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2013
3 19

◎卒業式の時はハクモクレン入学式がサクラ、これが私の頭の中で定番になっています。今年は梅を初めとして早春の花が遅かったのですが、ここへ来て一気に挽回をしているようです。桜も例年より早いといいます。そういえば今日訪れた場所でも桜の開花が見られました。まだ数輪ですが、一気に咲きそうな気配もありました。今年の入学式は葉桜かもしれません。

 『恒例の紙芝居』
◎先週の土日3/9、3/10に恒例になった紙芝居をやりました。紙芝居は年に2、3回行っており、今回は印西市中央駅前交流館の祭りに市の環境推進市民会議の立場で子供向けに行いました。子供向けですの
で、大上段に環境をどうするというようなことではなく、水の無駄遣いや物を大切になど子ども向けに作られた紙芝居をやりました。紙芝居は環境学習のものだけでなく、マンガ紙芝居や昔話の紙芝居も一緒に演じました。鑑賞対象は決めていませんが、やはり、4歳くらいから小学3年生くらいの子ども達が中心のようでした。2日間の人数は、およそ250人程度でした。今回の紙芝居を演じて感じたことは、これだけメディアを中心とした情報社会が発達している中ですが、紙芝居という半世紀も前の文化が現代の子ども達にもすっと入っていくことを実感いたしました。
 今、新聞はネット購読、小説はフェースブックというような時代になっていますが、やはり直接顔の見える場の大切さを感じたひと時でした。


皆さんのお宅や皆さんが関わっている団体(対象は大人でも子供でも大丈夫です)で紙芝居を見たいという希望あればご連絡ください。時間の都合がつけばどこへでも出かけて行きます。
   

◆紙芝居のレパートリー…片手間でやっていますので、レパートリーはあまりありません。やれるものは、次のようです。環境マンガ紙芝居、昆虫紙芝居、アンパンマンなどのマンガ紙芝居、よだかのほしなどの名作紙芝居。ご遠慮なく声をかけて下さい。ご家庭でも、集会場でも屋外でも声がかかれば伺います。お孫さんの誕生日や古希や米寿のお祝いなどにもいいかもしれません。

2013
3 25

◎コブシもモクレンも梅も桜も一斉に咲いています。いったいどうなっているのでしょう。i市内の小林牧場の桜まつりも繰り上げて3月30日、31日にやるそうです。もっともそれでも間に合わないかも知れません。4月14日に計画している散策会(吉高の大桜【ヤマザクラ】見学)も葉桜となっているのは間違いなさそうです。

 『驚きがいっぱい』
◎先日、近くのコミュニティーセンター主催の春の里山自然観察会のガイドをしてきました。センター職員、私達ガイドスタッフを合わせても25名程度とちょうど良い人数でした。子どもが4人いましたので子供目線の内容で行いました。公園の池にはまだ数羽カモが残っていましたし、公園や谷津田の木々には小鳥たちが見られました。皆双眼鏡を胸に提げていましたが小さく細かに動く小鳥たちの姿をとらえるのは難しいようでした。それでも苦労してとらえた野鳥の姿に感動していました。
 谷津田では、早くも一斉に咲き出した野の花が皆の関心の的でした。オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ナズナやハコベなど特別珍しくはない野草ですが、絨毯のように咲き誇る様子はとても綺麗で印象深いものでした。スタッフの一人がそれらの野草で草遊びを始めると子ども達は、一生懸命に真似をしていました。昔子ども達が当たり前にしていたことが今は貴重な体験に変わっているのです。

・水田脇の小さなため池にはオタマジャクシがいっぱいいましたし、小川にはタニシやカワニナなどの貝が沢山見られました。 また、カエル姿は少なかったですが見ることができました。参加者のお一人の方が褐色のカエルを見つけてくれました。大きさはアマガエル位で色はアカガエルにそっくりでした。
 アマガエルは緑色が定番なのですが、色が全く違います。調べてみるとこのカエルは、乾いた土の色に変身したアマガエルのようでした。いわばアカガエルに化けた「忍者アマガエル」でした。


 帰り道、公園の緑道でスタッフのiさんが見つけたものは、なんと「コウモリ」でした。
 じっと地面にうずくまっていて死んでいるかと思っていたら、パチッと目をあけました。
 全身がせいぜい5センチ位の小さなコウモリは、市街地で見られ、人家にすむことから「いえこうもり」の名もあるヒナコウモリ科のアブラコウモリでした。
 コウモリの出現には、子ども達ばかりでなく大人たちもびっくりでした。

   

 この後、センターに戻り職員手作りの美味しいトン汁を頂き解散しました。

◆アブラコウモリ…ヒナコウモリ科で、たそがれ時の市街地の空を不規則なパターンで飛ぶ小型のコウモリ。
 4~6センチ。群れで生活。夜行性、蚊などの昆虫を食べる。木造家屋は絶好のすみか。


2013
4  1

◎エイプリルフールではありませんが、もう桜の花が散っています。例年より2週間も早い開花で吉高の桜(ヤマザクラ)も咲き出
してしまい、14日に予定している散策会時は完全に葉桜になっているのは間違いなさそうです。

 『君子蘭たくましく開花』
◎20年ほど前、現住所に越してきた折に義理の兄(故人)が、私の実家から観葉植物を沢山運んできました。数十年ものの観音竹やらゴムノキやらがベランダに沢山並んだのを覚えています。今はそのほとんどが植木鉢だけになってしまったのは私の手入れがまずかったのだと思っています。その数多い植物の内、いまだに健在なのがゴムノキと君子蘭です。君子蘭は持ってきたときは確か1鉢だったのですが、その後株分けしたり、お隣さんにあげたり、また戻ってきたりし、現在4鉢あります。冬もベランダに出
しっぱなしで葉が寒さに焼けていますが、それでもこのところの暖かさに勢いを取り戻しています。そのうちの一鉢(一番小さな株)が、今年もオレンジ色の見事な花をつけました。水やり程度でほとんど世話をしていないので、美しい花を見ると申し訳ない気もしています。少々の事には負けないたくましさをこの蘭に感じるのはきっと私だけだと思います。

  ・これから里山では黄色や白や紫などの花たちが一斉に開きます。可憐で美しい野草の花の中にもこの蘭と同じようなたくましさを感じることができるかもしれません。里山歩きがいい時季になりました。
 時間を見つけて里山にお出かけください。



 なお、スギ花粉は治まってきていると思いますが、今度はヒノキの花粉が飛んでいるようです。花粉に敏感な方はマスクをお忘れなく。

   
  ※文中に出ていた君子蘭の花

◆クンシラン(君子蘭)…ヒガンバナ科クンシラン属のアフリカ原産の多年草。一般にクンシランの名で親しまれているのはオオバナクンシラン(大花君子蘭)を指すといいます。冬から春にかけ、太い花径をのばし、橙赤色の花を多数つける。花が咲かない時も観葉植物として愛される。
☆HPに千葉ニュータウン誌「里山の四季」をリンクしました。HPのトップペジからは入れます。


2013
4  7

◎ここ一両日、日本列島を揺るがしている低気圧を「爆弾低気圧」というそうです。爆弾という言葉に抵抗があることから気象庁では「急に発達する低気圧」と言い換えているといいます。しかし、まさに「爆弾」といえるような激しい雨が降り出しました。出かける矢先のことで、30分ほどエントランスに足止めさせられてしまいました。バケツをひっくり返したような豪雨の後、東の空に二重の虹が見えました。まだ空には大きな黒雲がありましたが、雲間はきれいに澄んだ青空が覗き、虹の美しは格別でした。しばし見とれてしまいました。
   

 『吉高の大桜満開』
◎ソメイヨシノが例年より2週間も早く咲きだしたので、山桜の「吉高の大桜」も同じように2週間も早く咲くのかと思っておりました。しかし、実際には寒さがぶり返し、一週間ほど早めの4月4・5日が満開でした。その4日に来週14日の散策会の下見に出かけ、満開の桜を見ることができた同行のスタッフは満足そのものでした。

・市主催の桜祭りは6日と7日ですが、早くも見物客が大勢来ておりました。桜の大木の根本周りには菜の花と諸喝采(ショカッサイ)が満開に咲き、山桜の薄ピンクの花とマッチし一幅の絵の完成度を高めているようでした。



見物客はそれぞれ好みの場所でカメラのシャッターを何度も切っていました。

 それにしても樹齢300年といわれ根回り6.7メートル、樹高10メートル、枝張最大幅26.8メートルとされる山桜は、たった一本なのですが流石に存在感のある樹木でした。
 印西市のHPには開花期間が短く満開の状態はたった2、3日しか続かないため、足繁く通わないと満開の花を見ることは難しいと出ていました。
 きっと私たちは、運が良かったのですね。
しかしながら14日の松虫・吉高コースの散策会時は、残念ですが葉桜となっています。自然相手のイベントは本当に難しいと実感しました。
   

◆吉高の大桜…印西市(旧印旛村)吉高地先に高々と聳える樹齢300年以上の大桜です。周りから一望できる唯一本の山桜です。
近年知られるようになり、多くの見物客が訪れ賑わいます。昭和56(1981)年10月15日に印旛村の天然記念物に指定されました。個人所有の桜です。


2013
4  15

◎フィールドを流れる川に架かる橋のたもとで休息していたら、ジュ、ジュという声が聞こえてきました。聞き覚えのある声は、スズメより小さく尾が長い小鳥、エナガでした。  多自然工法による川のすり鉢状護岸に一人生えしている柳の枝先につがい思われるエナガが見られました。クチバシに何やら真っ白い綿のようなものをいっぱいに頬張っていました。双眼鏡で覗くとまだ残っていたガガイモの絹毛のようでした。
巣作りの最中のようです。これからいろいろな生き物たちの子育てが始まる時節です。

 『お菊虫って?』
◎先日の新聞に「よみがえれジャコウアゲハ」というタイトルの記事が載っていました。八千代市で一時確認できなくなったチョウ「ジャコウアゲハ」の復活を目指す取り組みが進んでいるという記事でした。
 印西市ではこのジャコウアゲハは数は少ないですが、毎年確認されています。ただ、この蝶の食草ウマノスズクサの自生している場所が少なくなっているのは印西でも同じだと思います。これらのチョウたちの生息できる自然環境がずっと守られていくことが
大事なことなのです。

・ところで、この蝶の幼虫について面白い話がありますので紹介いたします。
志賀直哉の小説「暗夜行路」に次のような一文がありました。 『(前略)お菊虫といふ、お菊の怨霊の虫になったものが、毎年秋の末になると境内の木の枝に下がる…。(中略)彼は宿屋で何本かの火箸と、お菊虫を買った。その虫に就いては口紅をつけたお菊が後手に縛られ、釣下げられた所だと番頭が説明した。・・・』

 このお菊虫とはジャコウアゲハの蛹に赤やら黄色やらで色付けをしたものだといいます。蛹が木の枝に糸でつられているように見える形から怪談「番町皿屋敷」の幽霊お菊を連想させた玩具(おもちゃ)のようでした。暗夜行路の主人公が購入したのもこれのようです。
 ものの本によると蛹の中の幼虫を殺し、着色して売っていたといいます。またこれが売れたというのですから、現代の子ども達には分からない感覚ですね。



・近くの公園に2年ほど前から食草ウマノスズクサが確認され、ジャコウアゲハの蛹や成虫も確認されています。食草の毒成分を取り込んだ成虫は鳥にとって好まれる餌ではないようで、その姿はほかのアゲハチョウよりもゆったりと飛び優雅そのものです。
   
   上 ジャコウアゲハの幼虫(お菊虫)
   下 シャコウアゲハの成虫
   

ジャコウアゲハ…アゲハチョウ科のチョウで漢字は「麝香揚羽」と書く。捕まえると、麝香(じゃこう)のような香気をだすことから名がついたという。日本にすむ黒いアゲハの中では、一番ゆるやかに飛ぶ。食草は毒草のウマノスズクサ。
2013
4  21

◎大河ドラマ八重の桜は、人気があるらしい。主人公山本八重の生き様がかっこいいのだそうです。新しい女性として一時は批判もあったといいますが、女性の新時代をリードする大きな力になったのは確かです。
それと、ドラマの中で南北戦争時の北軍の騎兵隊の使っていた新式のスペンサー銃(七連発式)を扱う八重の姿もいずれ見られるのでしょう。そういえば、ゴールデンウイークに「八重の桜」の舞台である会津鶴ヶ城を訪れる客が増えるとTVでやっていました。

 『辺田前の獅子舞』
◎旧本埜村辺田前(へたまえ)に700年前から伝わるという中根八幡神社の獅子舞を見てきました。
 あいにくの冷たい雨の中でしたが、東漸寺(とうぜんじ)の境内にはカメラを構えたり、おしゃべりをしたりしながら獅子の行列を待つ5、60人程の人たちの姿がありました。雨も少し小ぶりになった中、笛師の集団を先頭とした行列が到着しました。

・この辺田前の獅子舞は、「悪魔退散」、「家内安全」、「五穀豊穣」を祈願する「春きとう」として定着し、春の種まき時期の前に奉納することになったといいます。一時、舞手不足により途絶えてしまったということですが、地元の若者たちの努力と地区の協力で見事復活した伝統の舞です。
 おやじ(父)、かか(母)、せな(息子)と呼ばれる三頭の獅子により舞は行われます。
 全部の舞は十の舞からなり、すべてを舞うと約50分かかるそうです。この50分かかる舞を最初は、東漸寺境内で行い、その後辺田前八幡神社と戸崎鳥見神社、そして再度東禅寺境内と全部で4回舞います。そのすべてを同じメンバーで舞うそうで、かなりの重労働となるといいことです。
 境内は、狭いのですが見物客も少なく、舞う場所も狭いのでコンパクトで見やすく家庭的な感じを持った獅子舞いでした。
 雨もほとんど止み、舞が終了しましたので帰路につきました。水がいっぱいに張られた水田風景を見ながら歩き、途中から市のふれあいバスに乗り帰りました。


 写真は、この時に撮影した辺田前の獅子舞。
   

   

◆印西市に残っている「4獅子舞」の実施日…
  ○中根八幡神社の獅子舞(市指定)
   東漸寺などで例年4月第3日曜日
  ○平岡鳥見神社の獅子舞(県指定)
   平岡鳥見神社で例年5月3日
  ○別所の獅子舞(市指定)
   地蔵堂で例年8月24日
   ○いなざきの獅子舞(市指定)
   和泉鳥見神社で例年9月23日(秋分の日)


2013
4  30

◎カメはトカゲより恐竜に近いと新聞に載っていました。国際共同研究グループによるゲノム(全遺伝情報)解読で分かったそうです。そういえば、昔、怪獣映画で「ガメラ」という亀のでっかい怪獣(恐竜?)が人気でしたがこれは、ゲノムの先取りか?

 『北総のキリスト教の伝道』
◎1868年に成立した明治政府は、慶応4年3月15日(1868年4月7日)に五榜の掲示という高札を立てキリスト教禁教を継続したのです。これによって各地で信徒への拷問や流刑が頻繁に行われたといいます。その後諸外国の反発を受けた政府は、明治6(1873)年高札を撤去し禁教政策が終わったのです。以後、プロテスタント・カトリック・ロシア正教会(ハリスト)等各派の布教活動が活発化していきました。

◎千葉県には、明治6(1873)年上総の国桜井村(現木更津市)へプロテスタント宣教師バラがやってきました。
 北総においては明治8(1875)年東葛飾郡法典村(現船橋市)にプロテスタントの法典長老教会が地元有力者により設立しました。この教会が県内初であり、続いて明治10(1877)年大森村や船穂村(現印西市)、布佐(現我孫子市)にもできました。その後ロシア正教会ニコライが北総地区を訪れ(1878年と1892年の2回)、ロシア正教を広めています。
 なお、明治16(1883)年に設立された旧手賀教会堂(現柏市)は、首都圏近郊で現存する最古の木造教会堂です。私はまだ行ったことがありませんが、機会を見つけ訪問したい場所です。
 旧手賀教会堂の住所 柏市手賀666―2



 ※写真下は、旧手賀教会堂の写真です。
 私は行ったことがありませんので、柏市のHPから旧教会の写真をコピーしました。今度行ったときに撮影し差し換えたいと思います。

   

◆キリシタン禁令を定めた高札…明治6(1873)年2月24日、政府は同高札を撤去した。
 これによりキリシタン禁令は、事実上廃止され江戸時代初期以来続けられてきたキリスト教に対する禁教政策に終止符が打たれた。
 (web Wikipediaより抜粋)

2013
5  4

◎先日、印西市平岡の鳥見(とみ)神社で奉納された獅子舞(通称平岡鳥見獅子舞)を見てきました。舞は悪魔祓いと豊作を祈念して行われ、ジジ(親獅子)・セナ(若獅子)・カカ(女獅子)の三匹による動きの速い力強い舞でした。
 県指定の無形民俗文化財に指定されており、知名度も高いようで地元の人以外にも大勢来ており全部で300人を超す人が集まっていました。
 獅子舞いの後には巫女の舞(浦安の舞?)があり、その後餅まきをして終了しました。一見の価値のある舞でした。

『大空の舞』
◎上記の話は、大地を踏んでの獅子の「舞」でしたが、こちらの「舞」は空を優雅に「舞う」話です。
 先日のTVで、猛禽類のオオタカを種の保存法「国内希少野生動植物種」から外すことを環境省が検討しているというニュースをやっていました。
 それによると、オオタカの生息数は1984年の民間調査で約400羽とされ、保存法が施行された1993年に希少動植物に指定されました。その後、大規模開発の際に営巣地などへの配慮がなされ2008年の専門家の調査によると関東地方だけでも5800羽まで回復したということです。

 しかし、増えたといってもそう頻繁に見られる数ではありません。指定の解除により、開発の続く地区での減少が再度危惧されます。

・同じ猛禽類のサシバはオオタカと違い個体の生息エリアも狭く、主に谷津田の小動物(カエルやトカゲ、昆虫など)を餌にしているため休耕や放棄による水田の荒廃によって影響を受けやすく減少しているタカです。


 今日は某水田地区の上空をゆったりと舞うサシバに会うことができました。これらの鳥達の生存が脅かされない環境の保全が大切ですね。なお、サシバの飛翔場所情報などについては、種の保護上の理由で一切お答えできませんことをご了解ください。
    
上空を舞うサシバの写真
    

サシバ…タカ科の猛禽類。九州から本州の林で繁殖。南西諸島では冬を越すものが多いが、本州では渡り鳥(夏鳥)。農地などで急降下して、地上のカエルやヘビを捕る。ピックイーとよく鳴く。
全長49センチの中型の鷹、絶滅危惧種。

2013
5 13

◎5月14日は、種痘記念日です。
市内にある神社仏閣、路傍などに小さな石の祠の神々が合祀されています。その一つに疱瘡神と刻んだ疱瘡神塔があります。
 この塔は村の入り口や神社の境内などに祀られ、疱瘡などの疫病が侵入しないようにしたものだそうです。村に病気を侵入させないことが、治療対策の全くない時代の最善の策だったのでしょう。

 疱瘡は、天然痘の俗称で、種痘の登場以前は、最も恐ろしい病気の一つといわれていました。その種痘の接種をイギリスの外科医ジェンナーが成功したのが、1796年の5月14日でした。

『ヒラムシってなあに!』
◎東西線の妙典駅から東に約15分ほど歩き江戸川放水路に着きました。今月末に実施する子ども達対象の江戸川放水路干潟観察会の下見です。
 干潟に到着し、各自それぞれ足回りや観察グッズを準備して干潟に入りました。三番瀬と異なり、足元は泥っぽく一足ごとに長靴が泥に取られ歩きづらい。それでも干上がった場所、まだ水のある場所、牡蠣床(かきしょう)の上と生き物を探して回りました。

泥っぽい場所にはチゴガニやゴカイ、オキシジミ(貝)などが見られ、水の引いた後に残されたタイドプール(水溜り)や川の水中には、1~2センチほどの小さなハゼの稚魚が沢山見られました。それから牡蠣床には、イソガニの仲間が見られました。ただ、お目当てのトビハゼの姿は全く見られませんでした。およそ1時間半近く行った後、見つけた生き物を持ち寄り種類別に分けたりしながら種名確認をしました。

・確認時に話題になった生き物について一つだけ紹介します。それは、4センチほどのオキシジミ(貝)の殻にぺたっという感じでくっついていました。最初は貝自身が足を出しているのかと思いました。しかし少し経ってから見ると殻の上を滑るように移動していました。自分の意図で動き出したのです。

 このひらべったい生きものは、扁形(へんけい)動物渦虫(うずむし)鋼ヒラムシ目のヒラムシだそうです。ネットで調べてみますと、その名の通り体が薄っぺらな生き物で循環器も呼吸器も持たず、ただ拡散作用によって酸素を取り入れるのだそうです。海底や岩の上を這いまわって生活するという。見た目には地味な木偶の坊のように見えますが、見かけと違って獰猛で貝の隙間から侵入して貝の肉を食べるのだといいます。
採取物の写真を撮ったり、メモをしてから生き物を全てリリースし下見を終了しました。

ヒラムシ…扁形動物門、渦虫鋼、ヒラムシ目の生きもの。
 海産で岩の表面等を這って生活をしている。 体は扁平で、表面は粘液で覆われ貝肉を食べる。Wikipedia参考


   
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2013
5 20

◎明日5月21日は二十四節気の一つで小満(しょうまん)です。
草木が茂って天地に満ちはじめるの意といいます。自然散策にはいい時季です。

 『ノビタキが間近に』
◎先日、日光戦場ヶ原に行ってきました。朝5時に家を出て、北千住駅6時31分発の日光行き区間快速に乗りました。日光駅からバス会社の手配による赤沼行きのバスに乗りました。バスは私たちのグループだけでしたので席にもゆとりがあり、いい旅になりました。

・赤沼から約2時間余り、木道に沿って野鳥を探しながら歩き湯滝に向かいました。行程の3分の2が湿地に設置された木道を歩き、残りは渓流沿いの山道でした。カッコウの声を聞き、キビタキの姿を追いながら湿原の中を歩き小鳥を探しました。しかし、色々な声は聞かれるのですが、姿はなかなか見られませんでした。それでも、ニュウナイスズメ、アカゲラ、オオジシギなど都会ではお目にかかれない種に会うことができました。

 木道の真ん中あたりに差しかかると、低木や枯れ木の上に頭が黒く胸がオレンジの小鳥が見られました。
 今回の探鳥の目玉の一つ、ヒタキ科のノビタキでした。繁殖は高原の背丈の低い草原に限られるそうで、ここ戦場ヶ原での繁殖はよく知られています。

 カメラを向けてもすぐには飛び立たないので何枚か撮影することができました。


・この他にもエゾムシクイ(ウグイス科)などムシクイ類やコサメビタキ(ヒタキ科)などのヒタキ類なども出てきてくれました。後半の渓流沿いの道では、ミソサザイ、ビンズイ、ゴジュウカラ等の声を聞き、姿を見ることもできました。湯滝の脇の茶屋の前広場で弁当を食べた後、雷注意報が出たとの情報が入り、早めに切り上げることにし、湯滝入り口から定時路線バスで帰路につきました。
   
木道(踊り場)から撮影したノビタキ
   

ノビタキ…ヒタキ科の渡り鳥(夏鳥)、全長13センチ。雄は黒と白の色彩で、草の上にとまり囀るためよく目立つ。本州での繁殖は高原の草原。秋には本州以南の平地の畑や草原で見られる。


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