印西・谷津田だよりの41ページ

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2009 　1. 3	新年明けましておめでとうございます。比較的暖かく青空の気持ちのよいお正月です。皆様いかがお過ごしですか。今年もよろしくお願いします。　今朝の新聞にJR日暮里駅前のＴシャツ屋では「ピンチがチャンス」の文字入りのシャツが一番人気と載っていました。どこに行っても不況の話ばかりですが、是非このＴシャツの効果が出てほしいものです。いつもの便りです。　『三番瀬からの初日の出』 ◎うっすらと明るくなった元日の午前6時20分、ふなばし三番瀬海浜公園前干潟に到着しました。三番瀬干潟で初日の出を見るのは今回で3回目となります。気温は3度か4度でした。すでに干潟には100～150人位の人がおしゃべりしたり、カメラの調子を調べたりしながら日の出を待っていました。まだ暗い空を見上げると早くも水鳥たちが東に向かって移動していました。その多くはカモメやカワウのようですが、時々シギの類も混じっていました。目が慣れてくるとほぼ満潮の水面に数は少ないが水鳥も浮かんでいるのが見えてきました。オナガガモやスズガモでした。・日の出10分前位になるとずいぶん明るくなり、東の空は茜色に染まり太陽がほんのそこまで来ているのが実感できました。西の空には葛西臨海公園の観覧車がぼんやりと見え、その向こうにまっ白く冠雪した富士も見えてきました。日の出は間近です。 6時53分茜浜（習志野市）に建つ工場の建物の上からひょっこりと太陽が覗きました。唐突に「にょきっ」という感じで現れました。おしゃべりしている人たちも砂浜で飛び回っている子供たちも一瞬動きがピタッと止まった一瞬でした。　寒さのため、すでにバッテリーがあがってしまい予備を装填した一眼デジカメのシャッターを押しながら、みんな健康で過ごせますようにとつぶやきました。	三番瀬から見た初日の出　09年1月1日・今年は丑年、牛といえば、牛の絵やスケッチが有名な日本画家・奥村土牛も丑年生まれです。その雅号「土牛（とぎゅう）」は寒山詩「土牛、石田を耕す」からつけたといい、一歩一歩、地道な精進を重ねることが一番という意味が込められているといいます。　派遣先からリストラされた青年の話を聞き、たとえ牛歩のようであっても、真面目に考え行動している者が馬鹿を見る世に憤りを感じるのは私だけではないでしょう。このことも初日の出に願っておきました。本当に良い年にしたいものです。 ◆奥村土牛…おくむらとぎゅう（1889・2・19～1990・9・25）現代日本画壇の最高峰に位置する日本画家。「聖牛」や「八瀬の牛」など牛をテーマにした作品が知られる。自伝「牛のあゆみ」中央公論社。小海線八千穂駅前に日本家屋を利用した「奥村土牛美術館」あり。この美術館は、日本で唯一の「靴を脱いで入る美術館」です。
2009 　1. 5	◎1月5日は小寒。暦の上では非常に寒い時期となっていますが、年末からいいお天気で日だまりはポカポカと暖かです。これなら南国からやってきた生き物達が越冬できるのも頷ける毎日です。いつもの便りです。　『海上の安全を守った灯明台』 ◎船橋大神宮【意富比（おおひ）神社】の境内は、初詣客で肩がぶつかりあうほど混み合っていました。1月3日に京成線大神宮駅から歩いて3分に位置する船橋大神宮に行ってきました。・景行天皇40年、皇子日本武尊が当地にて平定成就と旱天に苦しむ住民のために祈願したのが、大神宮の創始だそうです。本殿社殿とも明治維新の戦火により焼失してしまい、現在の建物は明治初期の再建です。同じく境内にあった常夜灯も焼失してしまい、明治13年地元の漁業関係者によって建設されたのが、現存する木造3階建ての灯明台です。・この灯明台の内部公開が毎年正月3が日行われることを知り出かけてきました。その1階と2階は点灯を見守るための宿舎となっており、3階が六角形の灯室となっていました。一度に6人程度ずつ狭く急な階段を上ると4畳ほどの和室がありました。和室の天井の中央部にぽっかりと六角形の灯室の入口が開いていました。そこに上ることはできませんので写真を撮って下りてきました。外に出て再度じっくりと見上げると、その外観のモダンなデザインに見とれてしまいました。・この灯明台は、今月1月11日17時から20時に点灯するそうです。ただ、この時は内部の公開はありません。まだ点灯しているのを私は見たことがありませんので都合がつけば見に行きたいと思っています。 ◆灯明台（船橋大神宮内）…標高27メートルの丘の上に立つ。木造瓦葺、3階建て、1・2階は和風、3階の灯室は西洋式デザインを取り入れた六角形のつくり。光源は石油ランプ、錫製の反射鏡３基、光の到達距離は６マイル（9.7キロ）、レンズはつけられていないが当時の最新式設備。	灯明台の外観　　　　　　和室の天井に開いた3階の入口 ◇なお、大神宮の境内で行われる奉納相撲は、徳川家康が船橋に滞在した際に、子供相撲を見せたことから始まったといわれています。　この子供相撲が今でも続いており、「便り」に何度か載せたことがある船橋出身の大相撲力士若荒雄（元・八木が谷）は、この子供相撲の優勝者。
2009 　1. 8	◎新八柱駅から２１世紀の森と広場（松戸市）に行く途中、全国100選の道に指定された桜並木の道路がありました。この桜並木の道もそうですが、今100選ばやりで色々な100選があります。日本の滝100選とか、夜景100選、日本の童謡（これは200選）なんてのもあります。先日「にほんの里100選」が発表されました。この100選に印西市に広がる里山（結縁寺地区）が選ばれましたので、少しその内容を紹介したいと思います。　『首都圏近郊に残る谷津』 ◎朝日新聞と森林文化協会は、1月6日「にほんの里100選」を発表しました。1年前から全国で募集し、4500もの応募があり、候補地も2000ヶ所にもなったそうです。山田洋二（映画監督）さんを委員長とし「景観」「生物多様性」「人の営み」を基準に選ばれた100ヶ所は、わずか数軒の集落から220平方キロに約7000軒がある村まで様々だそうです。・この100ヶ所の中に印西市の南部に位置する結縁寺地区も選ばれたのです。内容紹介のコメントが新聞に載っていましたので原文を記します。「24　結縁寺（印西市）　首都圏近郊に残る谷津…千葉ニュータウンのすぐ近くにある76ヘクタールの谷津地域。田や畔、斜面林のほか、ため池など水辺環境も健在だ。鎮守の森も残る。」・千葉県は2ヶ所で結縁寺のほか南房総市平久里下（へぐりしも）の農村が選定されました。・結縁寺地区は、印西ウェットランドガイドの里山紹介の原点になっているコースの一つです。ここは豊な自然ばかりでなく源頼政のゆかりの地、伝承の里でもあります。それらを地域の方達が大切に守ってきた場所なのです。しかし、水路の水も数年前から見ると汚れ、豊な斜面林も数カ所伐採され松崎地区の工業団地の廃紙置き場などが丸見えであったりと景観もかなり落ちています。それでも、湧水はあるし野鳥や野草の種も多く生物多様性の面では素晴らしい場所です。それに放棄田も比較的少なく農家の方々の営みが目に見える所です。	・この100選指定を機に里地の大切さを多くの人が感じ、自然を守っていく動きに通じればと願う次第です。しかし、この選定により単なる興味本位や観光のついででやってくる人も増えると想像されます。動植物の採取、ゴミ不法投棄、田の畔道侵入禁止など里地訪問のマナーを守って訪れてほしいです。　　　　結縁寺谷津（朝日新聞掲載の100選の写真と同じ場所と思う） ◆結縁寺…北総台地に位置する印西市南部の昔から続く集落。住所表示地名の結縁寺は、「けつえんじ」と読むが、地元の人は「けちえんじ」と読みます。　集落の中央部に位置する古刹結縁寺は、奈良時代初期、行基菩薩創建と聞く。　このお寺の本尊は不動明王で国重要文化財指定となっている。ご開帳は毎年9月28日。ウエットランドガイドでは本寺と本谷津訪問の公募散策会を今春4月23日に予定している。
2009 　1. 12	◎週末の1月17日は、阪神・淡路大震災記念日です。1995（平成7）年1月17日午前5時46分震度7の激震が神戸を中心とした地域に起こりました。死者6000人を超えたこの災害からすでに14年が過ぎようとしています。私は震災後の6月中旬に訪れた神戸市長田区の様子を今でもはっきりと覚えております。まだ、電柱は曲がり家屋は倒壊したまま、ビルは真っ黒に煤けており、訪れた中学校の校舎に入る時も地割れ部分に渡した板の上をこわごわと渡ったことを覚えています。なおこの校舎の半分は避難されている方で使用しておりました。　この災害の教訓を忘れないよう、1月17日は防災とボランティアの日に制定されました。今、新型インフルエンザの対策も取りざたされていますが、皆さんのご家庭では防災対策をしていますか。（そういう私のところはほとんどしていません）いつもの便りです。　『探鳥会が探獣会に』 ◎千葉NT中央駅近くの調整池には、いつもの白鳥がのんびりと休んでいました。カモの姿は種類も数も例年よりずっと少ないようでした。水面をよぎるカワセミの姿を追ったり、カワウの糞で銀色に装飾した（された）樹木などを観察した後、集落を抜け谷津田に下りました。・水田の中央部を流れる水路の土手の石垣の隙間に何か動くものを見つけました。鳥の動きとは違いました。双眼鏡で覗くと可愛らしいドングリ眼がこっちをじっと見つめていました。石の隙間から覗いていたのは、イタチでした。普段は用心深くなかなか姿を見せないのですが、日だまりで暖かく気持ちがよかったのでしょうか隙間から出たり入ったりを繰り返していました。	・谷津田で鳥見をして帰り道、新道（車道）に出ると歩道に何か動物が死んでいてカラスが数羽集まっていました。近づいてみると体長50センチ以上もあるタヌキでした。状況から見て交通事故のようでした。今日は鳥見より獣見の印象が強かったです。 ※下の写真をクリックすると、この時に撮ったタヌキ（死体）の写真が表示されます。元に戻すにはダブルクリックして下さい。　　　　　　タヌキ（死体）　冬毛が立派です。 ◆タヌキ…イヌ科ホンドタヌキ。体長50～60センチ。低地から亜高山帯までの林や山里に生息する。夜行性で雑食、人家の周りに餌を求めて出没し、交通事故で死ぬことも多い。
2009 　1. 18	◎今年も恵方巻きの宣伝が始まっています。今年の恵方は東北東だそうです。予約しようかなあ。　もっとも今の恵方巻きブームの仕掛け人はセブンイレブンだそうですが…。いつもの便りです。　『”辻斬り”ではなく、”辻切り”』 ◎辻斬りは刀の切れ味を試すために街頭で往来の人を切る物騒なこと。でもこの”辻切り”の方は、村を守る大事な風習です。・市川の水と緑の回廊を歩き、里見公園の北に位置する天満宮神社につくと社殿で国府台辻切り保存会の人たちが集まっていました。 ”辻切り”とは、毎年1月17日に、村に悪霊や病気が入り込むのを防ぐためワラで大蛇を作り村の出入り口にあたる四隅の辻に木に結びつける行事です。・午前中に境内で保存会の人たちがワラをより合わせ、大蛇の胴体を作り、紙とワラ灰で目、ビワの葉で耳をつけお神酒で魂入れをし、各辻の大木に固定するのです。　行った時には各辻への取り付けも終了し境内にはわずかなワラ束と昨年の蛇頭のお札が置いてあるだけでした。・取り付けられている4体のうち2体を見てきましたが、思っていたより怖くはなく目玉とビワの葉の耳が滑稽で愛らしく見えました。　出来立てで初々しい感じのする辻切りをたっぷり観賞し、保存会の皆さんのご苦労に感謝しながら江戸川べりに向かいました。　途中、暖かい日だまりに小さな紫の蝶、ムラサキシジミが羽を開いて日向ぼっこしている姿を見つけました。 ◆国府台（こうのだい）辻（つじ）切り…毎年1月17日に天満宮神社（市川市国府台3丁目）で行われる。　保存会の人が持ち寄ったワラで2メートル程の大蛇を4体作り、4か所の辻にある木に結びつける。　因みに船橋市でも同じような風習がある。皆さんの近くではどうですか。市川市指定無形民俗文化財（昭和54年4月24日指定）辻切りは、ずっと取り付けたままですので、国府台方面を訪れた際にでも見て下さい。	大蛇の頭部分　目は昨年の大蛇をお焚きあげした　　ワラ灰を紙に包んで作り、耳はビワの葉で作る。　　　　　　辻の木に結び付けられる。
2009 　1. 27	◎いつも見ている千葉NT中央駅南の調整池の4羽の白鳥達の姿が見えないと連絡があり、心配していたところ、本日午前中Uさんから6羽になって戻ってきましたとの電話がありました。　午後確認に出かけましたところ確かに2羽増え、6羽で採餌していました。増えた2羽は、最初にやってきた「ヘル」親子（確認はできませんでした）かもしれませんね。いつもの便りです。　『早くもハンノキの花』 ◎ハンノキはカバノキ科の落葉高木で、高さ15メートルほどになり、低地から山地の湿性地、泥炭堆積地などに生育します。印西市には、田んぼの際や放棄された谷津田に見られます。　ハンノキは落葉樹のため林内は冬季はもちろん、夏季にも木漏れ日などで多様な植物が生育します。・斜面林から湧いてくる冷たく有機物の少ない水の場所でも、根についている根粒バクテリアの力で生育できます。昔から谷津田につきものの樹木であり、田の畔に植えて横に渡した竹に刈り取った稲をかけ稲の乾燥に利用していました。　これを「はざがけ」と呼び、掛ける木を「はさ木」と呼んでいます。もっとも今は機械乾燥になってしまい「はさがけ」を見ることはなくなりました。・ハンノキは、まわりから見ると低くなっている公園などにも生えていることがありますが、これは公園をつくる前ハンノキが生えていた湿地だったといえます。まだ寒い日が続きますが、このハンノキはもう花が咲いています。	もっとも花と言っても花弁はなく５、6センチの長さのひも状の穂が枝先から垂れ下がっている（雄花）のです。今の時期はまだ昨秋に実った実も枝先にぶら下がっています。　雌花は小さく上向きについています。きっと皆さんの周りの池、谷津田や公園などで花が咲いていると思います。小さな雌花を探してみてください。もうすぐ春ですね。2月4日は立春です。　　　　　紐のように下がっているのが雄花、上向きで小さい蕾のように見えるのが雌花。 ◆ハンノキ…カバノキ科の落葉高木。真冬といってもいいほどの季節から花を咲かせる。　穂のような花は開花前や咲き出しのころ赤みが強く、雪国では雪景色に映えて美しいとされる。本文の「はさ木」は、「稲架木」と書く。
2009 　2. 2	◎明日２月３日は節分ですね。昔節分は一年の変わり目、ちょうど旧正月にあたり、一年分の災いや病を払う行事だったようです。無差別殺人やら、派遣切り、金融危機などの災いを皆追っ払いたいものです。いつもの便りです。　『自然繁殖は千葉県と栃木県の一部だけ・・・』 ◎昭和49年に「国の天然記念物」、平成6年に「国内希少野生動植物」に指定されたのが、コイ目コイ科タナゴ亜種に属する小型の淡水魚のミヤコタナゴです。まず、自然の中で見る機会は皆無でしょう。このミヤコタナゴが自然に生息しているのは、国内で千葉県と栃木県のごく一部だけといいます。その一つが茂原市にあるといいます。具体的な生息場所は私も知りませんが、05年5月21日付の毎日新聞に「ミヤコタナゴ、茂原に里帰り」という記事が載っていたことを記憶しています。確か横浜のミヤコタナゴ保存会から生息地である茂原市と市立小学校に10匹ずつ贈られたと写真入りで出ていたと思います。・先日、総合学習（里山のバードウォッチング）の支援でたまたまその小学校に行き、玄関脇にある大きな水槽の中で泳ぐタナゴの姿を見てその記事を思い出しました。数は♂♀の2匹のみでしたが、ゆったりと水槽の中を泳ぐ姿はやはり、都の字がつくだけあり優雅に見えました。・メダカもそうですが、もともとは当たり前のように見られた動植物がいつの間にか大げさな○○記念物や、△△保護生物などの名が付きマニアが目の色を変えて採取したり撮影したりするようになるのです。	ミヤコタナゴ　左♂　右♀ 　これら希少種は、水槽の中でしか見られないのでしょうか。　希少種が貴重種（品）になっていく、これっておかしいですね。本来これらが普通に見られる環境を取り戻すことが一番です。これらがハウスや水槽の中でなく、自然の水路や斜面林の裾部などで普通に見られることはもう無理なのでしょうか。 ◆ミヤコタナゴ…東京の小石川植物園で発見されたため、都（みやこ）タナゴと名がついた。湧水地に生息するが環境悪化に伴い分布が極端に狭まっている。繁殖期には雄の体側が玉虫色に輝き美しい。魚類初の国指定天然物。全長5センチ。
2009 　2. 9	◎立春がすぎ、心なし野の花のつぼみが大きくなった気がするこの頃です。まだ風邪やインフルエンザが流行っているようですが皆さんいかがお過ごしですか。いつもの便りです。　『辻切り―その２―』 ◎1月18日の便りに市川の国府台辻切り保存会の行っている「辻切り」を載せました。・これと同じような行事が船橋市でも行われていると書いておきましたが、先日船橋市在住のIさんから船橋市高根町の神明神社の「辻切り」の写真が送付されてきました。　Iさんが元旦にお参りに行った際にはすでに木に巻きついていたそうです。　写真には「暮れから飾ってあったようで、国府台のものと比べてとても質素で簡単な作りです」とのコメントついていましたので紹介させていただきます。・また、2月7日の朝日新聞朝刊千葉首都圏版に船橋市中野木にある八坂神社で行われた「辻切り」の記事が載っていました。　これもやはりワラで作った大蛇を木にかけて、村に悪霊が入ってこないようにする伝統行事です。中野木地区の農家など約20軒が東西2組に分かれて、東が雌、西が雄を作り、村の東西と北東の出入り口にあたる辻の大木に巻き付けるのだそうです。記事には取り付けている人が「この地区は昔、田んぼだったけど今はマンションばっかり」と笑っていたと出ていました。新しく移り住んだ人たちは、どこが辻なのかも分からないのかもしれませんね。・きっと皆さんのお住まいの地区でも昔の地名はほとんど消えてしまい、昔の集落の場所や辻の場所など皆目分からないという所が多いのでしょう。「辻切り」という行事から昔の様子が少し見えてくるのも伝統文化継承のお陰ですね。 ◆辻切り…「道切り」とも称される。村の出入り口にあたる辻で行われる民族習慣のひとつ。　日本の村落においては、村と山の境目（野良）、あるいは村と村の境には古くから魔や疫病を流行らせる神などが出入りすると考えられ、魔を防いだり追い払うために道祖神や注連縄（またはワラで作った蛇）を張ったりする行事が行われていた。	船橋市高根神明神社の辻切り（撮影　船橋市在住Iさん）　　　　船橋市中野木地区の辻にある大木に巻きついていた辻切り
2009 　2. 15	◎2月24日の夜から早朝にかけて彗星が地球に最接近するそうです。07年7月に台湾にあるルーリン天文台で発見されたルーリン（鹿林）彗星です。関心のある方は観測してみませんか。観察に関するノウハウは、次のサイトが便利です。 http://www.nao.ac.jp/phenomena/20090220/index.html 　いつもの便りです。　『白鳥のミル家、のんびり食事』 ◎印西戸神にやってきている白鳥のミルの家族がのんびりと水面で採餌をしている姿が見られます。 1/27付の便りに載せましたように、ミル家4羽（3年目飛来のミルとつがいの相手ギザと子供2羽）とヘル家2羽（ヘルと思われる？成鳥1羽とその子供1羽）合わせて6羽が仲良く採餌していました。ひと月前頃から池の水位が上がったため、採餌は橋の北側に変わっています（水が深すぎて水草の根にくちばしが届かない）。橋の上から見ると水中に首を突っ込みお尻（尾羽）を真上に向けて必死でマコモ（水草）の根を引っ張り出して食べています。見ていると必ずどれか1羽は水上に首をあげて、全部が一斉に首を水中に入れることはないようです。何となく周りの様子を見る係が分担されているみたいです。・どれも首から頭にかけて茶褐色に染まっていますが、これはこの池の水に鉄分が多く含まれていて染まったのです。また子供たち（4羽）は、飛来時から見ると体の羽が灰色から随分白に変わってきています。	・昨日一昨日は、夏日と言われたほど気温が上がり北帰行するのではと心配してしまいましたが、まだしばらくいそうです。ちなみに昨年の北帰行は2月26日でした。見に行く方は今週か来週の前半までが確実ですね。　　　　白鳥のミル家とヘル家（？）合わせて6羽勢ぞろい。 ◆オオハクチョウ…L140㎝　全身白色だが顔から首が黄褐色に染まっている個体が多い。　若鳥は灰褐色。冬鳥として湖沼や内湾、河口に渡来するが、北日本や日本海側に多い。繁殖はシベリアタイガ地方。
2009 　2. 23	◎子供たちが「中国の船旅、楽しかった」と言っていた事を思い出しました。今日（2/23）の新聞一面に井脇ノブ子議員が理事長をしている学校法人の不明朗会計が発覚したという記事が出ていました。この法人が、海上研修（旅）「少年の船」を主催していたことは全く知りませんでした。そういえば、前述の子供の声とは別に、主催者側の船上でのやり方に不満をもらす教師が多くいたのも事実です。バラエティ番組で饒舌にしゃべる井脇氏のいい加減さが、この不始末に到ったのでしょう。いつもの便りです。 ※井脇ノブ子氏…男性カットの髪型、ピンクの背広上下がトレードマーク　『生物が子孫を残すための新戦術』 ◎このテーマの講演会に行ってきました。講師は首都大学東京大学院生命科学コース講師の吉野孝一氏。50人ほどの聴衆の前で持ち前のユーモアを交えた話題に眠気は出ませんでした。・講話の内容は、講師著書「生物が子孫を残す技術」（講談社）の取材と裏話でした。戦術といっても、霊長類の話ではなく中心は、ガガンボモドキやカマキリ、オサムシなど昆虫の愛と性のお話でした。特にお得意のように見えたのは、ゴキブリのフェロモンの話でした。全身でゴキブリになりきっての演技は楽しい限りでした。　迫真の演技に前列の人は体が引けていました（笑）。私は、生涯蓑から出ないミノムシのメスの話と、ガガンボモドキのおかまになりきり他のオスから美味しいごちそう（ハエなど虫）をもらい、それをメスにプレゼントする話に興味をもちました。・以前植物の子孫を残す戦略について書いたことがありました。例えばシソ科のホトケノザは開放花（普通に花びらが開く）と閉鎖花（花びらは咲かないまま）があり、昆虫の多い少ないにかかわらず子孫を残せるという戦略を持っているのです。	・野草や昆虫、魚類やその他すべての生物は、自分の子孫を残すために英知を凝集させ、時には自分の命も捨て努力する姿は崇高に思えました。おかまになりきるガガンボモドキのオスの努力（演技賞）には拍手ですね。　　　　　　みのむし：見かけることが少なくなりました。 ◆みのむし…ミノガ科の蛾の幼虫。樹木の枝や葉を糸で綴ってその中に潜み、蓑を負うような形をしている。袋の中で蛹化し、次いで成虫（ミノガ）になる。メスは成虫も無翅で幼虫と同様袋の中にすむ。袋の中で交尾し産卵する。つまりメスは袋から出た時が死ぬときです。それから、ミノムシの成虫は口がないので何も食べることができない。飲まず食わずで繁殖行動に没頭し死ぬだけなのです。 ◇戸神ハクチョウ情報…まだ6羽います。そろそろ北帰行と思われます。気をつけて観察下さい。
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