-ページ〔50〕-    谷津田だよりのトップに戻る  
2010
8. 23

◎「炎暑延々(えんしょえんえん)」今朝の新聞1面トップの見出しです。今日8月23日は暦の上では「処暑」、暑さが収まるころとの意味ですが、実際にはこの見出しの様にまだまだですね。お互い体には十分気をつけましょう。

 『ナガサキアゲハ羽化』
◎昨日は草深の森(印西市)で昆虫観察をしました。雑木林の中を散策しましたが、カブトなどの甲虫は少なく、数匹のノコギリクワガタ、カミキリ、コガネムシの一種が見られたくらいでした。
 でも子どもたちの目は確かです。木の根元を動くトカゲやカナヘビ、草の中を跳びはねるアカガエルなど次々に発見していました。
 やぶの中を駆け回る子に引きずられるようについて行くお母さんがあれば、逆に子どもをひっぱりまわす若いお父さんの姿も見られました。
 森の中の散策は1時間ちょっとでしたが、タマムシやナガサキアゲハの姿も見られ、参加者はそれぞれ充実していたようでした。

・先週(8月19日)、我が家でナガサキアゲハが羽化しました。先月(7月19日)、船橋市のN氏が自宅のミカンの木についていたナガサキアゲハの幼虫を1匹持ってきてくれたものがひと月たって羽化したのです。
 早朝羽化したと思われます。朝起きて容器を覗いてみましたらすでに羽を開いておりました。
 容器の底には羽化の時排出したと思われる水滴が見られました。
 しばらく見ておりましたが、出かける用があり、そっと網戸に止まらせて出かけました。勿論帰宅時には姿はありませんでしたので、元気に飛び立ったことと思います。

ナガサキアゲハ…アゲハチョウ科の蝶。日本産の黒いアゲハで尻尾(尾状突起)がない。本来南方系の蝶で最近温暖化によって北上中とされる種でこの2,3年印西でも普通に見られるようになった蝶。
 食草はミカン科の樹木。大型で飛翔は早く目で追うのがやっとです。雌の翅は黒に白赤が目立ち派手です。我が家から巣立ったのは雌でした。


   
   
   

2010
8. 29

◎朝日新聞連載の漫画”ののちゃん”は、この数日夏休みの宿題がテーマになっています。8月もあと2日を残すだけとなりました。子供たちの宿題の残りは如何でしょうか。ののちゃんのように慌てている子はいませんか。もっとも最近は宿題の量も減っているといいますが。

 『夏の思い出のひとつに』
◎ののちゃんも夏休みに色々な経験をしたのかと思いますが、子どもたちにとってはゲームやTVの世界でなく実際に何かを体験することが大切かと思います。
 田舎に行ったり、公園でセミをとったり、親戚の人と花火をしたり・・・、何でもよいと思います。きっと小さな事でも心に残ることはあるのではないでしょうか。

・私の住んでいる千葉NT地区では、毎年夏祭りが行われております。今回で26回目になりますが、各自治会町会が実行委員会を組んで行うかなり大がかりなものです。
 私は自治会の役員として今年もお祭りに関わりました。当日の役は子供みこしと山車の交通整理に夜店の焼き鳥の焼き係をしました。
 みこしと山車は、本当に暑い中約1時間にわたってパレードをしました。
 途中休み休みのパレードでしたが、終了後の子どもたちの汗びっしょりの満足顔を見たらこちらの疲れも忘れてしまいました。
 夕方からは焼き鳥の焼きと販売をお手伝いしました。
 夜店にはオモチャや駄菓子販売もあり、やってくる子どもたちの笑顔が沢山見られました。
 準備にもかなり時間を取られましたが、子供たちの思い出作りに少しは役に立てたのかと思いました。


   

   

山車…ダシは「出し物」の意で、神の依代(よりしろ)として突き出した飾りに由来するといいます。ただ、今は宗教的なものはなくイベントの一つとしてやっているお祭りの行事です。

2010
9. 5

◎PC(パソコン)ボランティア団体に属して6年が経ちました。PCはあまり得意でない私ですが、初心者向け講座のお手伝いなどさせていただき結構充実感はあります。
 続いている理由の一つに、PC団体なのですが、自然の好きな方が多いことです。一緒に川の生き物探険をしてくれるAさん、散歩しながら自然を見つけているBさん、中には家でウズラを飼っているというCさん、代表のDさんはネコ好きなど自然や生き物に関する話題はつきません。
 もうひとつの理由は、自然の活動をする私にとってIT技術に助けられていることが多々ある事でしょう。よってPCは得意ではないのですが、今しばらくお手伝いをさせていただきたいと思っています。

 『外国からやってきた生き物たちも自然の仲間では!』
◎アライグマやセアカゴケグモが騒がれてからもう何年も経ちます。印西では今特定外来生物法に指定されているアライグマやカミツキガメが見つかり駆除作業が行われております。
・人間の活動によって外国から入ってきた生物や、ペットとして持ち込まれたものが野生化したりとルートは様々ですが、現在日本では2000種程度が確認されているといます。
 魚類ではオオクチバス(ブラックバス)やブルーギル、鳥ではガビチョウやソウシチョウなどがそうです。これらの動物は在来の生物を駆逐したり、生態系を変えてしまう恐れがあるため拡大防止や駆除対象になっております。

・また、外来生物に指定はされていないが、このまま放置すると在来種に影響を与えてしまう種も多くあります。例えば最近増えている蝶アカボシゴマダラは中国から持ち込まれた美しい蝶が野生化したのですが、在来のゴマダラチョウなどに影響を与えるといわれています。コブハクチョウなどもやはり注意していかなければならない種でしょう。


 このほか夜に街路樹の枝先の葉に止まり「リーリー」と鳴いている秋の虫アオマツムシや温暖化で増えたとされているナガサキアゲハなども注意していかなければならない種でしょう。

・しかしこれらの動植物は皆人為的な事から移入したのです。皆さんのよく知っているモンシロチョウも昔々中国からダイコンとともに入ってきたといいます。
 カミツキガメや毒グモは困りますが在来種と共存して仲良くできればと思うのですが無理でしょうか?

   ※下の写真は、アカボシゴマダラ。
   

アカボシゴマダラ…タテハチョウ科の蝶。斑紋は在来のゴマダラチョウに似るが、後翅の外縁に赤い斑紋がある。
 中国から昆虫マニアが放蝶した可能性が高い。要注意外来生物に指定。


2010
9. 13

◎先日鎌ヶ谷市の公園を歩いていましたら、大型のドングリ通称「大砲どんぐり」の名のあるマテバシイの実が落ちていました。さっそく仲間にも頼んで小さなレジ袋に一杯拾ってきました。秋になると私にとってはドングリのワークショップが始まり忙しくなります。いつもの便りです。

 『三番瀬干潟はいつもわくわく、どきどき!』
◎昨日は今期最後の公募による三番瀬干潟散策会でした。今回のテーマ「ヤドカリさんこんにちは」に惹かれたのか参加者はほとんどが小さな子どもたちとその家族でした。幼稚園の年中さんから小学校低学年位が中心でしたが、乳母車参加の家族もいました。
 ・当日は潮目があまり良くなく、(午後1時頃が干潮)潮位もあまり低くなりません。10時ごろから干潟に出て底生生物などを中心に観察を始めました。前半はやはり砂浜がほとんど出ず、カニやヤドカリの姿も少なかったです。しかし足元の海水の水位がどんどん低くなるのがとても興味深かったです。10分ほど前に足首まであった水が5分後には2、3センチの深さ、そしてついに砂浜が現れる。なにか不思議な感じがしました。そして、カニやゴカイ、貝の穴などがどんどん見られてきました。地球は生きている、そんな感じが身をもって感じられた一瞬でした。

・子どもたちはカニ探しや潮だまりに取り残された小魚やエビの幼体、素早く歩くヤドカリを夢中で追っていました。
その後、潮の引く砂浜を沖側に少しずつ移動して生き物探しをしました。
・今回はアカエイなど大型の魚類の姿は見られませんでしたが、それでもハゼやコトヒキなどの魚類、砂ガニやイソガニやガザミ(わたりガニ)などのカニ類、アナジャコの一種のニホンスナモグリやたくさんの貝類など色々な生き物の姿が見られ、子どもも大人も満足のようでした。


・浜辺に続く松林の中は涼しく快適でしたので、ここでゆっくりとお昼をとり、その後採取した生き物を発表しあってから採取物を海に戻して終了しました。

 日差しは強かったですが子どもたちは飽きもせず頑張っていました。いい思い出づくりの一日になればと思っております。
   ※写真下:採取した生き物の発表をしている場面
   

三番瀬…東京湾最奥部に位置する干潟と浅海域です。習志野、船橋、市川、浦安各市の沖合に広がる約1600ヘクタールの海です。
 ここには、ゴカイやカニそして色々な貝や魚がいっぱいいます。それを餌にする鳥も多く、いまでも自然がいっぱいの場所です。漁業も盛んで、アサリやノリ漁、巻き網や底引き船により漁などが行われています。
アクセスは、jr船橋、京成船橋からバスで終点(ふなばし三番瀬海浜公園)下車。駐車場もあります。

2010
9. 19

◎夏バテの記事が載っていました。といっても人ではなく果物の夏バテです。今夏の猛暑が梨や柿など定番果物に影響しているのです。
夏場の高温は、果物から余計な水分を減らすのに欠かせないのですが、度を超すと「日焼け」と呼ばれるやけど状態になったりするそうです。ほんとに暑かったですね。(朝日新聞9/19朝刊より)

 『渡りガニの死体がいっぱい』
◎三番瀬干潟は、水鳥観察用の望遠鏡を担いだ人達やテントやパラソルを設置しバーベキューを楽しむ家族連れなどで朝から賑わっていました。その人波と全く別の動きをしているのが干潟観察の私たちです。

・潮がどんどん満ちてくる時間帯の為、最初に堤防の辺りまで行き、満ち潮に徐々に追われる形で浜に戻る形で観察をしました。
砂浜を小さなスコップで掘り下げると、砂ガニやゴカイの姿が沢山見られました。しかし堤防の下(磯のようになっている)には、生きものはあまり見られませんでした。わずかな小エビとヤドカリ位が見つかっただけです。
 浅瀬にはハゼやコノシロなどの魚が群れていましたが、本命のイソガニなど磯の生き物が見つかりません。ふと海面に何かが泳いでいるように見えましたのでズボンをたくしあげ近づいてみましたら、殻長15センチほどの渡りガニ(ガザミ)でした。といってもすでに死んでいました。目が慣れてきましたら、海面のあちこちに同じように渡りガニの死体が浮いているのが見えました。きらきらと美しい水底にもカニの死体が見つかりました。
・青潮のせいだと直感しました。先日の台風の風により、干潟の水が沖合に押しやられ、海底のくぼみによどんでいた無酸素状態の海水が上がってきて、カニなどの生き物が死んでしまったのでしょう。
美しい三番瀬干潟の海に無残に浮かぶカニ達の姿が頭の中にこびり付いてしまいました。


   

・先日、朝日新聞で航路の浚渫土砂を三番瀬の浅瀬部分に埋め足すのに使ったらどうかとの記事が載っていました。最近マスコミから忘れられてしまったような三番瀬ですが、ほっておくとこのカニ達のような事がしょっちゅう起こってしまうのです。会議ばかりでなく抜本的な具体策が必要なのですね。今度の火曜日に小学校の三番瀬干潟観察の支援をするのですが、磯のカニ達は見られるだろうか心配です。

青潮…干潟や朝海に富栄養の汚水などが流れ込んだり、海藻が腐ったりするとそれを栄養に珪藻などの大量の植物プランクトンが発生します。このプランクトンが大量に発生した状態を赤潮と呼びます。プランクトンが増え続くとそれを分解する微生物が働くのですが、海水中の酸素を消費しつくしてしまい、水は無酸素状態になり海の底に沈みます。この状態で、北東の風が吹くと干潟浅海域の表面の海水が沖に追いやられ、代わりに底から無酸素の海水が上がってきます。この海水は、バスクリン色で硫黄臭のする悪魔の水です。
色から青潮と呼ばれ、カニや魚など色々な命を奪ったり、弱らせてしまいます。毎年、何度も青潮の発生があります。

2010
9. 25

◎中央駅を降り立った友人が、「印西市に山あるの?」と聞いてきた事がありました。駅前に大きく掲げてあった国体の横断幕に『山岳競技開催』と出ていた事に対する疑問でした。山岳競技とはリード・ボルダリングという人工の崖を素手で登る競技です。勿論室内競技、体育館内のスポーツです。今日9月25日から千葉国体が始まりました。

 『南への旅立ちの前にちょっと休息!』
◎いつも野鳥情報を頂いている友人から、公園の樹木にツツドリがいますとTelが入りました。3つほど所用がありましたが、全部後にして自転車で公園に駆けつけました。

・友人の指さす桜の枝先に目的の鳥がいました。カメラのファインダーには、大きな口で何かをつまんでいるホトトギス科のツツドリの姿がありました。しばらく撮影してから、双眼鏡を取り出し覗いてみますとつまみ食いしている「もの」が分かりました。ツツドリは渡りの途中平地に下りて来ます。これから南方に向けて旅立つのですが、まず体力をつけなければなりません。桜の木につく毛虫(モンクロシャチホコ)が恰好の栄養源なのです。覗いていると一匹を咥え呑み込んでは、次のをまた咥え、呑み込んでいました。時々口を大きく開けたり、体をよじったりしながら食べ続けていました。凄い食欲でした。
ストレスを与えないように離れている樹木の影から撮影をしましたが、あまり警戒をしているふうではありません。それもそもはず、胸の斑からみて幼鳥のようでした。


・きっと数日ここで休息して、いよいよ海を渡るのでしょう。南方に元気に帰れること、そしてまた来春戻ってくる事を願ってその場を離れました。
       
※クリックで画像が変わります。ダブルクリックで元に戻る
   tutudori
   桜の木で採餌するツツドリ

ツツドリ…ホトトギス科の野鳥でカッコウに似る。
 全長32センチくらい。夏鳥として九州以北の山地の森林に渡来する。メジロやアオジ、ビンズイなどに托卵する。
 渡りの時期には市街地の公園などでも見かけることが多い。
 名前の由来は、ポポ、ポポという鳴き声が、竹筒をたたく音と似ていることからという。


 2010
10. 04

◎PCのプロバイダーのトップページのツール部分がピンクになっていました。9月29日~11月30日まで乳がん撲滅の運動のピンクリボン運動が行われています。運動の効果が上がることを願っております。

 『木の実探し』
◎週末県立花の丘公園でどんぐりワークショップを行いました。 2日間で500人位の親子がドングリのクッキー作りとコマ、笛づくりを体験してくれました。どの子も満足してくれたようです。

・ところで今年も熊の出没事故が多くなるのではという話を聞きました。実は今年は特にドングリのできが悪いようなのです。熊の餌となるブナなど木の実不足が人に対する事故につながるのです。

・そういえばワークショップに使用するドングリを確保するのに今年ほど苦労したことはありませんでした。1週間イベントの時期が早まったこともありますが、毎年拾っているドングリの木に実がなっていないのです。またなっていてもまだ熟してなく落ちていませんでした。それでも色々な人に協力をして頂き、必要量は確保しましたが、まだクヌギなどは落ちていません。


・ドングリのなり年(豊作の年)と不作年は、不定期に起こるとげっちょ先生(元自由の森学園理科教師・盛口満)は本に書いていましたが、今年がその不作年なのかもしれません。
ドングリに卵を産む昆虫がいますが、熟していない若いドングリに産むハイイロチョッキリがまだ活躍しており、熟す寸前に産卵するシギゾウムシの活動が遅れているみたいです。ドングリの数もそうですが、熟す時期も遅れているのでしょうか。いずれにせよ、ドングリなどの木の実の付き方が良くないように思いますが、他の樹木はどうなのでしょう。

ドングリ…団栗と書き、広辞苑にはカシやクヌギ・ナラなどの果実の俗称と出ています。また、げっちょ先生によるとドングリの定義にはバラつきがあるが、おおむねコナラ属の範囲にとどめておくのが妥当ではと本に書いてありました。この考えだとトチやブナ、クリなどはドングリに含まないという事になります。
ですが、広義に考えブナ科全体を指す考えもあるようです。
 この考えによるとクリやブナなどもドングリと呼んでいいようです??。

 



2010
10. 12

◎今日10月11日、生態系の保全策を話し合う国連地球生き物会議が名古屋で開幕しました。良い結果が出ることを期待したいものです。

 『松虫姫は都で幸せに暮らした…は、ホント?』
◎北総線印旛日医大駅のホームに立つ駅表示板には、印旛日医大の下に括弧で(松虫姫)と書かれているのを御存知ですか。
ここ旧印旛村松虫は、聖武天皇の皇女松虫姫伝説が伝わる地です。

・確か6月頃ポストに入っていたミニコミ誌に、松虫姫物語が2回連載で載っていました。それによると奈良の聖武天皇の皇女松虫姫は不治の病になってしまい、薬師如来のお告げにより治療のため下総の国(現千葉県)にやってきたという事です。そして姫の必死の願いが通じ、ついに病は全快し都に帰ることができ、そのあと姫は幸せに暮らしていました。という内容で、亡くなる時の遺言で松虫寺(天皇が僧行基に命じ寺を建立させた)に分骨されたと載っていました。

・昨日、BS2でNHKドラマ「大仏開眼(かいげん)」をやっており、見ていましたら松虫姫と同時代の出来事がドラマの内容となっていました。主役は聖武天皇の皇女で阿倍内親王(役者は石原さとみ)で、藤原の仲麻呂や吉備真備(役者は吉岡秀隆)などが登場し、東大寺の大きな廬舎那仏(大仏)建立と皇位をめぐる政変のドラマでした。
 主役の阿倍内親王が後の孝謙天皇(女性天皇)です。実はこの阿倍内親王の腹違いの妹が松虫姫(不破内親王)だったのです。少し調べてみましたら松虫姫は都に戻ってから結婚しますが、夫(塩焼王)が政権争いに巻き込まれたりし、皇籍をはく奪されたり2度に渡る流刑に処せられたりし、(おそらく70余歳の)数奇な運命を終えたと出ていました。松虫姫物語は昔話として語られておりますので「めでたし!めでたし!」となったのでしょうか。

 なお、朝日新聞に掲載されていた房総の伝説には松虫寺住職さんの話として「姫は都での政争から一時的に逃れ、下総に来たのでは」と出ていました。これは納得できる話です。


・今この松虫寺付近が隠れた人気のスポットとなっています。印西ウエットランドガイドでは、10月27日(水)に、松虫寺付近の里山散策(公募)を行います。
※写真下は、松虫姫が下総に下ってくる際についていた杖から芽が出たといわれている銀杏の写真(寺境内・2代目の樹といわれる)

   

◆松虫寺…天平17年(745)僧・行基の開山とされ、印旛地方屈指の古刹として知られる。正式名を摩尼珠山医王院松虫寺と号する真言宗の寺。
 往時は多数の堂宇・伽藍を有し、当地に伝播した仏教文化の中心であったと云われています。印旛日医大駅より1.4キロ


2010
10. 17

◎10月16日医薬品や化粧品のもとになる動植物の利用について定める「名古屋議定書」を議論するため開かれていた準備会は先進国と途上国が激しく対立したまま終了しました。18日から始まる国連生き物会議の本会合の中身が心配ですね。

 『森と芝居のハーモニー』
◎最近ウオーキングや犬の散歩を兼ねて里山や公園を歩く人が増えています。一時「森林浴」という言葉が流行りましたが、この効果は実際にあるようです。森林セラピー研究会によると、森林浴は、樹木に接し精神的な癒やしを求める行為で、公園や林を散歩することから登山やキャンプなど幅広く日本では長野県の赤沢自然休養所が発祥の地といわれています。森林浴の効果は精神的なものが大きいといわれますが、科学的にも樹木が発するフィトンチッドと呼ばれる物質がリラックス効果に作用しているそうです。

 先日、船橋県民の森の散策会の折、印西市在住のN氏に森の中での一人芝居を演じて頂き、参加者は自然の森という舞台での芝居を堪能しました。
演目は宮沢賢治原作「よだかの星」でした。雑木林の中、木漏れ日と野鳥のさえずり、そしてひらひらと舞う落ち葉を背景に、タカの名のついた「よだか」の苦しみの心内を演じ参加者の心に感銘を与えてくれました。



 これは、N氏がこの森から感じたイメージを芝居とコラボレーションした効果が最大限に発揮できたからと思いました。森の癒やしの効果、そして大道具も小道具も何もない自然を思いっきり取り込んだ手法の芝居が参加者の心に伝わったのではないでしょうか。
 また次年度に自然と芝居をコラボした散策会を計画してみようと思いました。
 
  写真下は、船橋県民の森(いろいろの時の森)で演じるN氏
   

フィトンチッド(phytoncide)…微生物の活動を抑制する作用を持つ、樹木などが発散する科学物質。殺菌力を持つ揮発性物質。癒やしやすらぎの効果がある。

2010
10. 25

◎聖武天皇の宝刀が見つかったというニュースがTVで放映されていました。大刀二振りで陽剣と陰剣といいます。来年秋には公開の予定もあるという事です。1251年ぶりに発見されたという剣、一度見てみたいですね。

『けもの道』
◎谷津を流れる川に沿って歩いていたら、一枚だけ稲刈りをしていない田んぼがありました。近くを歩いていた地元の人にお聞きしましたら、イノシシに荒らされて稲が全滅したので刈っていないのだと話してくれました。その田んぼは、100人の子どもたちが中でサッカーでもやったようなあり様でした。

・荒らされた田んぼを後にして斜面林脇の農道を進むとあちこちにイノシシの足跡が見られました。昨年50頭位はいると地元の人に聞いたことがありましたが、もっと増えているのではないでしょうか。

 今年の1月に、某新聞に夜間駅近くを歩いていた男性がイノシシに遭遇し軽傷を負ったと出ていました。夜行性のイノシシは、さらに行動範囲を広げているようです。
・しばらく歩いていましたら、道路から斜面林の林の中に向けて細い道が何本も作られていました。しかし、人が通るには少し細く急すぎるような気がしました。
 この道はすぐに何の道かわかりました。それは、急こう配の道の途中に二本爪(偶蹄類の特徴)の足跡がくっきりとついていました。そうです、イノシシが通った跡です。まさに「けもの道」でした。

・幾つもの「けもの道」を見ながら500メートルも進むと大きな崖地の見える場所に到着しました。この崖地の奥の藪が昨年地元の人から聞いたイノシシの生息地です。崖につながる広場は、大型重機が通った跡のように掘り返され、目茶目茶でした。イノシシがミミズを探すため鼻面で掘った跡だそうです。


・このところ、TVのニュースでは連日クマの事故が報道されております。この地でも農産物被害も心配ですが、人とイノシシの遭遇も心配されます。よい解決策が見つかるといいですね。

イノシシの通り道(けもの道):イラストをクリック
 (ダブルクリックで元のイラストに戻ります)
     

千葉のイノシシ…千葉県では野生のイノシシは絶滅したといわれています。その後、イノシシやイノブタが野に放され野生化したといわれています。
 聞いた話ではこれらが交雑し、野生の性質を持ち、豚の繁殖力を身に付けたイノシシが増えているという事も聞きました。


前に戻る       次に進む