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 2008
 8. 4

◎シュワシュワシュワ・・・ 今日、クマゼミの初鳴きを聞きました。昨年も一昨年もこのセミの声が聞こえると数日後に原爆忌でした。いつもの便りです。

 『砂団子作りの名人』
◎干潟は生き物がいっぱいです。潮の引いた干潟には潮だまりがあちこちに出来、中にはハゼの稚魚やヤドカリ、クラゲ、小さな巻き貝など色々な生き物たちが見られました。時には小さいが毒針をもつアカエイなどもいました。

・潮だまりは少し低いところにあり、そうではないところは砂浜が広がっていました。リップルマークと呼ばれる波紋のできた砂浜のあちこちに小さな砂団子がいっぱいありました。団子の近くによって覗き込んでみると、砂団子の盛り上がっている脇に1センチ弱の穴がありました。

・それはコメツキガニという甲長1センチにも満たない砂ガニの巣穴でした。団子の中でも大きめのものは、巣穴にたまった砂をかき出して団子にしたもの。米粒よりもっとずっと小さな砂団子は餌として食べてまた吐き出した砂を団子にしたものです。

・干潟には川の上流から動植物の死骸やふんなど、たくさんの有機物が運ばれてきます。一方、潮の満ち引きによって海からも魚の死骸などの有機物が運ばれてきます。潮が引くたびに干潟の表面は空気にふれ、酸素が十分に行き渡ります。
よってケイソウなどがたくさん育ちます。カニやゴカイや貝たちの干潟の生き物は、これらを餌にします。これが干潟の海水を浄化することになるのです。

・干潟の小さな生き物達は、しっかりと仕事をしているのですね。ちなみに、三番瀬干潟は1日15万人分の水を浄化する力があるといいます。



 下の写真は、先日の三番瀬干潟体験で仲間のI氏が行ったコメツキガニの巣穴の石膏どりをした際の「石膏」です。
 (巣穴に石膏を流し込み、固まったものを掘り出した物。もちろん中にはカニはいません)
   

 靴下のような形の巣穴。上部の部分は、巣穴入り口付近を石膏で固めたものである。 深さ約11cm

コメツキガニ…スナガニ科の小さなカニ。甲長9ミリ。甲は前方に挟まった球状。はさみは左右同大。砂泥中の有機物を摂取し、吐き出した砂泥を小さな団子に丸めて、巣穴のまわりに並べる。北海道以南。

 2008
 8. 11

◎「射撃という戦争を連想させる競技でつながる私たちだけど、2人の友情には誰も立ち入れない」。
 そして、「戦争は、政治家が始めたのです」と抱き合った2人は、女子エアピストル銀メダルのロシアのパデリアと銅メダルのグルジアのサルクワゼです。
 オリンピック休戦が実現することを期待したいです。いつもの便りです。

 『飛べないカミキリ:コブヤハズカミキリ』

◎散策会の折、信号待ちの間に草遊びをすることがあります。マメ科のヤハズソウは、小葉の先を引っ張ると矢筈(やはず:弓矢の上端の所)形にちぎれる。これが結構面白いのです。でも、今回はこの植物の話ではありません。

・カミキリ虫にも、矢筈(やはず)の名前のついた種がいるのです。船橋のI氏から尾瀬で見ましたと写真添付のメールが入りました。写真には、ちょっと変わったカミキリ虫が写っていました。

・日本産のカミキリムシは700種近くいるそうです。その中で今回話題のコブヤハズカミキリは、採集家に特別な珍品というわけではないそうですが、その姿を見ることが難しいという。
それは、分布域が限られ、他のカミキリのように採集ポイントとなる特定植物の枝や葉、花の樹液、灯火などにも見られず、仕掛けにもかからず、おまけに翅が退化していて飛ぶこともないからです。ブナ林の落ち葉の覆う地面を単独で這っている。まさに偶然の出会いしか見られないという代物だからといいます。

・さっそく、添付された写真を開いてみましたら、虫名の由来になっている矢筈(やはず)形の腹部の先端が目立っていました。また、このカミキリは翅が退化し飛ぶことができないそうです。この「飛べないカミキリ」の映像になにか加速度的に発展してきた人間生活に「ノー」を突きつけている小さな戦士の姿を感じるのは私だけでしょうね。

・私も以前、一度だけ尾瀬沼山峠近くで見たのですが、よく覚えていません。改めて写真を見ると、小さくて地味で見方によっては愛らしいこの虫の姿に愛着を感じました。こんどまた見たい一種です。

コブヤハズカミキリ…カミキリムシ科全長16〜24ミリ。尾瀬などブナ林に生息する。前羽の上部に黒いこぶが二つある。これは、天敵に対する擬態と考えられる。また、前羽の先が矢筈(やはず)に似ていることが、名の由来という。この種は、後翅が退化しており飛ぶことができない。昆虫マニア人気の種。


   
   飛べないカミキリ、コブヤハズカミキリ
    撮影は船橋在住のI氏

   
写真でははっきりしない前羽の先が矢筈形になっているのがわかる

 2008
 8. 17

◎昨日までのうだるような暑さから一転し肌寒い雨の一日でした。今日は北東の風が吹き、東京湾最奥部に位置する浅海域の三番瀬は、今夜から明日にかけて大規模な青潮(海底に溜まっている貧酸素水が海面に上昇)発生の可能性大という情報が入ってきました。青潮被害が出ないことを願いたいものです。いつもの便りです。

 『自然の大地の力にゆだねる』
◎昨年から年2回、散策会の折に印西市内で自然農法を実践しているNさんの畑を訪ねています。
 先日、個人で暑い日差しをさけ、夕方にその畑にお伺いしました。
・作物の種子にこだわり、有機無農薬、除草も最低限、害虫対策植物を混植するなどのNさんの試みと苦労の話をお聞きした後、たわわに実るブルーベリーやブラックベリーを木から直接いただきました。
 完熟した甘酸っぱい濃厚な味が病みつきになってしまいそうでした。
・耕運機など一切使わず、鍬だけで耕している畑ですが、土に棒をさしてみるとずぶずぶと入っていきました。「ミミズ達が耕してくれるんです」とのことでした。
 野菜の本来持っている力、そして大地の力、土中の生き物たちの力、どれも驚くばかりです。

 最近の食に関する偽装事件がマンネリ化する中、マルチもビニルハウスも使わず種、露地、旬にこだわった作物の実験栽培をするNさんの考えに改めて共感しつつ畑をあとにしました。
・この自然農の畑には10/7の散策会の折に伺おうと思っております。


・自然農法を提唱した福岡正信氏が昨日16日に逝去されたと新聞に出ていました。米や野菜作りにおいていかに人の手を省き、自然の力にゆだねるかを追及し、自然農法を確立した福岡氏は、樹木や果樹の種を粘土に混ぜてつくる「粘土団子」を活用した砂漠緑化でフィリピンのマグサイサイ賞やインド最高栄誉賞を受けています。

・余談ですが、家の台所の隅に置いてあった段ボールの中のサツマイモから芽が出ていたので、プスチックパックに入れ水を入れておきましたら、どんどん伸び、1週間で1メートルを超えるつるが何本も出てきました。(写真下)
   

サツマイモ…ヒルガオ科の一年生作物、漢字では薩摩芋・甘藷と書く。中南米原産で、我が国には17世紀前半に九州に入ってきた。
青木昆陽が救荒作物として栽培を進め普及したのは有名。


 2008
 8. 25

◎口パクや、漢民族扮する56民族の行進は、国益のためという。大きなテロや衝突もなく北京五輪が終了したが、政治的経済的な意図が色濃くクーベルタン男爵の名言「オリンピックは参加することに意義がある」の精神は、すでに死語になった感じがしましたが、皆さんはいかがですか。

 『江戸期の宗教禁止令は、キリスト教だけではなかった!』
◎江戸幕府が、宗門改(しゅうもんあらため)を行ってキリスト教を禁止したことは誰でも知っていますね。しかし、キリスト教以外にも禁止された宗教があったことはあまり知られていません。
・その宗教とは日蓮宗の「不受不施派」といい、幕府によって禁止されたのでした。
 法華経のみが絶対とした日蓮の教えを、日蓮宗の中でもこの不受不施派の人々は、世俗の権力に屈せず、信仰の純粋性を優先する立場を貫きとおしたのでした。
・寛政7年(1630)には、不受不施派の池上本門寺と受不施派の身延山久遠寺が対立し身延派が勝利し、中山法華経寺や小湊誕生寺、平賀本土寺、多古中村檀林、八日市場飯高檀林などの僧は追放され、これらの寺院は穏健な身延派の寺となり現在に続いている。
・しかし禁止令により禁止されたはずの不受不施派は、隠れキリシタンならぬ隠れ日蓮として潜行したのでした。千葉県多古町S地区も潜行した僧と信者が隠れ暮らした場所の一つでした。


・車で隠れ里のS地区を走ってみましたが、道は迷路そのもので、古くて大きな民家がいくつもありました。これらの家にはまだ隠れ部屋や隠し階段があると聞く。

   

 多古町S地区にある不受不施派の本務所の寺院

不受不施派…日蓮宗の一派。1595年(文禄4)京都妙覚寺の日奥の創始。法華経以外には布施を受けず、施さぬ主義で、幕府に禁圧されたが、1876年(明治9)再興。
 2008
 9. 1

◎防災の日である9月1日は、全国各地で地震や津波を想定した訓練が行われたとTVのニュースでやっていました。
印西市は8月31日に市内のU小学校を会場にして総合防災訓練が実施されました。私は市の広報レポーターとして参加してきました。
 訓練開始の防災無線を合図に災害時要援護者避難支援に出かける民生委員に同行しました。現地で中学生も6人加わり、リヤカーにお年寄りを乗せ避難場所の小学校まで行きました。終了後、中学生に感想を聞くと「とても気をつかって大変だったけど、やってよかった」と話していました。
 その後、会場では諸々の防災訓練や体験が行われていました。訓練全体を通して感じたことは「日頃からの防災への心構えが一番」と思いました。
 いつもの便りです。

 『彼岸花にしては、???』
◎先週船橋のアンデルセン公園に行った時、園内で早くもヒガンバナが咲いていました。全体に小ぶりで茎に付く花数も少ないので、おそらくヒガンバナ科のコヒガンバナと思われます。
・普通に見られるヒガンバナは三倍体のため種はできませんが、コヒガンバナは2倍体のため種ができます。咲いた後の種の有無で見分けられます。

・今年のヒガンバナ(曼珠沙華)の花期ももうそろそろですね。なお、たまに白花のヒガンバナがありますが、ヒガンバナとショウキランの自然交配からできた雑種がもとだそうです。


   
   公園で見た小ぶりのヒガンバナ(‥と思われる)

・9月23日の散策会では、真っ赤なヒガンバナが道端に咲いていると思います。

ヒガンバナ(曼珠沙華)…ヒガンバナ科の多年草。
 名は彼岸に咲く花の意味。曼珠沙華は梵語で赤い花の意味。 地下のりん茎という球根で増える。
  墓地などに多く植えられていて墓花や死人花などのひどい名前が多く有毒。救荒作物として用いられたという話もある。

 2008
 9. 7

◎角界が慌ただしいですね。といっても取り組みの内容ではなく、またもや「土俵の外」の話題です。大麻事件が、広がらないことを願うのみです。
 ところで、久しくこの便りで話題に出ていませんが、あの大相撲の「里山(尾上部屋・奄美市出身)」は、先場所幕下優勝をしました。でもまだ十両には届きません。里山歩きの私としては、やはり「里山」を応援します。里山がんばれ!いつもの便りです。

 『またしてもキノコ中毒 朝日新聞のニュース』
◎千葉市で道路脇に生えていたキノコを食べて食中毒と新聞に出ていました。オオシロカラカサタケという公園や校庭に普通に生える種類だそうです。

・そういえば最近、歩いているとあちこちにキノコが生えているのが目に入ります。自宅前の公園の中の歩道を歩いていましたら、数種のキノコが見つかりました。
 白いテングタケ科のキノコ、これは危なそうです。ほかにも傘の直径が15センチもあるヤマドリタケの1種と思われるキノコもありました。
・ふと雑草の間にゆらゆらと白いもやしのようなものが数本立っていました。近づいてみると、なんとこれもキノコでした。シロソウメンタケという名のキノコです。図鑑によると「食」となっていましたが見ていても食欲はわきません。(写真右)


・先日「雑草食の通」を自称しているタレントの岡本信人が、TVで「分からないものは食べない。食べてはいけない」と言っていました。まさにそのとおり、確実に知っているもの以外には絶対に手を出さないように気をつけましょう。特に白いキノコには気をつけましょう。

   

シロソウメンタケ…シロソウメンタケ科のキノコ。全体が白く、古くなると黄色味を帯びる。高さ3〜12センチ。肉は白くもろい。広葉樹林に発生。食。世界中に分布。
 2008
 9. 15

◎今日9月15日は敬老の日です。ところで、この日が「老人の日」であることを知っている人は少ないのではありませんか。
2003年の祝日法の改正で、敬老の日は9月15日から9月の第3月曜日となったのです。そこで、従前の9月15日を記念日として残したのが、この「老人の日」ということです。今日は偶然この両方の日が重なったのです。
 ところで”老人”って何歳からでしょう。先日映画館では、シニア料金60歳からと表示してありました。60歳からかなあ?そこで調べてみましたら、老人福祉法に65歳以上と出ていました。では、電車のシルバー席には何歳から座っていいのでしょう。分からなくなってしまいました。でも分かっているのは暦年齢より実年齢が大事ということです。いつもの便りです。

 『【もどき】って…』
◎「がんもどき」入りのおでんがそろそろ恋しい時節となりました。さて、このがんもどきですが、漢字では「雁擬き」と書きます。意味も本来は雁(渡り鳥)の肉の味に似たものとなっています。油揚げの一種ですが、もとは肉の代わりだったのでしょうか。
 ・ところでこの「もどき(擬き)」ですが、いろいろな名前に使われています。たとえば、キクイモモドキやチチコグサモドキは野草名。チチブモドキは魚類名。動物名にもトカゲモドキなんてのがいます。  でも一番多いのが、昆虫名のようです。キマダラモドキはタテハチョウ科、アゲハモドキは、蛾類。ほかにもキカマキリモドキ、クルマバッタモドキ、ショウリョウバッタモドキ、モモブトカミキリモドキと多々あります。


・これって、どちらが先に名がついたというだけで「もどき」になってしまうのでしょうね。
 もどきの名前の諸君、反発しましょう。
 ※下の写真は「ショウリョウバッタモドキ」です。
   
   撮影 : 印西市小倉

ショウリョウバッタモドキ…バッタ科、ショウリョウバッタによく似た細長い体形であるが、背面はほとんど直線状である。
 池の土手や湿地の周辺などの湿った草原にすむ。
 ♂27〜35ミリ、♀45〜57ミリ。
 2008
 9. 21

◎「やまおやじ」とは、薪炭に利用するため切り続け、大きく膨らみ洞ができた独特の格好の切り株を写真家今森光彦が名付けたものです。
 楢や椎などを根元を残し伐採することで、何度でも再生し活用できるのです。やまおやじと呼ばれている切り株などは何百年も切られながら復活しているたくましい樹木です。
 印西にも、雑木林には薪炭に活用し、株立ちになったコナラやシラカシが見られます。ただ、今はすでに活用されずに伸び放題です。化石燃料に頼らず、薪炭の利用を真剣に検討する時代が来ているようです。いつもの便りです。

 『そぶとは、木曽の方言でそばかすをいう』
◎印西の谷津田を先日散策していましたら、斜面林から小道に覆いかぶさっている樹木に”つる”性の植物が絡まっていました。
・見るとヘクソカズラのツルに混じって、違う種類のつるが見られました。そのつるには、直径3〜4センチの釣り鐘状の花が下向きに咲いていました。花にはアシナガバチも吸蜜にやって来ていました。

・キキョウ科のツルニンジンです。根が朝鮮人参に似ているので名がついたといいます。別名はジイソブ(爺蕎)と呼び、これに似た植物のバアソブ(婆蕎)に対応しています。そぶとは、木曽地方で”そばかす”という意味だそうです。花の内側に紫褐色の斑点があることからそぶとなったのでしょうか。
・根にはサポニンが含まれていますが、天ぷらにして食べられるといいます。。


 しかし、めったに見られない希少種ですので食べるのはもったいないですね。なお、根は漢方薬として利用されます。茎を折ると白い汁が出ます。この汁は傷に効くそうです

   
 「ツルニンジン」
 ※別名のジイソブの名は、これによく似たバアソブに対応した名です。

ツルニンジン(ジイソブ)…キキョウ科ツルニンジン属のつる性多年草。林のふちなどに生え、根が朝鮮人参のように太くなることからこの名がついた。
 8〜10月に直径3、4センチの釣り鐘型の花が咲く。

 2008
 9. 29

◎朝バナナというダイエットがあるそうですね。そういえば、TVで歌手森久美子がやっていました。先日スーパーに行った時、いつものバナナ売り場が空っぽでした。これって、TV放映の効果なんでしょうか。

『憤怒の形相で仏法の敵対者を睨みつけ…』
◎像高47センチの小像ではありますが、洗練された仏師の技が伝わってくる感じがしました。印西結縁寺に伝わる「国の重要文化財銅造不動明王立像」を見た方はたくさんおられると思います。年に1度の御開帳のほかに散策会の度に特別見せていただいている像です。

・今日9月29日、門外不出であったこのお不動様が、展示のため梱包搬出されるという。檀家代表の方から特別にお誘いがあり、友人と一緒にカメラを提げて行ってきました。(来ていたのは、住職と檀家代表の方、それと学芸員に運送業者と私達だけでした)
・移動に伴い住職(松虫寺住職兼務)の読経のあと、学芸員の立会いのもとに専門業者により細心の注意を払い梱包され、お寺を離れていきました。 

・その一部始終を見させていただきました。明るく手の届く程(でも手を触れることは許されておりません)の所に安置された像は、表面が滑らかで重厚に輝いておりました。憤怒の表情ではありますが、見ようによっては愛らしくも見えました。それから普段絶対に見られない後姿が見られました。



     

 やわらかなカーブをもつその背中は、僅かですが緩やかな湾曲を描き艶っぽくもあり、まさに芸術そのものでした。

・この不動明王立像は、下記の日程で展示されます。展示会終了後直ちにこのお寺に戻ってきます。

◆仏像・仏画展のお知らせ…千葉県の指定文化財展 「房総の仏像・仏画」 9月20日から10月19日 千葉県立中央博物館 この不動明王立像が、展示会の目玉になっております。

 2008
 10.  5

◎私の子供時代には、貸本屋があり繁盛していたと記憶しています。私もクラスメイトが貸本屋の息子だったことから、チャンバラの漫画本を借りに出かけたものでした。本が貴重だったのですね。
 今本屋の書棚には書物が溢れ、廃棄処分される数も相当な割合になるといいます。
 もっとも、この頃閉店している書店が目立ちますが、PCや携帯世代の本離れが増えているのでしょうか。 いつもの便りです。

 『渡りをする蝶』
◎印西で1年ぶりに見たのが、「渡りをする蝶」として知られるアサギマダラでした。ゆったりとほとんど羽ばたかず、鱗粉が退化した半透明の水色の羽を青空に透かしながら飛ぶ姿は気高さをも感じます。
 和名アサギマダラは、浅黄(あさぎ)色のマダラチョウの意で、その羽の美しい色に由来するといいます。
 斜面林に生えていたタイアザミの花に止まり、近づいても動かない姿はまるで蝶の貴婦人のようでした。

・1年のうち、日本と南西諸島や台湾の間を往復するといいます。
 ただし、北上する個体と南下する個体は子孫の関係で同じ個体が移動する渡り鳥とは異なるそうです。
 直線距離で1500キロ、1日当たり200キロ以上の移動の個体もあるそうです。


・久しぶりに出会ったこの蝶をゆっくりと観察し、心が豊かになった気がしました。こんな時には何かいいことがあるかもしれませんね。
そのせいでしょうか、帰り道に10円玉を一つ拾いました。
※この時の蝶の写真を下に貼り付けます。

   
   アサギマダラ


アサギマダラ…タテハチョウ科の43ミリから65ミリにもなる大形の蝶。
 4〜5月ごろに最初の羽化。その後1〜2回発生を繰り返しながら、長距離移動をする。食草はガガイモ科のキジョランやイケマでアルカロイドを取り込み毒蝶である。

 2008
 10. 13

◎10月10日体育の日と頭にインプットされているせいか、今日10/13の体育の日はピンときません。いつもの便りです。

 『えっ?ドングリって食べられるの』
◎昨日と今日10月13日体育の日の2日間、印西市にある県立花の丘公園でドングリワークショップをやりました。・ワークショップは、ドングリを使った工作(ドングリ笛作りとドングリコマ作り)とドングリクッキー作りでした。
・参加したのは、ほとんどが親子連れで、子どもと一緒に熱心にクッキー作りをしているお父さんやお母さん、お孫さんの笛作りをホローするおじいちゃんの姿など微笑ましい様子がたくさん見られました。
子供に手を引っ張られるようにやってくるお父さんやお母さんのうち、半分以上の人が「えー、ドングリ食べられるの―」とびっくりしていました。自分たちの手で殻を割り、粉にひき、こねて焼きあがった出来立てのクッキーを食べて「おいしい」、「香ばしいね」と感激してい
る姿がそこかしこに見られました。

・「縄文体験をしませんか」のテーマで行ったドングリクッキー作りでしたが、大勢のスタッフの方々の協力で大成功でした。また、どんぐり工作の方も大盛況でした。はっきり人数は数えていませんが、2日間で80組およそ240人位の方が参加してくれました。焼きたてで熱々の小さなクッキーを手に持った子供たちが「ありがとう」と私たちに声をかけてくれました。疲れたけれど、いい一日でした。

どんぐりクッキー…どんぐり(団栗)とは、カシやクヌギ・ナラなどの果実の俗称。椀状の殻斗(かくと)があり、果実の下半を包む。今回は、アクの少ないマテバシイを使いクッキーを作った。他のカシやナラのドングリはあく抜きが必要のため使用はしなかった。
 縄文時代の遺跡(最初の発見は、長野県曽利遺跡の住居内の炉の灰中・縄文中期)から土器に付着したドングリ粉のクッキー状のものが炭化して見つかっている。



  ワークショップ会場の模様
   

   


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