道464号掘割部上下線で行われます。

『心療内科で傾聴ボランティアをしているSさんからのメール』
◎Sさんは、心療内科に通っている患者さんの傾聴ボランティアをしています。時々その折の様子をメールで送ってくれています。Sさんにお断りして掲載しますので読んでください。

≪Sさんからのメール≫
 今日は心療内科で患者さんと話をするボランティアを行ってきました。80歳前半の方(男性)は病気の症状が少しずつすすんでいまして話の滑舌に支障をきたしています。 また、字を書くときの手指のコントロールが難しくなっています。そこで、ドコモで提供しているタブレット(iPADのようなもの)で文字筆談が助かっています。
・この方はクラシック音楽に詳しく、僕は今迄に色々な楽曲や演奏者のことを教えてもらっていました。今日はシューベルトに集中。僕が筆談で描かれた曲を、カシオの電子手帳の「クラシック音楽のさわり2000曲」から選び出し、二人で聴きました。 「冬の旅」の『菩提樹』では男性が思わず歌を、それも原曲をドイツ語で唄ってくれました。(お話ではだめだったのですが、歌では発声がきちんとしているのにびっくりです) それから、『楽興の時』。
 これは、毎週日曜日NHK第二ラジオで朝8時5分から皆川達夫さんが解説する「音楽の泉」のテーマソングでした。その後、僕が近所で撮ってきた写真をお見せすると様々なお話が展開でき、とても楽しく充実した時を持つことが出来ました。


※写真下は、Sさんから送ってきてくれた写真(2枚)です。

 

 

傾聴ボランティア…傾聴とは、相手の話を聞くだけでなく、積極的に相手を理解しようと「心の声に」耳を傾ける事です。
 相手の方が「話を聴いてもらっている」という気持ちになる事が一番、柔らかな表情、姿勢など相手のペースに合わせ、声の調子や話し方に気を配る等の態度が必要となります。Web参照

☆戸神川防災調節池白鳥情報…相変わらず、見られません。


2017
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◎ マンサクの花の蕾も大きくなり、カワヅザクラは満開に近い今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしですか。

『湧水めぐり その2』
◎私の住んでいるi市の北東に位置するM地区には、湧水が今も水田地帯の周りや谷津の奥、集落の道路沿いなどに数多く見られます。
 集落の中を歩いていると、道路脇の崖の下部に広さが2~3坪の水を溜めた素掘りの池がありました。池には防火用水の立て札が出ていましたので、防火用水として使われているようでした。
 近くで草取りをしていたご婦人に伺うと、池は湧水を溜めたものだと教えてくれました。その後集落を通り抜け、水田のある所に出る途中の素掘りの池やため池跡、道路脇の水路に溢れんばかりにたまっている水溜まりなどが次々と見つかりました。まさに湧水の里だと思いました。
   
     道路脇の崖下の2から3坪の素掘りの池

・しかし、揚水や導水の技術が発達していなかった頃には、生活用水や農業用水として欠かすことの出来なかった湧水も、今ではほとんど忘れ去られ、水量が減ってしまったのは確かのようです。そんな中、僅かですが現在も防火や生活に利用されている湧水があることを確認できて、ほっとした気持ちになりました。
   
              途中の素掘りの池


※幾つか巡った特徴的な湧水の写真を貼るので見て下さい。

  
   道路脇の水路にたまっている水溜まり

  
  〃(手前を横切るのは、イノシシ対策の電柵)

◆湧水…地下水が台地の崖下や丘陵の谷間から自然に湧き出たもので、井戸水と並んで私たちの身近で目にすることのできる地下水の一つです。(「ちばの湧水めぐり」崙書房 参照)

戸神川防災調節地白鳥情報…今期は何度か飛来はしたが留まることはなかったようです。本市や市周辺に飛来していたハクチョウ達もほぼ北帰行したようです。
白鳥:本年の飛来状況報告(最終) 
 2016年 11/26 オオハクチョウ2羽
     (成鳥1.幼鳥1)初飛来~確認U氏
その後 いなくなったり、時々現れしばらくして
飛び立ってしまう。
11/27、11/28、12/6、12/9、12/12、12/16、12/17.
12/10 ハクチョウ8羽が池の上空を飛翔
(オオハクチョウか、コハクチョウかの確認はされていない)T氏

2017年 1/1 オオハクチョウ1羽(成鳥)確認U氏

2017
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◎ まだ寒い日が続きますが、畑や公園の植え込みなどでテントウムシやカメムシたちが動き出し、確実に春が近づいているのが分かります。

『石造物の宝庫』
◎私の住むi市を含む北総地帯は「石造物の宝庫である」とi町の歴史創刊号に出ていました。確かに何処へ行っても集落の辻々や寺社の境内などにたくさん見られます。私も石造物に出会った際にはできるだけ文字や年号などを見るようにしているが、石の表面が剥落したり、苔むして刻字が不明のものも多いようです。
      
      庚申塔(刻字)
 寺社の境内、里の集落の辻や旧道を初めとした街道を歩いていて多く見られる石造物は、一番多いのが庚申塔です。その他十九夜塔や二十三夜塔などの月待塔、馬頭観音塔、子安観音塔も多く見られます。この中でも庚申塔は道標を兼ねているものも多いようです。
      
      庚申塔(刻像)
・庚申塔には、「庚申」の文字だけを刻んだ刻字塔と「青面金剛像」を彫った刻像塔があります。
 i市内に数カ所確認されている百庚申塚の場合は、10基に1基が刻像塔で9基が刻字塔のものが多いようです。
 また、庚申塔の表面に赤くベンガラのような塗料を塗ってあるものを見かけますが、i市地方に残る魔除けの風習のようです。
      



 そういえば、小さな石の祠(ほこら)で疱瘡神があちこちで見られますが、祠に赤の幣束をささげてあるのを見ることがあります。これも同じく魔除けのようです。
      
      赤い幣束の疱瘡神

      
      馬頭観音

・先日、集落の道路脇の土手に自然石の石造物がありました。
いつものように刻字された文字を読もうとしましたが、苔むしていてよく分かりませんでした。
 「〇三夜」と読めるのかよく分かりません。
 どなたかお分かりの方教えて下さい。
      
      (不明石造物~月待塔の一つ)


石造物…財宝に恵まれ、無病息災で長寿を願いたいという際限ない人間の欲望は、現実的にはそう簡単にはかなえられるものではない。
 そこで神仏の力を借りるより外にないというところから信仰は生まれ、あらゆる願望を石に刻み込んでいる。(「i町の歴史」より)


  
2017
3  8

◎ 3月5日の啓蟄も過ぎ、虫たちが少しずつ見られ始めました。ただ、まだ寒い日もあるようですのでお体ご自愛下さい。

『F市にある大神宮から海老川方面を歩く』
◎この日は気温は低めでしたが風がなかったので、散策するには比較的良い日でした。京成電鉄のD駅に集合し、まず初めに駅のすぐ近くにある大神宮に立ち寄りました。
   
   
 ここは正式には意富比(おおい)神社といい、江戸時代には宿場町Fの名所として知られていました。しかし、慶応4年の市川・船橋戦争(戊辰戦争)の激戦で建物のほとんどが焼失し、明治初期に再建したのだそうです。
 鳥居をくぐって境内に入ると大きな石碑や常夜灯などがいくつもありました。本殿に向かう途中の右手広場には現在も奉納相撲の行われる土俵があり、左手の社務所前に弾痕受傷ケヤキ(戊辰戦争で砲弾を受け、生きのびた欅)が見られました。
   

     
なお、当時の幹は現在枯れてしまい、根元から出てきた〝ひこばえ”が大きくなり立派な樹形を保っています。


その後、本殿右手にある常盤神社と豊受神社(外宮)に寄りました。
   

 豊受神社の祭神は、天照大神の食事を司どる女神で、社の脇に歯固石(はがためいし)が置かれていました。この石を持ち帰って赤ん坊の〝お食い初め”の時に赤ちゃんの歯茎につけると丈夫な歯が生えてくると言われているそうです。

・その後、神社を辞して緩やかな坂道を上りG寺に行きました。
 境内の隅にある無縁仏の一角に小さな墓標があるからです。墓標の表側は剥落しほとんど読めませんが、側面の文字ははっきりしており「徳川臣 綿貫元吉墓」と読めました。市川・船橋戦争で亡くなった旧幕軍兵士のものです。旧幕府軍兵士の墓を作ることがまだ許されていない明治2年に造立されたようですので、よほど身分が高かった兵士であったと思われます。その墓石が無縁仏の片隅に忘れられたように置かれていることに無常を感じた次第です。

・その後、海老川に沿って少しだけ歩きました。川は海に続いているため満ち潮時と引き潮時で流れが逆になります。行った時は引き潮でしたので海に向かって流れていました。川は昭和50年代まで台風の折に付近一帯に洪水を引き起こしていましたが、河口に大型の排水ポンプを設置し川の両岸のかさ上げ等を行う工事が終了してからは洪水が起こっていません。また、ひと昔前には川沿いを歩くと、ユリカモメやカモなどの水鳥を沢山見ることが出来たのですが、この頃はほとんど見られません。今日もわずかにオオバン2羽とカワウ1羽位でした。流域の環境が変わってしまったのか心配です。
   

◆文中にある「常盤神社」…日本武尊と江戸幕府開府の頃に、当宮を庇護された徳川家康・秀忠をお祀りしている。
 東照宮とも呼ばれている。ここには家康の歯を納めた家康の木像があるといいます。

お食い初め(おくいぞめ)…一生食べ物に困らない事を願い、歯が生えるほど成長したことを喜ぶ儀式で赤ちゃんに初めて食べ物を食べるマネをさせる。生後100日、110日、120日の頃に行う。(説明は、Web参照)


2017
3  13

◎ 先日TV「小さな旅」でM市が取り上げられていました。
 「何もないM町」という不名誉な名を変えようと地域の伝統文化や産物などを仲間と一緒に紹介する団体、獅子舞や野菜作り、提灯張りなど伝統的な仕事やアートを目指す若者が住める町にしているなど魅力満載の番組でした。
 何もないどころか見所いっぱいの町でした。

 『里山に春の訪れ』
◎里山に広がる田んぼの中には早くも田起こしをしてある所や水田の排水設備の補修や〝くろ塗り(畦の補修)”が行われている所がありました。しかし全体的にはまだ冬枯れの様相でした。
   
 そんな中、〝春の訪れ探し”をしてみました。いくつか見つかりましたので紹介します。

・その1 畦道にはすでに春の野草たちがたくさん見られました。
ホトケノザのピンク色の花やタネツケバナの白い花、まだ地面に張り付くように花を咲かせているセイヨウタンポポなど。
 その他の色々な野草も茎を伸ばし蕾をつけ開花の準備をしているものが幾つも見られました。
   
   春の野草 手前のピンクはホトケノザ


・その2 斜面林側の田んぼには湧水が流れ込む小川がありました。
小川にはセリやクレソンなどが生えていました。少し小川に沿って水面を覗きながら歩くと小さなオタマジャクシが見つかりました。
   
泳いでいるすぐ近くにブドウの房形で寒天状の卵塊が見られました。泳いでいたのは生まれたてのニホンアカガエルの赤ちゃんで、卵塊はこれから孵化すると思われます

・その3 谷津田から坂道を登って緑道を歩きました。 途中メジロの声やシジュウカラの声、カワラヒワやモズの声などたくさん聞かれました。
       カワヅザクラの花に来たメジロ
   
 シジュウカラは繁殖期の鳴き声で囀っていましたし、冬鳥のツグミは北へ帰ったのかほとんど見られなくなりました。もうすぐツバメが南風に乗ってやって来ることでしょう。

・里山のあらゆる生きものたちは、少しずつ春の準備に入っているようです。

◆ニホンアカガエル…アカガエル科 体長♂4~5センチ ♀5~7センチ 繁殖期1~4月 分布本州・四国・九州 産卵期以外はあまり水中には入らない。


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