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2012
9. 10

◎次期衆議院選を前にして各政党の党首選がマスコミを賑やかせている昨今です。猛暑もいまだ続く中ですが、皆さんいかがお過ごしですか。

 『里山を舞う赤トンボは、まだか』
◎スタッフの一人のSさんが、仲間が集った時に歌えるようにとミニ歌集を作ってくれました。手のひらサイズの冊子には、だれでも歌える唱歌83曲が春夏秋冬別に並んでいました。その秋の部の中に三木露風作詞、山田耕作作曲の「赤蜻蛉(あかとんぼ)」が載っていました。「夕焼け 小焼けの 赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か」の歌詞は誰でも覚えていることと思います。
 今年は、旅をするトンボとして知られるウスバキトンボが大変多かったり、この数年一気に増え温暖化により北上中といわれている蝶ナガサキアゲハやツマグロヒョウモンが少なかったりと、この数年の中では少し変わった感じがします。
 さて、トンボの話に戻りましょう。赤トンボとは、体が赤くなるアカネ科のトンボをいいます。最も今よく見られる翅の先がこげ茶色のノシメトンボはあまり赤くなりませんがこれも赤トンボの一つです。
歌に詠まれている種が、何トンボなのかはよく分りませんが、赤とんぼの代表的な種類のアキアカネかナツアカネと思われます。このうちのアキアカネは真夏の最も暑い時期は涼しい高原に移動し、秋になり平地に戻ってくる「避暑」をすることで知られる種類です。

・このアキアカネや前記のウスバキトンボなどどれも非常に長い距離を移動しますが、これらの種と違い里山の林縁や水辺で見られるイトトンボの仲間はほとんど移動はしないようです。
先日、公園の池の縁と里山の林縁で見たイトトンボはどちらもとてもよく似ていて、ちょっと見ただけではわかりませんでした。3センチ位の小さなトンボで胸部が緑色で腹部の先端にブルーのきれいな斑が目立つアオモンイトトンボとアジアイトトンボです。ただ、よく見るとこのブルーの斑紋がある場所が微妙に違います。

この違いは捕まえるか、写真を撮って拡大しないとよく分りません。もっとも目のいい方は分かるかもしれませんが。
 これらのイトトンボは、生まれた場所からあまり動かないようですので、生まれた場所の環境が壊れると生きられないのです。ですから、斜面林の下の水路などが大切な場所なのです。


 まだ暑い日が続くようですので、避暑から戻ってきた赤トンボのアキアカネの舞う姿はもう少し後までお預けでしょうか。
※HPには、話中に出ていたイトトンボ2種の写真を載せる予定です。
   
   
アオモンイトトンボ 腹の先端から3つ目の節が青

   
   
アジアイトトンボ  腹の先端から2つ目の節が青い

◆トンボ図鑑…文一総合出版から「日本のトンボ」という図鑑が発刊された。日本ではトンボはチョウと並び、一般にも馴染み深い昆虫である。これまでもトンボに関する図鑑はあったようですが、日本全国の種を網羅し、且つ初心者から専門家までが使えるものとして発刊されたものという。ネイチャーガイド 日本のトンボ 2012年7月10日発行 (株) 文一総合出版 5500円

2012
9. 17

◎尖閣列島をめぐる日中の対立が心配です。A新聞に米国国防長官が、この対立で武力衝突に発展する可能性について言及していると出ていました。とにかく平和的な解決策を模索して欲しいものです。

 『迷子?』
◎先日、東京湾最奥部の干潟三番瀬に行ってきました。ちょうど3連休の初日に当たっていたせいか、親子の観察会のグループやかなり専門的なグループなどが干潟でそれぞれ活動していました。
 私たちは、大人ばかりで且つ小人数でしたので三々五々、自由に干潟の砂浜や、潮溜まり、突堤下などで生きものを探しました。スナガニやヤドカリ、小さな魚(ハゼの稚魚)や小さなエビ、貝類などを探しました。

・一部の場所には、ヤドカリなど随分多く見られましたが、全体的には数年前から比較し、生き物の種類も数も激減しているように感じました。それが青潮の影響なのか、震災による干潟の沈下や津波による何かの影響なのかはわかりませんが、干潟環境が大きく変化してきているのは分かります。
およそ1時間半ほど干潟を散策して観察を終了しました。
お昼は、いつもの松林が震災によって立ち入り禁止になっていましたので、干潟と公園敷地の境のコンクリート仕切りの上に座って済ましました。
・お昼を済まし、そろそろ帰り支度を始めた時のことでした。別の観察会をしている団体の方の一人が、声をかけてきました。手に何やら入った手提げを持っていました。その方は私の知り合いでしたので話を聞いてみますと、堤防の上にうずくまっていた水鳥を保護してきたということでした。そっと開いた手提げの中には目をうっすらと開け、わずかに首を回そうとしている褐色の羽でクチバシの先が鋭くカギ型に曲がった小さなニワトリほどもある水鳥がうずくまっていました。


そっと手提げから出してもうずくまったままでした。このままでは衰弱してしまうのは目に見えています。海が荒れたのか、大風に流されたのか、詳しくは分かりませんが、何らかの理由で三番瀬にやってきたのでしょう。

・相談した結果、私と仲間で行徳の野鳥観察舎に搬送することにしました。
 野鳥観察舎の傷病鳥舎の係の人の見立てでは、種類はオオミズナギドリ。
 かなり衰弱しているが、栄養をとってしばらく保護すれば放鳥できるのではということでした。無事放鳥できることを期待して帰路につきました。

   

オオミズナギドリ…日本産のミズナギドリ類中最も大きい。全国に繁殖する島があり、海上に普通に見られるが、三番瀬のような内湾の奥部にまでやってくることは珍しい。
 全長49センチ、翼を広げると122センチ位。

2012
9. 24

 千葉県八街市にある私立高校「千葉黎明学園生徒館」が国の登録有形文化財になることになったと新聞に出ていました。
黎明学園は、大正12年(1923)3月に農業学校「八街農林学園」として開設されました。「生徒館」も同時期の建設ですので来年3月で90年が経ちます。
なお、創設者は西村繁で明治初期の下総開墾の請負人・西村郡司の孫にあたる方です。
繁は、早稲田大学を卒業後米国コロンビア大学に留学し英語、学校衛生学を学び、その後欧州を視察、帰国後学校を設立したのでした。
当時の校舎は現在ありませんが、洋風建築様式の「生徒館」が新しい教育を目指した繁の思いを伝えているように思います。

 なお黎明学園の吹奏楽部が、今年東関東大会に出場しました。実はこの学校の吹奏楽部はスクールバンドのルーツ校になっているのです。繁は開校2年目の24年にスクールバンドとしては日本初といわれる吹奏楽部を編成し、自ら指揮棒を握ったと伝えられています。

 現在の高校の会長西村清は、繁の孫となりますので、郡司からは、5代目となるようです。ただ、下総の地に欧米の知識、技術を導入し建物も欧米様式を取り入れた最新の農業学校も、昭和の右肩上がりの時代を経て校名も変え、農業学校から普通高校へと変わってきています。
 ただ、伝統の農業教育を統括した生産ビジネス科など特色のある教育はまだ続いているようです。

 蛇足ですが、私の父は当校の吹奏楽部の一期生でした。まだ学校吹奏楽部が珍しかったせいか、色々な所に出かけて行き演奏したと話していたことを覚えております。一度は皇居に呼ばれ演奏したという話でしたが、この真偽のほどは(父が亡くなっており)確かめていません。
 それから、繁ですが私の家(四街道町(市))に一度来たことを覚えております。確か昭和30年代の半ばだったと思います。


 『トンボ』
◎今回は前書きが長くなりましたので、本文は簡単にします。
9月10日版に赤トンボの話を載せました。その話題に出ていましたキアカネが避暑先から少しづつ戻ってきました。
 やっと秋風が吹き、夜も布団が必要になったこのころですが、里山のトンボの赤みが濃くなってきたように思います。

 ノシメトンボ、ナツアカネ、アキアカネ、それから顔の青白いマイコアカネ、顔に平安美人のような縦眉があるマユタテアカネなどの赤トンボが見られました。

 先日、仲間のIさんが撮影した赤トンボの写真に羽の先端に黒色斑紋が見られ、顔に縦眉斑のあるトンボが写っていました。
 トンボ図鑑で調べてみましたら、マユタテアカネのメスの黒色斑個体と分かりました。同じ種類でも異なる個体があるのですね。

   黒色斑ありのマユタテアカネ 【撮影: Iさん】
   

マユタテアカネ…顔面に明瞭な眉班があり、メスは翅端に黒色斑紋のある個体とない個体とがいる。
 全国に広く分布するが、関東地方では減少している。

2012
10. 2

◎オスプレイは、猛禽類のタカ・ミサゴをいいます。ミサゴは、餌になる水中の魚の位置を見定めるためにホバリングをする。この状態が新型輸送機に似ていることから付いたのが「オスプレイ」です。
 今日も旅鳥のように数機ずつ沖縄に旅立っています。沖縄県民にとって心配が増すばかりでしょう。

『写真パネル展【北総の自然アルバム】の案内』
◎印西ウエットランドガイドの仲間の有志による写真展です。普段から撮りためている作品の中から一部を展示しているものです。肩肘の貼らないいわば普段着のパネル展ですので是非見に来てください。

・パネル内容の一部を紹介します。チョウやガの写真、立体写真、野鳥、昆虫、野草等です。このほかおなじみのケビン・ショートさんのイラスト展示もあります。日時等は下記の通りです。
 「北総の自然アルバム」
 日時 10月1日(月)午後~14日(日)午後3時
 場所 北総花の丘公園第一展示室
 北総線千葉ニュータウン中央駅より徒歩10分
  駐車場あり
 その他 6日(土)と7日(日)には、同会場でどんぐりを使ったワークショップも行います。

◆北総…北総とは、昔の下総の国を指すそうです。大まかにいいますと現在の千葉県の北部、茨城県南西部、埼玉県南辺、東京都の東辺を指しますが、今回は単に千葉県の北部あたりの自然をテーマにしました。


   

   

2012
10. 8

◎いい役者がまた一人逝ってしまいました。独特の存在感で映画・ドラマで名脇役として活躍をしていた俳優大滝秀治さんが亡くなりました。残念の限りです。

 『どんぐりワークショップが終了しました』
◎前回お知らせを致しました県立北総花の丘公園での写真パネル展「北総の自然アルバム」の一環とし実施しました「どんぐりワークショップ」が盛況のうちに終了しました。
 皆様方には色々と協力を頂きありがとうございました。

 特に二日目は雨模様で花と緑のフェスティバルそのものにやってくる人が少なく心配しましたが、思った以上の参加がありスタッフ一同ほっと致しました。2日間でおよそ350人から400人程度が見えました。もっとも数字は、ワークショップに参加する子供たちの親御さんやパネル展を見るだけの人も含む数です。

・ワークショップは、どんぐりを使ったクッキー作りと笛作り、コマ作りの3種類がありました。ほとんどの子どもたちは2種類あるいは、3種全部体験する場合が多かったようでした。

クッキー作りは、実の大きいマテバシイをゴムハンマーで砕き、すり鉢で粉にひき、蜂蜜、長いも、塩とわずかな水を入れ練ります。耳たぶ位の硬さになった生地を好きな形に成形します。縄文人になったつもりで作っているので、お砂糖やバターなどは入れません。本来は土器や焼き石で調理するのがよいのでしょうが、それは無理ですので成形した生地をホットプレートで焼いて出来上がりです。
 一人分は大粒のどんぐり5個ですので、クッキーも直径3センチくらいのものが2枚程度しかできません。でも殻を割る所から作ったクッキーにそれぞれ皆愛着があるようで、焼き上がった小さなクッキーを大事そうに持って帰る子、その場でお母さんやお父さんと分けて大事そうに食べる子など様々な姿が見られました。


・また、どんぐり工作も盛況でした。笛作りもコマ作りもどちらも、マテバシイの実を使っています。この実は殻が大変固く作るのに苦労がありますが、しっかりしており長持ちします。
特に笛は大事に使えば何カ月も持ちます。難しい所は、スタッフや親御さんに手伝ってもらったりして、どの子も完成させていました。
 会場から帰っていく子どもたちは、笛を吹いたり、コマを大事そうに持っていたり、アツアツのクッキーを大切そうに持っていたりとどの子も満足そうな笑顔を見せておりました。この笑顔がスタッフへの何よりのプレゼントでした。、やって良かったと感じる瞬間でした。直接にまた間接的に応援していただいた皆様ご協力ありがとうございました。

   
   ワークショップの様子の写真

マテバシイ…ブナ科マテバシイ属の常緑高木。実は翌年の秋に成熟する。アクがほとんどない。生でも食べられるが炒ると美味しい。
 殻が硬く虫はまずつかないので、ワークショップに適している。公園や学校、街路樹などに植栽されている。その実は大きく「大砲どんぐり」とも呼ばれる。


2012
10. 15

◎椿の実が落ちる時期になりました。この実を使ってエコキャラクター「もったいないぞう」を作りだしてから早くも6年になります。もし、実が採れましたら届けていただけると助かります。できれば、実が割れる前のものがよいです。落ちている物でもいいですが、その場合は洗って乾かして下さい。

 『キノコがいっぱい』
◎谷津田と斜面林脇の細道を歩くと色々なキノコが生えていました。なかでも多いのがやはりテングダケの仲間です。樹林内で普通に見られるキノコで幼菌の時は蕾んだ茶色の傘に猛獣の豹のような模様があります。老菌になると傘が反り返り、つばが柄の下の方につきます。見た目にもきれいなキノコですが、イボテン酸という毒を持っていますので食べると危険です。ただ、これもテングタケの仲間で真っ赤な傘、柄が白い卵の形が見えるキノコは食用のタマゴダケです。しかし、傘が赤いベニテングダケという毒キノコもありますのでやたらに採ってはいけません。

・ノウタケは脳みそに似たキノコ、白い内は食べられるらしい。全体に大きくて傘の肉が厚いしっかりしたキノコはヤマドリダケの仲間です。中にはムラサキがかったムラサキヤマドリダケもありました。このほかにもびっくりするほど大きくバレーボールほどにもなるオニフスベ、朽木に生えるサルノコシカケ類やキクラゲ類。帰る時に見たのはツヤウチワタケでした。表は赤茶の環紋が目立ちますが裏面は真っ白で形も団扇そっくりです。

・少し歩いただけでも何種類ものキノコに巡り合えました。図鑑を見ながら調べたりするのは楽しいですが、安易に図鑑で同定して食すことはなさらないでください。ちなみに真っ白いキノコのドクツルタケやシロタマゴテングタケは、1本以上食べると死んでしまうといいます。




   

◆きのこの豆知識…きのこは花を咲かせず、胞子でふえるので、長い間、シダやコケなどと同じ隠花植物の仲間と考えられてきた。しかし、きのこには葉緑素が無く、自分で養分をつくることができないことから、現在は動物でも植物でもない「菌類」にグループ分けされている。(山渓ポケット図鑑きのこ参照)

2012
10. 22

◎紅葉前線のニュースをやっていました。千葉県の鋸山は12月まで見られるそうです。各地とも今年はやや遅れているようです。皆さんも紅葉を見にお出かけしませんか。

 『サツマイモの水栽培』
◎今朝、Sさんから千葉ニュータウン駅南側の調整池に白鳥が1羽飛来していますという連絡がありました。風邪気味でしたのでまだ確認に行っておりませんが、いつもの白鳥の群れの先駆けでしたら昨年より1か月も早い飛来となります。詳細が分かりましたら本たよりで後日お知らせしたいと思います。

・本日は我が家の台所回りの話です。今台所にイモ類が沢山段ボールや籠に入った姿で置いてあります。ジャガイモは、田舎から送ってきたものと家内とその友達で作っている菜園で収穫されたもの、サツマイモは、無農薬野菜栽培農家(農家との契約で週一度届く)のもの、それから同じくこの農家から届いた里芋も籠に山盛りです。
 長芋は、どんぐりクッキー用にスーパーで購入したものです。
それらのイモから知らぬ間に芽が出てきていました。そのうちでもサツマイモからは芽が出てすでに葉になっていました。以前にもサツマイモの水栽培をしたことがありますので、芽の沢山出ているサツマイモを水栽培で育てることにしました。栽培用の鉢はミネラルウォーターの入っていたペットボトルを船底型にカットしたものを用意して、後はイモを入れ水をイモの半分くらいまで入れてお終いです。
・今ベランダに置いてありますが、葉がおよそ60枚くらいになって、白いひげ根もいっぱい出ています。普段の手間は何もなく、水が減ったら足しておけばいいのです。


もっとも、水栽培と言っても新しいイモができるわけではありませんので、葉がきれいだけの観賞用ということです。

 サトイモもジャガイモも同じように水栽培ができます。台所で芽を出しているものがありましたらやってみませんか。
 ただし、以前同じように玉ねぎをやったことがありましたが、ずっと芽が伸びきれいだったのですがある日覗いたら球根(塊茎)が腐っており玉ねぎの強烈な臭いが立ち上り閉口したことがありました。こちらはやめておいた方がいいようです。

   

サツマイモ…ヒルガオ科の一年生作物。中南米原産で日本には17世紀前半に、中国・琉球を経て九州に伝わり普及した。異称も多く、カライモ、トウイモ、リュウキュウイモなど。漢名は、甘藷(かんしょ)。


2012
10. 25

「今冬白鳥初飛来」
◎10月22日(月)の朝、戸神調整池のそばにお住いのUさんから、白鳥飛来のニュースが入りました。

 その後、写真を送っていただき確認しましたところオオハクチョウの成鳥1羽でした。

 すでに飛来して4日経ちますので今冬の初飛来としたいと思います。

・今冬戸神調池初飛来
 2012年10月22日 オオハクチョウ 1羽

※1 昨年の飛来は、11月23日でした。
※2 飛来した白鳥の個体識別は、まだはっきりしませんが、写真を見る限りでは毎年来ているメスのオオハクチョウ、通称「ミルさん」に酷似しています。


   
   「Uさん」から送っていただいた白鳥の写真

 もし、ミルさんとしたら今季の飛来で7回目となります。
 (ミルさん 初飛来 2005年11月29日)
 今後、何か変化や追加がありましたらお知らせをします。


2012
10. 29

◎23日の暦は二十四節気の霜降(そうこう)でした。暦も、もう少しで霜月(11月)となります。皆様お風邪など引かぬようにお体ご自愛ください。

『旧本埜地区散策』
◎先日、旧本埜角田地区を歩いてきました。ここは、日医大駅からも近く、自然がまだたくさん残っている場所でした。中心部には天平年間、開祖のお寺栄福寺がありました。

・駅から栄福寺までの旧道には道ばたに庚申塔が並んでいたり、何十メートルも続く生垣に絡むカラスウリの群生など、見るものが沢山ありました。庚申塔の内、刻像塔のものには明和の文字があり庚申塔としては古い時代のものでした。石もしっかりした材質で像も美しいものでした。特に正面金剛が左手に提げているショケラと呼ばれる女人像は、着物姿がはっきりとわかり珍しいものでした。

・お寺の手前でこの地方ではあまり見られないチャンチン(香椿)の大木を観察したり、カメムシなどの昆虫を見つけながら歩きました。また、栄福寺の境内にあるカヤの大木は見事で幹周り513センチもありました。ここには、国重要文化財に指定されている室町時代の建物である薬師堂があります。また堂の脇にはびんずるさまが小さな堂の中に鎮座していました。


 広く周りを立派な樹木に囲まれ、心の落ち着くこの場所でゆっくりとした時間を楽しみ、その後山門を出て畑地から師戸川に沿って散策をしました。
 皆さんも紅葉が始まった里山を満喫しませんか。
※写真下は、散策途中の樹木の根元で見つけた昆虫・コガネムシ科のコカブトムシ。カブトムシに近隣の種類であまり数は多くないようです。
   

コカブトムシ…雄の頭部に1本の小さな角を持つ。カブトムシに近縁の種。20~24ミリ。昆虫の死骸などを好んで食べるが、動物の糞にいることもある。

2012
11. 4

◎急に寒くなりました。街路樹のケヤキやユリノキの葉が落ち団地の清掃をしてる方が忙しそうに片づけていました。昔は落葉焚きの煙があちこちで上がってたのが懐かしいです。

 『白鳥の家族がそろいました?』
◎10月22日に戸神調整池にやってきた1羽のオオハクチョウは、写真を見る限り7年目になるメスの「ミルさん」のようでした。となると、連れ合いの「ギザさん」がいつ、やってくるかと待っておりました。11月2日の朝、3羽がやってきており4羽になっていたと池のすぐそばにお住まいのUさんが連絡をくれました。幼鳥が1羽交っているということでした。

・出かけていましたので、11月4日の午後500ミリの望遠レンズ付きカメラを担いで観察に行ってきました。橋の上からカメラを担いで白鳥探しです。最初、2羽しか見られませんでしたが、しばらく待っていましたら、思った通りひょっこりと食事場(マコモの藪)から出てきました。幼鳥を含めて確かに4羽確認ができました。さっそく撮影をし、家のPCで個体識別をしました。距離が思ったより遠く、光線も逆光気味で正確な判断は難しいですが、おおよそ次のようだと判断をしました。

・種は、カモ科ハクチョウ属オオハクチョウ。1羽は、ミルさん(飛来7年目の雌)。1羽は、ギザさん(飛来4年目の雄・ミルのつがい相手)。他の1羽は、ギザによく似た個体(子どもの可能性がある。2歳か3歳か?)そして、最後は、幼鳥(ミルとギザの子?)でした。以上の4羽だと思います。
 ただし、私はハクチョウの鑑定の専門家ではありませんので、あくまでも推測の域を出ておりませんことを了解ください。個体の見分けは、クチバシの黄色い部分の形を基にしています。

・昨年は、10羽を超える数の白鳥が、ここ戸神調整池にやってきましたので、まだ増える可能性があります。また、何か変化がありましたら、お知らせいたします。
 なお、この飛来地は他の場所と違い、一切餌を与えておりません。よって、オオハクチョウの自然採餌の越冬飛来地としては南限の一つであり、非常に貴重な場所といえます。



 見学は大橋の上からが良いでしょう。ここは、歩道も広く、橋から水面まで10メートル位もあり(そうで)、水鳥たちにストレスを与えずにゆっくり見ることができます。

   
    
ミルさん

   
    ギザさん

オオハクチョウ…カモ科ハクチョウ属の大型の水鳥、全長140センチ。体重は10キロに達する。冬鳥として主に日本海側に渡来し、湖沼や内湾、広い河川や河口にいる。つがいと若鳥の家族群で行動する。逆立ちの姿勢で水中に首をのばし、マコモなど水草の茎や根を食べる。


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