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2011
3. 7

◎今日は雪、3月の雪は珍しいです。朝の道路の凍結には皆さん十分に気をつけて下さい。

  「虫が這い出る頃」
◎昨日3月6日は「啓蟄(けいちつ)」でした。暦の二十四節気の一つで、「雨水(うすい)」の後15日目に当たります。啓は「土中で冬ごもりしている虫」の意味で、文字通り地中で冬ごもりしていた虫が春の到来を感じ、草木が芽吹くと同時に地上へ這い出してくるという意味です。(webに載っていた記事を基にさせていただきました)

・6日の天声人語に高浜虚子の「穴を出る 蛇を見ている 鴉(からす)かな」という句が載っていました。意味は句の言葉のままという事でしたが、まさに虫や蛇が這い出る「啓蟄」の頃の様を表している句だと思いました。

・先日千葉市の青葉の森公園にある博物館に行った際、満開に咲く梅林を歩きました。休日でお天気も良くカメラを片手に持ち散策する方が多く見られました。白梅も紅梅も青い空に映えていました。中には同じ枝から白梅と紅梅が咲いていたりと変化もあり、のんびりと散策することができました。リラックス効果も抜群みたいでした。


戸神調整池白鳥情報…2羽・6羽・0羽等と不安定。
 この雪の後あたりが旅立ちになるのでしょうか。
 今週動きがありそうです。


梅の花を撮影して戻る途中、満開の桜の木がありました。花色が濃く早咲きのカワヅザクラでした。家族連れやアベックが花の下でしきりにシャッターを押していました。私も写真を撮ろうと近づきましたら、ブーンと何かが花に止まりました。カメラのズームを使い撮影し、拡大して確認したところミツバチでした。必死に採餌をしている姿が写っていました。やはり「啓蟄」ですね。
しかし、今日の雪でまた虫たちは穴や葉陰に潜ってしまったのでしょうね。

    カワヅザクラの花にやってきたミツバチ
   

セイヨウミツバチ…ミツバチ科。1886年に、採蜜のためヨーロッパから輸入されたハチ。ニホンミツバチは全体に黒っぽい。

2011
3. 14

◎先週金曜日2011年3月11日(金)14時56分に発生した東日本大震災の余震が続いています。
 また余震による災害が新たに起こっています。
 さらに福島第一原発の(炉心溶融)事故が報道されています。
 すでに1号機と3号機は水素爆発を起こし建屋が吹き飛んでしまっています。今現在は2号機の炉心溶融を何とか防ごうと必死です。

 TVの画面から目を離せなくなってしまいました。
 時々、ぐらぐらという余震があり、TV画面でも緊急地震速報画面が出ます。そのたびごとに玄関ドアを開け、玄関前に退避している状態です。

 『地獄絵そのままです』
◎被災地のコンビニとかスーパーは店舗の損壊で品不足が深刻な状況とのことですが、品不足はここ千葉ニュータウン地区でもあります。
近くの大手のスーパーは人人人の波でした。商品棚には購入しようと思っていたものはほとんどなく、とりあえずの食糧を購入しました。
レジも3~40分位並びました。欲しかった電池やインキ、コピー用紙を購入しようと思いましたが、なんと上階に上がるエスカレータは通行止めでした。上階は商品への被害が大きく復旧に日にちがかかるとのことで休業でした。

・「数日前の地震がなにか絵空事のような不思議な感じがする」と友人のメールに書いてありましたが、余りにも悲惨な地獄絵のような映像に私も現実かどうか混濁してしまう感じがしております。今でもコンクリートのきしみ音が耳に残っております。まさにトラウマですね。


☆戸神調整池白鳥…地震のため時間と気持ちにゆとりなく池には行っておりませんが、3月5日に6羽いたというのが私のつかんでいる最後の情報です。


・今回は自然の便りは脇に置いて、今まだ現実に起こっている災害の様子を記してみました。
 皆様方の中にも家具が倒れたり、食器が割れたり、家屋が被災した方もおられるのではありませんか。今日もある方のメールによるとおじさんご夫妻の家屋が全壊したとのことでした。
 多くの亡くなられた方々の冥福をお祈り申し上げます。そして行方不明になられた方々の一刻も早い救助を祈念いたします。
 また現地で被災された方々、こちらで被災された方々、お知り合いや御親戚の方が被災された方々など色々なケースがあると思います。
それらの方々に心からお見舞い申し上げます。
   
 写真下は、友人のメールに添付されていました可憐な野草、ホタルカズラの花。まだ花期には早いようですが、日だまりで咲いてしまったのでしょうか。話題が深刻なのでせめて写真は可憐な野の花を添付します。なお、写真提供のSさんありがとうございました。


   

ホタルカズラ…ムラサキ科ホタルカズラ、高さは15~20センチ。花は青紫色で直径1.5センチほど。花期は4~5月。

2011
3. 22

◎3月22日現在で被災者数、死亡8,928人 安否不明18,335人。避難者は16都道で31万人。史上最大の被害を出している東北関東大震災の被害はまだまだ増え続けています。
 今日は朝から野菜の放射能異常数値、海水の放射能異常数値について報道がされています。そして報道の終わり部分では必ずというように官房長官か大学教授の「現在直ちに健康をそこなう値ではありません」の言葉で締めくくられております。この言葉って
今信じている人は少ないのではないかと思いながら聞いています。

 『野鳥はこの被害を知ってか知らずかのんびりと餌を探す』
◎iさんからのメールでは、地震の前にキジが騒がしく鳴くのを聞いた人がいたそうです。また銚子港でカモメの調査をしていた野鳥の会の志部長は、実際に津波を間近かに見てその凄さを会報(原稿)に載せていました。津波の波の上をカモメが騒がしく飛び回っていたといいます。きっと野生の動物にはこれらの天変地異に対する感覚が発達しているのでしょう。皆さんも何か聞いたり感じたりしたことがあるのではないでしょうか。

・私は特に何もありませんでしたが、連発する余震の中で揺れに対して敏感になりました。というより揺れていないのに揺れを感じてしまいます。聞いてみましたら同じような人はいくらもいました。どうも地震酔いというのだそうです。今キーボードを打っている時もすでに3,4度揺れ、玄関の外(6階)まで避難しました。 大地震のあった日から4,5日は同じ階の人が必ずというほど玄関を空けて通路に出ていましたが、今日11日目ともなるとちょっとした地震(震度3か4)位では飛び出してこないようです。これって地震平気症(?)ですね。危ない症状です。みなさんは如何ですか。私は寝ているベットの下に運動靴と軍手を置いて、玄関には避難グッズを入れたリュックとザックを置いてあります。夜の避難も考えて大きめのライトも用意してあります(新しい電池が買えずに少し暗いのですが使えます)。


・先日出かけた際に某公園の植え込みの下にイカル(野鳥)の姿を見ました。たった1羽でしたが誰もいじめないのか、警戒心もなくのんびりと何かの種を食べていました。目の部分の周りが黒く目の表情が見づらいのですが、ゆったりと餌探しをしているように思われました。連日の地震におびえる私たちに比べ、のんびりとしたその姿はうらやましく思えました。しかし野鳥達にとっても私たち同様に放射能をはじめ色々な影響があると思います。一日でも早く地震も原発も落ち着くことを祈るだけです。

   
   ※この時のイカルの写真です。

イカル…アトリ科の鳥。太くて黄色いくちばし。光沢がある黒色の頭上。全長23センチ。漢字では斑鳩と書く。平地から山地にすむ。奈良県の斑鳩は本種にちなむ地名。

≪地震に関する情報≫
◎被害の状況でも聞いた話でも何でもいいですので情報をお寄せ下さい。きっとどなたも同じような不安や疑問などあるのではないでしょうか。

2011
3. 29

◎若干余震の数が減ってきたようですが、まだまだ震度5~6の大きい余震がくる可能性があるといいます。
 家の食器棚もサイドボードも段ボールを扉内に入れロープで止めてあります。よって中の食器などをとりだす時は大変です。いつになったらロープをはずせるのでしょうか。

 『災害は全て想定外だと考えてよい』
◎家にいるとやはり気になってTVにかじりついています。
 といっても今はほとんどのチャンネルが平常の番組となっていて、災害関係の番組は限られています。
 しかしニュースの時間にはどの番組もほぼ一緒です。
 死者行方不明の数はどんどん増していて最終的には何万人になるのかわかりません。映像を見るたびに胸が痛みます。
 また、ニュースの第一報に報道するのはやはり原発事故です。こちらは天災ではなく人災そのものです。人々の現代生活を維持するために人が考え実施しているものです。
 安全であったはずの野菜も水も空気もいつの間にかベクレル数を気にしなければならなくなってしまいました。何とか事故を終わらせて欲しいと切に願うばかりです。
 私の活動主体はアウトドアですのでまさにお手上げとなってしまいます。

・私の属しているf市にある自然に親しむ会の発行している4月の会報に三番瀬(ふなばし三番瀬海浜公園)の地震後の様子の写真と記事が出ておりましたので会にお断りして右欄に掲載させて頂きます。

・私はまだ地震後の三番瀬干潟を見ておりませんが、文及び写真から想像するだけでトラウマになりそうな気がします。
 まさに地震も原発も想定外の事故です。何とか解決できることを願う次第です。
 皆さんからの地震や原発等にかかわる情報をお待ちしております。

◆東北関東大震災(東北地方太平洋沖地震)…
 2011年3月11日14時46分ごろ発生。太平洋三陸沖を震源とし、深さ約24キロ、震源域は岩手県沖から茨木県沖まで南北約500キロ、東西約200キロに及ぶ。震度7、マグニチュード9、千葉県印西市・成田市でも震度6弱を記録しました。(ウキぺディアより)
地震による大津波と福島原発事故は現在非常に深刻な状況です。


         (記)
 3月11日の揺れは経験したことのない激しいものであった。
大きいとは思ったがまさかマグニチュード9とは考えもしなかった。テレビ画面上を大津波がすべてを破壊しながら進んでゆくさまが、リアルタイムで進行しているとは到底信じられない、まさにトラウマとして自分の中に残りそうだ。
・写真はふなばし海浜公園の松林、夏の観察会の後で弁当を食べる場所です。海浜公園は流動的による砂の噴出、地割れなどが起こり、使えなくなってしまった。今年の潮干狩りは中止だそうだ。
 ここから海を挟んですぐ近くの浦安の町も水道や道路の被害が大きい。埋立地の宿命なのだろうか。
 東京湾奥の千葉沖でも1メートル程度の海面の変化があった。江戸時代にあったという市川塩浜の津波被害というのが現実味をもってくる。もちろん東北地方の被害に比べれば軽微だが、自分の近くでもこんなことが起きているのですね。 
(文 親しむ会代表 H氏)

   

2011
4. 3

◎3・11東日本大震災から3週間が経ちました。被災者数は4月2日現在で死者11,938人、安否不明者18,085人となっております。
 数字はまだまだ増えていくのは確実です。なお、原発事故の避難指示地での捜索は高濃度の放射能により進んでいないようです。お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表します。合掌!

 『地震酔い、皆さんはいかがですか』
◎連日の余震に体が変になりました。昨日も大きな余震があり、今日も床から突き上げるような地震を感じました。
 TVでもやっておりましたが、揺れてもいないのに揺れを感じてしまうのが「地震酔い」という症状だそうです。船からおりても地面が揺れている感じがするのと同じだといいます。ひどい人はめまいや嘔吐をともなう場合もあるようです。
 大きな地震が続くと多くの人がなってしまうといいます。私はTVがついていない時、本物の地震か地震酔いか分からないことがあるので、テーブルの上にある照明にキノコの形のマスコット人形をつけ揺れを目で見えるようにしています。(地震酔いについては3/22のたよりにも載せました)

・昨日、3/28の谷津田だよりに載せました三番瀬干潟の地割れを現地で見て参りました。バスを降りたとたん、ものすごい埃を感じました。
 また足元は車道と歩道の段差の部分の縁石がくずれ揺れの凄まじさを再認識いたしました。そして海浜公園の敷地内や砂浜の松林の地割れに驚き、砂浜のあちこちに見られる液状化現象の痕(直径30~80センチくらいの火山の噴火口に見えます)に被害の大きさを感じました。
・バス停に戻る途中、ふと気がつくと公園内の道路がいつもと違う感じがしました。道路には津波で運ばれたか、液状化で溜まったものかはっきりしませんが、かなりの厚さの砂が一面に溜まっているのでした。またレストランの階段は大きくヒビが入り、当分の間閉所するのは間違いはないと思います。聞くところによると今年の潮干狩りは中止だそうです。これも現状をみると当たり前のことです。
・一日でも早く、地震の被災地の方々が少しでも落ち着いて暮らせること、そして何よりも深刻化していく福島原発事故が治まることを願う次第です。



※今回は、地震後の三番瀬の様子を貼ろうと思ったのですがやめまして、今回は姿が美しく顔を見ていると心が癒やされる仏像の写真を貼らせて頂きます。

   
 菩薩半跏像…

  木造 彩色 截金(きりがね)像高69.1
  鎌倉時代(12~13世紀)文化庁


液状化…砂の地盤が地震の衝撃で流れやすくなる現象。
 砂の粒間結合が破られて、砂全体が液体のようにふるまうと考えられる。 地震動が大きいと液状化のため建物が被害を受け、砂が地上へ噴出し噴砂となる。特に埋立地などで見られる。(広辞苑)

2011
4. 11

◎今日4月11日で大震災から1ヶ月となりました。午後2時46分三陸沖を震源とするマグニチュード8・8(その後9・0に訂正)の地震。そして、地震発生後にやってきた大津波による未曽有の被害が日本列島を襲ったのでした。
 その地震と津波は、東京電力管内の稼働中原発の中で一番古い福島原発をも襲い、深刻な放射能漏れを起こし現在に至っております。
 未だに余震が頻発し、原発事故の終結の見通しも全く見えないという不安が続いております。地震の翌日の新聞では60人と掲載されていました死者数はすでに13,013人になり、行方不明者数は14,608人となっています。この数もまだまだ増えると思われます。
 お亡くなりになられた方々に心からご冥福を祈るとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。

『崩れた文化財』
◎国指定の木下貝層は、今から約10万年前ほど前の海の底に積もった貝が化石化したものです。貝化石岩とは、これらの貝殻を含んで団結した貝化石層で石材の乏しい北総地区で昔から石材の代わりに利用されてきたものです。

・木下駅から利根川土手へ出て土手に沿って歩いてみました。土手下の道を歩いていましたら地割れの痕が見られました。幅は5ミリ程度ですが1本が50メートルもあり、何本も見られました。
その後、木下河岸の跡地を通り、旧河岸問屋のY家に向かいました。
土蔵はただ今修復中(地震とは別)でした。庭にある貝化石岩で作られている大きな雪見灯籠が地震の被害にあっていないか心配でしたが、ずっしりと安定した姿を見せており安心いたしました。しかし、Y家の表門前を通り過ぎようとして地震の凄さを改めて感じさせられました。それは、Y家の門柱の両脇のブロック塀は、この貝化石岩のブロックを積んで作ってあったのですが、左側のブロック塀が倒壊していました。右側も亀裂が入り大きく内側に傾いておりました。一つのブロックが普通に見られるコンクリートブロック5、6個分もあるがっしりとした塀が崩れていたのです。近くの民家でも、貝化石岩を塀や土台、灯籠などに利用しているものは見られますが、これほど大きく立派なものは見たことがありません。立派な文化財だと私はいつも思っていましたので、ショックと地震の恐ろしさを感じた次第です。


その後、木下貝層の指定地を訪れてみました。指定地の崖は崖を覆いかぶさっていた小木などが根こそぎ崩れていましたが全体的には大きな被害はないように見えました。

◆5月7日(土)にこのコースを歩く利根川土手散策会を行います。

◆ 本文中に出てきた貝化石岩のブロック塀の写真
   

   

木下層…旧千葉県立印旛高校入り口の露頭地を含む木下公園一帯が、平成14年3月19日、国の天然記念物の指定地になりました。(冊子木下貝層 印西市発行参照)

2011
4. 17
 

◎福島原発の深刻さは、国際評価尺度で「レベル7」。「ついに」、又は「やっぱり」と思う人は多いでしょう。
気候変動やエネルギーについて国をあげて真剣に考える時ですね。

 『菜の花の黄色とヤマザクラのピンクが青い空に映える』
◎3・4月の散策会は全て中止しました。これに連動して、先週の週末にWさんのお誘いで計画していました印旛吉高地区に咲く大桜の見学会も中止していました。この大桜はヤマザクラですので、ソメイヨシノが散り始める頃が見ごろになると聞きました。一度も行ったことがなく場所を確認することもあったので土曜日に一人で出かけて行きました。

・行きは松虫寺方面から歩いて行ったので数人にすれ違っただけでしたが、国道を渡るころからほとんど行列に近い人波にびっくりしました。ここからは地図を見る必要もなく人の流れに乗っていれば大桜までたどり着けました。途中、茶店や野菜売りのハウスなどたくさん出ていました。
・桜は畑の中にどんと聳えて立っていました。根回り6.5メートル、樹高11.7メートル、枝の張出しは27メートルもあるそうで周りに植えられている菜の花の黄色に山のように盛り上がったピンクの桜花の対比がとても綺麗でした。

 シャッターを押すのをしばし忘れ見とれてしまいました。
大桜は民有地内の樹木だそうですが、一般に開放しているのです。 まだ1週間位は花が見られると思います。

・大桜のある畑の脇に墓地がありました。帰り道ふと墓地を見ると墓石がことごとく倒れていました。
3月11日の地震の被害だそうです。それに道路から見える民家のかわら屋根もブルーシートが貼ってあったり、土のうが乗っていたりと地震の被害が沢山見られました。そういえば行きに道路脇のお地蔵様を見ていた時お地蔵さまの首がガタガタ動いていました。16日の昼少し前に発生した茨城南部「震度5」の地震でした。おそらく廃仏毀釈で仏像が破壊された時に首を壊されて後日に乗せられた首だったのでしょうが、世の中の様々なことを背負っているみたいに、接いである首が震えていました。

吉高の大桜…旧印旛村指定天然記念物。ヤマザクラで樹齢300年以上、所有者 須藤家(屋号 文左衛門)。根元の周りには菜の花やハナダイコンがびっしりと植えられていました。
【交通】 旧印旛村中央公園から徒歩30分。又は印旛日医大駅から徒歩も可。


 

 
2011
4. 25

◎今日4月25日は「拾得物の日」だそうです。1980(昭和55)年、東京銀座で大貫久雄さんが現金1億円を拾いました。持主は現れず、1億円は全額大貫さんの手に渡りました。しかし、6ヶ月の保管期間を過ぎてから入ったものの、税金でかなりの額を取られてしまったという事です。今回の震災の義捐金は日本赤十字と中央共同募金会に集約された分だけでも170億円を超えたそうです。しかし、被災者に渡るまでにはややこしい手続きなどがあり時間が沢山かかるようです。それでもやっと一次分として死亡・行方不明・住宅全壊はそれぞれ35万円ときまったようです。大貫さんの例とは全く異なることで、比べるものではありませんが、被災者の方に素早くもっと厚い義捐金支援が行われることを願うばかりです。

 『耳の張出しが特徴!』
◎連日の余震と原発事故情報に神経がピリピリしているのは皆さんも同じことと思います。気晴らしの面もあり、新緑を求めて高尾山に行ってきました。
・朝は小雨が降っていましたが、お天気も回復し散策日和となりました。平日でしたが小学生の遠足の集団、会社の新入社員と思われるグループなども多く山頂付近は人でごった返しでした。

・双眼鏡で木々の間を覗くも野鳥の姿は少なかったのですが、それでもアカゲラ、ヤマガラ、ヒガラ(?)、シジュウカラなどの声や姿が見られました。
 ケーブルカー駅から歩いて20分ほどで着く薬王院は奈良時代、聖武天皇の勅命を得た行基菩薩が開山されたといわれています。
 殺生禁断を教義にうたっている寺ですので山の豊かな自然が見られました。
 特に植物は豊富で今の時期は、ニリンソウ、ミヤマキケマン、ネコノメソウ、シュンラン、スミレ、シャガ、セントウソウ等が散策路の脇に見られました。これらのほかには、サトイモ科のミミガタテンナンショウが沢山見られました。印西の里山にあるウラシマソウやマムシグサに近い種類ですが、花(仏炎苞)のへりが耳のように張出しているのが特徴です。

・帰りはケーブルに乗らず歩いて下りました。途中数人のグループが白い小さな花を持つ草丈30センチくらいの植物をしきりに撮影していました。草名が分らなかったのでお聞きしたら「ツルカノコソウ」との返事がありました。オミナエシ科ツルカノコソウで、名は花のあとが蔓のようにのびることから付いたようです。


・コナラやケヤキ、アカシデなどの生える森の中をゆったりと歩いているとフトンチッドを沢山浴びて森林浴を楽しめ、元気が出てきた気がしました。もっとも帰宅したら、またぐらぐらと大きな余震に見舞われました。
  ※写真下は、高尾山で撮影した野草2種
   
   ・ミミガタテンナンショウ
     花の両脇が耳たぶのように見える

   
   ・ツルカノコソウ 
     白い小さな花を持つ目立たない野草です

ミミガタテンナンショウ…サトイモ科テンナンショウ属の多年草。マムシグサに似ているが、仏炎苞の口辺部が耳たぶのように張出している。花の大きさ10~15センチ。茎の高さ30~80センチ。

2011
5. 9

◎チェルノブイリに通って映画を作った監督の本橋成一さんが「人は今こそ謙虚にならないといけない。少しずつ暮らしの『引き算』をするときがきたんじゃないか」。消尽の時代から未来に、我々は何を手渡す。(2011.4.30 朝日天声人語)

 『花が咲き、鳥が鳴く』
◎八ヶ岳の麓では今一斉に花が咲いています。サクラも梅も桃も、そしてタンポポにスミレ、アブラナも花を咲かしています。例年よりは少し遅れているようですが、これらの色どりが木々の新芽のみずみずしい緑とマッチして皐月の空に映え渡って見えます。

・標高1200メートルを超えると、まだ桜のつぼみは固くコブシがほんの少しほころんでいる程度です。
 ふと耳を澄ますと落葉松の梢から、小鳥の声がしきりに聞こえてきました。シジュウカラに近い種のヒガラのさえずりでした。突然フィーフィーフイと大きなさえずりの声がしました。これは、ゴジュウカラです。ジャー、ジャーと森の中で鳴いているのはカケス、時々キョキョと鳴いているのはキツツキの仲間のアカゲラの声、大きな声のアオゲラの声も混じります。遊歩道を歩いていると目の前の低木の枝に腹が白で頭から背中が鮮やかなブルーが目立つオオルリの姿がありました。
 藪の中には、ウグイスやアオジの姿が垣間見られました。上空の青い空には、トビやミサゴなどの猛禽の姿も見られます。おまけに夕暮れが迫ってくるとゴロスケホースイという声、フクロウの鳴き声も聞こえました。久し振りの山麓の散策は地震や原発事故で疲れた気持ちをずいぶん癒やしてくれました。
・特に地上近くの低木の枝に何度もやってくる黒と鮮やかなオレンジがかった黄色のツートンカラーが美しいキビタキの姿は目に焼きついています。今の時期、キビタキの雄同士の縄張り争いやペアの飛翔がじっくりとみられる時です。


・レーチェル・カーソンの「沈黙の春」では、ある日突然鳥も鳴かず、虫も飛ばずの朝が訪れたとあります。木々の緑に草たちの白や黄色やピンクの花たちとその花に群がる虫たち、そして鳥たちの姿がずっとずっと続いていけることを切に願う次第です。虫たちも鳥たちも花や木たちも皆、人と同じように生きる権利は同じにあります。消費の時代を真剣に考える時期が来ているのではありませんか
。暮らしの「引き算」を考えたいものです。

   
   黒と黄色の対比が美しい小鳥キビ

キビタキ…ヒタキ科の小鳥。黒色の上面と黄色の下面が美しい。
ホイヒーロ、オーシツクツクなどと変化に富んだ声で鳴き3鳴鳥の一つにも数えられる。
 夏鳥として渡来。渡りの時期には市街地の公園などでも見られることがある。


2011
5. 15

◎先日私の居住している地区の夏祭り実行委員会がありました。今年、事務局担当の町会役員から震災後の祭り実施についての意見を求める発言がありました。概ね自粛はせずに例年どおりにするという意見で決着しました。
 今夏の祭りに関しては、東京都にある高島平など幾つかの団地が「中止」を決めたという情報もあり、複雑な想いを含んだイベントになりそうですが、皆さんの所は如何でしょうか。

 『美しいが、ちとヤバイ!』
◎今、雑草の花がきれいです。雑草という種の植物はないと以前植物観察会で聞いたことがあります。クリーンデーの際にはタンポポもスミレも何もかも雑草になり、抜きさられてしまいます。が、一つずつよく眺めてみますと個々にそれぞれの味わいがあり、美しさがあります。
 目立つものを挙げてみますと、タンポポ、ハルシオン、オニノノゲシ、タチツボスミレ、ブタナ、そしてシロツメグサなどでしょうか。
 もっと近づいてみますと小さな花を持つキュウリグサやハコベ、コメツブツメクサなども見つかります。ちょっと探しただけでも数十種類になります。どの花も花壇に咲く花に決して負けてはいないと思います。

・最近目立って増えている雑草に、ナガミヒナゲシというケシ科の花があります。果実が長いことから名のついたこの種は、地中海原産で日本に移入したものが野生化したものです。この種はヒナゲシの名の通りきれいで可愛い花ですので、皆抜かないのか路傍にだんだん増えています。
 先日、散策をしていましたら、ナガミヒナゲシより二回りも大きな赤紫色の花が道路下に咲いていました。丈もずいぶん高く7、80センチほどもありました。
 この種はやはりケシ科のアツミゲシといいます。ただ、こちらはナガミヒナゲシと違って、果実にモルヒネを含むため、麻薬取締法の対象種です。しかし、このアツミゲシは里地を歩いていると案外あちこちで見ることがあります。花がきれいなため栽培されていたり、野生化したものが見られるのです。道路脇に見られたこの種は1本だけでしたので野生化しているもののようでした。


 先日、散策をしていましたら、ナガミヒナゲシより二回りも大きな赤紫色の花が道路下に咲いていました。丈もずいぶん高く7、80センチほどもありました。この種はやはりケシ科のアツミゲシといいます。ただ、こちらはナガミヒナゲシと違って、果実にモルヒネを含むため、麻薬取締法の対象種です。しかし、このアツミゲシは里地を歩いていると案外あちこちで見ることがあります。花がきれいなため栽培されていたり、野生化したものが見られるのです。道路脇に見られたこの種は1本だけでしたので野生化しているもののようでした。
              アツミゲシ 
   


アツミゲシ…ケシ科、北アフリカ原産で世界各地に帰化している越年生草本。高さ80センチほど、直径6センチくらいの赤紫の花をつける。本州から九州まで荒れ地に散発的に発生する。ケシほどではないが未熟果実にモルヒネを含むため麻薬取締の対象種に指定されている。


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