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2016
2  4

◎ 久しぶりに映画を観てきました。
 タイトルは「シーズンズ2万年の地球旅行」です。氷河期が終わり新たな生命が現れ始めた2万年前、人類も動物も皆森の住人でした。
 その後、人類の繁栄と共に森が変化し、その影響を受けながらも逞しく生きてきた動物たち。
 色々な動物たちのアップの表情やリアルな生態の撮影技術が素晴らしいドキュメンタリー風映画です。ダイナミックな映像に引き込まれました。

『街中の野鳥』
◎今日2月4日は、立春。日差しも少し穏やかになった感じがします。
 そういえば、朝や夕方、自宅前のマンションの三角屋根にムクドリが群れているのが見られます。
 群れといってもせいぜい10〜15羽位です。今朝見ていたら、ムクドリが2羽ずつ体を寄せ合ってじっと朝日を浴びていました。


   
 中には三角屋根の鉄骨部分を時折飛び跳ねて場所取りのようなことをしているのも数羽いました。
 お天気の良い日は毎日見られます。このような窓からの野鳥観察もいいものですね。

・家の外に出ると、駐車場にハクセキレイやジョウビタキの姿が見られました。            
ハクセキレイ
   

 すぐ前の公園の芝生の上には虫を探して飛び跳ねるように移動するツグミ、木々の梢にはメジロやシジュウカラ、そして扉が軋むような「ギー」という鳴き声のコゲラがいました。
 時には尾が細長くてかわいいエナガも群れで見られることがあります。
 それに忘れてならないのはツバキやサザンカの花の蜜の常連客、ヒヨドリです。
 この他、ハシブトガラスやキジバトなどもよく見られます。
 また少し離れた裏手の公園に行けば、この時期アオジやシロハラ、水辺に群れるカモやサギ類、そして時には上空を移動する猛禽類も見られるかもしれません。



・寒い日が続くので、なかなか遠くまで行くのは億劫と思う人が多いと思います。こんな時、自分の生活範囲の自然を見直してみると、季節の移り変わりなどいろいろな変化を観察できます。
 何気なく歩いている道端に今年は早くも春の花たちが顔を見せています。オオイヌノフグリ、ハコベ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、ミチタネツケバナ、ハルノノゲシなどの花です。
   
 又、ウメの花が咲き出し、コブシの花芽が随分ふくらんできました。ちょっと気をつけて身近な自然を見つけてみませんか。

立春…二十四節気の一つ。 春のはじめの日。
 太陽暦で、2月3、4日ごろ。 角川国語辞典より

戸神川防災調整池白鳥情報…オオハクチョウ5羽(成鳥4、幼鳥1)越冬中。
 時々水面で大きく羽ばたきをしている姿が見られる。調整池の大橋の工事で作業音が出ると白鳥たちは落ち着かない様子です。

『Sさんのお庭からの自然情報メール』
◎何度か紹介している「Sさんのお庭の自然」のメールを貼りますので読んでください。

 「ごぶさたしています。今日、2時近くに新海老川橋すぐ手前の造成地で、白いスズメを見ました。ブロック積みの上に数羽のスズメと一緒にいました。少し汚れた感じですが、うちに来た白スズメに違いありません。無事でいてよかった。カメラを持って出なかったのを悔やみました。
・昨年12月初めから毎日姿を見せているシロハラです。やっと写真に納まりました。‥」2016/1/23付のメールです。
   

2016
2  8

◎ 立春が過ぎ暦の上ではもう春です。もっとも暦の上だけでなく外を歩くと春の兆しがあちこちに見られます。また自宅窓際の鉢植えの春菊の葉も暖かな日差しをいっぱいに浴び大きくなり、時々摘み菜が食卓にのります。
   
           窓際の春菊

 『鴛鴦(えんおう)の契(ちぎり)?』
◎いきなりですがクイズです。次の問題は何の生き物についてでしょうか?そして、その問題は〇でしょうか×でしょうか。
 ①どんぐりが大好き
 ②番(つがい)の相手がずっと変わらない
 ③木の枝に止まって寝る
<答え>この問題の“主”は皆さんもよく知っている美しい水鳥「オシドリ」です。
 ○×問題の答えは①〇 ②× ③〇でした。
 ②がなぜ×なのかというと、「おしどり夫婦」という言葉があります。雄雌が寄り添って行動するので仲良く見えるのですが、実際の所は寄り添うのは抱卵期の初期までで雄は一切雛の世話はせず、雌から離れてしまうそうです。それに毎年ペアは変わるそうです。
   
          オシドリ
・「鴛鴦の契」とは、結婚式の祝辞に使われる言葉で、夫婦仲の睦まじいことのたとえです。鴛鴦とは、オシドリのことで「鴛」は雄、「鴦」は雌を指します。
 確かに寄り添っている時期のオシドリのペアは微笑ましい程睦まじい感じがします。ただ、実際の所は番はその年限りで一生添い遂げることはないようです。しかし、ガンやハクチョウ、アホウドリなど大形の鳥は相手が死なない限り寄り添うと言われています。オシドリのような小形のカモは移動時の事故やオオタカなど猛禽の餌食になるなど事故が多く、番の継続が難しくなるのでそうも言っていられないのでしょう。



 ・ドングリはカルガモも食べるようですが、特にオシドリは大好きで越冬している場所には必ずというほど沢山のドングリの木が見られます。また、オシドリは水際に立ち上がるシラカシやコナラの木によじ登って枝で寝るので、よく止まれるように他のカモと違って爪の湾曲が大きく、後趾(こうし)が発達しています。このようにオシドリは餌もねぐらも樹木に頼って生活しているのです。
   
          マガモ&ホシハジロ

・今年も駅近くの調整池で沢山のオシドリが越冬しています。対岸を双眼鏡で覗くと、水際の岸に上がってじっとしていたり数羽の群れで水面を移動していたりなど色々な様子が見られました。ただ、居場所としては飛来している他の種のカモと比べると、全体的に水際に木の枝が覆いかぶさっているようなやや暗い場所を好むようです。きっと警戒心が強いのだろうと思われます。ここで見られるのもこれから先ひと月あるかどうかですので、見るなら今月いっぱいでしょう。
   
          オナガガモ


オシドリ…カモ科全長45センチ位。
 雄の銀杏羽は美しく、雌への求愛ディスプレイに使われるという。ドングリなどの木の実を好んで食べ、繁殖は樹洞を利用する。
 山間部の渓流や林に囲まれた湖沼に棲むが冬は暖地にやってくる。


戸神川防災調整池白鳥情報
 オオハクチョウ5羽(成鳥4、幼鳥1) 変わらず越冬中。


2016
2 15

◎ 2月18日は、もったいないの日。これは松戸市制定の記念日です。平成18年2月18日ノーベル平和賞を受賞した故ワンガリ・マータイさんが松戸市を訪問しました。
 日本語の「もったいない」が環境保全の根源になる素晴らしい言葉であるとして世界に「MOTTAINAI」を発信したのがマータイさんです。市はマータイさんが訪問した日を記念日としました。私は「もったいないの心」に感銘を受け、椿の種に目玉を描いたエコキャラクター「もったいないぞうくん」を作って色々な機会に配布をしています。
   

 これからも消費生活中心から物の価値を大切にした「もったいないの心」を広めていきたいと思っています。


 『水たまりや小川に油が浮いてる?これってなあに!』
◎急に暖かくなり公園の梅が咲き出しました。
 また河津桜も咲き出しています。
まだ1分か2分咲きですが桜の開花を見ることができるのは格別な感があります。
   

 里山が面白くなる時節です。ただ、まだ冷え込むこともありますので天気予報を見ながらお出かけください。

・里山の池の水たまりや田んぼの畔の水路などで、赤褐色でふわふわに見える沈殿物や水面に油のようなものが浮いている物を見たことはありませんか。

 沈殿物は、赤茶のスポンジケーキのような物が沈んでいるようにも見えますし、油のようなものはどう見てもガソリンか灯油そのものに見えます。


           
 鉄バクテリアによる被膜
   
           
鉄バクテリア(赤褐色の沈殿物)
   
 沈殿物については印西ウエットランドガイドスタッフのiさんから以前聞いて理解していましたが、水面の油状に見えるものについては今一判然としていませんでした。
 先日i市の博物館学芸員の解説に油に見える物質についての話があり、その後自分でも調べてみました。
・赤褐色の沈殿物⇒鉄バクテリアという細菌(微生物)または、鉄バクテリアの死骸です。
・水面の油状の物質⇒これも鉄バクテリアが作りだした鉄の酸化被膜です。
どちらも、鉄イオンを多量に含む地下水が湧出する場所で鉄バクテリアによって生成される。

・webによると“行政に連絡がある油流出事故の情報で里山がらみのものに鉄バクテリアによる誤認情報がある”と出ていました。赤褐色の沈殿物も水面の油状物質のどちらも油ではないので、自然界に存在するレベルであれば沈殿物も水面の被膜も人畜無害だそうです。参考に水面の被膜が鉄バクテリアによるものか、灯油やガソリンなどの油分かの簡単な見分け方について書いてみます。
①臭いを嗅いでみる⇒鉄バクテリアなら油の臭いはしない。
  油分なら油臭い。
②膜を触ってみる⇒鉄バクテリアによる被膜なら触ると破れる
  油分なら破れない。
 以上、今回は里山歩きで普段気が付かない面の事象について書きましたが、里山には魅力も不思議も沢山あります。自分なりの歩きを楽しんでみませんか。

鉄バクテリア…水溶性の二価の鉄イオンや二価のマンガンイオンを酸化するバクテリアの総称。
 土壌微生物の一種。水中の鉄分を沈殿させて除くことができるという性質から、浄水場などの水の除鉄に利用されるところもある。 (Web Wikipediaより


2016
2 24

◎ 先日2月21日は「漱石の日」だそうです。この日はてっきり夏目漱石の誕生日か命日かと思っていたのですが違いました。1911(明治44)年のこの日、文部省が一方的に文学博士の称号を贈ると伝えたのに対して、漱石が「自分に肩書は必要ない」として辞退した日だそうです。いかにも反骨精神の漱石らしいですね。

『鳥(とり)オビシャ』
◎i市のU地区は古村で、自然がまだ豊富に見られる地区です。このU地区の農家十数軒に「鳥オビシャ」といわれる伝統行事が残っています。U地区の妙見神社の氏子N家の一族に伝わっている祭りで、悪魔祓(はら)いと農耕の安穏の祈りを込めて行われるといわれています。
・オビシャ(御歩射)とは歩射(ぶしゃ)ともいい、馬に乗らずに歩いて弓を射る神事で、的を射てその年の豊凶を占うものです。
 しかし、U地区では弓を射ることはなく代わりに梅の枝や竹に新粉餅(しんこもち)で作った鳥を飾り床の間や神社に供え、家内親族安全を祈願しているのです。飾り立てたものは“鳥山(とりやま)”と呼ばれています。なお地区の皆さんは「鳥オビシャ」とは呼ばずに「鳥マチ(鳥待ち)」と呼んでいるそうです。
   

・この神事は「宮内の鳥オビシャ」として市内の冬の行事としてi市の小学校の副読本にも載っています。私は以前から聞いてはいたのですが未だに実際の様子を見学したことはありません。行事は毎年2月22日にN家一族の持ち回りで行うそうです。
      


 先日友人のMさんにお会いした際、鳥オビシャの写真を撮影に行ってきたと聞きました。早速写真を送っていただきましたのでHP「谷津田だより」に載せさせていただきました。
 N家の個人的行事で文化財指定でもありませんが、当日お宅に伺えば見せていただけるようです。ご迷惑をお掛けしないように配慮していつか見学したいと思います。
       

※掲載写真は、Mさんから届いた鳥オビシャの写真です。

   

◆妙見宮(みょうけんぐう)…各地に鎮座する神社。
 祭神は、天之御中主神、北極星。(ウィキペディアフリー百科事典参照)

戸神川防災調整池白鳥情報…この所少し変動があります。
  2/18 5羽(確認S氏)
  2/19 0羽(A氏、S氏)
  2/22・2/23 3羽(U氏、S氏)
そろそろ北帰行間近かと思われます。しばらく注視する必要があります。

2016
3  1

◎ 閏日が終わり、3月に入りました。また寒波がやって来たようで
すが暦では5日が啓蟄(けいちつ)です。虫たちが長い冬を耐え活動を始める頃といいます。小さな命を探してみませんか。

『ウオーキング派? それともホッピング派?』
◎子どもの時、「ホッピング」という外遊びの玩具が流行っていました。バランス感覚を競う子どもの遊びで皆夢中でやっていました。しかし、やりすぎると胃下垂を起こす恐れがあるということから廃っていったことを思い出します。ただし、今回取り上げる“ホッピング”はこの玩具のことではなく、鳥の歩行についての話です。

 鳥達の移動手段は飛ぶことの他に歩くという方法もあります。木の実などの餌が少なくなった冬季は、地上に群れる鳥達の姿を多く見かけます。そこで、地上にいる鳥の歩き方を観察してみました。公園の芝地にムクドリ、ツグミ、スズメ、ハクセキレイなどがいました。
 見ていると、ムクドリは足を交互に出してゆっくりと歩いていました。ツグミも同じく交互でしたが動きは素早く、ハクセキレイも同じく交互でしたが、足の動きが見えないぐらいのスピードで歩いていました。
 【ウォーキング派】
   
       ツグミ (草地で餌探し)
   
       ムクドリ (芝地を歩くムクドリ

戸神川防災調整池白鳥情報
  …現在3羽確認(成鳥2、幼鳥1)。
   そろそろ移動の時期です。



 一方、スズメはピョンピョンと両足で跳ねるように移動していました。

 【ホッピング派】
 スズメ (地上で餌探し)
   
 写真下は、スズメの求愛行動
   奥の雄が手前の雌にアオムシを渡したところ
   
   
・野鳥図鑑で調べると、交互歩行をウオーキング、両足跳び歩行をホッピングと呼ぶそうです。
 因みに地上性の鳥はウオーキング派が多く、樹上性の鳥はホッピング派が多いそうです。
 ホッピングは素早く動くには適していますが、ウオーキングよりエネルギーを多く必要とするそうです。

・このように鳥達の種類によって歩行方法が違いますが、それだけでなく当然ながら飛び方も止まり方も餌の捕り方も種によってそれぞれ異なります。
 公園や市街地の空き地で鳥達の姿を見かけた時、種別を見分けるのも楽しいですが、上記のようなそれぞれの鳥の行動や暮らしぶり、そして今の時季は求愛行動などを観察するのも面白いです。


啓蟄…冬ごもりの虫が這い出る意。二十四節気の一つ。
太陽の横径が345度の時で、太陽暦で3月6日頃。今年は3月5日。春の季語。


2016
3  7

◎ 気象庁は1953年から、季節の移り変わりを動植物の様子でみる「生物季節観測」を続けています。
 初めて姿を見た日を「初見(しょけん)日」、初めて鳴き声を聞いた日を「初鳴(しょめい)日」、花の咲いた日を「開花日」として記録に残すのだそうです。
 最近この「観測」に異変が起こっていると新聞に出ていました。それは、地区によって観測対象の生物が確認されないという事例が相次ぎ、観測休止に追い込まれているということです。
 例えば、東京・大手町の東京管区気象庁でウグイスの鳴き声が00年を最後に確認できない。また、甲府地方気象台のヒグラシの初鳴は13年が最後といいます。
 全国の気象台でこのような観察休止が相次いでいるといいます。

 原因として専門家は「地球温暖化の進行、開発による環境変化やヒートアイランド現象」を挙げています。
 3月6日、i市の里山でウグイスの初鳴を聞きましたが、この新聞の記事を読んだ後の為かちょっと神妙な気持ちで聞いてしまいました。

「松虫姫(まつむしひめ)伝説の里」
◎i市には、伝説の里がいくつかあります。その里の一つが松虫地区であり、ここには聖武天皇の3女である不破内親王(ふわのうちみこ)松虫姫に関わる伝説が残っています。
 1300年も昔のことですが、松虫姫が療養の為都(奈良)からやってきたという話が伝わっています。姫の病気が平癒し都に戻った後、行基菩薩によって建てられた寺が松虫寺ということです。

   

・寺に訪れた日は薄曇りでしたが、境内の梅の花が見事に咲き誇っていました。
 久しぶりに見た本堂薬師堂のベンガラ塗りの壁や左脇に建つ松虫神社の庇(ひさし)の装飾など色彩豊かで見事でした。
 寺には松虫姫にまつわるものがいろいろありました。
それは、松虫廟(姫の骨を分骨した墓)、御杖の銀杏(姫の持っていた杖から芽吹いた銀杏)、瑠璃光殿内に安置されている七仏薬師如来像(国重要文化財指定)、寺から少し離れた場所にある杉自塚(姥塚と呼ばれている姫の姥の墓)です。

   
   松虫廟


戸神防災調整池白鳥情報
オオハクチョウ
 3月3日 0羽。
 3月6日 AM6:00 3羽 AM7:15~0羽
 現在0羽。北帰行の可能性が高いが、断定はもう少し様子を見てからにしたいと思います。


 北総線印旛日本医大駅の東南には牛むぐりの池(都から姫を乗せてきた牛車の牛が沈んだと伝わる池)があります。
 これからの時季、路傍の野草や林の木々が次々と花をつけます。花を求めてチョウやハチなどの虫たちも元気に動き回ります。そして、そろそろ南の国からツバメやオオヨシキリなどの渡り鳥もやってくると思います。運がいいと渡りの猛禽類も見られるかもしれません。ゆっくりと伝説の地を歩いてみませんか。普段忙しい方も多いと思いますが、1300年という時空に思いを馳せ悠久の時を感じることができるおすすめ里山コースの一つです。

            ~松虫寺境内の写真~

 椎の古木             御杖の銀杏

     杉自塚(姥塚)


   
  七仏薬師如来像(2012年11月御開帳 S氏撮影)

 ◎いつものF市のSさん宅のお庭情報が届きました。
<ちっちゃなビオトープの物語> 
  「産卵が終わり姿を消したアズマヒキガエルが、暖かい雨にのそのそと姿を現しました。 オタマジャクシは卵嚢から出ているのもいますが、まだまだ小さくて黒ゴマぐらいです。昨日の朝、柿の木にくちばしが白くて太い鳥シメを見つけました。しばらくいたので、写真が撮れました。
昨年から、シロハラは毎日姿を現して冬中楽しませてくれました。沈丁花が香り、菜の花が咲き、オキナ草も芽を出しました。季節は春ですね。」

◆松虫寺…千葉県i市松虫地区にある真言宗豊山派の寺院。
 山号は摩尼珠山。院号は医王院。本尊は七仏薬師瑠璃光如来。建立は天平17(745)年といわれる。


《参考》 松虫寺については、過去ログ(50ページの10/12付欄、51ページの11/23付欄、55ページの9/7付欄)でも取り上げていますので、ご覧ください。

2016
3  14

◎ NHKの連続テレビ小説「あさが来た」の一場面にi市にある古刹“松虫寺の薬”の記事の載っている新聞が登場したそうです。ただ、この新聞は現代のものではなく、明治24年9月のものだそうで、当時寺が作っていた薬「治癩丹」の宣伝の記事だといいます。
   
 先日松虫寺住職に伺ったところ、現住職の親の代まで薬を作っていたと言っておりました。昔から寺は寺子屋という教育機関でもあり、寺請け制度による役所であり、そして松虫寺のような医療施設の役割の寺もあったのですね。寺=葬式のみという概念は一回白紙に戻す必要もあるようです。

『東照宮』
◎東照宮といえば、華厳の滝や中禅寺湖に並ぶ日光の観光名所です。この東照宮が千葉県船橋市にもあることはあまり知られていないようです。
 家康が東金での鷹狩の途中、休憩地として立ち寄ったのが現船橋市にあったという船橋御殿です。この御殿が当地の大神宮神職の富氏に払い下げられ、御殿取り壊しの跡地中央部に建てられたのが船橋東照宮です。ここは京成船橋駅から数分という至便の地にある日本一小さな東照宮の一つといわれています。

・先日、この東照宮に行った際に近くに位置する船橋大神宮に寄ってきました。すると大神宮本殿の右隣に東照宮完成の案内板が設置してありました。境内で昨年から何かの修復工事をしているのは知っていましたが、ここにも東照宮があったことは知りませんでした。

戸神防災調整池白鳥情報
 2016.3.14AM6:00 オオハクチョウ3羽 U氏確認
 0羽、3羽と居たり居なかったりが続く。
北帰行はまだのようです。


 実はこの建物は今まであった常盤神社の新社殿でした。常盤神社は家康を祀る神社で前から東照宮と呼ばれていたのでした。そういえば社に家康の歯が祀られていると聞いており東照宮の名称に納得はできました。
   
 しかし、以前の常盤神社が地味な感じでしたので出来上がった新社殿の豪華絢爛さには驚かされてしまいました。そして船橋に東照宮が2つもあることがちょっと不思議に思えました。
   
 駅から近くなので寄ってみませんか。市街地の中に江戸の文化が残っている不思議スポットの一つです。


◆船橋大神宮境内の常盤神社…日本武尊とともに徳川家康・秀忠を祀る同神社は、船橋の東照宮と呼ばれ、家康によって建立されたといわれている。家康公400年祭に伴う、漆塗り極彩色の社殿・唐門への建て替え工事は、平成27年10月に完成した。
2016
3  20

◎ 大相撲春場所も後半戦に入りました。再入幕した力士で里山(さとやま)と聞くと思い出していただける方もあると思います。本たよりで何度か紹介した力士です。
 千葉県出身でもなく特別応援する理由もないのですが、名前が“里山(本名)”ですので、つい里山散策を活動の中心に置く私達の会と被ってしまうのです。小兵で正面からぶつかっていく相撲もいいですね。幕内昇進後、怪我で幕下まで陥落したのですが努力で再度戻って来たのです。ただ、34歳という年齢を考えると今場所の成績次第(現在3勝5敗)で今後が決まりそうです。“里山”頑張れ!

『里山の谷津田からの春だより』
◎この数日は寒かったり暖かかったりと安定しませんでしたが、今日は風もなくぽかぽか陽気で桜の花の蕾がふくらんで見え、開花も間近と思えました。 近くの谷津にご近所の方を誘ってぶらりと行ってきました。谷津の下り口の少し手前にある民家のブロック塀の内側に満開のシキミの花が見えました。花は3センチほどのクリーム色っぽい白色で存在感がありました。樹木全体が有毒で特に果実は猛毒だそうですがとても美しい花だと思いました。
   

・谷津田に出ると、さっそくウグイスが声でお出迎えしてくれました。姿は見せませんが、川辺の枯れ葦の中からまだ完ぺきではない「ホーホケキョ」のさえずりが何度も聞こえてきました。そのウグイスの声に重なるように他の野鳥の声も聞こえました。
 声の主は「一筆啓上つかまつりそうろう」と聞きなしされるホオジロ、「ケェッ・ケェッ」と大きな声で鳴くツグミ、「キリキリキリ…」と飛びながら鳴くカワラヒワ等でした。
              (ホオジロー止まり木)
   
                 (ホオジロー飛翔)
   


 この他、コゲラやシジュウカラ、アオジ、そしてお馴染みのハシボソガラスやスズメたちも顔を見せてくれました。それと、田起こしをしてある田んぼではセグロセキレイがしきりに餌を探していました。
           (アオジ)
   

・春の谷津田では、鳥達だけでなく様々な生き物たちの世界が見られます。水田脇の溜池にはヒキガエルの卵と生まれたばかりのオタマジャクシも見られましたし、畔や川沿いの道端にはツクシが顔を出し、小さな春の花が満開に咲いていました。
          (ツクシ)
   

 タンポポ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、ミチタネツケバナ、タネツケバナ、ムシクサ等でした。そうそう、早くもハルシオンの花も見られました。帰りに公園内を歩いていたら、セイヨウミツバチが椿の花に止まり盛んに花粉を集めていました。
          (椿とシヨウミツバチ)
   
 その肢には花粉の団子がついていました。これから里山が面白い時期です。時間を見つけて里山を訪れてみませんか。

※写真は、谷津田で見た鳥達の写真と民家の塀越しに見たシキミの花、椿の花にやってきていたセイヨウミツバチ、ツクシの写真。

戸神川防災調整池白鳥情報
  3/20 PM4:30 オオハクチョウ4羽
よって北帰行宣言はまだです。(Uさん情報による)


2016
3  30

◎ 部屋の窓から見える街路の桜は五分咲きぐらい。でも、隣の公園ではまだせいぜい1分咲きです。
 どうも日当たりによって大きく違うようです。いずれにせよ今週末辺りが花見日和となるのでしょう。

『ヒョンノキ』
◎先日、S市にあるN調整池にハクチョウを見に行ってきました。
 調整池の脇にある小さな公園で弁当を食べている時、園内の高さ3、4メートルの樹木に目がとまりました。
それは、葉のついている枝先にビワの実を小さくしたような形の物が幾つもついていたからです。
   
 近寄って見てみると、枝のあちこちにその実のような物がついていました。更によく見てみると、どの実の側面にも3ミリ程度の丸い穴が一つ開いていました。大きな物は幅3センチ長さ8センチほどで、一寸見には乾燥イチジクのようにも見えました。枝から一つ外して振ってみると、穴から細かな粉が出てきました。
   

 実は、これは実(み)ではなく木の虫えい(虫こぶ)なのです。木はマンサク科の「イスノキ」。虫えいの主は、イスノフシアブラムシです。イスノキの意味は不明ですが、別名を“ヒョンノキ”と言います。
 それは、この虫えいを笛にして吹くと、ひょうひょうと鳴ることに基づくと言われています。穴から粉が出なくなるまでよく振って、フウーッと息を吹き込んでみるとホーホーと柔らかい音が出ました。ホーホー鳴らしながらハクチョウの見える場所に移動しました。

◆虫えい(虫こぶ・Gall)…植物の葉や芽、茎などにできた“こぶ”の内部に虫が入っている物を“虫えい”とか“虫こぶ”と呼ぶ。しかし、これらのこぶは虫だけでなくダニや線虫、菌類や細菌によっても形成されることが判ってきたので、広義の意味でこれらをゴール(植物にできる瘤 Gall)と呼ぶ。



戸神川防災調整池白鳥情報…「北帰行」
  3/20オオハクチョウ 4羽
  3/21〜 1羽 
  3/25 PM4時 1羽(北方面に飛翔 写真Tさん)

   
 北帰行と思われる戸神調整池の今季最後の写真

   

※ その後確認されていませんので、平成28(2016)年3月25日PM4時を「北帰行」とします。(情報…Uさん、Sさん、Tさん)
※ 今冬最大数7羽 

・見守っていただいた皆様ありがとうございました。
 また来季の飛来に期待しましょう。



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